旅行の寄り道、営業の訪問先、買い出しの立ち寄りなど、複数の場所を回る日は「次の目的地を毎回検索し直す」だけで意外と時間を取られます。しかも、いざ経由地を入れようとすると「経由地を追加が見つからない」「押せない」「急に出なくなった」と迷いやすいのがGoogleマップの難しいところです。端末がiPhoneなのかAndroidなのか、PCで作るのか、移動手段が車か電車かによって画面や仕様が変わり、原因が分からないまま当日を迎えてしまうこともあります。
本記事では、Googleマップで経由地を追加する方法をiPhone・Android・PC別に、同じ流れで分かりやすく整理します。さらに、経由地が追加できないときにまず確認すべきポイント(移動手段の設定、上限、画面段階、アプリの一時不調)を切り分けられるように解説し、順番の入れ替えや共有・保存まで含めて「当日迷わない状態」に仕上げます。出発前の数分で、移動のストレスを大きく減らしたい方は、ぜひこのまま読み進めてください。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
Googleマップで経由地追加が役立つ場面
旅行・営業・配送での典型パターン
Googleマップの「経由地追加」は、複数の立ち寄り先がある移動を一つのルートとしてまとめ、迷いと手間を減らすための機能です。単に「目的地まで案内してくれる地図」から一歩進んで、「その日の行程全体を管理するナビ」に近づけられる点が価値になります。
たとえば旅行では、宿から観光地へ向かうだけでなく、途中でランチに寄り、さらに景色の良いスポットを経由して次の目的地へ向かう、といった動きが普通に発生します。経由地を設定していないと、到着するたびに次の目的地を検索し直す必要があり、検索の手間だけでなく、候補を間違えて別の店舗へ案内される、ナビ開始のタイミングが遅れて出発が数分ずれる、といった小さなロスが積み重なります。経由地を入れておけば、到着後に「次へ」をタップする感覚で移動を続けられるため、現地での判断負荷が減ります。
営業や訪問業務の場合、経由地追加の効果はさらに大きくなります。訪問先が3件、5件と増えるほど、順番をどう組むかが成果に直結しやすく、移動時間が短縮できればその分、提案準備や商談の振り返りに時間を回せます。Googleマップは訪問順を自動で最適化してくれる専用ツールではありませんが、経由地を並び替えながら所要時間を比較するだけでも、無駄な往復を避けやすくなります。とくに「午前中はこのエリア」「午後は別エリア」というようにブロックで考え、ブロック単位で経由地をまとめると、当日の渋滞や予定変更にも対応しやすくなります。
配送・買い出しのような「立ち寄りが多い移動」でも同様です。たとえば、資材を複数店舗で調達する、同僚へ荷物を届ける、子どもの習い事の送迎の途中でスーパーに寄る、といった生活の中の移動は、単発の目的地検索の繰り返しになりがちです。経由地追加で一つのルートにしておくと、運転中に余計な操作をしなくて済み、安全面でもメリットがあります。運転中のスマホ操作は非常に危険で、短い操作でも事故につながる可能性がありますので、「出発前にまとめて設定しておく」こと自体がリスク低減になります。
また、経由地追加が役立つのは「同行者がいる」ケースです。家族旅行やグループでの移動、チームでの現場対応などでは、全員が同じルートを共有できると迷子や待ち合わせミスが減ります。紙のしおりを作るほどでもないが、口頭で説明すると確実に伝わらない、という状況で、ルート共有は実務的な効き方をします。
経由地追加でできることと、できないこと
経由地追加でできることを整理すると、主に次の4つに分かれます。
1つ目は、出発地から最終目的地までの途中に、複数の立ち寄り地点を入れられることです。地図上では「A→B→C→D」というように連続した行程として扱われ、各区間の所要時間や距離をまとめて把握できます。
2つ目は、経由地の順番を入れ替えられることです。立ち寄り先が増えるほど「どの順番が効率的か」を考える必要が出ます。Googleマップは訪問先の住所や名称が分かっていれば、追加した経由地をドラッグして並び替えるだけで、所要時間の変化を見ながら調整できます。
3つ目は、経由地の削除や差し替えができることです。天候や混雑、予定変更などで立ち寄り先を減らしたい場合、経由地を削除するだけでルートを更新できます。「一度作ったら固定」ではなく、その場で編集しやすいのが利点です。
