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犬が水を飲まないときの判断と対処|危険サイン・飲水量・増やし方まで

「いつもより水を飲まない気がする」――その気づきだけで、頭の中が一気に不安で埋まってしまう方は少なくありません。脱水になっていないか、病院に行くべきか、あるいは家で様子を見てよいのか。焦るほど、何から確認すればいいのか分からなくなります。

犬が水を飲まない理由は、器の汚れや置き場所の変化といった小さな要因から、口の痛みや胃腸の不調、体調の急変までさまざまです。だからこそ大切なのは、闇雲に方法を試すのではなく、「今すぐ相談が必要なサイン」と「家で安全にできる対処」を整理して、迷わず行動できる状態にすることです。

この記事では、まず最初の数分で確認すべきポイント(元気・尿・口の状態)を基準に、受診の目安を分かりやすく整理します。さらに、体重別の飲水量の目安、飲水量の測り方、器・環境・食事で水分摂取を増やす具体策、受診時に伝えるべきメモまで、今日からすぐ実行できる形でまとめました。読み終えたときに「次に何をすべきか」がはっきりし、不安が落ち着くことを目標にしています。

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目次

犬が水を飲まないとき、最初の3分でやること

犬が水を飲まないと気づくと、まず頭に浮かぶのは「脱水になっていない?」「病院に行くべき?」という不安です。
ただ、犬が水を飲まない理由は、器の汚れや置き場所の変化のような軽いものから、嘔吐や下痢を伴う急性の体調不良、持病の悪化まで幅があります。焦って手当たり次第に試すと、かえって危険な行動(無理に飲ませるなど)につながりやすいので、最初に“見るポイント”を決めておくと判断が早くなります。

元気・尿・口をセットで観察する

まずは次の3点を、できる範囲で確認します。ここがはっきりすると「様子見でいいのか」「当日相談が安全か」の見立てが立ちます。

  • 元気(活動性):普段通り動くか。呼びかけへの反応、立ち上がり、散歩の反応。

  • 尿:回数が急に減っていないか。色が濃くなっていないか。半日近くおしっこが出ていないなら要注意です。

  • 口(歯ぐきの湿り):歯ぐきが乾き気味、ねばつく、唾液が少ない感じがあるか。

この3点が「普段通り」なら、まずは飲水量を測り、器や環境の工夫を始めるのが現実的です。反対に、どれかが明らかにおかしい場合は“時間”より“症状セット”を優先して相談した方が安全です。


すぐ相談が必要な危険サインチェックリスト

次の項目が1つでも当てはまるなら、経過時間にかかわらず当日中の相談が安全です(夜間であれば救急も視野に入れます)。

  • ぐったりしている、反応が鈍い、立ちたがらない

  • 嘔吐や下痢が続いている/水を飲んでも吐く

  • 尿がほとんど出ない、極端に少ない、明らかに濃い

  • 口の中が乾く、歯ぐきや舌がねばつく感じがある

  • 目が落ちくぼんで見える

  • 呼吸が速い、パンティングが強い(暑さ以外)

  • 子犬・シニア・持病(腎臓、糖尿病など)があるのに様子が違う

「半日以上水を飲まない」自体も受診目安として示されることがありますが、実際には“併発症状があるかどうか”がとても重要です。元気と尿が普段通りなら、半日未満では工夫と観察で改善することもあります。


まずやらない方がいい対処

不安なときほどやりがちですが、次は避けましょう。

  • 口に流し込む・無理に飲ませる:むせて誤嚥するリスクがあります。

  • 人用の経口補水液を自己判断で使う:成分や量が犬に合わない可能性があり、吐き気がある子では悪化のきっかけにもなり得ます。

  • 塩分のあるスープや加工食品を常用して水代わりにする:一時的に飲むことはあっても、継続は別問題です。

吐く・ぐったり・尿が出ないなどがあるときは、家で粘らず病院で補液(点滴など)を相談する方が安全です。


受診の目安早見表

“時間”より“症状セット”を優先して判断します。迷ったときはこの表を起点にしてください。

状況 目安の対応
ぐったり/嘔吐下痢が続く/水を飲むと吐く/尿がほとんど出ない・極端に濃い/子犬・シニア・持病ありで様子が違う 今すぐ相談(当日・夜間は救急も)
元気はあるが、飲水がほぼゼロに近い状態が半日以上続く/尿回数が減ってきた/食欲も落ちてきた 当日〜翌日までに相談
元気・食欲は普段通り、尿も普段通り。ただし水皿の減りが少ない 飲水量を測り、工夫して観察(記録を開始)

