PS4やPS5のコントローラーを、PCゲームでもそのまま使いたいと考える方は多いです。
しかし、WindowsではPlayStation用コントローラーが標準で完全対応しているわけではないため、そのままでは一部のゲームで正しく認識されないことがあります。
その問題を解決してくれるのが「DS4Windows」です。
本記事では、DS4Windowsの概要から安全なダウンロード方法、インストール手順、初期設定、トラブル解決、今後の付き合い方まで、Windows 10/11ユーザー向けに丁寧に解説します。
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DS4Windowsとは?できることと注意点
DS4Windowsの仕組みと特徴
DS4Windowsは、PlayStation用コントローラー(DualShock 4やDualSenseなど)を「Xbox 360コントローラーとしてエミュレート」するためのツールです。
多くのPCゲームは、Microsoft標準の「XInput(Xboxコントローラー)」には対応している一方で、PlayStationコントローラーにそのまま対応していない場合があります。DS4Windowsは、このギャップを埋めるために次のような役割を果たします。
PS4 / PS5コントローラーの入力を受け取り、
内部でXbox 360コントローラー相当の入力に変換し、
Windowsやゲームからは「Xbox 360コントローラー」として認識させる
その結果、多くのPCゲームでPlayStationコントローラーが問題なく利用できるようになります。
主な機能は次のとおりです。
ボタン・スティック・トリガーのリマッピング
振動の強さやデッドゾーンの調整
ライトバーの色・明るさの変更
ゲームごとのプロファイル保存
自動起動・バックグラウンド動作 など
対応コントローラー・対応OS
代表的な対応コントローラーは以下のとおりです。
DualShock 4(PS4純正コントローラー)
DualSense(PS5純正コントローラー)
一部のPS3用コントローラー
Nintendo Switch Proコントローラー
Joy-Con(左右それぞれ、または連結)
対応OSは、現在の利用シーンでは主に以下が想定されています。
Windows 10
Windows 11
※古いWindows(7など)向けの記述が残っている記事もありますが、本記事ではWindows 10/11を前提とします。
メリット・デメリットと開発終了の現状
メリット
多くのゲームでPlayStationコントローラーを使用可能にできる
ゲームごとに細かな設定を保存できる
オープンソースであり、動作や設定が比較的透明
デメリット
非公式ツールであり、ゲームやOS側の変更により突然動かなくなる可能性がある
設定項目が多く、慣れないうちは難しく感じる場合がある
ダウンロード元を誤ると、改変版や望ましくないソフトウェアを入れてしまうリスクがある
さらに重要な点として、Ryochan7によるDS4Windowsの開発は2023年末で終了しており、GitHubのリポジトリは2024年1月にアーカイブされています。
これは「すぐ使えなくなる」という意味ではありませんが、今後のWindowsアップデートやドライバー更新に対する新機能追加や不具合修正は基本的に期待できない、ということは理解しておく必要があります。
DS4Windowsの安全なダウンロード先と事前準備
公式GitHubとダウンロードサイトの違い
検索エンジンで「ds4windows」と入力すると、次のようなサイトが多数表示されます。
GitHub(開発者による配布)
ds4-windows.com、ds4windows.to などの専用ドメインサイト
Softonic、Uptodown等のダウンロードポータルサイト など
これらは必ずしもすべて危険というわけではありませんが、「どれが本来の配布元か」が分かりにくくなっています。
開発者の観点から見ると、本来の配布元は GitHubのRyochan7/DS4Windowsリポジトリのリリースページ です。
コミュニティでは、「本物はGitHubのリリースであり、.comや.netのダウンロードサイトは避けるべき」という意見も複数見られます。
推奨される入手ルートと注意すべきポイント
基本的には、以下の方針を推奨します。
公式GitHubのリリースページからZIPファイルをダウンロードする
インストーラー形式ではなく、ZIPを展開して任意フォルダーから起動する(いわゆる「ポータブル」形式)
他サイトからダウンロードする場合は、
不必要な「独自インストーラー」や「ダウンローダー」を介さないこと
セキュリティソフトの警告内容を必ず確認すること
また、開発が終了している以上、「最新バージョンに常にアップデートすべき」という発想は持たず、安定しているバージョンを大切に使う ことも重要です。
インストール前に準備しておくもの
詳細なバージョンは環境によりますが、一般には以下のような前提環境が必要です。
最新のWindows更新プログラム(Windows Update)の適用
Microsoft .NET(DS4Windowsが要求するバージョン)
ViGEmBusなど、仮想コントローラードライバー(DS4Windows内のセットアップから導入)
多くの場合、DS4Windowsの初回起動時に「必要なドライバーをインストールする」ボタンが表示されるため、案内に従って進めれば問題ありません。
