英語を勉強しているのに、いざ話そうとすると言葉が出てこない。単語や文法は覚えたはずなのに、会話では沈黙してしまう――この悩みは、学習量が足りないからではなく「学び方の順番」と「口から出す練習の設計」が噛み合っていないことが原因になりがちです。
本記事では、英語を「知っている状態」から「伝えられる状態」へ変えるために、何から手をつけるべきかを整理し、独学でも続けられる毎日30〜60分の学習ループを具体的に解説いたします。単語の覚え方、瞬間英作文の取り入れ方、シャドーイングとリスニングの使い分け、オンライン英会話を伸びにつなげる復習法まで、つまずきやすいポイントを症状別に対処できるようにまとめています。
完璧な英語を目指す必要はありません。まずは「止まらずに伝えられる英語」を手に入れるために、今日から回せる方法を一緒に作っていきましょう。
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英語が話せるようになるには最初に目標を決める
英語が話せるの基準を言語化する
「英語が話せるようになりたい」という願いは自然ですが、ここが曖昧なままだと学習が散らばります。たとえば、旅行で困らない程度の会話と、仕事で会議を回す会話では、必要な語彙も反応速度も違います。まずは次の3点を言語化してください。
どんな場面で話したいか(旅行、仕事、雑談、留学準備など)
その場面で何ができれば合格か(注文できる、道を聞ける、自己紹介と業務説明ができる、会議で確認と提案ができる等)
どの程度の正確さを求めるか(完璧を目指すのか、多少崩れても通じれば良いのか)
ここでおすすめなのは、「自分の英語の“役割”」を決めることです。英語は教養としてのゴールではなく、生活や仕事の目的を達成するための道具です。道具として使える状態を定義すると、学ぶべき表現が絞れます。
また、目標は「できること」で測れるようにします。たとえば「ペラペラ」は測れませんが、「初対面の相手に自己紹介を1分でできる」「会議で確認の質問を3回できる」は測れます。測れる目標は、達成感につながり、継続を助けます。
さらに重要なのが、「話す英語は、まずは短くていい」という前提です。会話では長い文を作るより、短い文を途切れずにつなげるほうが通じます。たとえば次のように、短文で十分に意思は伝えられます。
I’m not sure.(まだ確信がありません)
I’ll check and get back to you.(確認して戻ります)
Could you say that again?(もう一度言ってもらえますか)
I mean…(つまり…)
まずはこうした「会話を止めない道具」を増やすことが、話せる感覚への近道です。
目的別にゴールを分ける
目的が異なれば、練習すべき内容も変わります。ここではよくある目的を整理し、どこから伸ばすべきかを明確にします。
| 目的 | 最優先で身につけたい力 | 具体的にできるようにすること | 伸びやすい学習セット |
|---|---|---|---|
| 海外旅行 | 定型フレーズと聞き返し | 予約、注文、道案内、トラブル対応 | フレーズ暗記+ロールプレイ+聞き返し練習 |
| 仕事 | 説明・確認・合意形成 | 自己紹介、業務説明、進捗報告、確認質問 | 業務フレーズ集+瞬間英作文+会話ループ |
| 雑談 | 質問とリアクション | 趣味、週末、感想、相手に質問 | 独り言英語+雑談テンプレ+会話実践 |
| 留学・ワーホリ | 日常生活の運用 | 買い物、行政手続き、友人作り | 多場面フレーズ+多聴+会話頻度増 |
重要なのは、全部を一度にやらないことです。特に仕事目的の人は、まず「業務の定番場面」を決めましょう。
進捗を伝える
スケジュール調整をする
不明点を確認する
依頼・お願いをする
相手の意見を要約して確認する
この5つが回るだけで、「仕事で英語が必要」な人の困りごとは大きく減ります。
学習時間の現実ラインを決める
継続は根性ではなく、設計で決まります。理想を高くしすぎると、忙しい日に崩れてゼロになり、ゼロの期間が続きます。まずは現実的に確保できる時間を決め、そこで回るメニューに落とし込みます。
目安としては次の通りです。
平日:30〜60分(短くても毎日)
週末:60〜120分(復習と会話を厚め)
ここで大事なのは、「毎日やる核」を作ることです。核がある人は崩れにくいです。核の例は次の3つです。
例文の想起(3〜5分)
独り言英語(3〜5分)
短い瞬間英作文(10分)
この核さえ守れれば、忙しい日でも前進できます。逆に「今日は2時間やる」が核だと、1日崩れたときに立て直しが難しくなります。
英語が話せるようになるにはインプットを話す形に変える
単語はフレーズで覚える
「単語が出ない」という悩みは、単語力の問題に見えます。しかし多くは、単語が足りないのではなく、単語が“使える形”で入っていないことが原因です。会話では単語を単体で思い出すのではなく、よく一緒に出る形(コロケーション)や言い回しとしてまとまって出てきます。
たとえば、recommend を覚えるなら次のように覚えたほうが、実際の会話で出ます。
I recommend ___.
