新しいスマートフォン、PC、スマートスピーカーなどを購入した直後に必要になるのが「デバイスのセットアップ」です。セットアップは単なる初期設定ではなく、データ移行・アカウント引き継ぎ・ネットワーク接続・セキュリティ設定・不具合時の復旧までを含む一連の工程です。ここを丁寧に進めるほど、後からのトラブル(ログインできない、通知が止まらない、機器が検出されない、バックアップが取れていない等)が減ります。
本記事では、デバイスのセットアップを「準備→手順→トラブル解決→安全設定」の流れで整理し、iPhone・Android・スマートデバイス・Windowsまで横断的に解説いたします。なお、画面表示や項目名はOSやメーカーの更新で変わる場合がありますので、表記が近い項目を探しながら進めてください。
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デバイスのセットアップで最初に確認すること
デバイスのセットアップが必要になる場面
「デバイスのセットアップ」という言葉は幅が広く、具体的には次のような状況を指します。
スマホの新規購入:初回起動時の言語・地域・ネットワーク・アカウント・ロック設定など
機種変更:旧端末からのデータ移行、アプリの再ログイン、認証の引き継ぎ
スマートデバイスの追加:Google Home/Nest、スマートライト、スマートプラグ等をアプリで追加し、Wi-Fiに参加させる
PCの新規購入:Windows初回セットアップ、Microsoftアカウント・更新・同期・バックアップ設定
会社支給端末の登録:管理者が指定する手順(MDM、QRコード登録、職場用アカウント紐付け等)
同じ「セットアップ」でも、スマホは“日常利用の復帰”が最優先、スマートデバイスは“検出とネットワーク参加”、Windowsは“アカウントと更新・同期”、企業端末は“管理ルールへの適合”が重要点になります。まずは自分がどのケースかを明確にしてから進めると、迷いが減ります。
デバイスのセットアップ前に用意するもの
セットアップの成功率を上げるために、開始前に最低限そろえてください。準備が甘いと、途中で止まり、やり直しや初期化が必要になる場合があります。
1)通信環境
可能なら安定したWi-Fi(固定回線・ルーター近く)
ルーターのSSIDとパスワード
公衆Wi-Fiは避ける(セキュリティ面・接続不安定・認証画面が邪魔になる)
2)電源・ケーブル
新旧端末ともに充電50%以上(理想は充電しながら)
端末間コピーを行う場合はUSBケーブル(必要なケースあり)
PCはAC接続推奨(更新中に電源断が起きると復旧が大変です)
3)アカウント情報
Apple Account / Googleアカウント / Microsoftアカウント(該当するもの)
パスワード(不明なら先に再設定)
二段階認証の受け取り手段(SMS、認証アプリ、予備メール、バックアップコード)
4)旧端末の状態
画面ロック解除が可能(パスコードや生体認証が使える)
旧端末のOS更新が可能なら最新へ
バックアップが取れている(iCloud、Googleバックアップ、PCバックアップ等)
失敗を防ぐ事前チェックリスト
以下は「やり直し」を減らすための実務的(※本記事ではこの表現は使用しません)ではなく、現実的に効果が高いチェックです。開始前に上から順に確認してください。
新旧端末を充電できる状態にした(電源不足で中断しない)
Wi-FiのSSIDとパスワードを確認した(入力ミスが多いポイントです)
Apple/Google/Microsoftなど、必要アカウントのパスワードを把握した
二段階認証の受け取り方法を確認した(旧端末・SMS・メールなど)
旧端末でバックアップを取った(もしくはバックアップ日時を確認した)
移行に注意が必要なアプリを洗い出した(下記参照)
旧端末の「連絡先」「写真」「メッセージ」の保存先(クラウド/端末内)を把握した
移行に注意が必要な代表例(事前に把握しておくと安心です)
認証アプリ(ワンタイムパスワード)
金融・決済系(銀行、証券、電子マネー、クレカアプリ)
メッセージ系(特に引き継ぎ手順があるもの)
会社支給の業務アプリ(管理ポリシーがある可能性)
