平均や標準偏差だけでは、データの実態がうまく説明できないことがあります。たとえば売上や作業時間、検査値のように「一部だけ極端に大きい(小さい)値」が混ざるデータは、平均との差に引っ張られて“普段のばらつき”が見えにくくなりがちです。
そこで役立つのが、データの中央50%の広がりを示す「四分位範囲(IQR)」です。
ただし、Excelで四分位範囲を計算しようとすると、QUARTILE.INCとQUARTILE.EXCの違いや、PERCENTILE.INCでも求められる理由、さらに外れ値(1.5×IQR)判定の作り方など、つまずきやすいポイントがいくつも出てきます。計算結果が人によってズレると、資料の信頼性にも関わります。
本記事では、ExcelでQ1・Q3を正しく求めてIQRを算出する基本から、関数の選び方、値が合わない原因の切り分け、外れ値フラグの作成までを、シート上で再現できる手順として丁寧に解説します。読み終えた頃には、「なぜその値になるのか」を説明できる状態で、安心してレポートや共有資料に落とし込めるようになります。
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エクセルで四分位範囲が必要になる場面
データ分析の現場では、「平均」だけでは状況を正しく説明できないことが少なくありません。たとえば売上、作業時間、検査値、アンケート点数などは、一部の極端な値(外れ値)が混ざるだけで平均が大きく動きます。その結果、「普段の傾向」や「典型的なばらつき」が見えにくくなり、誤った判断につながることがあります。
四分位範囲(IQR:Interquartile Range)は、データの中央部分に焦点を当ててばらつきを捉える指標です。Excelで計算しやすく、箱ひげ図や外れ値判定とも相性がよいため、レポートや資料作成で頻繁に使われます。
四分位範囲が示す意味と、標準偏差との違い
四分位範囲(IQR)は「第3四分位数(Q3)−第1四分位数(Q1)」で定義されます。
第1四分位数(Q1):小さい順に並べたとき、下位25%に相当する境界の値
第2四分位数(Q2):中央値(50%点)
第3四分位数(Q3):小さい順に並べたとき、下位75%に相当する境界の値
四分位範囲(IQR):IQR=Q3−Q1(中央50%の幅)
IQRが表すのは「真ん中50%がどれくらい散らばっているか」です。ここが重要で、外れ値が多少混ざっていても、中央50%の幅は比較的安定しやすいという特徴があります。
一方で標準偏差は、平均との差の平方を用いて散らばりを計算するため、外れ値の影響を受けやすい傾向があります。どちらが優れているという話ではなく、目的が違います。
外れ値が混じっても典型的なばらつきを説明したい → IQRが便利
正規分布に近い前提でばらつきを精密に扱いたい → 標準偏差が便利
社内資料や日常的な業務データは「きれいな分布」にならないことが多く、IQRのほうが説明しやすい場面がよくあります。
箱ひげ図と外れ値判定でIQRが使われる理由
IQRが活躍する代表例が箱ひげ図です。箱ひげ図は、中央値・四分位数・ばらつき・外れ値を視覚的に示すグラフで、品質管理、店舗比較、部署比較、時系列の異常検知など幅広く使われます。
箱ひげ図の基本要素は次のとおりです。
箱の下端:Q1
箱の中の線:中央値(Q2)
箱の上端:Q3
箱の高さ:IQR(=Q3−Q1)
ひげ:一定の基準に基づく範囲(流儀が複数ある)
外れ値判定では、実務でもよく使われる「1.5×IQRルール」があります。
下限(外れ値の境界):Q1 − 1.5×IQR
上限(外れ値の境界):Q3 + 1.5×IQR
この範囲外にあるデータを外れ値候補として扱い、原因調査や別表示に回す、という運用が可能になります。ここで大切なのは「外れ値=削除」ではない点です。外れ値は異常のサインである場合もあれば、単にデータの性質として自然に発生する場合もあります。IQRは、外れ値を“見つけて説明する”ための道具と捉えると、資料としての説得力が上がります。
