Discordで友人と通話しようとした瞬間、「Error: 3002」の表示とともに自分の声だけ一切届かない——そのような状況にお困りではないでしょうか。
マイクはPCに接続されているのに反応せず、設定画面を開いては閉じ、原因が分からないまま通話やゲームの約束の時間だけが過ぎていく…。
本記事では、この「Discordエラー3002」が何を意味するのかを公式情報に基づいて整理しつつ、Windows環境を中心に、初心者の方でも順番に試していくだけで原因を切り分けられる具体的な対処手順を解説いたします。
ゲーマーの方はもちろん、オンライン会議や作業通話でDiscordを利用しているビジネスユーザーの方にも役立つよう、「今どこを確認すればよいか」が一目で分かるチェックリスト形式でご案内いたします。
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エラー3002は、マイクは認識されているが音が入っていない状態 を示すDiscordの音声エラーです。
原因の多くは、
マイク本体・ケーブル・物理ミュート、
OSのマイク権限・入力音量設定、
Discordの入力デバイス・ノイズ抑制設定、
サードパーティソフト・VPN・セキュリティソフトの干渉
に分類できます。
手順を上から順に試すことで、初心者でも少しずつ原因を絞り込めます。
まずは マイク本体とOSの設定 を確認。
次に Discordの入力設定とマイクテスト を実施。
改善しない場合は、ドライバー・サードパーティソフト・VPN・セキュリティソフト を一つずつ切り分け。
それでも解決しない場合は、情報を整理したうえで Discordサポートや機器メーカー に相談。
Discordエラー3002とは何か
エラー3002の意味(Silent Audio Input)と3001との違い
Discordのエラー3002は、音声入力に関するエラーコードです。
Discord公式ヘルプセンターでは、3002を「Silent Audio Input(マイクは接続されているが音を拾っていない状態)」として扱っており、マイク自体は認識されているものの、実際の音声信号がアプリまで届いていないときに発生します。
よく混同されるのがエラー3001です。
3001:マイクが検出されていない(物理的に接続されていない、もしくはOSがデバイスを認識していない状態)
3002:マイクは検出されているが、音声が入力されていない(ミュート・音量ゼロ・設定の不整合など)
つまり、エラー3002は「マイクはあるが、声が届いていない」状態だと理解すると分かりやすいです。
どんな状況でエラー3002が表示されるかの具体例
エラー3002は、次のようなタイミングで表示されることが多いです。
ボイスチャネルに参加した直後、画面上部に赤いバナーで
「Discordがマイクから入力を検出できません(Error: 3002)」
といったメッセージが出る。他人の声は聞こえるが、自分の声だけ一切通話相手に届かない。
Windowsのサウンド設定ではマイクの入力レベルが動いているのに、Discord側では入力ゲージが全く反応しない。
別のマイクに切り替えた途端、エラー3002が出るようになった。
このような場合、マイク本体・ケーブル・OSの音声設定・Discordの入力設定・サードパーティソフトなど、どこかの段階で音声が止まっている可能性があります。
基本知識:Discordとマイク周りの仕組み
OSとDiscordの役割分担
エラー3002の原因を切り分けるためには、「音声がどのような流れでDiscordに届くか」を簡単に理解しておくと役立ちます。
マイク本体・ケーブル
ここで故障や接触不良があると、OSまで音声が届きません。
OS(Windowsなど)
接続されたマイクをデバイスとして認識し、入力音量やミュート状態を制御します。
Discordアプリ
OSから渡された音声入力を、選択された「入力デバイス」として受け取り、通話相手に送信します。
エラー3002が出る場合、多くは 2番(OSの設定)または3番(Discord側の設定) で問題が発生しているケースが中心です。
よくある機材構成とトラブルの傾向
USBマイク
メリット:設定が比較的シンプル。
ありがちな問題:USBポートの相性、電源不足、ドライバー不具合。
有線ヘッドセット(3.5mmジャック)