「データ移行=全部そのまま使える」と思いがちですが、実際はアプリの再ログインや端末認証の再登録が残ることが多いです。後半の「トラブルと直し方」も参照し、先に心構えを作っておくとスムーズです。
デバイスのセットアップをスマホで完了させる手順
スマホのセットアップは、機種やOSで画面は異なりますが、基本は次の流れです。
電源投入・言語・地域
ネットワーク接続(Wi-Fiまたはモバイル)
アカウント設定(Apple/Google)
データ移行(旧端末コピー/バックアップ復元/新規)
画面ロック・生体認証
更新・権限・通知・バックアップの確認
重要なのは、「データ移行は途中で中断しない」ことと、「セキュリティ設定を後回しにしない」ことです。特に画面ロックを後回しにすると、後で金融アプリや紛失対策の設定に支障が出ます。
iPhoneのデバイスのセットアップ手順
iPhoneのセットアップは、初回起動時の案内に沿って進めるのが基本です。ここでは一般的な流れと、つまずきやすいポイントをセットで整理いたします。
手順(標準的な流れ)
電源を入れる
「こんにちは」画面から開始します。言語・国/地域を選択
後から変更可能ですが、キーボードや日時設定に影響します。Wi-Fiに接続
アクティベーションや復元で通信が必要になることが多いため、可能ならここで接続します。クイックスタートの有無を選ぶ
旧iPhoneが手元にあり、近くに置けるならクイックスタートが最も迷いにくい選択肢です。Apple Accountでサインイン
パスワード不明・二段階認証が受け取れない場合は、ここで止まりやすいです。Face ID/Touch IDとパスコード設定
セキュリティの要であり、後で必須になる場面が多いので、ここで設定するのが安全です。データ移行(復元)を選択
旧端末から直接転送
iCloudバックアップから復元
新しいiPhoneとして設定
Siriや位置情報、解析共有などを設定
迷う場合は、後から変更できる項目は一旦標準で進めても問題ありません。ホーム画面表示後、更新とバックアップ確認
使い始める前に、OS更新・バックアップ設定を確認しておくと安心です。
つまずきやすいポイントと対策
Apple Accountのパスワード不明
→ セットアップを始める前に旧端末でログイン状態を確認し、必要ならパスワード再設定を済ませます。二段階認証の確認コードが受け取れない
→ 旧端末がある場合は旧端末側に通知が来ることがあります。SMS受信が難しい場合はWi-Fi接続を安定させ、受信手段を見直します。復元に時間がかかる
→ 大容量の写真・動画があると数時間単位になる場合があります。充電しながら放置できる時間を確保してください。アプリが戻ってもログインが必要
→ 金融・決済・認証系は再ログイン・再認証が起こりやすいと理解しておくと、焦らず対処できます。
Androidのデバイスのセットアップ手順
Androidはメーカーや機種で画面が異なりますが、概ね「旧端末からコピー」「バックアップから復元」「新規設定」の三択が中心です。特に機種変更では、旧端末からのコピーが最も分かりやすい場合が多いです。
手順(標準的な流れ)
電源を入れ、言語を選択
Wi-Fiに接続
復元・アプリ更新・アカウント同期のため、安定したWi-Fi推奨です。コピー方法を選択
旧端末からコピー(近くに置く/ケーブル接続など)
バックアップから復元(Googleバックアップ等)
新規設定
Googleアカウントにログイン
二段階認証がある場合は、ここで確認が必要です。画面ロック・指紋/顔などを設定
セキュリティの中核です。後からでも可能ですが、早い段階で設定すると後工程がスムーズです。アプリの自動復元・更新を待つ
ホーム画面が出ても、バックグラウンドで復元が進行していることがあります。権限・通知・バックアップを確認
セットアップ中に許可した権限は、完了後に見直す前提で進めるとよいです。
Androidでありがちな注意点
同じGoogleアカウントでログインする
旧端末で使っていたアカウントと違うと、バックアップ復元の候補が出ないことがあります。メーカー移行アプリの併用