犬の飲水量の目安はどれくらいか

「飲んでいない気がする」が危険かどうかは、数字で把握すると一気に安心に近づきます。

国内の目安は40〜60mL/kg/日

健康な犬が1日に必要とする水分量の目安として、体重1kgあたり40〜60mL/日がよく使われます。
暑い日や運動量が多い日は増えやすく、食事(ドライ中心かウェット中心か)でも変わります。ここは「ぴったり当てはめる」より、「普段の量から急に減っていないか」を見るための基準として使うのがコツです。

海外の一般則は1oz/lb/日

海外では、成犬の一般的な目安として「体重1ポンドあたり約1オンス/日」が紹介されています。
単位が違うだけでなく、前提(気候や食事、活動量)も異なるので、国内目安と同じく“範囲の目安”として扱うのがおすすめです。


体重別の飲水量目安表(1日)

体重 40〜60mL/kg目安 参考:1oz/lb目安(概算)
3kg 120〜180mL 約200mL
5kg 200〜300mL 約330mL
7kg 280〜420mL 約460mL
10kg 400〜600mL 約660mL
15kg 600〜900mL 約990mL
20kg 800〜1200mL 約1320mL
25kg 1000〜1500mL 約1650mL

※この表はあくまで目安です。気温、運動量、食事(ウェット・ふやかし)で必要量は上下します。


飲水量を正しく測る方法(これができれば迷いが減る)

「ちゃんと飲んでいるのか分からない」不安の多くは、測り方が定まっていないことが原因です。ここでは誰でも再現できる形に落とし込みます。

ボウル(器)で測る:差分法が最強

  1. 朝、器に入れる水を計量カップで量り、メモする(例:300mL)

  2. 途中で足したら、その量もメモする(例:+200mL)

  3. 夜、残った水を量る(例:150mL)

  4. (入れた総量)−(残量)=飲んだ量

    • この例なら(300+200)−150=350mL

こぼしやすい犬は、器の周りにこぼれ跡がないかもチェックしておくと誤差が減ります。

給水ボトルで測る:入れる前に計量する

目盛りがあれば朝夕の残量でOK。目盛りがない場合は、ボトルに補充する前の水を計量すると差分が取れます。

多頭飼いは一時的に分ける

「誰が飲んだか」が分からないと不安が残ります。短期間だけでも

  • 給水場所を分ける

  • 飲むタイミングをずらす
    などで計測すると、受診時に説明しやすくなります。


ウェット・ふやかしの水分はどう扱う?

ウェットフードやふやかしは、水分を含むため「水皿の減り」が少なく見えます。だからこそ、次の2つを同時に記録するのがおすすめです。

  • 水皿から飲んだ量(mL)

  • 食事形態(ドライ/ウェット/ふやかし、追加した水分量)

「水皿からの飲水量だけ」を見て慌てないための保険になります。


脱水の見分け方:皮膚つまみテストは“参考”にする

脱水のセルフチェックとして「皮膚つまみテスト(ツルゴールテスト)」が紹介されます。やり方は簡単で、首の後ろや背中の皮膚をつまみ、離したときにすぐ戻るかを見るものです。

ただし高齢犬では当てにならないことがある

重要なのは、高齢犬や皮膚の弾力性に影響する要因があると、脱水していなくても戻りが遅く見えることがある点です。
そのため、皮膚つまみテストは“単独で結論を出さず”、次の所見とセットで見ます。

  • 歯ぐきや口の中が乾く/ねばつく

  • 尿が少ない・濃い

  • ぐったりしている

  • 目が落ちくぼんで見える


犬が水を飲まない主な原因

原因は大きく3つに分けると整理しやすくなります。
「環境・器」「体調・痛み」「病気の可能性」です。

環境・器の問題:意外と多い“飲みたくない理由”

