G HUBが突然デバイスを認識しなくなると、マウスのDPIやキー割り当て、ヘッドセットの音量バランスまで一気に崩れてしまい、ゲームや作業どころではなくなります。しかも厄介なのは、WindowsやmacOSでは機器が見えているのに、G HUBだけが「未検出」のまま固まることがある点です。焦って再インストールすると、時間だけでなく大切なプロファイルまで失う不安もつきまといます。
本記事では、G HUBが認識しない原因を「OS側の認識」「USB接続」「G HUBのプロセス不調」「通信遮断」「競合ソフト」の順に切り分け、設定を消しにくい手順から最短で復旧する流れを丁寧に解説します。まず確認すべきポイント、症状別の対処手順、最後に再発防止の運用まで一気通貫で整理していますので、今すぐ直したい方も、二度と同じトラブルで迷いたくない方も、このまま上から順に進めてください。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
G HUBが認識しないときにまず確認すること
G HUBが「デバイスを接続してください」「No device detected」などの表示になり、マウスやキーボード、ヘッドセットが一覧に出てこない状態は、原因がいくつかに分かれます。焦って再インストールしてしまうと、プロファイルや割り当ての再設定に時間を取られがちです。
最短で復旧させるコツは、OS側での認識 → 接続品質 → G HUB側の状態の順に、影響が小さい確認から進めることです。
本当にGシリーズ対応機器かを確認する
まずは前提の取り違えを潰します。ここがずれていると、どれだけ手順を踏んでもG HUB側に出てきません。
対象機器がLogicool G(Logitech G)シリーズか
例:Logicoolの一般向け(非G)デバイスは、別ソフトやOS標準で動くことがあります。
その機器はG HUB対応か
旧機種で「Logicool Gaming Software(LGS)」中心のものが混在しているケースがあります。
接続モードが意図どおりか(特に無線)
LIGHTSPEED(USBレシーバー)とBluetoothを切り替えられる機器は、想定と違うモードになっていると検出が不安定になることがあります。
ケーブルの種類(充電専用ケーブル問題)
有線接続のつもりでも、充電専用ケーブルだとデータ通信できず、認識しない原因になります。
この段階で「機器はGシリーズ」「接続モードも正しい」ことが確認できたら、次はOS側の認識確認へ進みます。
OSがデバイスを認識しているか確認する
「OSが見えていない」のか「OSは見えているのにG HUBだけが見えていない」のかで、対処の方向性が完全に変わります。ここを飛ばすと、遠回りになりやすいです。
Windowsの場合(推奨の確認ポイント)
機器を接続した状態で、Windowsの「デバイスマネージャー」を開きます。
次のカテゴリを中心に、接続した機器が増えるか・エラーが出ていないかを見ます。
マウスとその他のポインティング デバイス
キーボード
サウンド、ビデオ、およびゲーム コントローラー(ヘッドセット系)
ヒューマン インターフェイス デバイス(HID)
「不明なデバイス」や「!」が出ている場合は、G HUB以前にUSB・ドライバ側の問題が濃厚です。
macOSの場合
「システム情報」→「USB」で、接続機器が一覧に出てくるかを確認します。
ここでの判断基準はシンプルです。
OSでも見えていない → まずUSB/ケーブル/受信機/ドライバの問題を疑う
OSでは見えている → G HUBのプロセス、権限、競合、通信の問題を疑う
ハブを外してUSB直挿しで試す
OS側の認識確認と並んで、効果が高いのが「直挿し」です。USBハブや延長ケーブル、モニター内蔵ハブなどは、電力供給や通信の安定性が原因で不具合を起こすことがあります。
次の順で試すと切り分けが早いです。
USBハブ・延長を外し、PC本体へ直挿し
別ポートへ差し替え(前面→背面、USB 2.0↔3.0)
無線ならレシーバー位置を変える
PC背面の奥は電波が弱くなることがあるため、前面や机上に近づけるだけで安定する例があります。
有線ならケーブル交換