Can you recommend ___?
What do you recommend?
同様に、confirm なら次のように覚えます。
I’d like to confirm ___.
Can I confirm ___?
Just to confirm, ___.
フレーズ学習のコツは3つです。
短い型で覚える
「I think」「I’m not sure」「It depends」「Could you」など、会話の骨格になる型は繰り返し登場します。自分の目的の場面で使うものだけ集める
旅行目的の人が会議フレーズを集めても使いません。使わない英語は定着しにくいです。必ず口に出す前提で覚える
目で見て「分かる」ではなく、口で言って「出る」を目指します。
また、フレーズを増やすときは「万能フレーズ」を優先しましょう。たとえば次は、仕事でも旅行でも使えます。
Could you help me with ___?
I’m looking for ___.
I’d like to ___.
I’m sorry, I don’t understand.
Could you explain that?
こうした万能フレーズは、英語が詰まったときの安全装置になります。
文法は瞬間英作文で運用に寄せる
文法は必要ですが、文法問題が解けることと、会話で文が出ることは別です。会話で必要なのは、瞬間的に「文の型」を組み立てる力です。そこで役に立つのが瞬間英作文です。
やり方は単純ですが、守るべきポイントがあります。
短文から始める(欲張らない)
時間制限をつける(3秒〜5秒)
言えなかった文だけ繰り返す(効率重視)
音声で言う(頭の中だけで終わらせない)
例として、仕事でよく使う短文を並べます。まずはこれくらいの粒度で十分です。
I’ll send it today.(今日送ります)
I’ll share it later.(あとで共有します)
I’m working on it.(対応中です)
It’s almost done.(ほぼ終わりました)
We need more time.(もう少し時間が必要です)
Can you clarify that?(それをもう少し具体的に教えてください)
Do you mean ___?(つまり___という意味ですか)
瞬間英作文で重要なのは、「間違ってもいいから言う」ことです。会話で必要なのは正確さより反応速度です。正確さは、後から修正して上がります。最初から正確さを求めるほど、口が止まります。
また、文法は「よく使う形」から覚えます。とくに次の要素は優先度が高いです。
時制:現在、過去、未来(will)
助動詞:can、should、need to、have to
比較:more、less、better、worse
接続:because、so、but、and、however
難しい文法に寄り道するより、会話で頻出の型を固めたほうが「話せる」感覚が早く手に入ります。
リスニングは精聴と多聴を役割分担する
「聞き取れないから話せない」はその通りです。ただし、闇雲に聞くだけでは伸びにくいので、リスニングは「精聴」と「多聴」に分けると効率が上がります。
精聴(短く深く)
目的:音の変化や聞き落としポイントを発見する
方法:
10〜30秒の短い音声を選ぶ
まず通して聞く
次に1文ずつ止めて聞く
聞こえた通りに口で真似る(軽くで良い)
自分が聞き落とす部分をメモする
精聴は「分からない原因の特定」に強いです。たとえば、単語を知らないのか、音が繋がって聞こえないのか、スピードの問題なのかが分かります。
多聴(長く広く)
目的:英語の速度とリズムに慣れる
方法:
7〜8割理解できる素材を選ぶ
毎日10〜20分、流し聞きでも良い
ただし完全に聞き流すのではなく、要点は追う
多聴は「慣れ」に強いです。英語の処理が苦しいのは、慣れが足りないからという側面が大きいです。多聴で負荷を下げ、会話の土台を作ります。
この2つを分けると、「今日は精聴の日」「今日は多聴の日」と回せるので継続もしやすくなります。
英語が話せるようになるには毎日アウトプットを仕組みにする
独り言英語で口を慣らす
英語が話せない最大の理由は、英語を口に出す量が少ないことです。独り言英語は、相手がいなくても発話量を増やせる最強の練習です。ポイントは「場面固定」と「短く繰り返す」です。
おすすめの場面固定の例です。
朝:今日の予定を3文
例:I have a meeting at 10. I’ll work on the report. I’ll go to the gym after work.通勤:目に入ったものを描写
例:It’s crowded today. The train is late. People look tired.夜:今日の出来事を3文
例:I was busy. I solved a problem. I want to relax now.
