ディスコードで「全員にメンション」を使うと、告知が一気に届いて便利です。しかし一方で、使いどころを間違えると通知がうるさいと思われたり、メンバーがサーバーをミュートしてしまったり、最悪の場合は荒らしに悪用されたりと、運用上のトラブルにもつながります。
「@everyone と @here はどう違うのか」「全員メンションができないのは権限のせいか」「通知を減らしつつ重要連絡だけ通すにはどうすればよいか」など、気になる点は多いはずです。
本記事では、ディスコードで全員にメンションする基本手順から、できない原因の切り分け、管理者が行うべき権限設計と制限方法、受け取り側の通知抑制、嫌われない運用ルールまでを、まとめて分かりやすく解説いたします。読み終える頃には、必要な時だけ確実に届き、普段は静かなサーバー運用に切り替えられるはずです。
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ディスコードの全員にメンションとは何か
ディスコードの「全員にメンション」は、サーバー内の多くのメンバーへ一斉に注意を向けてもらうための機能です。代表的なものが @everyone と @here で、どちらも通知の影響が大きく、適切に使えば「重要情報の到達率」を上げられます。一方で、使い方を誤ると通知過多になり、コミュニティの空気を悪くしたり、最悪の場合は荒らしに悪用されたりもします。
そのため、全員メンションは「送る方法」だけを覚えるのではなく、次の三点をセットで押さえることが重要です。
送信側:いつ、どこで、誰が使うのか(運用ルール)
管理者側:権限で誰に許可するのか(安全設計)
受信側:通知をどう扱うのか(抑制設定・見逃し対策)
本記事では、初心者の方にも管理者の方にも分かるように、上記を一気通貫で整理いたします。
ディスコードの@everyoneと@hereの違い
@everyone と @here はどちらも一斉通知になり得ますが、基本の考え方が異なります。まずは「誰に届くつもりの通知なのか」を理解すると、誤用が減ります。
| 種類 | 通知の対象イメージ | 典型的な用途 | リスク | 向いている運用 |
|---|---|---|---|---|
| @everyone | サーバーに属する人全体に向けた強い呼びかけ | 重要変更、障害、緊急連絡、規約改定 | 反感が出やすい、荒らしに悪用されやすい | 原則は管理者や告知担当のみ |
| @here | 今アクティブな人への呼びかけの意図 | 開始直前の集合、今いる人への質問 | それでも通知は強め、濫用で疲弊 | 小規模サーバーで限定的に |
| ロールメンション | 特定のロールを持つ人 | イベント参加者、募集、趣味別告知 | ロール設計がないと機能しない | 中〜大規模サーバーの標準形 |
ここで重要なのは、どちらも「見てほしい」気持ちを簡単に実現できる反面、メンバーの通知体験を壊すほど強力だという点です。通知が荒れると、メンバーは次第に「通知を無視する」「サーバーをミュートする」「退出する」方向に動きやすくなります。結果として、本当に必要な告知まで届かなくなるため、運営側は特に慎重な設計が必要です。
ディスコードでロールメンションが有効な場面
全員メンションの代替として最もおすすめできるのが、ロールメンションです。理由は単純で、対象者を必要な範囲に絞れるからです。
たとえば次のようなロールがあると、告知の品質が上がります。
アップデート通知希望
イベント参加者
募集通知希望
初心者質問歓迎
VC参加中
このように分けると、告知は「関係ある人にだけ強めに届ける」形になります。さらに、運用の空気も良くなりやすいです。なぜなら、メンバー側は「自分が必要だと思って受け取っている通知」になるため、反感が生まれにくいからです。
ロールメンションを中心にして、@everyone は「本当に例外的な緊急用途に限定する」という構成が、長期運用で最も安定します。
ディスコードで全員にメンションする手順
ここでは、送信者側の基本手順と、事故を防ぐための準備をまとめます。ディスコードは端末やアップデートでUIが変わることがありますが、考え方は変わりません。「入力して候補が出る」「権限がなければ送れない」という二点を押さえてください。
