Excelで資料を印刷しようとしたら、ページ上部に古い社名や日付が残っていたり、表紙だけページ番号を消したいのにうまくいかなかったり――「ヘッダーを直したいのに、どこを編集すればいいのか分からない」と困る場面は少なくありません。しかもExcelの「ヘッダー」は、印刷用のヘッダー/フッターと、2ページ目以降にも列名を出すための見出し行(印刷タイトル)が混同されやすく、原因が分からないまま時間だけが過ぎがちです。
本記事では、まず“直したいヘッダーがどちらなのか”を整理したうえで、挿入タブ・ページ設定・印刷プレビューの3ルートから最短で編集する手順を丁寧に解説します。先頭ページだけ別にする方法、ページ番号を「1/10」形式にするコツ、ロゴ画像の入れ方、さらに「編集できない」「反映されない」といったトラブルの切り分けチェックまで網羅しています。印刷直前に焦らず、誰でも要件どおりの体裁に整えられるように、必要なポイントだけを分かりやすくまとめました。
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エクセルのヘッダー編集で最初に整理したい2つの意味
印刷用ヘッダーと表の見出し行は別物
まず押さえるべきは、Excelのヘッダーが「印刷のヘッダー」と「表の見出し行」の2つに分かれる点です。言葉が同じでも、設定場所も役割も違います。ここを誤ると、いくら編集しても目的が達成できません。
| あなたがやりたいこと | 触るべき機能 | どこに出るか | 典型例 |
|---|---|---|---|
| 印刷した紙の上部(または下部)に会社名や日付、ページ番号を入れたい/消したい | ヘッダー/フッター(印刷用) | ページの余白部分(本文の外側) | 「株式会社〇〇」「2025/12/28」「1/10」など |
| 2ページ目以降も列名(見出し行)を繰り返し表示したい | 印刷タイトル(繰り返し行) | 表の直上(各ページの表の先頭) | 「品名」「数量」「単価」などの列見出し |
ここでの判断のコツは次のとおりです。
紙の上端に“薄く出る情報”を変えたい → 印刷用ヘッダー/フッター
2ページ目以降で“列名が消えて読めない”を解消したい → 印刷タイトル(繰り返し行)
この切り分けができるだけで、作業時間が大幅に短縮されます。
ヘッダーが見えないのは仕様のことが多い
「ヘッダーを編集したいのに、画面のどこにもヘッダーが見当たらない」という状況はよくあります。しかしこれは故障ではなく、表示モードの違いで見えないだけ、というケースがほとんどです。
ヘッダー/フッターは、次の状態で確認・編集するのが基本になります。
ページ レイアウト表示:シートが印刷イメージに近い形で表示され、ヘッダー領域が現れます
印刷プレビュー:印刷結果に近い状態で最終確認できます
ページ設定のダイアログ:数値や選択肢として設定を管理できます
通常の「標準」表示では、ヘッダー領域は編集できないことが多いため、「見えない=設定されていない」とは判断しないことが重要です。特に、以前作ったテンプレートを流用している場合、過去のヘッダー(古い日付、旧社名、誤ったファイル名)が残っていることがあります。印刷前のタイミングで必ずプレビュー確認する習慣をつけると、配布ミスを減らせます。
エクセルで印刷用ヘッダーを編集する基本手順
印刷用ヘッダーを編集する入口は複数あります。どれを選んでも最終的な結果は同じになり得ますが、「今どの状況で、何をしたいか」によって最短ルートが変わります。ここでは代表的な3ルートを、迷いにくい順に整理します。
挿入タブから編集モードに入る手順
「まずはヘッダーの入力欄を出したい」「どこを触ればよいか分からない」という場合は、このルートが最短です。画面の見た目が変わるため、編集している実感が持てます。
対象のシートを開きます
リボンの挿入タブをクリックします
ヘッダーとフッターをクリックします
表示がページレイアウト寄りになり、ページ上部や下部に入力枠(左・中央・右)が表示されます
追加したい場所(左/中央/右)をクリックし、文字を入力します
必要に応じて、ヘッダー/フッター用の要素(ページ番号、日付など)を挿入します
作業を終えたら、シートのセル部分をクリックして編集状態を抜けます
この方法の利点は、編集しながら位置関係が分かる点です。一方で、ページレイアウト表示は「セルの見え方」が変わるため、編集後に標準表示へ戻したくなることがあります。その場合は、表示タブから標準へ戻しても構いません。ヘッダー設定自体は保持されます。