エクセルで四分位範囲を出す全体手順
Excelで四分位範囲を求める作業は、やること自体は単純です。ポイントは「どの関数・どの定義で求めたか」を明確にし、他者が同じ結果を再現できる状態にすることです。
先に第1四分位数と第3四分位数を求める
四分位範囲はQ1とQ3がなければ計算できません。Excelでは主に次の関数を使います。
QUARTILE.INC:端点(最小・最大)を含む考え方に寄せた算出QUARTILE.EXC:端点を除外する考え方に寄せた算出PERCENTILE.INC:パーセンタイル(百分位点)として算出(0.25, 0.75を使う)
まずは扱いやすい QUARTILE.INC を基本として、次のようにQ1とQ3を求めます。データ範囲がA2:A21の場合の例です。
Q1:
=QUARTILE.INC(A2:A21,1)Q3:
=QUARTILE.INC(A2:A21,3)
ここでの引数(1や3)は「何番目の四分位数か」を示します。Excelの関数ヘルプを見ても、この数値がQ1/Q2/Q3に対応していることが確認できます。
注意点として、四分位数の計算は内部的に補間(データ点の間を埋める計算)を行う場合があり、結果が小数になることがあります。小数が出ること自体は異常ではありません。
四分位範囲はQ3からQ1を引くだけ
Q1とQ3が出たら、四分位範囲は引き算だけです。
IQR:
=(Q3のセル)-(Q1のセル)
たとえば、D2にQ1、D4にQ3を配置したなら、
=D4-D2
でIQRが出ます。IQRは「幅」なので負になることは通常ありません。もし負になる場合は、セル参照の取り違え(Q1とQ3の逆)などが疑われます。
まずはこれだけ覚える最小セットの数式
「とにかくIQRだけ一発で出したい」なら、次の式でも計算できます。
=QUARTILE.INC(範囲,3)-QUARTILE.INC(範囲,1)
ただし、資料作成や他者共有を考えると、Q1・Q3・IQRを別セルに分けたほうが説明しやすく、検算もしやすいです。特に外れ値判定まで行うなら、途中の値を明示する設計が強くおすすめです。
QUARTILE.INCとQUARTILE.EXCの違い
四分位範囲が合わない原因で最も多いのが、INC と EXC の混在です。同じデータでも、どちらで四分位数を計算するかでQ1/Q3が変わり、IQRも変わります。ここは「正解はどちらか」ではなく、「目的と運用で揃える」ことが重要です。
どこが違うのかを一言で整理
違いを一言で言うなら次のとおりです。
QUARTILE.INC:端点(0%や100%点)を含む計算に寄せるQUARTILE.EXC:端点を除外する計算に寄せる
この違いは、特にデータ数が少ないときに結果へ強く影響します。データ数が多い場合は差が小さくなりやすいものの、ゼロにはなりません。
また、手計算や別ツール(統計ソフト、Web計算機、別のExcelファイル)と一致しないときは、四分位数の定義(中央値の取り方、下位群・上位群の切り方)が異なる可能性もあります。Excelは関数ごとに計算の流儀が決まっているため、式を合わせない限り一致しません。
どちらを使うか迷ったときの決め方
迷った場合は、次の優先順位で決めると混乱が減ります。
提出先・授業・社内基準の指定があるか
指定があるならそれを採用し、ファイル内に注記して固定します。既存の資料や比較対象がどちらで計算しているか
前年資料・他部署資料・同僚のテンプレートがINCで統一ならINCに揃えます。比較が主目的なら「揃えること」が最重要です。データ数が少ないか
少ない場合は、採用した定義を明示し、必要なら両方(INC/EXC)を併記して差を説明します。
業務の多くは「厳密な統計学の正しさ」よりも「再現性」と「説明可能性」が求められます。よって、迷ったときは次の方針が実務的です。
社内で統一したい:まずINCで統一し、例外があるときだけEXCを使う
報告書で説明したい:INC/EXCのどちらかを選び、式と定義を明記する
共有・提出で揉めないための書き方