次のような理由で、犬は水を避けることがあります。

  • 水がぬるい/交換頻度が少ない

  • 器がぬめる・匂いが気になる

  • 器が軽くて動く、音が鳴る、素材が苦手

  • 置き場所が落ち着かない(人の動線、騒音、風が当たる)

  • 引っ越し、模様替え、多頭同居などのストレスで水場に行きにくい

ここが原因なら、工夫の効果が出やすい領域です(後述の“増やし方”を上から試します)。


体調・痛み:飲みたいのに飲めない、飲むとつらい

「飲まない」ではなく「飲めない」「飲むのがつらい」ケースです。ここは早めの相談が安心です。

  • 口の痛み:歯周病、口内炎、異物、歯のトラブルなど

    • よだれが増える、口を触られるのを嫌がる、フードも食べにくそう

  • 胃腸の不調:吐き気があると水も受け付けない

    • 嘔吐、下痢、食欲低下が同時にある

  • 関節や首・腰の痛み:器まで行くのがつらい、飲む姿勢がつらい

    • シニア犬で特に起こりやすい

これらは“器を変える”だけでは改善しないことが多いので、症状セットで受診目安を見ます。


病気の可能性:併発症状があるときは優先度が上がる

水を飲まないこと自体は非特異的ですが、次のような変化が重なると病気の可能性が高まります。

  • ぐったり、反応が鈍い

  • 嘔吐・下痢が続く

  • 尿が極端に少ない、または出ない

  • 口の乾き、目の落ち込み、呼吸が速い

脱水は放置するとショック状態や臓器障害につながり得る、といった注意も獣医情報で示されています。
このため、危険サインがある場合は「飲ませ方の工夫」より先に受診相談を優先します。


原因カテゴリ比較表:サインと“まずやること”を一枚で整理

カテゴリ 気づきやすいサイン まずやること
環境・器 水はあるのに減らない/場所を変えると飲む/交換直後だけ飲む 水の交換、器洗浄、複数設置、器の素材・安定性、置き場所の見直し
体調・痛み 口を気にする、よだれ、食欲低下、飲む姿勢を嫌がる、吐き気 無理に飲ませず、当日〜翌日相談。口腔・胃腸のチェックが必要
病気の疑い ぐったり、嘔吐下痢、尿が出ない/極端に少ない、口の乾き、目の落ち込み 経過時間に関わらず当日相談(重症化を避ける)

家でできる水分摂取を増やす方法:安全性の高い順に試す

ここからは「元気・尿が普段通り」で、受診の緊急性が低いと判断できる場合に試します。ポイントは“安全性の高い順”です。

1) 水の出し方を変える(最優先)

  • 水はこまめに交換(最低でも朝夕、暑い日はさらに)

  • 器を毎日洗う(ぬめり・匂い対策)

  • 水飲み場を2〜3か所に増やす(寝床近くにも置く)

  • 器を変える(重くて動かない器、滑り止め、深さの違い、素材の違い)

  • 水温を変える(冷たすぎるのが苦手な子、ぬるいのが嫌な子がいます)

これだけで飲水が戻るケースは少なくありません。


2) 食事で水分を稼ぐ(次にやる)

水皿から飲ませることにこだわらず、食事からの水分も活用します。特に「少ししか飲まない」子には有効です。

  • ドライをふやかす

    1. いつものドライを器に入れる

    2. ぬるま湯を少量ずつ加える(熱湯は避ける)