4つ目は、作ったルートを共有できることです。共有リンクを送ることで、同行者が同じルートを開けます。これにより「次はここに行く」「集合はここ」といった説明が簡単になります。
一方で、できないこと、苦手なこともあります。ここを理解しておかないと「壊れているのでは」と不安になったり、無理な運用で詰まったりします。
まず、移動手段によっては複数目的地が扱えない(または制限される)ことがあります。車・徒歩・自転車などのルートは経由地を組みやすい一方で、公共交通機関(電車・バス)や飛行機のルートは複数目的地の編集ができない場面が出やすく、ここで「経由地を追加が出ない」という現象につながります。
次に、経由地数には上限があります。立ち寄り先が多すぎると、追加ボタンが出なくなる、あるいは追加できても確定できない、という状況になります。上限を超える運用が必要な場合は、ルートを分割する発想が必要です。
さらに、「自動で最適順に並べ替える」ことは、専用の最適化ツールほどは期待できません。Googleマップはルート候補を提示し、所要時間も比較できますが、時間指定のある予定、駐車場事情、荷物の積み下ろしのしやすさ、右折のしにくさなど、現場要因までは加味しきれないため、最終的には人が意図をもって順番を決める必要があります。
これらを踏まえると、経由地追加は「複数地点を回る移動を、迷わず安全に進めるための下準備」と捉えるのが適切です。完璧な自動最適化ではなく、当日困らない形に整えるための機能として使うと、満足度が上がります。
Googleマップの経由地追加は何個まで可能か
上限は最終目的地を含めて9か所
経由地追加でつまずきやすいのが「何個まで追加できるのか」という仕様です。立ち寄り先が多い人ほど、上限に引っかかった瞬間に「ボタンが消えた」「追加できない」「不具合だ」と感じてしまいます。しかし、この現象はアプリの故障ではなく、仕様に沿った動きであることが大半です。
一般に、Googleマップの複数目的地(経由地)の上限は「最終目的地を含めて9か所」として扱うのが安全です。つまり、目的地リストとして最大9地点までで、出発地は別枠として考える運用が分かりやすいでしょう。たとえば「出発地+立ち寄り7件+最終目的地1件」のような形です。
上限に近づくと、次のような症状が出やすくなります。
経由地を追加するための欄やボタンが表示されなくなる
入力欄があっても追加した地点が確定しない
ルートが不自然に迂回する候補しか出なくなる
端末が重く感じ、編集に時間がかかる
こうした状況では、無理に一つのルートに詰め込むよりも、あらかじめ分割して設計し直すほうが、当日スムーズです。上限の存在を知っているだけで、計画段階から余裕をもった組み立てができます。
上限を超えるときの現実的な分割術
立ち寄り先が10件以上ある場合、分割は必須です。ただし、やみくもに分割すると、当日に「どこまで進んだか」「次に何を開けばいいか」が分からなくなり、逆に混乱します。分割のコツは「当日の意思決定が楽になる単位」を作ることです。
代表的な分割方法は3つあります。
1つ目は、時間帯で分ける方法です。午前・午後、あるいは「昼食前」「昼食後」といった分け方にすると、当日の進捗管理が簡単になります。午前ルートが終わったら午後ルートに切り替える、という明確な切り替え点があるためです。営業であれば「午前の訪問先4件」「午後の訪問先4件」のように分けると、訪問時間の遅れが出たときも、午後のルートを組み替えやすくなります。
2つ目は、エリアで分ける方法です。都市部と郊外、駅周辺と住宅街、東側と西側など、地理的なまとまりで区切ります。地図を見たときに、まとまりが視覚的に分かるため、順番の調整もしやすいのが利点です。旅行であれば「午前は旧市街エリア」「午後は海沿いエリア」のように分けると、移動が単純になります。
3つ目は、基点に戻る単位で分ける方法です。ホテル、駐車場、倉庫、会社など、必ず戻る場所がある場合に有効です。「基点→立ち寄り→基点」を一つのルートとして作ると、荷物の積み下ろしや休憩を組み込みやすく、運用上の安定感が増します。
分割時にやっておくと便利なのが、ルート名を分かりやすくしておくことです。たとえばメモに「12/28 ルートA 午前」「12/28 ルートB 午後」と書いておく、カレンダー予定に「午前訪問ルートURL」を貼るなど、切り替えが一瞬でできる形にします。分割は手間に見えますが、当日の迷いが減るなら投資価値があります。