ディスコードで@everyoneを送る基本手順
基本手順は次のとおりです。
メッセージ欄に @everyone と入力します
候補が表示される場合は選択します
伝えたい本文を記載します
送信します
実際の運用では、単に @everyone を付けるだけではなく、「通知を見た瞬間に意味が分かる一行目」を作ることが重要です。通知一覧では本文の一部しか表示されないことがあるため、冒頭が曖昧だと見落とされます。
推奨フォーマット例です。
先頭:緊急度が分かる短いタグ
次:何が起きたか
次:対象は誰か
次:メンバーが取るべき行動
最後:期限や次回更新時刻
例(テンプレ)
@everyone 【重要】本日20:00からサーバーメンテナンスを行います。対象は全員です。20:00〜20:30は投稿を控えてください。状況はこのチャンネルで更新します。
これだけで、メンバーが迷わず動ける告知になります。
ディスコードで誤送信を防ぐ事前チェック
@everyone は影響が大きい分、誤送信の損害も大きくなります。「送る前に必ず確認する項目」を固定しておくと、事故が激減します。
送信前チェックリストを以下に示します。
内容は本当に全員が対象ですか
今すぐ通知する必要がありますか
告知チャンネルなど、送る場所は適切ですか
ロールメンションや固定投稿で代替できませんか
一行目を見ただけで内容が分かりますか
受け手が次に取る行動が明確ですか
期限、時間、担当、更新方法が書かれていますか
このチェックリストを「投稿担当の共通ルール」にしておくと、属人化が減り、サーバーの品質が上がります。
ディスコードで全員にメンションできない原因と直し方
「@everyone が使えない」「入力しても候補が出ない」「送ったのに反応がない」という相談は非常に多いです。ただし、原因はだいたい次のどれかに集約されます。
権限がない
チャンネル側の権限で抑制されている
受信側が通知を抑制している
この順番で確認すると、最短で原因に到達できます。
ディスコードの権限不足で@everyoneが使えない
最も多い原因が権限不足です。サーバー運営者が「@everyone を使える人」を制限していると、一般メンバーは送れません。これは荒らし対策として非常に有効で、むしろ標準的な運用です。
よくある状況は次のとおりです。
モデレーターや管理者だけが使える
告知担当ロールだけが使える
新規参加者は一定期間使えない
対処法は二つです。
管理者に「告知が必要な事情」を伝え、権限の付与を依頼する
代替としてロールメンションや告知チャンネルの固定投稿を使う
個人が勝手に解決できるケースは少ないため、「運用上、なぜ制限されているか」を理解して、適切な経路で相談することが現実的です。
ディスコードのチャンネル権限で@everyoneが無効になる
次に多いのがチャンネル権限の問題です。サーバー全体で許可されていても、特定のチャンネルでは禁止されていることがあります。
これは良い設計です。なぜなら、雑談チャンネルで @everyone が飛び交うと、通知体験が一気に崩れるからです。告知を一本化するだけで、次のメリットが出ます。
重要情報が流れにくい
メンバーが「ここだけ見ればよい」と理解できる
誤送信が減る
管理者が監視しやすい
対処としては、管理者側が「告知チャンネルのみ許可」「それ以外は不可」という構造にしておくのが最も安定します。送信側は「送る場所が間違っていないか」を真っ先に確認してください。
ディスコードで通知が届かない時の確認ポイント
送信はできたのに、相手が気づかない場合は「受け取り側の通知設定」が原因であることが多いです。ディスコードは、サーバーやチャンネルごとに通知を抑制できます。つまり、送信者がどれだけ強く呼びかけても、受信者が抑制していれば届きません。
この状況を前提に、運営側が取るべき対策は次のとおりです。
重要告知は告知チャンネルに集約し、見に行けば分かる状態を作る
重要告知はピン留めなどで残す
重要告知は同じ内容を連投しない
更新がある場合は「次の更新予定」を明記する
また、メンバー側が「通知を抑制している」こと自体は悪ではありません。通知が多いと、人は自衛的にミュートします。したがって、運営側は「通知を乱用しない」ことで、結果的に本当に必要な通知が届く環境を作るのが正攻法です。