独り言英語は「正しい英語」を作る練習ではなく、「口を動かし続ける練習」です。詰まったら簡単に言い換えます。語彙が出なければ、知っている単語で説明します。これが会話力です。
また、独り言英語を強化するコツとして「テンプレ」を持つと効果が上がります。
Today I want to talk about ___.
The reason is ___.
For example, ___.
So, I think ___.
このテンプレがあると、話の形が作れます。形があると、内容を載せるだけで話せるようになります。
想起で定着させる復習の型
「覚えたのに出てこない」を解決する鍵は復習です。ただし復習は、ノートを見返すだけでは弱いです。必要なのは「想起」—つまり、見ずに思い出す練習です。会話は常に「思い出して出す」行為なので、復習も同じ形式に寄せる必要があります。
おすすめの復習の型は次の通りです。
例文(フレーズ)を5つ決める
目的に直結するものだけ。多くしない。日本語または状況から英語を言う
例:「確認したい」→ I’d like to confirm …言えなかったものだけ見直す
同じ日にもう一度だけ言う(短く)
翌日、3日後、1週間後に再び言う
この「間隔を空けて思い出す」復習を入れると、記憶は強くなります。学習時間が長くなくても、定着の質が変わります。
復習を続けるためのコツは、「復習するものを増やしすぎない」ことです。1日5〜10フレーズで十分です。量より回転数が大事です。
また、復習は紙よりスマホのメモでも構いません。ただし、必ず「見ずに言う」を入れてください。見たまま読むのは音読であって想起ではありません。音読は大事ですが、想起の代わりにはなりません。
週に数回の会話練習を無駄にしない
会話練習は必要です。しかし、会話をすれば自然に伸びるわけではありません。伸びる人は、会話を「練習の場」ではなく「検証の場」として使っています。つまり、普段の練習で用意した表現が、本番で出るかどうかを確かめます。
会話練習が週2〜4回でも伸ばすための基本ルールは次の3つです。
毎回のテーマを決める(話す材料を持ち込む)
毎回の学びを回収する(詰まりをメモする)
次回に再挑戦する(同じ表現をもう一度使う)
会話で「言えなかったこと」は宝です。言えなかった=今の自分に必要な表現です。ここを回収して、次回に使うと伸びます。
逆に伸びないパターンは、「毎回違う話題を場当たり的に話し、復習せず終える」です。これだと、レッスンは受けたのに定着が弱くなります。
英語が話せるようになるにはオンライン英会話を学習装置にする
レッスン前の準備で話す材料を作る
オンライン英会話を「練習の場」にするためには、準備が必要です。準備がないと、言える範囲の話だけをして終わり、詰まりが表面化しません。詰まりが表面化しないと、改善点が見えません。
レッスン前の5〜10分で、次をやってください。
今日の話題を1つに絞る
例:仕事の進捗、年末の予定、最近の出来事伝えたい要点を日本語で3つ書く
「何を」「なぜ」「どう感じた」を1行ずつそれを英語にしてみる(完璧でなくてよい)
分からない単語があれば、言い換え案を考える
例:technical issue → a problem with the system
準備の目的は、スムーズに話すことではなく、「話したい内容を持ち込んで、詰まりを見つける」ことです。
また、仕事目的の人は「業務説明テンプレ」を作っておくと圧倒的に楽になります。たとえば次のような骨組みです。
I work as a ___.(職種)
My main role is ___.(役割)
Recently, I’m working on ___.(最近の案件)
The challenge is ___.(課題)
Next, I plan to ___.(次の予定)
このテンプレに単語を入れ替えるだけで、会話の材料が増えます。
レッスン中に詰まった箇所をメモする
レッスン中は「うまく話す」より「学びを拾う」を優先します。メモする対象を絞ると、復習が回ります。