DS4Windowsのインストール手順(Windows 10/11)
初回起動
GitHubのリリースページから、安定版のZIPファイル(例:
DS4Windows_3.3.3_x64.zip)をダウンロードします。ダウンロードしたZIPファイルを右クリックし、「すべて展開」を選択します。
展開先として、以下のようなフォルダーを用意すると分かりやすくなります。
C:\Program Files\DS4Windowsもしくはユーザーのドキュメントフォルダー配下
展開後、フォルダー内の
DS4Windows.exeをダブルクリックし、初回起動します。
初回セットアップ画面での基本設定
初回起動時には、必要なドライバーやコンポーネントのインストールを促す画面が表示されることがあります。
「DS4 driver install」や「ViGEmBusのインストール」など、必要と表示された項目に従って進めます。
Windows 7向けの「Xbox 360ドライバー」など、環境によって不要なものが表示される場合がありますが、Windows 10/11では多くが既にインストール済みです。
画面の指示を一通り完了したら、いったんDS4Windowsを閉じて再起動するとスムーズです。
自動起動設定・バックグラウンド動作の有効化
コントローラーを頻繁に使う場合は、Windows起動時に自動的にDS4Windowsも起動するよう設定すると便利です。
設定タブにある「OS起動時に起動」「タスクトレイに最小化」といった項目にチェックを入れます。
これにより、普段はタスクトレイのアイコンだけが表示され、バックグラウンドで動作するようになります。
初期設定と日本語化・基本プロファイルの作成
言語設定を日本語に変更する手順
DS4Windowsを起動し、「Settings」タブを開きます。
「Use language pack」のプルダウンから「日本語」を選択します。
一度DS4Windowsを終了し、再度起動すると、日本語化されたUIが表示されます。
日本語化により、設定項目の意味が分かりやすくなり、誤設定のリスクを減らせます。
「Hide DS4 Controller」など推奨設定
PS4/PS5コントローラーを接続すると、Windows上では次のように二重認識されることがあります。
「Wireless Controller」
「Controller (Xbox 360 For Windows)」
この状態のままでは、一部のゲームで入力が重複し、予期せぬ挙動の原因となります。
そのため、以下の設定が推奨されます。
「設定(Settings)」タブを開く
「Hide DS4 Controller」にチェックを入れる
DS4Windowsを一度停止し、再度開始する
これにより、生のDS4入力を隠し、エミュレートされたXbox 360コントローラーのみをゲームに渡すことができます。
ゲーム向けの基本プロファイルを作成する
「コントローラー」または「Profiles」タブを開きます。
接続済みのコントローラーを選択し、「新規プロファイル」または「Edit」をクリックします。
プリセットとして「ゲームパッド」や「Xbox 360」を選択し、必要に応じてボタンの割り当てを微調整します。
プロファイルに分かりやすい名前(例:「汎用ゲーム用」「アクションゲーム用」)を付けて保存します。
最初は標準的な設定のままで問題ありません。特定ゲームで不都合があった場合に、徐々にカスタマイズしていくのが安全です。
PS4・PS5コントローラーの接続方法(有線 / Bluetooth)
有線(USB)接続の手順と確認ポイント
PS4/PS5コントローラーとPCをUSBケーブルで接続します。
Windowsが自動的に「コントローラー」を認識し、ドライバーのインストールを行います。
DS4Windowsを起動し、「コントローラー」タブでデバイスが表示されていることを確認します。
必要に応じてプロファイルを選択し、「開始」ボタンを押して有効化します。
有線接続は、入力遅延が少なく安定しているため、初めて導入する場合はまず有線での動作確認を行うことを推奨します。
Bluetooth接続の手順とよくあるつまずき
PC側でBluetoothを有効にします。
PS4コントローラー:
「PSボタン」と「Shareボタン」を同時に長押しし、ライトバーが点滅したらペアリングモードです。
Windowsの「Bluetoothとデバイス」画面で、「Wireless Controller」などの名称を選択してペアリングします。
ペアリングが完了したら、DS4Windowsを起動し、コントローラーとして認識されているかを確認します。
よくあるつまずきとしては、以下があります。
Bluetoothアダプターが古く、接続が不安定になる
既に別のデバイスとペアリングされており、新規接続がうまくいかない
省電力設定により、USBやBluetoothデバイスの電源が自動的に切られてしまう
問題が発生する場合は、Bluetoothアダプターのドライバー更新や、省電力設定の無効化もあわせて確認するとよいでしょう。
Steamゲームと非Steamゲームでの使い分け
最近のSteamでは、DualShock 4やDualSense向けの「Steam Input」が非常に充実しており、Steamゲームだけを遊ぶのであれば、DS4Windowsを使わなくても問題ないケースが増えています。
Steamゲーム中心の場合
まずはSteam側の「コントローラー設定」を有効にし、DS4Windowsを使わずに試す