ディスコードで全員にメンションを制限する設定
ここからは管理者向けです。サーバーが成長すると、全員メンションは必ず課題になります。ルールで縛るだけでは限界があるため、権限設計で「そもそも乱用できない」状態にしておくと安定します。
ディスコードのロール権限で@everyoneをオフにする
基本方針は明確です。
一般ロールでは @everyone と @here を使えないようにする
告知担当や管理者のみに許可する
この方針を取るだけで、荒らし耐性が大きく上がります。特に新規参加者が多いサーバーでは、権限が甘いと短時間で荒れることがあります。全員メンションは「荒らしが最初に狙う武器」になりやすいからです。
加えて、@everyone ロールは全員の基礎権限に関わるため、設計の土台として扱うことが重要です。よくある失敗は「どこで許可されているか分からない」状態です。対策は簡単で、次の順に設計します。
@everyone ロールで最低限の権限だけを付与する
一般ロールで必要な権限を追加する
告知担当ロールなど例外ロールを作り、@everyone 権限をそこにだけ付ける
チャンネル側で告知チャンネルだけ許可する
この順番にすると、全体が整理され、トラブル時に切り分けが容易になります。
ディスコードで信頼ロールだけに許可する設計例
ここでは、すぐに使える設計例を提示いたします。小規模でも中規模でも機能しやすい型です。
推奨ロール設計例
管理者
設定全般
緊急対応
@everyone 使用可
モデレーター
監視と対応
原則 @everyone は使わないが、緊急時のみ可としてもよい
告知担当
告知チャンネルのみ投稿可
@everyone 使用可
その他の管理権限は最小限
一般
@everyone 使用不可
参加者として必要な権限のみ
この設計の狙いは、「強い通知」と「強い権限」を分離することです。告知担当に管理権限を持たせずに @everyone だけ許可すれば、事故の範囲を小さくできます。
さらに精度を上げたい場合は、告知担当にも次のルールを課します。
告知テンプレを必ず使う
告知の前にモデレーターへ簡易確認を入れる
緊急以外はロールメンションを優先する
「人の運用」と「権限の構造」を重ねると、サーバーは非常に安定します。
ディスコードで荒らし対策として有効な初期設定
荒らし対策は、発生してから対応するより、起きにくい形にしておくほうが圧倒的に楽です。全員メンション周りで最低限やっておきたい初期設定を、チェックリストでまとめます。
管理者の推奨初期設定チェックリスト
一般ロールで @everyone と @here を使えない設定にする
告知チャンネルを作り、投稿者を限定する
告知チャンネル以外は @everyone を禁止する
新規参加者の権限を抑え、一定期間は投稿範囲を限定する
問題が起きた時の連絡先と対応手順を決めておく
重要告知のテンプレ文を作り、使い回せる状態にする
これだけで「荒らしが一瞬で全員へ通知を飛ばす」タイプの被害は大幅に減ります。特に大規模サーバーほど、初期の権限設計が命になります。
ディスコードで全員にメンションを減らす通知設定とマナー
全員メンションの問題は、技術設定だけで終わりません。最終的にコミュニティの満足度を決めるのは「運用の節度」と「マナーの共通認識」です。ここでは、反感を買いにくい運用を具体的に提示いたします。
ディスコードで@everyoneと@hereの通知を抑制する
受け取り側は、サーバーやチャンネル単位で通知を抑制できます。これ自体は自然な行動です。重要なのは、運営側が「通知に頼らなくても情報が追える設計」を作ることです。
推奨する設計は次の三点です。
重要情報は告知チャンネルへ集約する
告知チャンネルは流れにくい運用にする
告知は短く、要点と行動を明確にする
これにより、メンバーがミュートしていても「必要なら見に行けば分かる」状態になります。逆に、通知でしか情報を渡せない設計だと、ミュートした人が置き去りになり、混乱が増えます。
運営側ができる工夫として、次も有効です。
週次まとめや月次まとめを固定投稿する
重要告知の後に「要点だけ再掲」を一度だけ行う
更新が連続する障害時は、一定間隔でまとめて投稿する
