Discordの「ピン留め」は、重要なメッセージを後から探しやすくする便利な機能です。しかし実際には「ピン留めの項目が出ない」「押しても失敗する」「特定のチャンネルだけできない」といったトラブルが頻発いたします。原因は一つに限られず、場所の仕様・操作方法・権限・ピン留め数の上限・2段階認証要件・一時的不具合などが複合していることもあります。
本記事では、最短で切り分けできる順番に沿って、一般ユーザーの方でも判断できる観点と、管理者が設定を確認すべき観点を整理して解説いたします。「自分で解決できる範囲」と「管理者へ依頼すべき範囲」が明確になるよう、チェックリストと依頼テンプレートも含めてご案内いたします。
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Discordでピン留めできないとき最初に確認すること
まずは場所を確認する サーバーかDMか
最初に必ず確認したいのは「どこでピン留めしようとしているか」です。Discordは、サーバー(ギルド)内のチャンネルと、DM(ダイレクトメッセージ)やグループDMで、前提条件や制限が異なる場合があるためです。ここを混同すると、権限の確認や対処が無駄になりやすいです。
確認ポイント
サーバー内のテキストチャンネルでピン留めしたいのか
DM(1対1)でピン留めしたいのか
グループDMでピン留めしたいのか
スレッド内のメッセージをピン留めしたいのか(スレッドはチャンネルとは運用が異なります)
判断の目安
サーバーのチャンネルで起きている場合
→ 権限(ロール・チャンネル権限)が原因であることが多いです。DM/グループDMで起きている場合
→ 操作方法の差、UIの配置、アプリ不具合の影響が大きくなります。
もし「どこかわからない」という場合は、画面上部にサーバー名やチャンネル名(#一般 など)が表示されているかをご確認ください。サーバーのアイコン(左側のサーバー一覧)から入っている場合は、通常サーバー内です。
操作手順を確認する PCとスマホの違い
次に多いのが「操作方法の誤認」です。Discordは端末により操作が異なり、アプリの更新でUIの位置が変わることもあります。ピン留めできないと思っていたら、単にピン留めメニューの出し方が違った、というケースは珍しくありません。
PC(デスクトップアプリ/ブラウザ)
メッセージにカーソルを合わせる
右上に表示される「…」メニュー(その他)を押す、または右クリック
表示されたメニューから「メッセージをピン留め」相当の項目を選ぶ
スマホ(iPhone/Android)
対象メッセージを長押しする
表示されるアクションメニュー内の「ピン留め」相当の項目を選ぶ
端末や版によっては、追加メニュー内(「その他」「…」)に格納されている場合があります
ここでの重要点
スマホは「タップ」ではなく、基本的に「長押し」でメニューが出ます。
PCは右クリックに加え、メッセージ横の「…」から操作できる場合が多いです。
画面が狭い場合、メニューが省略表示されることがあります。まずはメッセージを長押し/右クリックして、メニューを出すことに集中してください。
どの症状かを切り分ける メニューが出ないか失敗するか
「できない」という状態には、少なくとも次の2パターンがあります。対処が大きく変わるため、ここを先に切り分けるのが最短です。
パターンA:ピン留めの項目がそもそも表示されない
→ 権限不足、場所の仕様、メニュー操作の誤りの可能性が高いです。パターンB:ピン留めは押せるが、エラーになって失敗する
→ 上限、2段階認証要件、通信・不具合の可能性が高いです。
以下の表で、症状から方向性を決めてください。
| 症状 | 可能性が高い原因 | まず確認する場所 | 最短の対処方針 |
|---|---|---|---|
| 「ピン留め」がメニューに出ない | 権限不足/操作ミス/チャンネル種別 | ロール・チャンネル権限/操作手順 | 権限確認→管理者へ依頼 |
| 「ピン留め」を押すと失敗する | 上限/2FA要件/不具合 | ピン一覧/サーバー設定/アプリ状態 | ピン整理→2FA→再起動 |
| 特定チャンネルだけできない | チャンネル権限の拒否 | チャンネル設定→権限 | オーバーライドの見直し |