また、分割すると「途中で寄り道を追加したくなる」こともあります。その場合に備えて、余白を1〜2枠残しておくのもコツです。経由地を上限ギリギリまで詰めると、当日の変更に弱くなります。候補スポットは別メモに控え、状況に応じて追加する運用が柔軟です。
iPhoneでGoogleマップに経由地を追加する手順
ルート作成から経由地追加まで
iPhoneで経由地を追加する際に重要なのは、「経路を作成してから編集に入る」という順序です。目的地検索の画面から直接経由地を増やそうとしても、メニューが見つからず迷いやすいです。基本の流れを一度固定しておくと、UIが多少変わっても対応できます。
手順は次のイメージです。
Googleマップを開き、まず最終的に行きたい場所(目的地)を検索します。店名や施設名でも住所でも構いません。候補が複数出る場合は、同名の店舗が近隣にないか確認し、意図した地点を選びます。
目的地が表示されたら「経路」をタップします。ここで初めてルート作成モードに入ります。
出発地を設定します。現在地を使う場合は自動入力されることが多いですが、出発地点を別にしたい場合はここで入力します。
画面上の「…」のようなその他メニューを探し、経由地編集に入ります。iPhoneでは表示が分かりにくい場合がありますが、基本的に「追加」ではなく「編集」の文脈に隠れていることが多いです。
経由地の入力欄を追加し、立ち寄りたい場所を順に入力します。入力は住所・施設名・駅名などで可能です。
入力した候補は、ピン位置や写真、店舗名の表記などを確認して、意図した地点であることを確かめます。
編集が終わったら「完了」「完了に相当するボタン」を押して確定し、ナビを開始します。
ここでのポイントは、「経由地は後からでも足せるが、出発前にまとめて入れておいたほうが安全」という点です。走行中の操作を避けるだけでなく、最初に全体の所要時間が見えることで、予定の現実性を判断できます。もし到着時間が想定より遅いなら、経由地を削る、順番を変える、出発を早めるなどの判断が出発前にできます。
また、施設名で入れる場合は、似た名前の施設に注意します。チェーン店、病院、公共施設などは同名が多く、意図した支店と別の支店を選ぶと、距離が大きく変わります。入力後に地図上の位置を確認する癖をつけると、当日の事故を減らせます。
経由地の順番変更と削除
経由地を追加しただけで終えると、順番が最適でないことがよくあります。Googleマップは入力順を基本にルートを構築するため、順番を意図通りに整えることが重要です。
順番変更は、経由地リストの並び替え操作で行います。多くの場合、右側に並び替え用の目印があり、そこを長押しして上下に動かします。ここでの考え方として、単純に距離が短い順ではなく、当日の制約を優先するのがコツです。
時間指定がある場所(予約、集合、締切)は固定する
駐車が難しい場所は混む前の時間帯に寄せる
混雑しやすい観光地は開園直後やピーク前に寄せる
天候に左右される場所(展望台、屋外施設)は予備として後ろに回す
削除は、予定変更や立ち寄り不要になったときに使います。削除することで所要時間が短縮され、以降の到着見込みも更新されます。「行けたら寄る」程度の地点は、最初から経由地に入れず別メモにしておき、状況を見て追加するほうが柔軟です。経由地の枠を余らせておけば、その場で追加できます。
また、順番変更・削除の後は、必ずルート全体の所要時間を一度見直します。順番を入れ替えると、思ったより時間が伸びることもあります。距離が短く見えても、右折が多い、信号が多い、狭い道に誘導されるなどで、体感の移動難易度が上がる場合があるためです。可能なら「別のルート候補」を表示し、ストレスが少ないルートを選ぶのが安心です。
ナビ開始前後でボタン位置が変わるとき
iPhoneで「経由地を追加が見つからない」と感じるとき、操作ミスではなく画面の状態が原因であることが少なくありません。大きく分けると、経路作成中の画面と、ナビ開始後の画面で、できることとボタンの位置が変わります。
経路作成中は、出発地と目的地が並んで表示され、編集するための導線が出やすい状態です。ここでは経由地編集が比較的見つけやすく、順番変更や削除も行いやすいです。
一方、ナビを開始すると、画面は走行用のナビUIになります。ここでは安全のために編集機能が目立たない位置に移動したり、一部が制限されたりします。その結果、さっきまで見えていた編集の入口が見えず、「消えた」と感じます。
この状況での安全策は、次の通りです。