IQRを値だけ貼ると、後から必ずこう聞かれます。「その四分位数はどの定義ですか」「関数はどれですか」。ここで詰まると資料の信頼性が落ちます。そこで、最初から次をセットで書いておくと揉めません。
四分位数の算出方法:
QUARTILE.INC(またはQUARTILE.EXC/PERCENTILE.INC)データ範囲:例「A2:A21」
四分位範囲の式:IQR=Q3−Q1
外れ値判定の式(使う場合):下限=Q1−1.5×IQR、上限=Q3+1.5×IQR
さらに、Excelシート上でも「計算用の小さな表」を作っておくと、数式が追いやすくなります。たとえば次のように配置します。
| 項目 | セル例 | 例の式(データ範囲A2:A21) |
|---|---|---|
| Q1 | D2 | =QUARTILE.INC($A$2:$A$21,1) |
| 中央値Q2 | D3 | =MEDIAN($A$2:$A$21) |
| Q3 | D4 | =QUARTILE.INC($A$2:$A$21,3) |
| IQR | D5 | =D4-D2 |
この表があるだけで、第三者が見たときに「どの定義で計算したか」が即座に分かります。
PERCENTILE.INCで四分位範囲を求める方法
QUARTILE関数は四分位数を直接求められる一方、PERCENTILE関数は「割合(百分位点)」として求めます。四分位数はパーセンタイルの一種なので、PERCENTILE系を使っても同じ目的を達成できます。説明資料では、PERCENTILEのほうが意図が読み取りやすいこともあります。
QUARTILE系とPERCENTILE系の関係
四分位数はパーセンタイルに置き換えられます。
Q1:25パーセンタイル(0.25)
Q2:50パーセンタイル(0.5)
Q3:75パーセンタイル(0.75)
そのため、次のように表現できます。
QUARTILE.INC(範囲,1)とPERCENTILE.INC(範囲,0.25)は、狙っている点が近いQUARTILE.INC(範囲,3)とPERCENTILE.INC(範囲,0.75)も同様
ただし、関数の定義差により完全一致しないケースもあり得ます。重要なのは「どちらで出したか」を揃え、説明できることです。
0.25と0.75でQ1・Q3を出す例
データがA2:A21にある場合は次のとおりです。
Q1:
=PERCENTILE.INC(A2:A21,0.25)Q2:
=PERCENTILE.INC(A2:A21,0.5)(中央値としても扱える)Q3:
=PERCENTILE.INC(A2:A21,0.75)IQR:
=PERCENTILE.INC(A2:A21,0.75)-PERCENTILE.INC(A2:A21,0.25)
この書き方の利点は、0.25や0.75が示す意味が明確で、「25%点・75%点の差」という説明がしやすい点です。統計に不慣れな相手でも理解しやすくなります。
箱ひげ図用の最小値・最大値・ひげまで作る
箱ひげ図や外れ値判定を行う場合、四分位数だけでなく「しきい値」や「ひげの端」を計算できると便利です。ここでは、シートで完結する形を紹介します。
まず、基本値をまとめます(データ範囲はA2:A21)。
| 項目 | 例の式 |
|---|---|
| 最小値 | =MIN(A2:A21) |
| Q1 | =QUARTILE.INC(A2:A21,1)(またはPERCENTILE.INC(…,0.25)) |
| 中央値Q2 | =MEDIAN(A2:A21) |
| Q3 | =QUARTILE.INC(A2:A21,3)(またはPERCENTILE.INC(…,0.75)) |
| 最大値 | =MAX(A2:A21) |
| IQR | =Q3-Q1 |
次に、1.5×IQRルールの境界(候補)を計算します。
ひげ下限候補:
=Q1-1.5*IQRひげ上限候補:
=Q3+1.5*IQR