また、入力する際は「中央に長文を入れすぎない」ことがポイントです。ヘッダーは余白内に収まる必要があり、長すぎると右側のページ番号と重なったり、改行が不自然になったりします。まずは短く、必要な情報だけに絞ると失敗しにくいです。
ページ設定からカスタムヘッダーを開く手順
印刷体裁を一括で整えたい場合(余白、向き、用紙サイズ、拡大縮小なども含めて調整したい場合)は、ページ設定から入る方が効率的です。画面は少し事務的になりますが、設定項目がまとまっているため、見落としが減ります。
ページ レイアウトタブを開きます
「ページ設定」グループの右下にある小さな矢印(ダイアログ起動)をクリックします
ヘッダー/フッタータブを開きます
カスタム ヘッダー(またはカスタム フッター)をクリックします
左/中央/右の入力欄に内容を設定します
OKを押して閉じ、必要なら印刷プレビューで確認します
このルートの利点は、ヘッダーの文字列が「設定として一覧で確認しやすい」ことです。特に、複数の項目(会社名+資料名+ページ番号)を整理して入れたいとき、入力欄を見ながら調整できます。
注意点として、設定が反映されないときは、次の原因が多いです。
編集しているのがヘッダーではなくフッターだった
先頭ページのみ別指定が有効で、1ページ目だけ別設定になっている
シートが複数選択(グループ化)されており、意図しない範囲に設定している
後半のトラブルシュートでも詳しく扱いますが、まずは「どのシート」「どのページ」に適用しているかを意識すると、迷いが減ります。
印刷プレビューから最短で直す手順
「今まさに印刷しようとして気づいた」「今日の会議までに直したい」という状況では、印刷プレビューから入るのが最短です。プレビューを見ながら修正できるため、直したつもりで直っていない、という事故を防ぎやすくなります。
Ctrl + Pで印刷画面を開きます(ファイル→印刷でも可)
右側(または下側)のプレビューで、ヘッダーの表示を確認します
「ページ設定」へ進みます(画面内のリンクやボタンから開けます)
ヘッダー/フッターの項目を開き、カスタムヘッダー(フッター)を編集します
OKで戻り、プレビューで再確認します
この手順が強いのは「結果を見ながら直せる」点です。ヘッダー編集は、入力自体は簡単でも、余白との兼ね合いでズレが起きやすい作業です。印刷プレビューを“完成形のチェック場所”として固定すると、ミスが減ります。
エクセルのヘッダーに入れられる定番項目とおすすめ構成
ヘッダーに何でも入れられるからこそ、入れすぎて運用が崩れるケースが多いです。たとえば、担当者名や部署名を入れた結果、人事異動や組織変更で毎回修正が必要になり、更新漏れが起きます。ヘッダーは「印刷物として最低限必要な情報」に絞るのが安定します。
ページ番号・日付・ファイル名・シート名の入れ方
Excelのヘッダー/フッターでは、文字を手入力する以外に、代表的な要素を自動挿入できます。よく使うのは次の4つです。
ページ番号:配布資料で必須になりやすい
日付(または印刷日):いつの資料か分かる
ファイル名:資料の出典を追える(社内運用で便利)
シート名:複数シートを印刷して束ねる場合に有効
挿入方法は、編集画面でヘッダー(またはフッター)領域を選び、ヘッダー/フッター用のボタンから該当項目を選ぶ形が一般的です。環境によって表示は多少異なりますが、「ページ番号」「日付」「ファイル名」「シート名」に近い表現のボタンが用意されています。
運用上のポイントは、「手入力する情報」と「自動挿入する情報」を分けることです。
手入力に向く:固定の社名、固定の資料名
自動挿入に向く:ページ番号、日付、ファイル名、シート名
手入力は便利ですが、更新漏れの原因にもなります。日付を手入力してしまうと、翌月に使い回したときに古い日付が残ります。日付はできるだけ自動挿入に寄せると安全です。
左・中央・右の配置ルールと崩れにくい作り方
ヘッダーは基本的に「左・中央・右」の3ブロックで設計します。崩れにくい作り方のコツは、役割を分けて、長さが読めない要素を同居させないことです。
左:固定テキスト(社名、部門名、資料カテゴリ)
中央:資料タイトル(短め推奨)
右:可変要素(ページ番号、日付)
崩れやすい例としては、中央に長い資料タイトル、右に「ページ番号+日付+ファイル名」を全部詰め込むケースです。右側は余白が少ないため、情報を増やすほど折り返しや重なりが起きやすくなります。