| 自分だけできない(他人はできる) | 自分のロール権限不足 | ロール・付与状況 | 管理者に権限付与依頼 |
| Botだけできない | Bot権限不足/参照権限不足 | Botロール・チャンネル権限 | Bot権限設計を修正 |
ここまでで「権限が絡む可能性が高い」か「権限以外(上限・不具合・2FA)が濃厚」かが見えてきます。次の章から、原因別に具体的に潰していきます。
Discordのピン留めできない主な原因と対処法
権限が足りない ロールとチャンネル権限
サーバー内でピン留めできない原因として最も多いのが権限不足です。Discordには大きく分けて次の2種類の権限が存在し、チャンネル側の権限設定がロール権限を上書きすることがあります。
ロール権限(サーバー全体に効く基本権限)
チャンネル権限(特定チャンネルでの許可/拒否)
このため、「ロールでは許可されているのに、チャンネルで拒否されていてできない」「ロールは弱いが、チャンネルで特別に許可されている」といった状態が起きます。
ユーザー側でできる切り分け(管理権限がない場合)
他のチャンネルではピン留めできるか試す
他のチャンネルでできる → 特定チャンネルの権限設定が原因の可能性
どこでもできない → 自分のロール権限が不足している可能性
同じチャンネルで、別のメンバーはピン留めできるか(可能なら確認)
他人はできる → 自分のロール不足の可能性が高い
他人もできない → チャンネル側で一律に拒否されている可能性
よくある誤解
「メッセージを編集できるのに、ピン留めはできない」
→ 編集権限とピン留め権限は別です。できること/できないことは権限単位で分かれます。「管理者っぽいロール名を持っているからできるはず」
→ ロール名は見た目であり、実際の許可/拒否は設定で決まります。
この段階で権限が疑わしい場合、無理に端末操作をいじっても解決しません。後述の「依頼文テンプレ」を使って管理者に確認してもらうのが最短です。
ピン留めの上限に達している
ピン留めはチャンネル単位で管理され、一定数を超えると追加できない挙動になることがあります。上限値は仕様変更や環境差で変わる可能性があるため、本記事では数値の断定よりも、現場で確実に確認できる方法を優先いたします。
確認手順(誰でもできることが多いです)
対象チャンネルを開く
画面上部のピン一覧(ピンアイコン)を開く
ピン留めされたメッセージが大量にないか確認する
不要なピンを外して枠を空ける(権限がある場合)
上限が原因で起きやすい症状
「ピン留め」を押した瞬間に失敗する
エラー表示が出る(文言は環境により異なる場合があります)
ピン留めは成功したように見えて、一覧に残らない
実務的な回避策(運用面)
重要メッセージをすべてピン留めに頼らず、後述の「告知チャンネル」「まとめメッセージ」「スレッド運用」と組み合わせる
ピン留めは「リンク集」「ルール」「申請方法」など、更新頻度が低いものに限定する
期限が過ぎた告知は定期的に外す(担当者を決めると整理が続きます)
2段階認証が必要な設定になっている
サーバー側のセキュリティ設定(モデレーション関連)により、特定の操作を行うメンバーに対して、2段階認証(2FA)が必須となる場合があります。該当すると、ピン留めを含む管理寄りの操作が制限され、「権限はあるはずなのに失敗する」状況になり得ます。
疑うべきサイン
ピン留めを行う際に、2段階認証を促す表示が出る
ピン留め以外にも、メッセージ管理系の操作ができない
最近ロールが変更され、権限が強くなった(モデレーター相当になった)
対処の方向性
自分が対象ユーザーの場合
アカウント側で2FAを有効化することで解消する可能性があります。
サーバー管理者の場合
2FA要件の設定状況を確認し、運用方針に合うように見直します。
「ピン留めだけしたい」メンバーに強権限を付けている場合は、権限を分離するのが安全です。
2FA要件はセキュリティ上重要なため、安易に無効化するよりも「必要な人に必要な権限だけを付与する」設計をおすすめいたします。
チャンネルや機能の種類で制限がある
「ピン留めできない」原因が、権限や不具合ではなく、そもそも目的と機能が合っていない場合もあります。特に「重要情報を常に上に固定して見せたい」という目的は、ピン留めだけでは不十分なことがあります。ピン留めは“一覧で見返す”機能であり、“常時表示”の機能とは異なるためです。