できる限り、ナビ開始前に経由地を確定させる
どうしても途中で追加・変更が必要なら、必ず安全な場所に停車して操作する
迷ったら、いったん経路作成の画面に戻り、そこで編集する
「出発前に完成させる」「当日は変更が起きてもリンクをすぐ開けるようにしておく」という運用ができると、UIの変化に振り回されにくくなります。
AndroidでGoogleマップに経由地を追加する手順
「…」から経由地を編集する流れ
Androidは、iPhoneよりも「…」メニューから経由地編集に入る流れが分かりやすいケースが多いです。ただし、端末メーカーのカスタムや画面サイズ、アプリのバージョンで見え方が変わることもあります。ここでも「経路作成→…→経由地を編集」という骨格を覚えておくと迷いません。
具体的な流れは次の通りです。
目的地を検索して表示させます。候補が複数ある場合はピン位置を確認します。
「経路」をタップし、ルート作成画面に入ります。
出発地を入力します。現在地以外を指定する場合はここで設定します。
右上などにある「…(その他)」をタップし、「経由地を編集」に入ります。
経由地を追加します。場所を入力して候補から選び、必要数追加します。
追加後、順番やルート候補を確認し、問題なければ「完了」で確定します。
ここでの注意点は、「経由地を追加」というボタンが見当たらなくても、「経由地を編集」の中に追加欄があることが多い点です。「追加がない=できない」と判断する前に、編集画面に入れるかどうかを確認することが大切です。
また、Androidはマルチタスクがしやすい一方で、アプリを切り替えた瞬間にルート編集状態が解除されることがあります。別アプリで住所をコピーし、戻って貼り付ける、といった操作を頻繁に行う人ほど、編集途中で状態がリセットされやすいので、入力は一気に進め、こまめに確定させる意識が役立ちます。
順番変更・削除・完了のポイント
Androidでも、経由地の順番変更はドラッグ操作が基本です。並び替え用の目印を長押しして上下に移動させ、意図した順番に整えます。順番を変えたら、ルート候補の所要時間が変化することを確認し、違和感があれば別候補も見比べます。
削除は、予定が変わったときに使います。削除したら、必ず全体の到着見込みが更新されるかを確認します。アプリが一時的に固まっている場合、削除が反映されないこともありますので、その場合は一度画面を戻し、再度経路画面を開いて反映状況を確認すると安心です。
そして、Androidでありがちな落とし穴が「完了を押し忘れる」ことです。経由地編集画面で入力しただけでは確定にならず、完了操作が必要な場面があります。入力後に戻るボタンで戻ってしまうと、追加した経由地が消えたように見えることがあります。編集が終わったら「完了」で確定する、という一連の動作を癖にしておくと、こうした混乱を減らせます。
PCブラウザでGoogleマップに経由地を追加する手順
大画面で組んでスマホで使うコツ
PCブラウザでGoogleマップを使うメリットは、経由地が多いほど大きくなります。画面が広いため、地図全体を見ながら、左側のリストで地点を編集でき、入力もキーボードで素早く行えます。旅行の計画や訪問先の整理は、PCで組んだほうが効率が良いでしょう。
PCでの組み立ての基本は次の通りです。
まず目的地を入れて経路を作る
出発地を設定する
経由地を順に追加する
リスト上で順番を入れ替え、ルート全体の流れを確認する
ルートが不自然なら地点の候補を修正する(別店舗、別入口など)
共有リンクを作り、スマホで開けるようにする
PCは「計画の精度を上げる場」として使い、スマホは「現場でナビする場」として役割分担すると、当日の操作が減り、安全面でも良い運用になります。
また、PCだと地図を拡大縮小しながら「この地点は同じエリアにまとまっているか」「順番を変えると一筆書きになるか」といった視点で見やすいです。訪問先が散らばっている場合は、エリアごとに分割する判断もPCのほうがしやすいでしょう。
共有リンクを作って当日に開く
経由地ルートを作ったら、当日に迷わないために必ず「すぐ開ける形」で保存します。PC上で作ったルートを、その場でスマホに移す方法として分かりやすいのが共有リンクです。
共有リンクを使うときのポイントは「リンクがどこにあるか、当日すぐ見つかるか」です。おすすめは次の運用です。
自分宛てのメールに送っておく(検索ですぐ出せる)
メモアプリに「ルート名+URL」として保存する
