Discordを使って音声通話やビデオ通話を始める際、多くの方が最初に不安になるのが「通話料が発生して、携帯料金が高くなるのではないか」という点です。特に、外出先でWi-Fiがない状態でも通話できてしまうため、「無料のつもりで使ったのに請求が増えた」という話を見聞きすると心配になるのは自然です。
本記事では、Discordの通話が「電話回線の通話料」として課金されるのかを、仕組みから丁寧に整理いたします。そのうえで、実際にお金がかかり得るポイント(データ通信料、Nitroなどのサブスク課金、海外ローミング)を切り分け、通信量を抑えるための設定・運用ルール、請求確認の具体手順まで、漏れなく解説いたします。
読み終えた時点で「何にお金がかかり、何にかからないのか」「自分の使い方だとどこが危険か」「今すぐ何を設定すべきか」が明確になる構成です。
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Discordの通話料が無料といえる理由
通話料と通信料が別物になる仕組み
まず、誤解の原因になりやすい用語を整理いたします。一般に「通話料」と言ったとき、多くの方が想像するのは携帯電話の電話番号(090/080/070など)に発信する、いわゆる電話回線の料金です。一方、Discordの通話は基本的にインターネットを介した通信で成立します。ここを切り分けるだけで、ほとんどの不安は解消できます。
通話料(電話回線)
電話番号へ発信したときに発生する料金です。かけ放題の対象外であれば、秒課金・分課金で加算されます。キャリアの明細に「通話」「国内通話」「音声通話」などとして出やすい領域です。通信料(データ通信)
スマホがインターネットに接続して送受信したデータ量に応じて発生する料金です。多くのプランでは月間データ容量の範囲内は定額、超過すると速度制限または追加課金(オプション購入等)という形になります。明細やアプリでは「データ使用量」「パケット通信」などで確認します。
Discordの音声通話・ビデオ通話は、仕組みとしては「LINE通話」「Zoom」「Google Meet」などと同じカテゴリに近く、電話回線ではなくインターネット上のデータ通信として扱われます。したがって、Discordの通話をしたからといって、通常の電話回線の秒課金が自動的に発生する前提ではありません。
ただし、ここで重要な注意点があります。「通話料が無料」と「一切お金がかからない」は同義ではありません。
Discordの通話そのものに電話回線の通話料がかからなくても、モバイル回線で使えばデータ使用量が増え、結果として月額料金が増えることは十分にあり得ます。つまり、心配すべきは「Discordの通話料」ではなく、主に「データ通信」と「Discord内課金」の2つです。
混同を防ぐため、先に比較表で整理いたします。
| 区分 | 誰に支払う | 発生条件 | 代表例 | 抑える方法 |
|---|---|---|---|---|
| 通話料(電話回線) | 携帯キャリア | 電話番号へ発信 | 通常の電話、留守電、ナビダイヤル等 | かけ放題、発信先の見直し |
| 通信料(データ) | 携帯キャリア | インターネット通信を行う | Discord/LINE/YouTube/ブラウザ | Wi-Fi利用、省データ設定 |
| Discord内課金 | Discord | Nitro等のサブスク購入 | Nitro、Boost等 | 契約状況の確認、不要なら解約 |
この表のとおり、Discordの通話で発生するのは基本的に「データ通信」であり、秒課金の「通話料」とは別の話になります。
無料の根拠として押さえる公式情報
「本当に無料なのか」を納得するには、仕組みだけでなく、公式の位置づけとしてどう説明されているかを押さえるのが有効です。Discordは、音声通話やビデオ通話をアプリの機能として提供しており、通話の利用自体は無料で使える範囲に含まれます(※後述のとおり、追加機能のためのサブスクは別です)。
ここで覚えておくべきポイントは次のとおりです。
Discordの通話は、アプリ上の機能として提供される
電話番号への発信(電話回線)とは異なる
したがって、一般的な意味での「通話料(秒課金)」が前提ではない
本記事では、この前提を土台にしながら、「ではなぜ請求が増えることがあるのか」「どうすれば事故を避けられるのか」に焦点を移して解説を進めます。
Discord通話でお金がかかる主なケース
Discordは「通話料がかからない」一方で、使い方次第で支出が増える可能性があります。原因は大きく3つに整理できます。
モバイル回線でのデータ通信料が増える