目的別に再整理すると判断が速くなります
重要情報を常に見せたい(ルール、参加方法、注意事項)
→ 告知チャンネル運用、固定のまとめメッセージ、サーバーの導線整備が有効です。あとで探せれば良い(参照用リンク、決定事項)
→ ピン留め、スレッド、検索しやすい投稿形式が有効です。個人だけが参照したい
→ 自分用のチャンネル運用(後述)が適します。
「ピン留めできない」を直すこと自体が目的ではなく、「情報を残す」「探せるようにする」が目的である場合、代替策を採用したほうが結果が良いケースが多いです。
一時的不具合 アップデートと再起動
権限も上限も疑わしくない場合、アプリ側の一時不具合、キャッシュ不整合、通信状態などでピン留めに失敗することがあります。再現性が低い場合ほど不具合要因の可能性が高くなります。
推奨する対処順(安全で戻しやすい順)
Discordアプリを完全終了して再起動する
端末(PC/スマホ)を再起動する
アプリを最新版へ更新する
PCなら「ブラウザ版」で同じ操作を試す(切り分け)
スマホなら回線を切り替えて試す(Wi-Fi↔モバイル回線)
改善しない場合、再インストールを検討する(ログイン情報を確認の上)
切り分けの考え方
同じアカウントで、別端末なら成功する → 端末/アプリ側の問題の可能性
どの端末でも失敗する → 権限/上限/2FA/サーバー設定側の問題の可能性
この切り分けを行うだけで、管理者に相談する際の説明が明確になり、対応が早まります。
Discordの権限設定でピン留めを許可する方法
本章は管理者・モデレーター向けの内容です。一般ユーザーの方は、読み飛ばしていただいても問題ありませんが、「どこを見てほしいのか」を理解していると、依頼が通りやすくなります。
ロールでピン留めを許可する手順
ロールでの権限付与は、サーバー全体に効く基本設計になります。ピン留めを許可したい場合は、対象ロールにピン留め関連の権限を付与します。
手順の流れ(概念)
サーバー設定を開く
ロールを選択し、対象ロールを開く
権限一覧から「メッセージ管理」系の項目を確認し、ピン留めに必要な権限を許可する
保存し、対象ユーザーにロールが付与されているか確認する
実際に対象ユーザーの画面でピン留めが可能かを確認する
運用上の注意点
ピン留めだけを許可したいのに、過剰な権限(削除、管理者相当)まで付与すると事故の原因になります。
ロールを複数持っているユーザーの場合、別ロールの拒否設定やチャンネル側の拒否で期待通りにならないことがあります。権限は「積み上げ」だけでなく「拒否の影響」も受けると理解してください。
チャンネル個別で許可または拒否する手順
チャンネル権限(オーバーライド)は「このチャンネルだけ許可」「このチャンネルだけ禁止」を作れますが、同時に最も混乱を生みやすいポイントでもあります。特に「特定チャンネルだけピン留めできない」という相談は、ほぼチャンネル権限起因です。
手順の流れ(概念)
対象チャンネルの設定を開く
権限(アクセス権)を開く
対象ロールまたは特定メンバーを追加する
ピン留めに必要な権限を「許可」または「拒否」に設定する
同じユーザーが持つ他ロールとの競合がないか確認する
競合の典型例
ロールA:ピン留め許可
ロールB:チャンネルでピン留め拒否
ユーザー:AとBを両方所持
→ 期待と異なる挙動になります。こうした場合は「拒否を外す」「ロールを分ける」「チャンネル運用を整理する」などで解消します。
メンバーに依頼するときの確認事項と依頼文
一般ユーザーが管理者に依頼する際、情報が揃っていないと「再現できない」「どこを見ればよいかわからない」状態になりがちです。以下のチェック項目を埋めるだけで、対応速度が上がります。
依頼前チェックリスト
サーバー名:
チャンネル名(またはスレッド名):
端末:iPhone / Android / PCアプリ / ブラウザ
症状:
ピン留めの項目が出ない
押すと失敗する(エラー)
特定チャンネルだけできない
表示された文言(可能ならスクリーンショット):
試したこと:再起動/更新/別端末/回線切替など
他メンバーの状況:同チャンネルで他人はできるか(分かる範囲で)
依頼文テンプレ(コピペ用)
サーバー名:___
チャンネル名:___
端末:___(例:Androidアプリ)
症状:___(例:ピン留めの項目がメニューに出ません)