カレンダー予定のメモ欄に貼る(集合時刻と一緒に管理できる)
同行者がいるなら、LINEグループの固定メッセージとして残す
単に共有するだけだとメッセージが流れてしまい、当日探すことになります。重要なのは「探さなくても開ける状態」にしておくことです。
また、当日に通信が不安定な場所で開く可能性もあります。可能であれば、出発前に一度リンクを開き、ルートが表示できることを確認しておくと安心です。確認のタイミングで、地図上のピンが意図した位置にあるか、経由地の順番が正しいかもチェックできます。
Googleマップで経由地追加ができない原因と直し方
公共交通機関モードになっている
「経由地を追加」が見当たらない原因として最も多いのが、移動手段が公共交通機関になっているケースです。Googleマップは移動手段ごとに機能が異なり、車や徒歩と同じ感覚で電車ルートに経由地を追加しようとしても、編集できない場面が出ます。
見分け方は簡単で、経路検索の画面で「車」「公共交通機関」「徒歩」などのアイコンが並んでいる場合、公共交通機関(電車のアイコン)が選ばれているときは、経由地編集が出ない可能性が高いです。
対処は、いったん車・徒歩・自転車などに切り替えてみることです。切り替えた瞬間に「…」メニュー内に経由地編集が現れることがあります。もし、どうしても公共交通機関で途中下車を含む行程を作りたい場合は、後半のFAQで紹介するように、区間ごとに検索する、乗換案内系のサービスと併用する、といった方法が現実的です。
上限に達している
次に疑うべきは上限到達です。経由地を増やしていくと、ある時点で追加できなくなります。このときに「アプリが壊れた」「スマホが古いから」と思いがちですが、仕様の可能性が高いです。
上限に達している場合の対処は、次のどれかになります。
経由地を削って上限以内に収める
ルートを分割して管理する
「必須」と「任意」を分け、任意は別メモに回す
運用上のおすすめは「分割+リンク保存」です。午前ルート、午後ルートなどに分けてリンクを保存しておけば、当日の切り替えは一瞬です。上限ギリギリで運用するより、余白があるほうが当日の変更に強く、結果としてストレスが減ります。
アプリや通信の一時不調
仕様にも上限にも問題がないのに操作できない場合は、アプリや通信の一時不調を疑います。とくに、地下・山間部・ビル街など通信が弱い場所では、候補検索がうまく出なかったり、追加が反映されなかったりします。
対処は次の順で試すと効率的です。
アプリを完全に終了して開き直す
端末を再起動する
Wi-Fiとモバイル通信を切り替える
位置情報を一度オフ→オンにする
アプリを最新に更新する
また、経由地の入力で候補が出ない場合は、施設名ではなく住所や郵便番号、駅名など、より確定しやすい情報で検索すると通りやすくなります。候補が多すぎるときは、地名を追加して絞り込みます。たとえば「〇〇店」だけでなく「〇〇店 渋谷」「〇〇店 札幌」のように入力するだけで、誤選択のリスクが下がります。
端末・画面段階の違いで見失う
最後に多いのが「あるはずのボタンを見失っている」ケースです。iPhoneとAndroidで導線が違う、あるいはナビ開始前後で画面が変わる、という理由で、機能が消えたように見えます。
ここでの切り分けは次の通りです。
いま自分は「経路作成」画面にいるか、「ナビ中」画面にいるか
移動手段は車・徒歩など、経由地が使えるものになっているか
「追加」という言葉で探していないか(「編集」内にある場合がある)
迷ったときの最短ルートは、「目的地を表示→経路→…→経由地を編集」という流れに戻ることです。UIの細部は変わっても、この流れは比較的再現性が高いです。
ルートの共有と保存で当日迷わない運用にする
同行者に共有する最短手段
同行者がいる場合、経由地ルートは「共有できるかどうか」で当日の安定感が変わります。口頭で順番を伝えると、聞き間違いが起きたり、同名施設を開いてしまったりします。共有リンクで同じルートを開ける形にすると、ズレが減ります。
最短の共有方法は、次のどれかです。
LINEやメッセンジャーで共有リンクを送る
メールで送る(後から検索しやすい)
チャットツール(Slackなど)で固定投稿にする
共有の前に気をつけたいのは、同行者が同じアカウントでログインしている必要は基本的にないものの、端末によっては表示や操作が若干異なる点です。そのため、当日いきなり共有するより、事前に「リンクを開いてルートが見えるか」を軽く確認しておくと安心です。