断線や接触不良だけでなく、前述の「充電専用ケーブル」もここで判明しやすいです。
この時点で改善するなら、G HUBというより「USBの接続品質」が原因です。改善しない場合、次は「G HUB側の未検出状態」の原因に踏み込みます。
G HUBがデバイス未検出になる主な原因
G HUBが認識しない症状は似ていますが、原因は大きく分けて4つです。自分のケースに近い原因を押さえておくと、手順の優先順位が明確になります。
USBポートとドライバの問題
次のような特徴がある場合は、USB/ドライバが第一容疑です。
OS側でも不明なデバイス扱いになる
接続音はするがデバイスが安定しない
Windows更新直後から突然起きた
USBハブを挟むと起きるが直挿しなら起きない
対策の方向性は「安定した経路を確保する」です。
具体的には、ポート固定(毎回同じポート)、ハブ回避、ドライバ更新(Windows Updateやメーカー提供)などが中心になります。
G HUBのプロセス停止や無限ロード
G HUBはバックグラウンドプロセス(例:Agent、Updater等)と連動して動きます。そのため、画面上でアプリを閉じても内部が残っていると、次回起動時にうまくデバイス検出できないことがあります。
よくあるパターンは次のとおりです。
G HUBが起動はするが、デバイス一覧が空のまま
ロゴ表示から進まない、読み込みが終わらない
Windows起動後に常駐が崩れていて、開いても反応が鈍い
この場合は「完全終了」や「再起動」で直ることが多い一方、競合や破損があると再インストールが必要になります。
ファイアウォールとlghub_agentの通信遮断
見落としがちなのが、セキュリティソフトやWindowsファイアウォールによる通信遮断です。
G HUBは内部通信やローカル通信を使って動作する場面があり、これが遮断されると認識や起動が不安定になります。
兆候の例:
ある日突然認識しなくなった(セキュリティソフト更新後など)
インストール直後から認識が安定しない
ロゴ画面から進まない、読み込みが終わらない
このケースは「例外許可を追加したら改善」という動きになりやすい一方、許可範囲を広げすぎるのは不安もあるため、原因切り分けのために一時的に確認 → 必要最小限に戻すという手順が現実的です。
他社ユーティリティやサービス競合
周辺機器管理ソフトは、複数入っているほど競合が起きやすくなります。特に次のジャンルは要注意です。
RGB制御ソフト(ケース/マザーボード/メモリ/LEDストリップ等)
マクロ・キー割り当て系ユーティリティ
オーディオ制御、仮想サラウンド関連
USB周辺の最適化・制御ツール
競合が起きると、OSでは見えているのにG HUBがデバイスを表示しない、あるいは不安定に消えたり出たりする、といった状態になりがちです。
この場合は、競合しそうな常駐を止めたうえでG HUBを再起動し、改善しなければ再インストールを検討します。
G HUBが認識しないときの直し方
ここからは、「設定が消えるリスク」「手戻りの少なさ」を基準に、影響が小さい順で進めます。
上から順に試すことで、余計な作業を減らしやすくなります。
影響が小さい順の復旧フロー
まずは全体像を、分岐表で整理します。
| 状況 | 優先する対処 | 目的 |
|---|---|---|
| OSでも見えていない | 直挿し、別ポート、ケーブル/受信機確認、ドライバ見直し | 物理・USB経路の安定化 |
| OSでは見えるがG HUBだけ見えない | 完全終了→再起動→管理者起動→競合停止 | G HUB側の状態回復 |
| 無限ロード・起動不良 | 競合停止→通信/ファイアウォール確認→再インストール | 破損/遮断/競合の解消 |
| Macで非アクティブ | 権限付与→再起動 | OS側の許可不足解消 |
次に、再インストールへ行く前に確認したいチェックリストです。これを踏むだけで直るケースもあります。
USBハブ・延長を外し、直挿しにした
USBポートを変更した(USB 2.0/3.0、前面/背面)
OS側でデバイスが認識されているか確認した
G HUBを「完全終了」した(関連プロセスが残っていない)
PCを再起動した
競合しそうな常駐ソフトを一時停止して試した