メリット:安価で手に入りやすい。
問題例:マイクとヘッドホンが一体型の4極プラグで、PC側が4極に対応していない、物理ミュートボタンの押しっぱなし。
オーディオインターフェース+XLRマイク
メリット:高音質。
問題例:入力チャンネルの選択ミス、ゲイン不足、インターフェース側ミュート、専用ドライバー設定の不備。
自分の構成を把握したうえで、どの段階に問題がありそうかを切り分けていくことが重要です。
エラー3002の原因チェック|まず確認すべきポイント
マイク本体・ケーブル・物理ミュートの確認
最初に、もっとも基本的なポイントを確認します。
マイクやヘッドセットの ケーブルがゆるんでいないか。
マイクの 物理ミュートスイッチ がオンになっていないか。
別のUSBポート・別のケーブルに差し替えても症状が変わらないか。
可能であれば 別のPCやスマホ に接続して、マイク自体が正常に動作するかを確認する。
これらで問題がある場合は、設定をどれだけ調整してもエラー3002は解消しません。まずはハードウェア側に問題がないことを確認します。
Windowsのマイク権限と入力音量設定の確認
Windows 10/11では、アプリごとにマイクの利用権限が制御されています。
ここでDiscordの権限がオフになっていると、OS側ではマイクが動いていても、Discordには音が届きません。
手順例(Windows 11)
「スタート」→「設定」を開く。
「プライバシーとセキュリティ」を選択。
「マイク」を選択。
「アプリにマイクへのアクセスを許可する」をオンにする。
アプリ一覧からDiscordを探し、「オン」になっているか確認。
続いて、入力音量も確認します。
「設定」→「システム」→「サウンド」を開く。
「入力」セクションで、使用したいマイクが選択されているか確認。
「マイクのテスト」で声を出し、入力レベルが動くかチェック。
入力音量スライダーが極端に低くなっていないか確認。
ここで入力レベルが一切動かない場合は、OS側で音声が認識できていない可能性が高く、エラー3002だけでなく他のアプリでも問題が出ているはずです。
Discord側の入力デバイス設定とマイクテストの実行
OSでマイクが正常に動いていることを確認できたら、Discord側の設定を見直します。
Discordを開き、左下の歯車アイコン(ユーザー設定)をクリック。
「音声・ビデオ」を選択。
「入力デバイス」で、使用したいマイク(またはオーディオインターフェース)を選択。
「入力音量」を適切なレベルまで上げる。
「マイクテスト」の「チェックしてみましょう」ボタンを押し、話しながら入力ゲージが動くか確認。
入力ゲージもテスト再生も反応がない → OSまでは届いているが、Discordが受け取れていない可能性。
入力ゲージは動くが、通話相手に聞こえない → 出力側・相手側の設定やネットワークの問題も考慮が必要。
Windowsでの具体的な対処手順【順番に実行】
ここからは、Windows環境を前提に、エラー3002解消のための具体的な手順を順番に整理します。
手順1:アプリのマイク権限を有効にする
先ほどの項目と重なりますが、エラー3002では 権限の見落とし が非常に多いため、改めて最優先ステップとして位置づけます。
OS全体でマイクアクセスが許可されているか。
Discordに対して個別にマイク利用が許可されているか。
会社・学校支給PCの場合、IT部門のポリシーで制限されている可能性もあるため、その場合は管理者に確認が必要です。
手順2:正しい入力デバイス・音量を選択する
マイクやオーディオIFを複数接続している環境では、
「OSではAというマイクをデフォルトにしているが、Discord側ではBが選ばれている」
といったズレが起こりがちです。
Windowsの「サウンド」設定で 既定の入力デバイス を使用したいものに設定。
Discordの「入力デバイス」でも同じものを選択。
入力音量を上げ、マイクテストで音が乗っているか確認。
これだけでエラー3002が解消するケースも珍しくありません。
手順3:オーディオドライバーを更新・再インストールする
ドライバーの不具合や古いバージョンが原因で、OSからDiscordへの音声引き渡しに問題が生じることがあります。
「デバイスマネージャー」を開く。
「オーディオの入力および出力」から該当のマイクデバイスを右クリックし、「ドライバーの更新」を選択。