NitroなどDiscord内のサブスクを購入している
海外ローミング、またはセキュリティ上リスクのある接続環境を使っている
この3点を切り分けられるだけで、請求トラブルの大半は解決できます。
モバイル回線のデータ通信料
Wi-Fiではなく4G/5GでDiscord通話をすると、音声・映像・画面共有などの送受信に応じてデータが消費されます。多くの方が「無料通話」と聞いて安心してしまいますが、スマホ料金が増える典型パターンはここです。
データ通信料が増えると、次のような影響が出ます。
月間データ容量を早く使い切り、速度制限に入る
追加データ(1GB購入など)を購入して結果的に費用が増える
海外ではローミング単価が高く、短時間でも高額になり得る(後述)
特に危険なのは「ビデオ通話」「画面共有」「複数人の同時接続」です。音声だけのつもりが、設定や操作の流れで映像がオンになったり、画面共有を開始してしまったりすると、データ消費が一段上がります。外出時は「音声のみ」を基本にするだけでも、事故の確率は大きく下がります。
NitroなどDiscord内のサブスク課金
Discordには、無料で使える範囲とは別に、機能を拡張するための有料プラン(サブスクリプション)があります。代表がNitroです。
ここで重要なのは、Nitroは「通話料」ではなく「Discord機能の月額課金」だという点です。
したがって、請求が増えたときに確認すべきは、まず「Nitro等に加入していないか」「過去に無料体験やキャンペーンで入って、そのまま更新になっていないか」です。
よくある誤解として、「Nitroに入らないと通話できない」「無料だと通話ができない」というものがありますが、通話自体は無料の範囲でも利用できます。Nitroは、通話の根幹というより、周辺機能の強化や特典を得るためのプランと捉えるのが正確です。
海外ローミングと公共Wi-Fiの落とし穴
国内であればデータ通信は定額枠の中で収まることが多いですが、海外に出ると状況が変わります。ローミングが有効な状態でDiscord通話をすると、国内とは単価が異なり、短時間でも費用が跳ね上がる可能性があります。
また、国内外を問わず公共Wi-Fiは便利ですが、セキュリティ面では注意が必要です。金銭的な請求というより、アカウント乗っ取りや不正利用のリスクが問題になります。Discordアカウントが乗っ取られると、勝手にサブスク購入が行われる、フレンドへ詐欺リンクが送られる等の二次被害につながりやすいため、公共Wi-Fiを使う場合は、二要素認証(2FA)設定、パスワードの使い回し回避、端末のOS更新などを徹底するのが安全です。
Discord通話の通信量の目安と増える条件
通信量は、端末、回線品質、音声品質、ビデオ解像度、画面共有の有無、参加人数などで変動します。よって「必ずこの量」と断言できませんが、目安と増える条件を把握しておくことは、ギガの管理に直結します。
ここでは、考え方を「音声」「ビデオ」「画面共有」で分け、増えやすい条件を中心に整理いたします。
音声通話の目安
音声通話は、一般的にビデオや画面共有よりデータ消費が少ない傾向があります。音声のみであれば、外出時でも比較的管理しやすいのが特徴です。
ただし、次の条件が重なると音声でも消費が増えることがあります。
通話時間が長い(当然ながら積み上がります)
回線が不安定で、データ再送が増えやすい
同時に他の通信(動画視聴、アプリ更新、画像の自動読み込み)が走っている
「音声通話=安心」と決めつけず、外出時は「音声のみ」+「他の通信を抑える」までセットで運用するのが安全です。
ビデオ通話と画面共有が増えやすい理由
ビデオ通話が増えやすい理由は単純で、音声に加えて映像データを連続的に送受信するためです。画面共有も同様に、画面の変化を映像として送るため、内容や動きが多いほどデータ量が増えやすくなります。
ビデオ・画面共有で通信量が増える典型条件は次のとおりです。
解像度が高い(HDなど)
フレームレートが高い(滑らかさ優先)
画面共有で、動画やゲームなど動きが多いものを共有している
複数人が同時にビデオをオンにしている
表示している人数が多い(表示と受信が増えやすい)
外出先で「少しだけビデオ」のつもりでも、画質設定や相手側の状態、通話時間によっては、想像以上にデータを消費します。モバイル回線では、原則として「ビデオ・画面共有は必要時のみ、短時間」が安全策です。
品質設定と端末条件で変動するポイント
通信量を左右する要素は、アプリ側だけではありません。端末と回線の条件も影響します。管理の観点で、押さえるべきポイントを整理いたします。
アプリ側の要素
ビデオ品質(解像度・フレームレート)
画面共有の品質
