生理中に突然強い吐き気を感じると、「今までこんなことなかったのに」「何か大きな病気ではないか」と不安になる方が多いです。とくに、今回が初めての吐き気であれば、夜間や一人のときなど、心細さも強くなりやすい状況です。
生理前後の吐き気は、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れなどが重なって起こる、比較的よくみられる症状です。一方で、症状の強さや一緒に出ているサインによっては、婦人科受診や、まれに救急受診が必要になることもあります。
本記事では、「生理中の吐き気が初めて出て不安」「知恵袋を見ても情報がバラバラで余計に心配」という方に向けて、原因・対処法・受診の目安をできるだけ分かりやすく整理いたします。
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生理前後の吐き気は、ホルモン変動・プロスタグランジン・自律神経の乱れ・貧血などが重なって起こる、比較的よくある症状です。
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一方で、「立てないほどの激痛」「高熱」「意識がもうろうとしている」「妊娠の可能性+強い腹痛・出血」などがある場合は、救急受診を含めた早めの対応が必要です。
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毎月吐き気や痛みで寝込んでしまう・年々悪化しているといった場合は、PMSや月経困難症・子宮内膜症などの可能性もあり、婦人科での相談が推奨されます。
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自宅でできるセルフケア(安静・保温・食事や水分の工夫・ストレッチなど)はあくまで一時的な対処であり、「薬でごまかし続ける」状態が続く場合は医療機関に頼ることも大切です。
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「初めての吐き気」で不安が強いときこそ、一人で抱え込まず、家族・友人・学校・職場、そして医療機関に相談していただくことをおすすめいたします。
本記事の内容はあくまで一般的な情報であり、個々の症状に対する診断ではありません。「自分の症状はどこに当てはまるのか分からない」「うまく説明できない」という場合でも、そのままの言葉で構いませんので、医師や看護師に不安を伝えていただければ問題ありません。
「生理中の吐き気」はどういうときに起こりやすい?
生理に伴う吐き気は、次のようなタイミングで出ることが多いとされています。
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生理が始まる数日前(PMSの一部として)
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生理開始〜1〜2日目の痛みが強い時期
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強い生理痛・頭痛・下痢などが同時に出ているとき
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寝不足・ストレス・冷えが重なっているとき
腹痛や腰痛に加えて、頭痛・めまい・下痢・全身のだるさなどがセットで出るケースも多く、「身体全体が重い」「何もしたくない」という状態になりがちです。
初めて吐き気が出たときに多い不安と勘違い
初めて生理中に吐き気を感じた方からは、次のような不安の声がよく聞かれます。
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「今まで大丈夫だったのに、今回だけひどいのはなぜ?」
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「救急に行くレベルなのか、我慢してよいのか分からない」
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「妊娠初期のつわりかもしれない?」
ネットや知恵袋には多くの体験談やアドバイスがありますが、中には医学的な根拠がはっきりしない内容や、薬の飲みすぎをすすめるような危険な情報も混ざっています。
本記事では、知恵袋的なQ&Aの視点も意識しながら、「どこからが要注意か」「自分でできることと医療機関に任せるべきこと」を整理してお伝えいたします。
生理中の吐き気の主な原因
生理中の吐き気の原因は一つとは限らず、いくつかの要因が重なっていることが多いです。代表的なものを順に確認していきます。
ホルモンバランスとプロスタグランジンの影響
生理中は、子宮内膜をはがして体外へ出すために「プロスタグランジン」という物質が増えます。これは子宮を強く収縮させる働きがあり、生理痛の原因の一つです。
このプロスタグランジンは、子宮だけでなく胃腸も刺激するため、
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胃のむかつき
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下痢
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お腹の張り
などの症状を引き起こすことがあります。
また、生理前後は女性ホルモンの分泌が大きく変化する時期であり、その変化が自律神経にも影響し、吐き気やめまい、頭痛などが起こりやすくなります。
自律神経の乱れ・ストレス・睡眠不足
生理前後は、ホルモンバランスの変化により、もともと自律神経が乱れやすいタイミングです。この状態に、
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学校・仕事・試験・人間関係などのストレス