崩れを防ぐための実務的なルールを、以下のチェックリストとして持っておくと便利です。
右側は基本「ページ番号」だけ、増やしても「日付」までにする
ファイル名を入れる場合、左側に寄せる(右側に置かない)
中央は短く、長くなるなら左に寄せる
「全角・半角混在」で長さが読みにくい場合、記号やスペースを減らして整える
プレビューで縮小率が変わったときに崩れていないか確認する
ヘッダーは見た目の美しさよりも、「毎回同じ形で安定して出ること」が重要です。特に社内配布資料では、凝ったデザインよりも、更新漏れの少ない構成が信頼されます。
社内資料でよく使うテンプレ例
迷ったら、用途に合わせて型を決めてしまうのが最も速いです。以下は、よくある社内資料の要件を前提にしたテンプレ例です。どれも「更新漏れを起こしにくい」「体裁が安定する」ことを優先しています。
| 用途 | 左 | 中央 | 右 | ねらい |
|---|---|---|---|---|
| 社内回覧(更新頻度高) | 資料カテゴリ(例:月次報告) | 空欄 or 短いタイトル | 日付+ページ番号 | 更新漏れを減らす/最低限の識別 |
| 会議資料(配布) | 会議名(例:営業会議) | 議題名 | ページ番号 | 配布後に参照しやすい |
| 客先提出(体裁重視) | 会社名 or 案件名 | 資料タイトル | ページ番号 | 受け手が迷わない/見栄えが整う |
ここでのポイントは、テンプレを増やしすぎないことです。社内で3種類程度に絞り、誰が作っても同じ形になるようにすると、資料の品質が揃います。
先頭ページだけ変えるなどエクセルのヘッダー編集を応用する
ヘッダー編集で次に詰まりやすいのが、「表紙だけ消したい」「2ページ目からページ番号を入れたい」などの応用要件です。ここを理解しておくと、提出資料の体裁が一段上がり、上長承認や社外提出でも指摘が減ります。
先頭ページのみ別指定で表紙を作る
表紙がある資料では、1ページ目にページ番号や日付が出ると不自然に見えることがあります。その場合は「先頭ページのみ別指定」を使うことで、1ページ目だけヘッダー/フッターを空欄にできます。
手順は次のとおりです。
ヘッダー領域(ページ上部)をダブルクリックして編集状態にします
表示されるヘッダー/フッターツールの設定で、先頭ページのみ別指定(環境によっては「別の最初のページ」)をオンにします
1ページ目のヘッダー/フッターを空欄にします(表紙用に別文言を入れても構いません)
2ページ目以降のヘッダー/フッターに、通常の設定(ページ番号など)を入力します
印刷プレビューで、1ページ目と2ページ目以降の表示が意図通りか確認します
ここで注意したいのは、「直したのに戻ってしまう」と感じる原因の多くが、1ページ目と通常ページの編集対象を取り違えている点です。先頭ページのみ別指定がオンの状態では、同じヘッダーに見えても編集対象が分かれます。
プレビューで「1ページ目だけ消えているか」「2ページ目以降は出ているか」を必ずセットで確認してください。
奇数偶数で変えたいときの考え方
見開き印刷や冊子(製本)を意識すると、奇数ページと偶数ページで配置を変えたくなることがあります。たとえば、ページ番号を外側に寄せる(奇数は右、偶数は左)などです。
この場合の考え方は次の2つに分かれます。
見た目を整える目的:ページ番号の位置だけを左右で切り替える
情報を出し分ける目的:奇数に資料タイトル、偶数に章タイトル、などの出し分け
社内資料であれば、多くの場合は「見た目を整える目的」に留めた方が運用は安定します。情報まで出し分けると、更新時に確認箇所が増え、ミスが入りやすくなるためです。
また、見開き前提の資料では余白設定(とじしろや左右余白)も絡むため、ヘッダーだけで完結させようとせず、ページ設定(余白・印刷範囲・拡大縮小)とセットで最終確認するのが安全です。
ロゴ画像を入れる手順と注意点
会社ロゴをヘッダーに入れたいケースも多いですが、ここは「入れ方」以上に「事故らない運用」が重要です。ロゴは目立つため、ズレやかぶりがあると資料全体の品質が下がって見えます。
基本手順は以下の流れになります。
ヘッダー領域を編集状態にする(ページレイアウト表示で編集しやすいです)
ロゴを入れたい場所(左/中央/右)を選ぶ
画像挿入の操作からロゴ画像を指定する
プレビューで位置・大きさ・かぶりを確認する