メモするのは次の3種類だけで十分です。
言いたいのに出なかった表現
例:「念のため確認したい」「こちらで対応します」など聞き返したいのに言えなかった表現
例:Could you repeat that? / What does ___ mean?直された言い方
例:I will explain → Let me explain のほうが自然、など
メモは長文にしないこと。レッスン中に文章を書こうとすると、会話の集中が切れます。キーワードだけで構いません。
そして、レッスン中に「間違いを恐れない」ことが大前提です。間違いは、修正されることで価値になります。間違いを避けると、学びの密度が下がります。
レッスン後に言い換えと再試行で伸ばす
オンライン英会話の効果を決めるのは、レッスン後の10分です。ここをやるだけで、同じ受講回数でも伸び方が変わります。
おすすめの「レッスン後ルーティン」は次の通りです。
| タイミング | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 直後 | メモを3〜5個だけ清書し、例文にする | 増やさない。少数精鋭 |
| その日のうち | 例文を見ずに言い直し、録音する | 「見ずに言う」が核 |
| 翌日 | 同じ例文をもう一度言う | 1〜3分で良い |
| 次回前 | 例文を軽く復習してからレッスンへ | 再挑戦の準備 |
「言えなかったこと」を「言える」に変えるには、再試行が必要です。英語は知識より運動に近いので、筋トレと同じで反復が効きます。
また、言い換え力を鍛えるなら、例文を2パターン作ると効果的です。
正式で丁寧な言い方(仕事向け)
簡単で短い言い方(詰まったとき用)
例:
I’d like to confirm the schedule.(丁寧)
Just to confirm the schedule.(短い)
短い版を持っていると、会話が止まりにくくなります。
英語が話せるようになるには伸びない原因を症状別に潰す
会話で固まるときの対処
会話で固まる人は、頭の中で「正しい文を作ってから話そう」としています。これをやめるだけで、会話は動き始めます。対処は「会話の部品」を準備することです。
固まりやすい瞬間は次の3つです。
すぐに答えが出ない質問をされたとき
意見を求められたとき
相手の発言が曖昧で確認したいとき
それぞれに「時間を稼ぐ部品」と「つなぐ部品」を持ちます。
時間を稼ぐ
Let me think. / That’s a good question. / One moment.つなぐ
What I mean is… / In other words… / The point is…保留する
I’m not sure right now. / I’ll check and get back to you.方向転換する
Could you give me an example? / Could you clarify that?
固まる人ほど、「沈黙=失敗」だと思いがちです。しかし会話では、短い保留や確認は自然です。必要なのは沈黙をゼロにすることではなく、沈黙の代わりに言葉を置くことです。
単語が出ないときの対処
単語が出ないときに大切なのは、「正しい単語を探し続けない」ことです。探している間に会話が止まります。単語が出ないときは、言い換えで逃げて構いません。言い換え力は、会話の強さそのものです。
言い換えの基本パターンは次の通りです。
説明する
It’s a tool to… / It’s used for… / It’s something that…比べる
It’s like… / It’s similar to…例を出す
For example,… / Such as…機能で言う
It helps us… / It allows us to…
仕事で専門用語が出ないときも同じです。たとえば “authentication” が出ないなら、
It’s a process to verify users.