ここまでやって改善しない場合に、次の具体手順へ進みます。
完全終了と再起動で直るケース
G HUBは「閉じる」だけでは不十分なことがあります。画面を閉じても、バックグラウンドに残っているプロセスが検出を邪魔している場合があるためです。
手順(Windows)
G HUBを終了します(タスクトレイのアイコンから終了できる場合はそこから終了)。
タスクマネージャーを開き、「プロセス」タブでG HUB関連を探します。
代表的には、以下のようなものが残ることがあります。
lghub
lghub_agent
lghub_updater
残っているものを終了します。
PCを再起動します。
起動後、デバイスを接続してからG HUBを起動します(順序で挙動が変わることがあります)。
ポイント
再起動は「面倒でも一度は実施」がおすすめです。常駐やサービスが絡む不具合は、再起動で一気に整うことが多いです。
ここで直るなら、再インストールより圧倒的に楽です。
管理者権限で起動する
Windows環境では、権限が絡む不具合が紛れます。特に、インストール直後・アップデート直後・初回起動時に起きやすいです。
手順
G HUBのショートカットを右クリック
「管理者として実行」
デバイス認識が戻るか確認
戻る場合は、ショートカットの「プロパティ」から常に管理者として起動する設定も検討します(環境によります)。
併せて確認したいこと
企業PCなど、セキュリティポリシーが厳しい環境では、管理者起動でも解決できない場合があります。その場合は、セキュリティソフトや管理者権限の制限が影響している可能性があります。
セキュリティソフト側でG HUB関連プロセスがブロックされていないかも確認すると切り分けが進みます。
競合サービスを止めてから再インストールする
ここまでで直らない場合、いよいよ「再インストール」が視野に入ります。ただし、いきなり消すのではなく、競合の芽を摘んだ状態で再インストールするのが成功率を上げるコツです。
1) 競合しそうな常駐ソフトを止める
代表的には、RGB制御、マクロ、オーディオ関連、USB制御系です。心当たりがあるものを一度終了します。
タスクトレイに常駐しているソフトは右クリックで終了
終了できない場合はタスクマネージャーから停止
2) 関連サービスを確認する
Windowsの「サービス」には、周辺機器関連のサービスが存在することがあります。競合の切り分けとして、一時的に停止してから作業すると改善する場合があります。
サービス停止の一般的な流れ
Windowsの検索で「サービス」を開く(services.msc)
目的のサービスを探す
右クリックで停止
必要ならスタートアップの種類を「手動」に変更(恒久化は慎重に)
3) G HUBのアンインストール → 再起動 → 再インストール
再インストールは、順番が重要です。
G HUBをアンインストール
PCを再起動(残ったプロセスや一時ファイルを整理する目的)
公式インストーラーで再インストール
起動後にデバイス接続を確認
再インストール前に意識したいこと
プロファイルや割り当てが重要な方は、可能ならスクリーンショットで控えを取っておくと安心です。
直った後、競合ソフトを戻すと再発することがあります。戻す場合は1つずつ起動して様子を見ると原因特定がしやすいです。
MacでG HUBが非アクティブになるときの対処
Mac環境では、接続自体はできているのにG HUB側が非アクティブになったり、設定変更が反映されなかったりするケースがあります。こうした場合、権限(アクセシビリティ、入力監視)が原因になりやすいです。
アクセシビリティと入力監視の許可
macOSは、入力や操作を伴うアプリに対して権限を要求します。G HUBはマクロやキー割り当て、機器制御に関わるため、権限不足だと挙動が制限されることがあります。
確認手順の目安
「システム設定(またはシステム環境設定)」を開く
「プライバシーとセキュリティ」へ進む
「アクセシビリティ」でG HUB関連を許可
「入力監視(Input Monitoring)」でもG HUB関連を許可
許可後にG HUBを再起動して挙動を確認
ポイント
権限を付与しても反映が遅いことがあります。次のH3のとおり、再起動までセットで行うと安定しやすいです。