最後に、「ひげ」をデータ内に収めるため、候補値を使ってデータ側の端を決めます。ここは誤解が多いポイントです。ひげを「候補の値そのもの」にするのではなく、一般的には「候補の範囲内にあるデータの最小・最大」をひげの端にします。
ひげ下端(範囲内の最小):
=MINIFS(A2:A21,A2:A21,">="&ひげ下限候補)ひげ上端(範囲内の最大):
=MAXIFS(A2:A21,A2:A21,"<="&ひげ上限候補)
※ MINIFS / MAXIFS が使えない環境では、別列に判定列を作ってフィルターする方法が確実です。
この形にしておくと、「外れ値があるから最小値・最大値をそのままひげにできない」という状況にも対応できます。
IQRで外れ値を判定する式をエクセルで作る
外れ値判定は、IQRの計算よりも“運用”で差が出ます。なぜなら、外れ値は削除ではなく、調査・説明・別処理の入口になることが多いからです。Excelでは、しきい値の計算、外れ値フラグ、外れ値だけ抽出、まで一気に作ってしまうと作業が安定します。
1.5×IQRルールのしきい値
まず、しきい値(境界)をセルに置きます。例として、Q1がD2、Q3がD4、IQRがD5にあるとします。
下限:
=D2-1.5*D5上限:
=D4+1.5*D5
ここまでが「外れ値判定の基準」です。資料に載せるときは、この下限・上限をセットで載せると説明が簡潔になります。
外れ値フラグを立てるIF例
次に、各データが外れ値に該当するかを判定します。データがA列(A2:A21)にあるとして、B列に判定結果を作る例です。下限セルをE2、上限セルをE3に置いた場合:
TRUE/FALSEで判定:
=OR(A2<$E$2,A2>$E$3)文字で判定:
=IF(OR(A2<$E$2,A2>$E$3),"外れ値","通常")
この列があるだけで、次の作業が一気に楽になります。
フィルターで外れ値だけ表示
条件付き書式で外れ値に色を付ける(見落とし防止)
外れ値の件数を数える:
=COUNTIF(B2:B21,"外れ値")など
さらに、外れ値の“値”だけ抜き出したい場合は、ExcelのFILTER関数が使える環境なら次が便利です。
外れ値のみ抽出:
=FILTER(A2:A21, (A2:A21<$E$2)+(A2:A21>$E$3))
使える関数は環境で異なるため、社内標準に合わせて、判定列+フィルターの方法を基本にしておくと互換性が高くなります。
外れ値を消す前に確認したい注意点
外れ値を扱うときは、結論を急がないことが重要です。次のチェックを必ず行ってください。
入力ミスではないか(桁の誤り、単位の混在、コピペずれ)
正常だが稀なケースではないか(繁忙期、キャンペーン、特別ロット)
外れ値が示す現象自体が重要ではないか(異常発生、品質問題、事故)
外れ値を除外すると、説明が不自然にならないか(都合よく見えるリスク)
除外する場合、基準(1.5×IQR)と除外件数を明記できるか
外れ値を除外して平均や傾向を示す場合でも、「元データ」「外れ値候補」「除外後」の3点を残しておくと、後から監査・確認が必要になったときに困りません。Excelでは別シートに保存するだけでも十分です。
計算が合わないときの原因と直し方
「四分位範囲が合わない」という相談は、実際には「どこでズレたかが分からない」という状態で起きます。ここでは、原因を大きく3つに分けて切り分けます。
INC/EXCの不一致が原因のパターン
最初に確認すべきは、使っている関数が揃っているかです。次のような混在があると、同じデータでも一致しません。
自分:
QUARTILE.INC(またはPERCENTILE.INC)相手:
QUARTILE.EXCあるいは、相手は手計算(中央値の取り方が異なる)
対処手順は明確です。
相手のファイルで使っている関数を確認する(式を表示して確認)
自分のファイルも同じ関数に揃える(INC/EXCの統一)
Q1・Q3・IQRのどこでズレるかを比較し、ズレの起点を特定する
資料には「採用関数」を明記して再発を防ぐ