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慢性的な寝不足
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夜ふかし・生活リズムの乱れ
が重なると、吐き気や頭痛が強く出やすくなります。
「なぜか生理の時期だけ匂いや光・音に敏感になる」「何となくそわそわして落ち着かない」といった感覚も、自律神経の乱れによるものと考えられます。
貧血や低血糖、食生活の乱れによる吐き気
生理による出血が多い方や、もともと鉄分不足傾向のある方では、貧血に近い状態になり、
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立ちくらみ
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冷や汗
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息切れ
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吐き気
などを感じることがあります。
また、生理前後は「甘いものが欲しくなる」「食欲が急に増えたり減ったりする」時期でもあります。食事を抜いたり、甘いものや脂っこいものを一度にたくさん摂ったりすると、血糖値が急に上下し、それが気持ち悪さにつながることもあります。
PMS・PMDD・月経困難症などの病気が隠れている場合
生理前〜生理中の心身の不調が毎月強く出る場合は、
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PMS(月経前症候群)
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PMDD(月経前不快気分障害)
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月経困難症(生理痛が非常に強く、日常生活に支障が出る状態)
といった状態が背景にあることがあります。これらでは、吐き気・頭痛・腰痛・むくみ・気分の落ち込み・イライラなど、複数の症状がセットで出ることが多いです。
「毎月、生理のたびに寝込んでしまう」「痛み止めを飲んでも学校や仕事に行けない」という場合は、我慢するのではなく、婦人科で相談することが推奨されます。
妊娠初期のつわりとの違いをチェック
「生理中なのに吐き気がある=妊娠では?」と不安になる方も少なくありません。実際には、症状だけで「絶対に妊娠ではない」と言い切ることはできないため、可能性がある場合は慎重な判断が必要です。
生理中・生理前の吐き気と妊娠初期の吐き気の違い
一般的には、次のような違いがあると説明されることが多いです。
| 比較項目 | 生理前〜生理中の吐き気 | 妊娠初期のつわり(一般的な傾向) |
|---|---|---|
| 出やすい時期 | 生理予定日の数日前〜生理開始数日目 | 生理予定日を過ぎてから数週後以降 |
| 続く期間 | 数時間〜数日でおさまることが多い | 数週間〜数か月続くこともある |
| 主なきっかけ | 生理痛・頭痛・疲れ・ストレスなどとセット | 匂いや特定の食べ物で気分が悪くなることが多い |
| 妊娠反応 | 妊娠していなければ検査薬は陰性 | 時期が合えば検査薬で陽性になる |
あくまで一般的な傾向であり、これだけで妊娠の有無を判断することはできませんが、「生理予定日からどのくらい経っているか」は一つの目安になります。
「妊娠の可能性がゼロではない」場合の行動の目安
避妊の有無や性行為のタイミングによっては、妊娠の可能性を完全に否定できないケースもあります。その場合には、
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最後の性行為の日と、生理予定日からの経過日数を確認する
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市販の妊娠検査薬を、説明書に記載された適切な時期に使用する
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不安が続く場合は、婦人科や産婦人科で相談する
といった対応が勧められます。
妊娠の可能性を否定できない状態で、市販薬を自己判断で多量に服用するのは避けてください。薬の種類によっては妊娠中の使用に注意が必要なものもあるため、薬剤師や医師に相談することが大切です。
生理中の吐き気、様子を見てよいケース/受診すべきケース
ここでは、「どの程度なら自宅で様子を見てもよさそうか」「どんなときに受診が必要か」の目安を整理します。
自宅で様子を見てもよいと考えられる目安
以下のような場合は、まずは自宅で休みながら様子をみてもよいと考えられます(ただし、不安が強い場合は受診をためらう必要はありません)。
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横になって休むと少しラクになる
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水分や軽い食事がなんとか取れている
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鎮痛薬を飲めば、生理痛や頭痛がある程度おさまる
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吐いても1〜2回で止まっている
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高熱(38度以上)がない
これらに当てはまる場合でも、症状が毎月続く・徐々に悪化しているようなら、後述のとおり婦人科に相談することをおすすめいたします。
早めに婦人科を受診したいサイン