許可後に再起動する
権限変更は、アプリ再起動だけでは足りず、OS再起動が必要になることがあります。
許可設定が済んだら、次の流れで確認してください。
Macを再起動
デバイスを接続
G HUBを起動
デバイスがアクティブになったか、設定が反映されるか確認
ここで改善する場合は、以後もOS更新やG HUB更新のタイミングで権限が外れていないかを念のため確認しておくと再発防止になります。
再発防止の設定と運用
一度直っても、環境要因で再発することはあります。再発時のストレスを減らすには、日常運用の「固定化」と「更新の扱い」が鍵です。
自動更新の扱いと安定版の考え方
周辺機器ソフトは更新で改善することも多い一方、環境によっては更新直後に不具合が出ることもあります。特に、配信や大会、仕事の締切など「今すぐ安定して動いてほしい」場面では、更新タイミングのコントロールが重要です。
重要なイベント前は、むやみに更新しない
更新した直後に不具合が出たら、まずは本記事の「影響が小さい順」から再実施
OS更新とG HUB更新が重なるタイミングは、特に変化が起きやすいので注意
更新が関係していそうなら、次回以降は「更新直後に確認するルーチン(認識・プロファイル・ライティングなど)」を作っておくと安心です。
USBポート固定とハブ選び
再発の地味な原因として多いのが、USB経路の変化です。特に無線レシーバーは、挿す場所が変わるだけで挙動が変わることがあります。
できれば毎回同じUSBポートに固定する
USBハブを使うなら、安定した給電ができるものを選ぶ
レシーバーは遮蔽物を避け、机上など見通しのよい位置に置く
前面ポートは便利ですが、ケースや配線環境によってはノイズの影響を受けることもあるため、調子が悪いときは背面ポートも試す
「認識が不安定」な方ほど、ポート固定と直挿しの習慣だけで大きく改善することがあります。
プロファイルのバックアップ意識
G HUBのトラブルで一番困るのは、「復旧はしたけれど、割り当てやプロファイルを戻すのが大変」という状態です。
完全に事故を防ぐのは難しいため、次のような“軽い備え”だけでもおすすめです。
重要なプロファイルは、ボタン割り当て画面やDPI設定をスクリーンショットで保存
ゲームごとのプロファイルを作っている場合は、どのプロファイルを使っているかメモ
設定を大きく変える前に、現在の状態を一度記録しておく
こうした備えがあるだけで、最終手段(再インストール)を選んだときの心理的負担がかなり下がります。
よくある質問
再インストールで設定は消える?
環境や同期状況によって変わるため、「必ず消える」「必ず残る」と断言はできません。
ただし、次のような行動でダメージを減らせます。
重要な割り当ては事前にスクリーンショットで控える
いきなり再インストールせず、完全終了・再起動・管理者起動など軽い手順を先に試す
直った後、競合ソフトを戻すと再発しうるため、原因切り分けのために段階的に戻す
「設定を守りたい」ほど、上から順に試すのが安全です。
OSでは見えるのにG HUBだけ見えないのはなぜ?
この状況はかなり多く、主な理由は次の3つに集約されます。
G HUBのプロセスが固まっている
完全終了 → 再起動で回復しやすい
競合している(常駐ソフト・サービス)
RGB/マクロ/オーディオ系の競合で検出が失敗することがある
通信が遮断されている(ファイアウォール/セキュリティ)
内部通信が妨げられると、起動や認識が不安定になることがある
このため、対処も「完全終了」「管理者起動」「競合停止」「通信確認」の順で進めると無駄が減ります。
ファイアウォールはどこまで許可すべき?
基本方針は「原因切り分けのために必要最小限で確認し、問題が分かったら範囲を絞る」です。
いきなり大きく許可すると不安が残るため、次の考え方がおすすめです。
まずはG HUB関連の実行ファイル(アプリ本体やエージェント)がブロックされていないか確認
許可を追加したら、認識が戻るか・無限ロードが止まるかを確認
改善した場合、不要な許可は削って最小限に戻す(可能な範囲で)
セキュリティソフトは製品によって設定方法が異なるため、まずは「ブロック履歴」「隔離」「許可リスト」を確認するところから始めると安全です。