「ドライバーソフトウェアの最新版を自動検索」を実行。
更新後はPCを再起動し、Discordで再テスト。
メーカー製PCや専用サウンドカードを使用している場合は、メーカーサイトから最新ドライバーをダウンロードしてインストールする方法も有効です。
手順4:ノイズ抑制・ボイスチェンジャー等の干渉を無効化する
Discordの内蔵ノイズ抑制や、ボイスチェンジャー・仮想オーディオミキサーなどのサードパーティソフトがマイク入力を妨げるケースがあります。
Discord「音声・ビデオ」の「ノイズ抑制」を一旦「なし」にする。
VoiceMeeterなどのミキサーソフトやボイスチェンジャーを停止・アンインストールしてみる。
アンチウイルスやセキュリティソフトが、Discordのマイクアクセスや通信をブロックしていないか確認。
これらを一時的にすべてオフにし、シンプルな構成でマイクが動作するかをチェックすることが重要です。
手順5:Windowsトラブルシューティングと再起動
ここまで試しても改善が見られない場合は、Windows標準のトラブルシューティングツールを試します。
「設定」→「システム」→「トラブルシューティング」→「その他のトラブルシューティングツール」を開く。
「オーディオ」の「実行」をクリック。
画面の指示に従い、検出された問題を修正。
PCを再起動し、Discordの通話で再度確認する。
最後に、Discord自体を完全に終了し(タスクトレイからも終了)、再起動することも有効です。
ケース別のトラブルシューティング
他の通話アプリでは正常だがDiscordだけエラー3002の場合
ZoomやTeamsでは問題なくマイクが使えるのに、Discordだけエラー3002になる場合、次の可能性が考えられます。
Discordの入力デバイス設定が他アプリと異なっている。
Discordの音声入力感度設定が厳しすぎる。
Discordのキャッシュや一部設定が破損している。
対処の流れ:
Discordの入力デバイスを「既定」ではなく、実際のマイク名を明示選択。
「自動入力感度」を一時的にオフにし、手動で感度を調整。
Discordをアンインストールし、最新バージョンを公式サイトから入れ直す。
ゲーム起動中だけマイクが反応しない場合
ゲームプレイ中のみエラー3002が出る場合、以下を疑います。
ゲームがマイクデバイスを占有している。
CPU/GPU負荷が高すぎて、音声処理が遅延・不安定になっている。
オーバーレイ機能や管理者権限の違いによる干渉。
対処例:
ゲーム側の音声設定で使用デバイスを見直す。
Discordとゲームを同じ権限(両方管理者権限 or 両方通常権限)で実行する。
オーバーレイ機能を一時的にオフにする。
USBオーディオインターフェース・ミキサー使用時の注意点
オーディオインターフェースを使っている場合、サンプリングレートや入力チャンネル設定が原因で、Discord側に音が渡っていないことがあります。
インターフェースの設定ソフトで、マイクが有効なチャンネルに割り当てられているか確認。
Windowsのサウンド設定で、サンプリングレートを一般的な「48kHz 24bit」などに変更してみる。
2ch/マルチチャンネル設定がDiscordと合っているか確認。
ネットワーク・VPN・セキュリティソフトが原因のケース
学校・職場ネットワークでの制限と対処の考え方
学校や会社のネットワークでは、ボイスチャット系の通信が制限されている場合があります。
特定ポートのブロックやプロキシ経由が原因で、音声通信が不安定になる。
自宅Wi-Fiでは問題ないのに、職場や学校ではエラー3002が頻発する場合は要注意。
この場合は、ネットワーク管理者に相談し、Discordの利用可否やポリシーを確認する必要があります。
VPN利用時に起こりやすい問題と設定見直しポイント
一部のVPNサービスでは、音声通話に使われるUDP通信が制限されることがあり、Discordの音声機能に影響するケースがあります。
VPN接続時だけエラー3002が出る/音声が途切れる。
VPNを切ると問題が解消する。
このような場合は、
一時的にVPNを切断して動作確認を行う。
UDP対応のVPNに切り替える。
特定リージョンのサーバーから別のリージョンに変更してみる。
といった対処が考えられます。