次のような場合は、「命にかかわるほどの緊急事態」ではなくても、早めに婦人科を受診して原因を確認した方がよい目安です。
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生理のたびに、吐き気・嘔吐・強い痛みで寝込んでしまう
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年々、生理痛や吐き気が悪化している
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市販の鎮痛薬が効かない、量を増やさないと効かなくなっている
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出血量が極端に多い、夜用ナプキンを短時間で何度も替える
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経血に大きな血の塊が増えてきた
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性行為のときに強い痛みがある
子宮内膜症や子宮筋腫などが背景にある場合、適切な治療により症状が軽くなることがあります。「生理だから仕方ない」と我慢し続ける必要はありません。
すぐに救急受診を検討すべき危険サイン
以下のような症状がある場合は、救急外来や救急相談窓口の利用を検討してください。
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突然の激しい下腹部痛で立っていられない
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冷や汗・顔面蒼白・息苦しさ・意識がもうろうとする
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38度以上の高熱や悪寒がある
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吐き気に加えて何度も激しく嘔吐してしまう
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妊娠の可能性があり、強い腹痛と出血を伴う
これらは、子宮外妊娠や急性腹症など、緊急性の高い状態と関連していることもあります。迷ったときは、地域の救急相談窓口(#7119など)が利用できる地域もありますので、活用を検討してください。
今すぐできる吐き気対策・ラクになるためのセルフケア
ここからは、自宅などでできる具体的なセルフケアをご紹介いたします。ただし、あくまで一時的な対処法であり、「なんとなくごまかせてしまうから受診しない」という方向にならないよう注意が必要です。
体勢・環境を整える(安静・姿勢・冷え対策)
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無理に座ったままや立ち続けるのではなく、横向きになって楽な姿勢をとる
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締め付けの強い下着や服は避け、ウエスト周りをゆるめる
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おなか・腰・足元をカイロや湯たんぽ、ブランケットなどで温める
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部屋の明るさを少し落とし、スマホ画面を長時間見続けない
体が冷えると血流が悪くなり、痛みや吐き気が強くなりやすいとされています。できる範囲で「温かくて静かな環境」を整えることが大切です。
食べ物・飲み物の工夫(少量ずつ・温かい飲み物など)
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無理に普通量の食事をとらず、消化に良いものを少量ずつ
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おかゆ、うどん、スープ、ヨーグルトなど
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冷たい飲み物より、常温〜温かい飲み物を中心にする
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白湯、ハーブティー、カフェインの少ない飲み物など
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吐き気が強いときは、一度にたくさん飲まず、「一口ずつ」こまめに水分補給する
食事をまったく取らない状態が長く続くと、低血糖になって余計に気持ち悪くなることもあります。可能な範囲で、少しずつエネルギーを補給してあげることが重要です。
ストレッチ・ツボ・リラックス法で自律神経を整える
軽いストレッチや深呼吸は、自律神経を落ち着かせるのに役立つ場合があります。
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痛みが強くない範囲で、首・肩・腰をゆっくり回すストレッチ
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ゆっくり4秒吸って、6秒かけて吐く深呼吸
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好きな音楽を小さめの音量でかける、アロマを使うなどのリラックス法
ただし、「痛みが強いとき」「動くと余計気持ち悪いとき」は、無理に行わず安静を優先してください。
市販薬・医療機関での治療の選択肢
吐き気や生理痛を和らげるために、市販薬を利用している方も多いと思います。ここでは、その注意点と、医療機関での治療について整理します。