注意点は次のとおりです。
画像は大きすぎると高確率で崩れます
先に画像ファイル自体を小さめに調整しておくと安全です。文字と同居させない
右側にページ番号を入れるなら、ロゴは左側にするなど、役割を分けると安定します。拡大縮小(1ページに収める等)に弱い
印刷時に拡大縮小を変更すると、余白のバランスが変わり、ロゴが想定外に寄る場合があります。プレビュー確認は必須です。白背景のロゴは見えづらい
余白が白いので、白背景のままだとロゴが薄く見えたり、消えたように感じたりします。透過PNGや縁取りがあるロゴの方が見やすいです。
エクセルで見出し行を各ページに印刷する設定
「ヘッダーを編集しても、2ページ目以降に列名が出ない」という場合、触るべきは印刷用ヘッダーではありません。目的は“表の見出し行を繰り返すこと”なので、印刷タイトルを設定します。ここを正しく使えるようになると、複数ページにわたる一覧表の可読性が大きく上がります。
印刷タイトルで繰り返し行を指定する
印刷タイトル(繰り返し行)は「各ページの先頭に同じ行を印刷する」ための機能です。代表例は、表の1行目に「品名/数量/単価/金額」と並んでいる一覧表です。2ページ目で列名が消えると読み手が迷うため、繰り返し印刷が有効になります。
手順は次のとおりです。
ページ レイアウトタブを開きます
印刷タイトルをクリックします
「ページ設定」ダイアログが開いたら、シートタブを選びます
「印刷タイトル」の中にある繰り返す行をクリックし、対象の行を指定します
1行目だけなら
1:1相当(表示は$1:$1の形式になることが多いです)1〜2行目なら
$1:$2
OKを押して閉じ、印刷プレビューで2ページ目以降にも見出しが出ているか確認します
指定は「行全体」を対象にするのが基本です。列見出しが1行目、注意書きが2行目、という資料なら、2行まで繰り返すと読みやすくなります。
見出し行が入らないときの確認ポイント
印刷タイトルを設定しても反映されない場合は、次の確認ポイントを上から潰すと解決しやすいです。
印刷範囲が想定通りか
印刷範囲が途中で切れていると、思ったページ分割にならず、見出し行が出ていないように見えることがあります。シートが1枚だけ選択されているか
複数シートがグループ化されていると、設定が混乱しやすくなります。繰り返す行の指定が正しいか
$1:$1のような形式が崩れていないか確認します。手入力で直してしまうと、形式が壊れる場合があります。見出し行にセル結合が多くないか
セル結合が多いと、印刷時の配置が乱れたり、ページ分割に影響することがあります。可能なら結合を減らし、中央揃え等で見た目を整える方が安定します。
印刷タイトルは「設定できれば強力」ですが、表の作りが印刷向きでないと効果が出ません。特に、幅が広すぎて縮小印刷になる表では、見出し行が小さくなりすぎることがあります。列数や用紙サイズも含めて調整するのが理想です。
エクセルのヘッダーが編集できないときの原因チェック
「ヘッダーをクリックしても編集できない」「変更したのに印刷に反映されない」という状況は、操作ミスというより“状態の問題”で起きることが多いです。ここでは、原因を切り分けて最短で復旧するための考え方を整理します。
表示モードと編集モードの確認
最初に確認したいのは、そもそもヘッダーを編集できる状態に入っているかどうかです。次のどれかに入れて確認してください。
ページレイアウト表示でヘッダー領域が見えている
ヘッダー領域をダブルクリックして編集状態になっている
印刷プレビューで変更が反映されているか確認できている
よくある失敗として、「標準表示のまま、どこかにヘッダーがあるはず」と探してしまうケースがあります。ヘッダーはセルの一部ではなく、印刷領域の外側(余白)にある要素です。編集は“ページ”として扱うモードで行う、と覚えると迷いません。
また、「入力したのに反映されない」ときは、編集状態のままになっていることがあります。ヘッダー編集は、セル入力のように確定が分かりづらいことがあるため、いったんセルをクリックして編集状態から抜け、印刷プレビューで確認してください。
複数シート選択・オブジェクト編集中の落とし穴
次に多いのが、シートやオブジェクトの状態が原因で、意図通りに編集できないケースです。典型は以下です。
複数シートが選択されたまま(グループ化)