また、集合場所や駐車場など、最初に迷いやすい地点は、ルートの中に組み込みつつ、別途「集合地点のピン」も共有しておくとさらに確実です。ルート全体と、要所のピンを二重化しておくと、万が一ルートがうまく開けないときでも復旧できます。
メモやカレンダーに残すバックアップ術
自分用の保存は、機能としての「保存」にこだわるより、「当日にすぐ開けること」を優先すると失敗しにくいです。おすすめは次の3パターンです。
メモアプリに「日付+ルート名+URL」を保存する
カレンダー予定のメモ欄にURLを貼る
自分宛てメールに送っておく
このうち、カレンダーに貼る方法は、集合時刻や出発時刻と一緒に見られるため、実用性が高いです。旅行であれば「ホテル出発 9:00」と予定に入れ、そこにルートURLを貼っておけば、当日迷いにくくなります。営業であれば「午前訪問開始 9:30」といった予定にルートURLを入れれば、移動と予定が連動します。
バックアップを作るときは、ルートを分割している場合に備えて「午前」「午後」「エリア名」などを明記しておくのが重要です。URLだけが並んでいると、どれがどれか分からなくなります。人は当日に焦ると判断精度が落ちますので、ラベル付けは小さな工夫ですが効果が大きいです。
よくある質問
経由地を自動で最適順にできますか
「経由地を入れたら、最短になるように自動で並び替えてほしい」というニーズは非常に多いです。しかし、現実の移動は「距離が短い=楽」ではありません。右折のしにくさ、駐車のしにくさ、渋滞、時間指定、立ち寄り先の滞在時間など、考慮すべき要素が多く、完全自動で最適化するのは難しいのが実情です。
Googleマップで現実的にやるべきことは、次の手順です。
まず、必須の地点だけでルートを作る
時間指定がある地点を固定し、そこを基準に前後を組む
近い地点をまとまりとして入れ、順番をドラッグで調整する
ルート候補の所要時間を比較し、ストレスが少ない道を選ぶ
任意の寄り道は別メモにし、当日の余裕で追加する
このやり方なら、Googleマップの強み(所要時間の試算、ルート候補、地図の視覚化)を活かしつつ、現場判断を織り込めます。
電車移動で経由地を入れたいときはどうする
電車移動で「途中下車して寄り道したい」「複数駅を回りたい」という場合、Googleマップだけで完結させようとすると、経由地追加がうまく使えず混乱しがちです。ここは発想を変えて、区間ごとに検索するか、用途別にツールを分けるのが現実的です。
具体的には次の方法があります。
A駅→B駅、B駅→C駅のように、区間ごとに経路を検索する
乗換案内系サービスで全体の時刻を管理し、Googleマップは徒歩ナビに使う
徒歩モードで近距離の寄り道だけをルート化する
旅行であれば「主要移動(電車)」と「現地徒歩(Googleマップ)」を分けるだけで、かなり楽になります。無理に一つのルートにまとめようとしないことが、迷わないコツです。
経由地を含むルートは保存できますか
「保存」という言葉で期待する内容は人によって違いますが、少なくとも当日すぐ使える形にするなら、共有リンクの保存が最も確実です。アプリのUIは更新で変わりやすく、保存機能の場所や挙動も端末によって差が出ることがあります。そのため、次の形で残す運用が安定します。
共有リンクを作り、メモ・カレンダー・メールに保存する
ルートを分割している場合は、ラベルを付けて保存する
出発前に一度開いて、正しく表示されるか確認する
これだけで、当日に「ルートが見つからない」「作ったのに消えた」というトラブルは大きく減ります。
まとめ
Googleマップの経由地追加は、複数の立ち寄り先がある移動をスムーズにするための機能です。最大の価値は「当日に検索し直す回数を減らし、迷いと操作を減らす」ことにあります。
うまくいかないときは、次の順番で切り分けると解決が速くなります。
移動手段が公共交通機関になっていないか確認し、車・徒歩などに切り替える
経由地数が上限に達していないか確認し、必要なら分割する
ナビ開始前の経路作成画面に戻り、「…」などの編集導線から経由地編集に入る
それでも難しければ、アプリ再起動や通信切替、更新などで一時不調を疑う
そして、当日の運用を安定させるには「共有リンクを保存し、すぐ開ける形にしておく」ことが最も効果的です。メモやカレンダーにルートURLを貼り、分割しているならラベルを付けておく。これだけで、出発直前や移動中の焦りが減り、安心して行程を進められるようになります。