市販の鎮痛薬や吐き気止めを使うときの注意点
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必ず用法・用量を守る(「効かないから」と自己判断で増やさない)
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同じ成分を含む薬を重ねて飲まない(例:解熱鎮痛薬を複数製品で併用しない)
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持病がある方、妊娠の可能性がある方は、必ず医師・薬剤師に相談する
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吐き気がひどくて飲んでもすぐ吐いてしまう場合は、無理に飲み続けず受診を検討する
市販薬でその場をしのぐことはできますが、「毎回たくさん薬を飲まないと生活できない」という状態は、根本的な治療が必要なサインでもあります。
婦人科で相談できる治療(低用量ピル・漢方など)
婦人科では、症状やライフスタイルに応じて、次のような治療が検討されることがあります。
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低用量ピルや黄体ホルモン製剤
→ 排卵やホルモン変動をコントロールし、生理痛や出血量・PMS症状を軽くする目的で用いられることがあります。 -
鎮痛薬・漢方薬の処方
→ 痛みや吐き気、冷えなどの症状に合わせた薬が選ばれます。 -
基礎疾患(子宮内膜症など)が疑われる場合の検査
→ 超音波検査などで子宮や卵巣の状態を確認します。
治療内容は人それぞれ異なり、「必ずこの治療になる」と決まっているわけではありません。不安や希望を正直に伝え、医師と一緒に方針を考えていくことが大切です。
学校・仕事・家族への伝え方と、相談できる窓口
無理をしすぎないための「休む判断」のポイント
次のような場合は、「根性で乗り切る」よりも、休むことを前向きに検討した方がよいでしょう。
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吐き気と痛みで授業や仕事に集中できない
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立っているのもつらく、ふらつきがある
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薬を飲んでもほとんど症状が変わらない
生理の症状は周囲から見えにくいため、つい我慢してしまいがちです。しかし、「しんどさを言葉にして伝える」ことも、体調管理の一部と考えていただいて問題ありません。
生理の症状を周囲にどう伝えるかの例文
学校や職場、家族に伝える際、すべてを詳しく話す必要はありません。例えば、次のようなシンプルな伝え方も有効です。
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先生・上司宛て
「生理による体調不良で、吐き気と腹痛が強く、今日は長時間の外出や立ち仕事が難しい状態です。本日は早退(または在宅勤務)をさせていただけると助かります。」 -
家族宛て
「生理の影響で気持ち悪さが強いので、少し横になりたいです。申し訳ないのですが、今日の家事を少し手伝ってもらえますか。」
プライバシーが気になる場合は、「体調不良で」とぼかしても構いません。ただし、自分がどのくらいしんどいのかを一言だけ添えると、理解が得られやすくなります。
【Q&A】知恵袋でよくある質問と、その考え方
「吐き気で立てないけど、我慢して学校・仕事に行くべき?」
無理をして登校・出勤し、途中で倒れてしまうと、結果として周囲にも心配と負担をかけることになります。
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立っていられないほどつらい
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通学・通勤の途中で具合が悪くなりそう
このような状態であれば、我慢して行くよりも、休む・オンライン連絡で事情を伝えるなど、体調を優先することをおすすめいたします。
「市販薬をたくさん飲めば乗り切れますか?」
市販の鎮痛薬や吐き気止めは、用法・用量を守れば症状を和らげる助けになりますが、「たくさん飲めば効く」というものではありません。むしろ、
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胃腸への負担
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肝臓・腎臓への負担
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思わぬ副作用
を招く可能性があります。
「薬を増やせばなんとかなる」と考えるのではなく、「なぜそこまで症状が重くなっているのか」を確認するために、早めに婦人科や内科で相談する方が安心です。
「毎回吐き気が出るようになったら病気ですか?」
必ずしも重大な病気とは限りませんが、
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毎周期、吐き気が強く出るようになってきた
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以前よりも明らかに症状が重くなっている
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痛み止めなしで過ごせない状態が続いている
といった場合には、PMS・月経困難症・子宮内膜症などが関係している可能性もあります。
自己判断では区別がつきませんので、「異常かどうかを確かめるため」にも、婦人科で相談してみてください。