特に、複数部署で数値を比較する資料では、同じデータでも方法が違うだけで順位が変わることがあります。ここが最もトラブルになりやすいので、早めに“計算ルールの統一”を行う価値があります。
空白や文字列、#NUM!などエラーのパターン
次に多いのが、データの前処理(型や欠損)に起因する問題です。Excelは「数値に見える文字列」でも、関数によっては想定通りに扱われないことがあります。よくある症状と対処をまとめます。
| 症状 | よくある原因 | 対処の例 |
|---|---|---|
| 結果が想定と大きく違う | 参照範囲に別列・別行が混ざっている | 参照範囲を固定し、必要ならテーブル化する |
| 0や空白のような値になる | 数値が文字列扱い(先頭に’、空白混入) | VALUEで数値化、TRIMで空白除去、または「区切り位置」で再変換 |
#NUM!が出る | QUARTILE.EXCでデータ数が少ない等 | INCに変更、データ数を増やす、範囲が正しいか確認 |
| 欠損が多くて不安 | 空白を除外してよいかが未決 | 欠損の扱いを決め、前処理列で「有効データ」だけ抽出して計算する |
欠損の扱いは、資料の目的によって正解が変わります。たとえば「回答がない=0点」ではないなら、空白は除外して計算したほうが自然です。一方、「未入力もパフォーマンスの一部」なら0として扱う場合もあります。ここは判断を先に決め、ファイル内で明示することが重要です。
データ数が少ないときに起きるズレの扱い
データ数が少ない(例:5〜10件程度)場合、四分位数の計算はどうしても“定義の差”が露骨に出ます。ここで大切なのは、数値の一致に固執するよりも、次の2点を守ることです。
同じルールで一貫して計算する(比較可能性を守る)
採用したルールを明記する(再現性を守る)
少数データの場合、IQRを出しても「中央50%」がデータ点として少なすぎて、ばらつきの議論が不安定になることがあります。その場合は、IQRに加えて「最小・最大」「中央値」「データ点そのものの一覧」も添えると、読み手が誤解しにくくなります。
また、外れ値判定を行うと、件数が少ないほど「外れ値扱い」になりやすい/なりにくいといった偏りが出ることがあります。外れ値フラグを出すだけでなく、外れ値の背景を必ず確認する、という運用が必要です。
よくある質問
QUARTILEとQUARTILE.INCは何が違いますか
QUARTILEは古い関数で、互換性のために残っている位置づけです。結果が近いこともありますが、将来的な引き継ぎや説明のしやすさを考えると、QUARTILE.INC(またはQUARTILE.EXC)を使って「どちらの定義か」を明確にしたほうが安全です。
社内共有では特に、「式を見ただけで意図が分かる」ことが強みになります。QUARTILE.INC と書いてあれば、少なくとも「INC定義で出している」ことが明確です。
小数点の丸めはどうすればよいですか
丸めは基本的に“最後”に行うのが安全です。途中で丸めると、IQRやしきい値がわずかに変わり、外れ値判定が変わる可能性があります。
おすすめは次の運用です。
見た目だけ整える:セルの表示形式で小数点桁数を設定する(計算値は保持)
計算値を丸めて固定したい:最終出力(IQRや下限・上限)に
ROUNDを使う
例:IQRを小数第2位まで四捨五入して表示したい場合
=ROUND(Q3-Q1,2)
外れ値判定を行う場合は、「丸めたしきい値で判定するのか」「丸めない値で判定し、表示だけ丸めるのか」を統一しておくと、判定結果の揺れを防げます。
箱ひげ図のひげは最小値と最大値ではないのですか
箱ひげ図の「ひげ」は流儀が複数あります。最小値〜最大値をひげにする簡易的な表現もありますが、外れ値を明示する箱ひげ図では、次の考え方がよく使われます。
ひげの範囲:Q1−1.5×IQR 〜 Q3+1.5×IQR の範囲内にあるデータの最小・最大
範囲外:外れ値として別表示
どちらを採用しているかを資料内で明記することが大切です。ひげの定義が違うと、同じデータでも見え方が大きく変わり、比較が成立しなくなるためです。