通知が増えるほど、メンバーは通知を切ります。したがって「通知を減らすことが、通知の到達率を上げる」という逆説が起きます。
ディスコードで嫌われない運用ルールと定型文
嫌われないための運用ルールは、難しい理念ではなく、具体的な約束に落とすことが重要です。以下は、そのままサーバールールに組み込める形です。
運用ルール例
@everyone は緊急と重要変更に限定します
それ以外の告知はロールメンションを優先します
告知は告知チャンネルでのみ行います
告知はテンプレに沿って、要点と行動を明記します
同じ内容で複数回の @everyone は行いません
誤送信した場合は、謝罪と訂正を一回で行います
次に、すぐ使える定型文を提示いたします。テンプレを固定すると、告知品質がぶれにくくなります。
重要告知テンプレ
@everyone 【重要】何が起きたかを一文で書きます。対象は誰かを書きます。メンバーがやることを短く書きます。期限や時間を書きます。次の更新予定を書きます。
緊急対応テンプレ
@everyone 【緊急】障害が発生しています。対象は全員です。現在対応中です。復旧見込みは未定です。次の状況更新は○時に行います。
イベント開始テンプレ
@here 【開始】イベントを今から開始します。参加方法は○○です。参加できない場合は後でアーカイブを案内します。
テンプレのポイントは、感情的にならず、事実と行動だけを書くことです。短く、迷いなく、正確に書くほど、反感が減り、信頼が積み上がります。
ディスコードで代替手段を使う判断基準
@everyone を減らすためには「代替を先に検討する」習慣が必要です。判断基準を簡単にまとめます。
全員が対象で、今すぐ対応が必要
例:障害、重大なセキュリティ事故、規約改定の即時周知
選択:@everyone を検討します
今アクティブな人に呼びかけたい
例:今から集合、今いる人に質問
選択:@here を検討します
一部の人だけが対象
例:参加者募集、特定ゲームの集まり、役割別連絡
選択:ロールメンションが最優先です
周知は必要だが緊急ではない
例:今週の予定、イベント告知、注意喚起
選択:告知チャンネル固定、まとめ投稿、ロールの任意購読で対応します
この基準が共有されるだけで、@everyone の乱用は自然に減ります。そして乱用が減るほど、メンバーはミュートしにくくなり、本当に必要な告知が届きやすくなります。
ディスコードの全員にメンションに関するよくある質問
最後に、よくある疑問を整理いたします。ここを読むことで「結局どう設計すればよいか」が明確になります。
ディスコードで全員にメンションは誰でもできるのか
誰でもできるわけではありません。サーバー管理者が権限で制限している場合、一般メンバーは @everyone や @here を使えません。多くのサーバーでは、荒らし対策と通知品質維持のために制限しているのが一般的です。
「送れない」のは不具合ではなく、運用上の設計である可能性が高いです。必要がある場合は、管理者に「目的」「緊急性」「投稿先」をセットで伝え、適切な方法で告知できるよう相談するのがよいです。
ディスコードで特定チャンネルだけ全員メンションを許可できるのか
可能です。むしろ推奨される設計です。典型的には次の形が安定します。
告知チャンネルのみ、告知担当ロールに @everyone を許可する
雑談や一般チャンネルでは @everyone を禁止する
こうすることで、誤送信と乱用を大きく減らしつつ、必要な時だけ確実に告知できます。メンバー側も「告知はここを見る」と理解しやすく、コミュニティの導線が整います。
ディスコードで全員メンションを完全に無効化できるのか
管理者側としては、一般メンバーに対して「実質的に無効化」することは可能です。具体的には、一般ロールで @everyone と @here の使用権限を外し、告知担当以外には付与しない設計にします。さらにチャンネル側でも禁止すれば、事故はかなり防げます。
一方で、「サーバーとして絶対に誰も使えない」状態にしてしまうと、本当に緊急の告知を伝える手段がなくなります。したがって現実的には、次の折衷案が最も安全です。
通常は使えない
緊急時だけ、管理者か告知担当が使える
緊急以外はロールメンションと告知チャンネル運用で回す
この形にすると、通知の品質と安全性を両立しやすくなります。