自動再生・自動ダウンロード(画像・動画・GIFなど)
バックグラウンド通信の挙動(通知、同期)
端末側の要素
省データモードの有無(OS機能)
バックグラウンド更新設定
アプリの権限(モバイルデータ許可の設定)
回線側の要素
電波強度(弱いと再送や品質調整で不利になりやすい)
混雑状況(夕方・イベント時など)
Wi-Fi品質(公共Wi-Fiは不安定な場合あり)
結論としては、Discord側の設定だけでなく、端末の省データ設定、回線の選び方(Wi-Fi優先)まで含めて、全体最適で管理する必要があります。
通信料を抑えてDiscord通話を使う設定と手順
ここからは、具体的に「何をすればよいか」を、優先順位が高い順に手順化いたします。難しい設定を増やすより、まずは事故率を下げる運用ルールを固め、そのうえで設定で補強する流れが確実です。
Wi-Fi運用の基本とギガ節約ルール
最も効果が高いのは、運用ルールの固定です。次のルールは、学生・社会人・保護者管理のどれにも有効です。
ギガ節約ルール(推奨)
30分を超える通話は原則Wi-Fiで行います
外出先は原則「音声のみ」にいたします
ビデオ通話・画面共有は「必要時のみ」「短時間」に限定いたします
OS更新やアプリ更新はWi-Fi時にまとめて行います
テザリング中はビデオ・画面共有を避けます(消費が早いためです)
このルールを守るだけで、月間データの突発的な消費は大幅に抑えられます。特に保護者の方が子ども端末を管理する場合は、家庭内の共通ルールとして紙やメモアプリで共有しておくと、トラブルが減ります。
データセービング関連の考え方
Discordや端末には、データ使用量を抑えるための設定が用意されています。ただし、メニュー名称や配置はアップデートで変わることがあるため、本記事では「探すべき項目」と「設定の意図」を軸に解説いたします。
探すべき設定の方向性
モバイルデータ利用時に、動画・GIF・高解像度画像の自動読み込みを抑える
ビデオ品質・画面共有品質を必要以上に上げない
省データモード(OS側)を併用する
バックグラウンド通信を抑える(不要な自動更新を止める)
設定の考え方(失敗しない順序)
まずは「モバイル回線でのビデオ・画面共有を避ける」運用を固定します
次にDiscord側で「自動読み込み系」を抑えます(画像・動画が勝手に流れるのを防ぎます)
そのうえで、OS側の省データ設定を有効化します
それでも不足する場合に、ビデオ・画面共有の品質設定を段階的に下げます
いきなり画質設定をいじるより、まず「自動読み込み」と「運用ルール」を固める方が、体感品質を落としすぎずに節約できます。
音質トラブルを減らす設定(ノイズ抑制など)
「通話はできるが音が悪い」という問題は、結果として通話時間の延長や再接続を誘発し、間接的にストレスや通信の無駄につながります。ここでは、安定した通話のための基本手順を示します。
音質を安定させるチェック(推奨順)
イヤホンまたはヘッドセットを使用します
スピーカー通話はエコーやハウリングが出やすく、相手の聞き取りに悪影響が出ます
マイク入力感度を見直します
自動調整が合わない場合、手動に切り替えることで改善することがあります
ノイズ抑制機能を有効にします
周囲の環境音が多い場合に効果的です
回線を切り替えます
Wi-Fiが不安定ならモバイルへ、モバイルが弱いならWi-Fiへ切り替えて比較します
端末を再起動し、アプリ・OSを最新化します
長時間起動による不具合や、既知の問題が更新で解消されることがあります
また、通話に不具合が出たときは、次の切り分けが有効です。
自分だけ聞こえない → 端末のマイク権限、入力デバイス、ミュート状態
相手だけ聞こえない → 相手側のミュート、入出力デバイス、回線
断続的に途切れる → 回線品質(電波、Wi-Fi混雑)、バックグラウンド通信の競合
「通話料の不安」とは別軸ですが、通話品質が安定すると、無駄な再接続や長引く説明が減り、結果としてデータ消費も抑えやすくなります。
料金と請求の確認方法
最後に、「実際に何が原因で請求が増えたのか」を自分で判断できる状態にしておくことが重要です。ここでは、Discord側とキャリア側を二段で確認する手順を示します。
Discord内でサブスクと請求を確認する手順
まず確認すべきは、Discord内のサブスク状況です。Nitro等に加入している場合、ここに明確に情報が出ます。操作導線は更新で変わることがあるため、一般的な見方として手順を示します。
Discord側の確認手順(基本)
Discordアプリを開きます
ユーザー設定(歯車アイコン等)に移動します
「サブスクリプション」または「Nitro」「請求」関連の項目を開きます