表示文言:___(例:エラー表示、2段階認証の案内など。なければ「なし」)
試したこと:___(例:アプリ再起動、最新版更新、PCブラウザでも同様)
お手数ですが、当該チャンネルでピン留め権限が拒否されていないか、また私のロールにピン留め関連の権限が付与されているかをご確認いただけますでしょうか。
このテンプレは、管理者が「ロール権限」「チャンネル権限」「2FA要件」「上限」のどれを疑うべきか判断する材料になります。
Discordの端末別トラブルシューティング
iPhoneとAndroidでメニューが出ないとき
スマホではUIがコンパクトなため、項目が隠れていたり、誤操作でメニューを出せていなかったりすることがあります。特に「長押し不足」「別メニューに格納」を見落としやすいです。
確認順(上から順にお試しください)
対象メッセージを「長押し」しているか
早すぎるタップではメニューが出ません。
メニュー内に「その他」「…」がある場合、それを開いて項目がないか
メッセージの種類を確認する
埋め込み、システムメッセージ、通知系メッセージなどで挙動が異なる場合があります。
同じチャンネルで別の通常メッセージでも試す
そのメッセージ固有の問題か、チャンネル全体の問題か切り分けできます。
アプリを再起動し、最新版に更新する
ここまでで改善しない場合
項目が出ない=権限不足の可能性が高いため、管理者へ依頼するのが最短です。
PCアプリとブラウザ版で起きる差分
PCは切り分けが非常に有効です。特に「デスクトップアプリ固有の不具合」「ブラウザ拡張の影響」「キャッシュ不整合」などが見えるためです。
差分確認のやり方
PCアプリで失敗する → ブラウザ版で同じ操作を試す
ブラウザ版で成功する → アプリ側不具合の疑いが濃厚
ブラウザ版でも失敗する → 権限/上限/2FA/サーバー設定側の疑いが濃厚
PCで「メニューが出ない」場合の補足
右クリックが無効な環境(トラックパッド設定等)もあります。その場合はメッセージ横の「…」を探してください。
画面幅が狭いと、アイコンが隠れることがあります。ウィンドウを広げると見える場合があります。
キャッシュ 端末設定 通知の影響
ピン留めの可否は通知設定とは別物であることが多いですが、端末・ネットワークの状態が悪いと、操作が反映されないことがあります。以下は「不具合の可能性があるときの補助的な確認」です。
端末側の確認
空き容量が極端に少ない → アプリ挙動が不安定になりやすいです
OSが古い/アプリが古い → UIや機能が一致せずトラブルが増えます
バックグラウンド制限が強い → 操作途中で通信が切れることがあります
ネットワーク側の確認
VPN、広告ブロック、企業ネットワークなど → 通信が制限されて失敗することがあります
Wi-Fiが不安定 → モバイル回線へ切替して再現性を確認してください
目的は「切り分け」
これらは万能の解決策ではありませんが、原因が端末側かサーバー側かを判断する材料になります。
Discordでピン留めの代替手段を使う方法
ピン留めが権限上難しい、上限で運用が破綻しやすい、メンバーが探せない、といった場合は、ピン留めに固執せず代替策を導入したほうが安定します。本章では、目的別に「代替手段の選び方」と「運用の形」を具体化いたします。
ルールは告知チャンネルや固定投稿で整理する
ルールや参加方法などは「探させない」設計が重要です。雑談チャンネルのピン留めに依存すると、メンバーはピン一覧を開く習慣がないため、結局読まれないことが多いです。
おすすめの設計
「お知らせ(告知)」専用チャンネルを作る
投稿者を制限すると、情報が埋もれにくくなります。
ルールやリンク集は「まとめメッセージ(1投稿)」に集約する
更新はその1投稿だけ直せばよく、情報が分散しません。
重要導線を最初に置く
参加方法、問い合わせ先、禁止事項などを冒頭に配置します。
運用のコツ
ルールは長文にしすぎず、見出しと箇条書きを中心にします。
詳細は外部ドキュメントやスレッドに逃がし、最初の導線だけ短く明確にします。
スレッドと検索で重要情報を見つけやすくする
「あとで見返す」目的には、スレッド運用が非常に向いています。ピン留めは一覧に集約される一方、情報が増えると上限や整理が問題になります。スレッドなら話題単位でまとまり、検索も効きやすいです。
スレッド運用の例