のように、知っている単語で機能を説明すれば十分通じます。
また、単語が出ない原因が「覚えていない」ではなく「思い出す練習が足りない」ことも多いです。単語帳を眺めるだけでは、会話で出るようになりません。単語もフレーズも、必ず「見ずに言う」練習を入れてください。
聞き取れないときの対処
聞き取れないときに黙ってしまうと、会話の主導権が消えます。聞き取れないのは普通のことなので、「聞き返す型」を体に入れておけば大丈夫です。
Could you say that again?(もう一度お願いします)
Could you speak more slowly?(もう少しゆっくりお願いします)
What does ___ mean?(___はどういう意味ですか)
Do you mean ___?(___という意味ですか)
So, you’re saying ___, right?(つまり___ということですね)
聞き返しができると、聞き取れない不安が減り、話す余裕が生まれます。
さらに、聞き取れない原因を切り分けると対策が明確になります。
音の問題:単語は知っているのに聞こえない
→ 精聴、シャドーイング、音読語彙の問題:知らない単語だらけ
→ フレーズ学習、頻出語彙の優先
音の問題は、短い素材の反復が効きます。長い動画をだらだら聞くより、10秒〜30秒の素材を繰り返し、同じフレーズを口で真似るほうが改善が早いです。
発音が不安なときの対処
発音が不安で話せない人は多いですが、発音は「完璧」を目指さなくて大丈夫です。通じる発音の最重要ポイントは、実は細かい音の正確さより、リズムと強弱です。
優先順位は次の通りです。
単語の強弱(どこを強く言うか)
文全体のリズム(間の取り方)
子音(語尾のt/d/sなど)
母音の細かい違い
発音練習は、次の方法が続きやすいです。
短い音声を選ぶ(10〜20秒)
まずは音読(見ながら)
次にシャドーイング(聞きながら同時に)
録音して比べる(完璧に似せる必要はない)
録音は恥ずかしいですが、客観的に差が分かるので上達が速くなります。自分の発音が改善すると、リスニングも楽になります。「言える音は聞こえる」からです。
英語が話せるようになるには継続の仕組みを作る
1週間の学習メニュー例
ここまでの内容を、現実に回る形に落とします。平日30〜60分、週末に少し厚め、という前提の例です。重要なのは、毎日同じ型で回すことです。
| 曜日 | 30〜60分メニュー | 目的 |
|---|---|---|
| 月 | フレーズ想起5分+瞬間英作文10〜15分+独り言5分+多聴10分 | 週の起動、口の準備 |
| 火 | 精聴10分+音読5分+シャドーイング10分+想起5分 | 音の弱点発見と修正 |
| 水 | オンライン英会話(または会話練習)+復習10分 | 詰まりの収集と回収 |
| 木 | 瞬間英作文15分+独り言5分+想起5分+多聴10分 | 文の反射を強化 |
| 金 | 例文の小テスト化10分+独り言5分+多聴15分 | 定着と気持ちの余裕 |
| 土 | 会話練習長め+レッスン後復習 | 発話量を稼ぐ |
| 日 | 1週間の復習(想起中心)+次週の話題準備 | 伸びの見える化 |
このメニューのポイントは、新規を増やしすぎないことです。新規を増やすと、復習が追いつかず、「分かった気がする」が増えます。英語は復習で伸びます。
また、オンライン英会話が週1回しか取れない場合でも、独り言と瞬間英作文、想起を毎日回していれば、会話の場での反応速度は上がります。会話は「出す練習」の総量が効きます。
習慣化のチェックリスト
学習が続かないのは、意思が弱いからではありません。環境と仕組みが未完成なだけです。次のチェックリストで、続く土台を作ってください。
学習する時間帯を固定している
机に座らなくてもできるメニューがある(独り言、想起、多聴)
1回の学習が短く区切られている(最小3分〜)
学習の記録が残る(チェック、メモ、録音)
復習する日が最初から予定に入っている
完璧主義を手放している(崩れても翌日戻れる)
特に効果が大きいのは、「最小メニュー」を決めることです。最小メニューがある人は、忙しい日でもゼロになりにくいです。
例:
想起3分(例文3つだけ)
独り言2分(今日の予定だけ)
たった5分でも、毎日積み上がります。ゼロの日をなくすことが、最終的に最短ルートになります。
挫折しそうなときの立て直し方
どんな人でも、忙しい週、体調が悪い週、やる気が出ない週は来ます。そこで大切なのは「止めない」ことではなく、「小さくして続ける」ことです。
立て直しの具体策は次の通りです。
新規を止めて復習だけにする
例文を増やさず、既存の想起だけにする。メニューを短縮する
30分が無理なら10分。10分が無理なら5分。会話練習のハードルを下げる
オンライン英会話が重いなら、独り言を増やして代替する。週末に回収する
平日に崩れた分は、日曜に「復習だけ」して取り戻す。
ここでやってはいけないのは、「一度崩れたからもう無理」と判断して全部やめることです。英語学習は、やめた期間が長いほど再開が重くなります。小さくしてでも続けると、再開が軽くなります。
最後に、学習の評価軸を変えてください。「今日は何時間やったか」ではなく、「今日は口を動かしたか」「見ずに言えたか」を評価します。話せるようになる人は、勉強時間より、反復回数を増やしています。
この仕組みで回し続ければ、ある日突然、会話で言葉がつながり始めます。完璧ではなくても、止まらずに伝えられる。その感覚が出たら、そこから先は伸びが加速します。