シートタブを複数クリックしてしまうと、同時編集状態になります。この状態でヘッダーを編集すると「全部に適用された」「一部だけ反映された」など混乱が起きやすいです。まずはシートを1枚だけ選び直してください。図形・画像・グラフの編集中
オブジェクトが選択されたままだと、ヘッダーではなくオブジェクトの操作が優先されることがあります。Escで解除し、セルをクリックしてからヘッダー編集に入ります。セル入力の確定前
入力中のままページ設定を開くと、ボタンが押せない・設定が反映されないなどが起きることがあります。Enterで確定、またはEscで解除してから進めてください。
このあたりは「Excelが悪い」というより、状態の前提が揃っていないために起きます。迷ったら“いったん全部解除してからやり直す”が正解に近いです。
印刷設定・プリンター周りで詰まるケース
ヘッダーそのものの編集はできているのに、印刷結果が想定と違う場合、印刷設定が影響していることがあります。代表的には以下です。
拡大縮小(1ページに収める)を使っている
これにより余白のバランスが変わり、ヘッダーが詰まったように見えることがあります。プレビューで文字が重なるなら、ヘッダーの文字量を減らすか、余白を見直します。用紙サイズ・向きが違う
A4想定のヘッダーを、プリンター設定でレターや別サイズにしていると崩れます。ページ設定とプリンター設定の両方を揃えてください。余白が極端に狭い
余白を詰めると、ヘッダーが入るスペースが減り、折り返しが起きやすくなります。ヘッダーを多く入れたい資料ほど、余白はある程度確保した方が安定します。
最後に、上から確認できるチェックリストを置いておきます。詰まったときは、ここを順番に潰すのが最短です。
ページレイアウト表示または印刷プレビューで確認している
ヘッダー編集状態から抜けて、プレビューで反映を見ている
シートが1枚だけ選択されている(グループ化されていない)
図形・画像・グラフなどのオブジェクト編集が解除されている
先頭ページのみ別指定のオン/オフを意図通りに設定している
用紙サイズ・向き・拡大縮小・余白が想定と一致している
表の見出し行を出したい場合、印刷タイトルを設定している(ヘッダーではない)
エクセルのヘッダー編集でよくある質問
ヘッダーを完全に消したい
最も確実なのは、カスタムヘッダー(またはフッター)を開いて、左・中央・右の内容をすべて空欄にする方法です。文字が残っていると、スペースや記号だけでも印刷に影響することがあります。見た目上消えたように見えても、プレビューで余白が変に広がる場合は、不要な文字(空白や改行)が残っていないか確認してください。
消した後は必ず印刷プレビューで確認し、1ページ目だけでなく2ページ目以降もヘッダーが消えているかを見てください。先頭ページのみ別指定がオンだと、1ページ目は消えたのに2ページ目は残っている、という状況が起きます。
1ページ目だけ消したい
「先頭ページのみ別指定」をオンにし、1ページ目側のヘッダーだけ空欄にします。重要なのは、オンにした後に、1ページ目と通常ページのヘッダーが“別枠”になる点です。
1ページ目で消したつもりでも、通常ページ側のヘッダーが残っていると、2ページ目以降に表示されます。印刷プレビューでページを進めて確認するのが確実です。
ページ番号を「1/10」形式にしたい
「1/10」は、ページ番号(現在ページ)と総ページ数を組み合わせた表現です。ヘッダー/フッターの編集画面で、以下のように作ります。
まずページ番号を挿入
次にスラッシュ(/)を手入力
次に総ページ数を挿入
この形式にすると、資料を束ねたときに「何枚中の何枚目か」が一目で分かり、会議中の参照がスムーズになります。
ただし、総ページ数は印刷範囲や拡大縮小で変わります。直前にページ分割を変えた場合は、必ずプレビューで「総ページ数が想定と一致しているか」を確認してください。
ロゴが大きすぎる・薄くしたい
ロゴが大きすぎる場合、ヘッダー側での調整だけで頑張るより、画像自体のサイズを事前に整える方が確実です。画像編集ソフトがなくても、ペイントやプレビュー系のツールで縮小して保存し直すだけで改善することが多いです。
「薄くしたい(目立たせたくない)」場合は、次の順で検討すると失敗が減ります。
ロゴを小さくする(余白の中で主張を抑える)
単色の濃いロゴではなく、淡いグレー版のロゴを用意する
背景透過PNGにして、余白の白となじませる
ヘッダーのロゴは装飾である一方、本文の邪魔になると逆効果です。印刷プレビューで「本文の可読性が落ちていないか」を最優先で判断してください。