    3. 数分置き、食べやすい硬さにする

    4. 傷みやすいので放置しない

  • ウェットフードを併用する

    • 食欲が落ち気味でも食べやすいことがあり、水分も入りやすい

※食事を変えた日は、必ず「便・嘔吐・食欲」を記録します。胃腸が弱い子は急な切替で下痢になることがあるためです。


3) 嗜好性を上げる工夫は“注意つき”で

「香りを足す」「スープっぽくする」などは効果が出ることがありますが、やり方を間違えると健康リスクになります。

  • 塩分の強い人の食べ物で味付けしない

  • 脂質が多いものを常用しない

  • とにかく“少量から”試し、便や嘔吐を見ながら調整する

  • 吐く・ぐったり・尿が少ない場合は工夫より受診相談が優先


水分摂取を増やす施策:優先順位表

優先 施策 期待 注意点
1 水の交換・器洗浄 即効性が出やすい ぬめり・匂いを残さない
2 水飲み場を増やす 移動負担を減らす 多頭は競合が起きない配置
3 器の変更(安定性・素材) 苦手要因の除去 金属音・滑りなど個体差
4 水温の調整 飲みやすさ改善 季節で好みが変わる
5 ふやかし・ウェット併用 食事から水分が入る 切替は少量から、便を観察
6 嗜好性アップ(慎重に) 飲む/食べるきっかけ 塩分・脂質・与えすぎに注意

7日間記録テンプレ:不安を“確信”に変える道具

病院に行くか迷うときほど、記録が役に立ちます。獣医師に状況を短時間で伝えられるだけでなく、「本当に減っているのか」「改善しているのか」を自分でも判断しやすくなります。

まず記録したい最重要4項目

  • 飲水量(mL)

  • 尿(回数・濃さ・出ているか)

  • 嘔吐・下痢(回数)

  • 元気・食欲(普段比)


7日間の記録表(例)

項目\日 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目
飲水量(mL)
食事形態(ドライ/ウェット/ふやかし)
尿回数
尿の濃さ(薄い/普通/濃い)
便(普通/軟便/下痢)
嘔吐(回数)
元気(普段比)
気温・運動量メモ

動物病院で伝えるべき情報:診断が早くなるメモ

受診するときは、次をメモしておくと話が早く進みます。

受診前メモ(そのまま見せてOK)

  • いつから飲まないか(例:昨夜から、今朝から)

  • 今日の飲水量(mL)と、普段の飲水量の目安

  • 尿:回数、濃さ、半日近く出ていないか

  • 嘔吐・下痢:回数、血便の有無

  • 元気・食欲:普段比でどの程度落ちたか

  • 食事内容(ドライ/ウェット/ふやかし、トッピング)

  • 既往歴・服薬、最近の環境変化(旅行、引っ越し、来客)

「半日以上飲まない」「嘔吐下痢が続く」「ぐったり」などが受診目安として挙げられています。こうした項目が当てはまるかをメモで明確にすると、相談の優先度も上げやすくなります。


よくある質問

半日水を飲まないのは異常ですか?

一律に「半日なら危険」とは言い切れません。大切なのは、元気・尿・嘔吐下痢などの併発症状です。
ただし「半日以上飲まない状態」自体を受診目安に含める情報もあり、特に子犬・シニア・持病がある場合は早めの相談が安心です。

ウェットフードなら水を飲まなくても大丈夫?

ウェットやふやかしは水分を含むため、水皿の減りが少なく見えます。
ただし、元気が落ちる、尿が減る、嘔吐下痢があるなどがあれば話は別です。「皿から飲む量」だけで判断せず、尿や元気も合わせて見てください。

皮膚つまみテストが当てにならないのはどんな犬?

高齢犬や、皮膚の弾力に影響する要因がある場合は、脱水していなくても戻りが遅いことがあります。
このため、皮膚つまみテストは参考にしつつ、歯ぐきの湿り・尿・元気とセットで判断するのが安全です。

経口補水液を与えてもいいですか?

自己判断で人用を使うのは避けた方が安全です。吐き気がある子に無理に飲ませると誤嚥のリスクもあります。
「吐く」「ぐったり」「尿が出ない」などがある場合は、家庭で粘らず病院で補液(点滴など)を相談してください。


まとめ:迷いを減らすための行動手順

犬が水を飲まないときは、最初に「元気・尿・口(歯ぐきの湿り)」をセットで確認し、危険サインがあれば時間にかかわらず当日相談を優先します。
一方で、元気と尿が普段通りなら、飲水量を測って“環境→器→食事”の順に安全な工夫を試し、7日間の記録で変化を見える化すると不安が大きく減ります。
迷ったら、記録メモを持って病院に相談するのが最短ルートです。


参考にした情報源