例:イベント告知 → スレッド名に日付を入れる
例:よくある質問 → 「質問受付スレッド」を作り、回答を蓄積する
例:ナレッジ共有 → 「設定手順」「不具合報告」などカテゴリ分けする
検索性を上げる投稿の書き方
タイトル(スレッド名)に固有名詞を入れる
本文に「キーワード」を散りばめる(例:権限、ピン留め、エラー、iPhone)
要点は冒頭に箇条書きで置く(読む負荷を下げます)
個人メモは自分用チャンネルでリンク保存する
「自分だけが後で見たい」情報を、共有チャンネルのピン留めに頼ると権限設計と衝突しがちです。この目的には、個人メモの仕組みが最も安定します。
推奨パターン
自分用のプライベートサーバーを作る
「メモ」チャンネルを作り、重要メッセージのリンクを貼る
リンクの下に要点を2~3行で添える(検索にも強くなります)
メリット
サーバーの権限に依存しない
ピン留め上限の影響を受けにくい
自分の整理のルールを統一できる
Discordのピン留めに関するよくある質問
ピン留めすると通知は行きますか
ピン留めは「チャンネルのピン一覧に残る」という性質が中心であり、通知の挙動は環境や設定の影響を受ける場合があります。重要なのは、ピン留めは原則として共有情報であり、他メンバーが閲覧可能だという点です。誤って個人メモを共有チャンネルにピン留めする運用は避け、個人用途は「自分用チャンネルでリンク保存」をおすすめいたします。
自分のメッセージだけを自分用にピン留めできますか
一般的なピン留めはチャンネル単位の共有機能であり、「自分だけに見えるピン留め」という形は取りにくいです。個人用に残したい場合は、以下の代替策が適します。
自分用プライベートサーバーにリンク保存する
自分のDMメモ運用(許される範囲で)を行う
スレッドや検索しやすい投稿形式で整理する
「誰に見せたい情報なのか」を基準に、共有(ピン留め)と個人(メモ)を分けてください。
ボットがピン留めできないのはなぜですか
Botがピン留めできない場合は、人間ユーザー以上に「権限の整合性」が重要です。特に、Botがチャンネルを読めていない、メッセージ参照権限がない、という状態だとピン留め以前の段階で失敗します。
確認順(上から順に)
Botロールに、ピン留めに必要な権限が付与されているか
対象チャンネルで、Botロールが拒否されていないか(チャンネル権限)
Botが対象メッセージを参照できるか(閲覧権限、履歴閲覧)
ピン留め上限に達していないか
Bot側の実装(コマンド仕様)で、ピン留め対象の指定が正しいか
Bot運用では「ロールで許可したつもりでも、チャンネル側で拒否されていた」という事故が頻発します。特定チャンネルだけ失敗する場合は、チャンネル権限の見直しが最優先です。
ピン留めを外した履歴は残りますか
ピン留めの付け外しの追跡可否は、サーバーの監査ログや運用方針、対象操作の記録範囲によって異なる場合があります。運用として確実性を求める場合は、次の設計が安全です。
ピン留め操作を行うロールを限定する
変更時は「いつ」「誰が」「何を」変更したかを別途記録する(告知チャンネルやログチャンネル運用)
重要情報はピン留めだけに依存せず、まとめメッセージや外部ドキュメントに残す
ピン留めは便利ですが、重要な運用ルールの唯一の保管場所にするのは避けるのが無難です。
まとめ
Discordでピン留めできない場合は、最初に「サーバーかDMか」「メニューが出ないのか、押して失敗するのか」を切り分けることで、対応が最短化します。サーバー内で項目が出ない場合は権限(ロール・チャンネル権限)の可能性が高く、押して失敗する場合は上限や2段階認証要件、不具合が疑われます。
また、ピン留めは万能ではなく、目的が「常に見せる」「探せるようにする」「個人で保管する」のどれなのかにより、告知チャンネル・まとめメッセージ・スレッド・自分用チャンネルなどの代替策のほうが適する場合があります。運用まで含めて整理することで、同じトラブルの再発を防げます。
最後に、DiscordはUIや仕様が更新される可能性があります。画面表示が変わった場合でも、本記事で示した「症状ベースの切り分け(項目が出ない/失敗する/特定チャンネルのみ)」に立ち返って確認いただくことで、原因に到達しやすくなります。必要であれば、依頼テンプレートを用いて管理者へ具体的に相談してください。