非Steamゲームや、より細かなカスタマイズが必要な場合
DS4Windowsを利用し、Xbox 360コントローラーとしてエミュレートして使用する
このように、「何でもかんでもDS4Windowsに頼る」のではなく、用途に応じて使い分ける発想が重要です。
よくあるトラブルと解決チェックリスト
コントローラーが認識されない / 二重認識される
症状例
DS4Windowsの画面にコントローラーが表示されない
ゲーム内で視点や移動がおかしくなる(ななめに進む、カメラが勝手に回る等)
チェックリスト
USBケーブルやBluetooth接続が物理的に問題ないか
Windowsの「ゲームコントローラーの設定」でデバイスが表示されているか
DS4Windowsが「開始」状態になっているか
「Hide DS4 Controller」が有効になっているか(特に二重認識のケース)
これらを順番に確認することで、原因を切り分けやすくなります。
入力遅延(ラグ)が大きい・振動しない
入力遅延が大きい場合
まず有線接続で遅延が改善するかを確認する
BluetoothアダプターをUSBハブ経由ではなく直接PCに接続する
ほかの無線機器(Wi-Fiルーター等)との干渉を疑う
振動しない場合
プロファイル設定で振動が無効になっていないか確認する
ゲーム側の設定でコントローラーの振動が有効か確認する
Windowsアップデート後に動かない場合
開発終了後のツールである以上、Windowsやドライバーの更新によって動作に影響が出る可能性は避けられません。
対応例
DS4Windowsを管理者権限で起動してみる
必要なドライバー(ViGEmBus等)を再インストールする
セキュリティソフトがDS4Windowsをブロックしていないか確認する
以前は動いていたバージョンのDS4Windowsに戻す(自己責任での運用)
それでも解決しないときの確認手順
別のPCで同じコントローラーを試し、ハードウェア故障の可能性を切り分ける
別のコントローラー(Xboxコントローラーなど)を接続し、ゲーム側の問題かどうかを確認する
DS4Windowsのログ出力を確認し、エラー内容を手掛かりにネット検索を行う
DS4Windowsの今後と代替手段の選択肢
開発終了後のリスクと賢い付き合い方
開発終了・アーカイブ済みである以上、今後のアップデートは基本的に期待できません。
そのため、次のようなスタンスで利用することを推奨します。
現時点で自分の環境で問題なく動作しているなら、むやみにバージョンを変えない
Windowsやドライバーの大型アップデート後に不具合が出た場合は、「DS4Windows側ではなくOS側を優先する」選択肢も検討する
どうしても安定しない場合は、他ツールや別コントローラーへの移行も視野に入れる
Steam Inputや他ツールとの比較と使い分け
Steam Input
Steamゲームに限定されるものの、PS4/PS5コントローラーをかなり柔軟に扱える
ボタン配置や感度調整、コミュニティ構成など、機能は非常に豊富
他の有料・無料ツール
DS4Windowsの後継的な位置づけを目指すツールや、有料の入力マッパーソフトも存在します。
これらは開発が継続している一方で、コストや安定性など、個別に検討が必要です。
これからDS4Windowsを使うべきか?
既に安定して使えている方
そのまま運用を続けつつ、OSアップデート後の挙動を注意深く確認する
これから導入を検討している方
Steamゲームが中心なら、まずはSteam Inputのみで試す
非Steamゲームを含め、幅広いタイトルでPS4/PS5コントローラーを使いたい場合に、DS4Windowsを候補として検討する
重要なのは、「万能な正解」を求めるのではなく、自分のプレイスタイルや環境に合ったツールを選ぶことです。
よくある質問
Q1. DS4Windowsは安全なソフトウェアですか?
A. 開発者のGitHubから配布されているオープンソース版は、多くのユーザーに利用されてきました。ただし、現在は開発終了済みであり、また、第三者サイトから配布されている改変版は安全性を保証できません。必ず信頼できる配布元から入手してください。
Q2. どこからダウンロードするのが一番良いですか?
A. 原則として、開発者のGitHubリリースページからのダウンロードを推奨します。他サイト経由で入手する場合は、独自インストーラーの有無などに十分注意してください。
Q3. PS5のDualSenseでも使えますか?
A. DS4WindowsはDualSenseにも対応しており、Xbox 360コントローラーとしてエミュレートすることで多くのPCゲームで利用できます。ただし、ゲーム内表示のボタンアイコンはXbox準拠(A/B/X/Y等)になる場合が多い点に注意してください。
Q4. Bluetooth接続がすぐ切れてしまいます。
A. Bluetoothアダプターやドライバー、Windowsの省電力設定など、複数の要因が考えられます。まずは有線接続で安定動作するかを確認し、それでも問題が解決しない場合は、Bluetoothアダプターの変更や設定見直しも検討してください。
Q5. 今後も更新されますか?
A. DS4Windowsは開発終了がアナウンスされており、GitHubリポジトリもアーカイブ済みです。そのため、基本的には今後の更新は期待すべきではありません。長期的な利用を前提とする場合は、Steam Inputや他のツールも含めて検討することを推奨します。