セキュリティソフトやファイアウォール設定の確認項目
セキュリティソフトやファイアウォールによって、Discordのマイクアクセスや音声通信がブロックされることもあります。
セキュリティソフトの設定画面で、Discordが「信頼済みアプリ」になっているか。
Windowsファイアウォールで、Discordの通信が許可されているか。
一時的にセキュリティソフトをオフにし、問題が解消するかを確認(必ず自己責任で、必要最低限の時間に留める)。
無料でできる対処と有料の選択肢(料金イメージ)
無料でできるチェック・設定変更の一覧
無料でできる主な対処
OSのマイク権限・サウンド設定を確認・調整する。
Discordの入力デバイス・入力感度・ノイズ抑制設定を見直す。
ドライバーの更新(標準ドライバー・メーカー提供ドライバーのインストール)。
VPNやサードパーティソフトを一時的に無効化して切り分け。
DiscordやPCの再起動・クリーンインストール。
まずは、これらの無料の手順を一通り試すことを推奨いたします。
機材買い替えが必要なケースとおおよその費用感
以下のような場合は、マイクやケーブル自体の故障が疑われます。
別PCやスマホに接続しても、一切音が入らない。
ケーブルの位置によって音が途切れるなど、明らかな接触不良がある。
概算費用イメージ(参考)
エントリークラスUSBマイク:数千円〜1万円台前半程度。
ヘッドセット:数千円〜。
オーディオインターフェース+マイク:合計で1万〜数万円以上。
※あくまで目安であり、具体的な購入は予算・用途・好みに応じて検討ください。
有料サポート・ショップ相談を検討すべきケース
ビジネス用途で、短期間で確実に復旧したい。
複雑なオーディオ環境(複数のマイク・ミキサー・配信ソフト連携)で、自力での切り分けが困難。
このような場合は、
PCショップの有料サポート、
企業内IT部門、
オーディオ機器メーカーのサポート窓口
などに相談し、環境診断を依頼することも選択肢になります。
リスク・注意点とやってはいけないNG対処
無闇なレジストリ編集や怪しいドライバーソフトのリスク
ネット上には、「このレジストリを削除すれば直る」「このツールを使えば一発で解決」といった情報も存在しますが、
出所が不明なレジストリ操作
正体不明のドライバー更新ツール
などは、システム破損や情報漏洩のリスクが高く、おすすめできません。
常用環境を壊さないためのバックアップ・復元ポイント
ドライバー更新や設定変更を行う前には、以下を意識すると安全です。
重要なデータは別ドライブ・クラウドにバックアップ。
必要に応じてWindowsの「復元ポイント」を作成しておく。
大きな変更は一度に複数行わず、「1つ変更 → 動作確認」のサイクルを守る。
よくある質問(FAQ)
スマホ版Discordでもエラー3002は出る?
エラーコードの詳細は主にPC向けですが、スマホ版(Android/iOS)でもマイク権限やOS設定が原因で、音声が入らない問題は発生します。
スマホの「設定」→「アプリ」→「Discord」→「権限」でマイクが許可されているか確認。
イヤホンマイク利用時は、物理ボタン・接続状態を確認。
PC版と同様に、まずはOS側の権限と物理的な接続を確認するのが基本です。
エラーコードが表示されず、マイクだけ反応しない場合との違いは?
エラー3002が表示される:Discordが「音声が入っていない」状況を検知している。
エラーコード表示なし:音量が小さすぎる/相手側やサーバー側の問題など、Discord側はエラーとして扱っていない可能性がある。
エラー表示がない場合も、この記事で紹介した 権限・入力デバイス・音量・ドライバー・サードパーティソフト のチェックは有効です。
再インストールしても直らない場合はどうすればよい?
Discordを再インストールしても改善しない場合は、以下を整理してからサポートに相談するとスムーズです。
使用OSとバージョン(例:Windows 11 23H2)。
使用マイク・オーディオインターフェースの型番。
他アプリ(Zoom、ブラウザなど)でマイクが動作するかどうか。
この記事で紹介したどの手順まで実施したか。
エラー3002が表示されるタイミングのスクリーンショット。
これらをまとめたうえで、Discordサポートや機器メーカーサポートに問い合わせると、原因の特定が早まりやすくなります。