契約中プラン、更新日、請求の履歴または決済情報を確認します
身に覚えがない場合は、同画面から解約導線やサポート導線を確認します
ここで加入が見つかれば、請求増の原因の一つが確定します。加入がない場合は、次にキャリア側(データ通信量)を確認します。
キャリア明細で確認すべき項目
キャリア側で見るべきポイントは、以下の2つです。ここを間違えると、原因がDiscordではないのにDiscordを疑い続けることになり、対策がずれてしまいます。
確認ポイント
通話明細(電話回線)
「電話番号宛ての発信」が増えているかを見ます。ここが増えているなら、Discord通話ではなく通常の電話発信や、別サービスの可能性が高いです。データ通信量の推移
日別・時間帯別で急増している箇所がないかを見ます。Discordのビデオ通話や画面共有を行った日時と一致していれば、原因がデータ通信である可能性が高いです。
特に、保護者の方が管理する場合は、「通話明細が増えているのか」「データが増えているのか」をまず切り分けるだけで、対策方針が明確になります。
身に覚えがない請求がある時の切り分け
最後に、請求が増えたときの切り分けを、迷わない順序でチェックリスト化いたします。これを上から順に潰すことで、原因の特定が速くなります。
高額請求を避ける10項目チェックリスト
DiscordでNitro等のサブスクに加入していないか確認します
App Store / Google Playの定期購入一覧でDiscord関連の課金がないか確認します
家族の別アカウントで課金していないか確認します(端末の共有がある場合)
キャリアのデータ使用量が急増した日・時間帯を特定します
その時間帯にビデオ通話・画面共有をしていないか確認します
外出先でWi-Fiなしの通話が増えていないか確認します
海外滞在中、またはローミングが有効になっていないか確認します
テザリング中にビデオ・画面共有をしていないか確認します
公共Wi-Fi利用時にアカウント保護(2FA等)が不足していないか確認します
Discord以外のアプリ(動画、SNS)の自動再生が増えていないか確認します
このチェックで原因が「サブスク」か「データ通信」か「その他」に寄っていきます。原因が絞れれば、対策も過不足なく実行できます。
よくある質問
電話番号にかけたら無料ですか
電話番号宛てに発信する行為は、一般的に電話回線として扱われます。したがって、契約プランによって通話料が発生する可能性があります。Discordアプリ内の通話と、電話番号への発信は別物として整理してください。
長時間の通話で追加請求になりますか
Discordの通話自体が、通常の電話回線のように「時間に応じて通話料が加算される」前提ではありません。
ただし、モバイル回線で長時間通話をすればデータ使用量は積み上がります。月間データ上限を超えると追加購入や速度制限につながることがあるため、「通話料ではなくデータ通信が増える」という観点で管理するのが重要です。
Nitroに入らないと通話できませんか
通話自体は無料の範囲でも利用できます。Nitroは、主に機能拡張や特典を得るための有料プランです。したがって、通話のために必ず加入が必要、という位置づけではありません。請求が不安な場合は、まずNitro等の加入状況を確認し、不要であれば解約するのが安全です。
ビデオ通話の通信量が多い時の対策は
対策は優先順位が明確です。
ビデオ通話はWi-Fi環境で行います
外出先は音声中心に切り替えます
画面共有を必要時のみ短時間にします
自動読み込みを抑え、省データ設定を有効にします
ビデオ品質・画面共有品質を段階的に下げます
「画質を下げる」だけでなく、そもそもモバイル回線でビデオを長時間使わない運用が、最も効果が高いです。
まとめ
Discordの「通話料」が心配な場合、まず押さえるべきは次の一点です。
Discordの通話は電話回線の通話料(秒課金)とは別物で、基本はインターネット上のデータ通信として扱われます。
一方で、費用が増える原因は主に以下の3つです。
モバイル回線利用によるデータ通信量の増加
NitroなどDiscord内サブスクリプションの課金
海外ローミングや不安定な接続環境によるリスク増大
次に取るべき行動は、迷わずこの3つです。
長時間通話はWi-Fi、外出先は音声中心に運用します
Discord内でサブスク加入状況と請求情報を確認します
キャリア側でデータ使用量の推移を確認し、急増の原因を特定します
なお、アプリの画面構成や設定名称はアップデートで変更される可能性があります。操作に迷った場合は、Discord内の設定検索や公式ヘルプの導線を使い、最新の表示に沿って確認することを推奨いたします。