機種によってはメーカー独自の移行アプリが案内されることがあります。基本は案内に従い、うまくいかない場合は「Googleバックアップから復元」に切り替えると安定する場合があります。復元後に電池消費が増える
初期同期・アプリ更新が集中している間は、発熱・電池消費が大きくなりがちです。数時間〜1日程度で落ち着くことが多いです。
デバイスのセットアップでデータ移行を選ぶ基準
データ移行は「簡単そう」で選ぶと、認証や復元範囲の違いで後から苦労します。以下の比較表を目安に、状況に合う方法を選んでください。
| 状況 | 推奨 | 向いている理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 旧端末が手元にあり、早く終えたい | 旧端末からの直接転送(iPhoneクイックスタート/Androidコピー) | 設定や一部データをまとめて移せる | 転送中は端末が使いにくい/途中中断に弱い |
| 旧端末が手元にない、または不安定 | バックアップから復元 | 旧端末がなくても復元できる可能性がある | バックアップの日時・対象範囲に依存 |
| 最小限で使い始めたい | 新規設定+必要データだけ移す | 不要アプリを整理でき、動作が軽くなる場合がある | 主要アプリの再設定が増える |
判断のコツ
「旧端末が確実に使える」なら、直接転送が分かりやすい
「旧端末が壊れそう/電池が持たない」なら、バックアップ復元を優先
「不要アプリを減らしたい」なら、新規設定が合理的
デバイスのセットアップをスマートデバイスで進める手順
スマートデバイス(スマートスピーカー、スマートライト、スマートプラグ等)のセットアップは、スマホの初期設定よりも「検出」「Wi-Fi参加」「権限」が壁になります。特に多いのは、アプリにデバイスが出てこない、途中で接続が失敗するといった症状です。
スマートデバイスのセットアップは次の流れで整理すると、切り分けが容易です。
スマホ側の準備(Bluetooth、位置情報、権限、同一Wi-Fi)
アプリで追加(Google Home等)
デバイスを検出
Wi-Fi参加(多くは2.4GHzが関与)
部屋・名称・音声アシスタント連携
動作確認(音声、操作、反応速度)
Google Homeでデバイスのセットアップを始める前提条件
Google Homeを中心としたスマートデバイスのセットアップでは、スマホ側に求められる条件が複数あります。ここを満たしていないと、どれだけやり直しても検出されないことがあります。
事前確認(必須に近い項目)
Google Homeアプリが最新
スマホのBluetoothがオン
スマホの位置情報がオン(機種により必要)
セットアップに使うスマホが、接続させたいWi-Fiに接続済み
可能ならルーターの近くで作業(電波が弱いと失敗率が上がります)
注意点(よくある落とし穴)
ルーターが2.4GHz/5GHzを同じSSIDで出している場合、端末が意図せず別帯域に接続し「同一ネットワーク扱いにならない」ケースがあります。うまくいかないときは、2.4GHz側に揃える運用が効果的なことがあります。
省電力モードがオンだと、スキャンやバックグラウンド通信が制限され、検出や接続が不安定になる場合があります。
Google Nestやスピーカーのデバイスのセットアップ手順
Google Nest等のスピーカー・ディスプレイのセットアップは、基本的にGoogle Homeアプリの案内に従って進めます。ここでは、迷いやすいポイントを含めた「標準手順」を文章化いたします。
手順(一般的な流れ)
デバイスの電源を入れる
初回起動中に音声や表示でセットアップ待ちになることがあります。スマホでGoogle Homeアプリを開く
「+」や「デバイスの追加」から開始することが多いです。検出されたデバイスを選択
表示された名称や型番が分かりにくい場合は、近くの機器の電源を一台ずつ入れて確認すると安全です。Wi-Fi接続を設定
正しいSSIDを選び、パスワードを入力します。部屋と名称を設定
音声操作や家庭内での識別に影響するため、後で混乱しない命名がおすすめです(例:「リビングスピーカー」)。動作確認
音量、マイクのオン/オフ、音声認識を確認します。
失敗しやすい局面
検出の段階で出てこない
Wi-Fiパスワード入力後に失敗する
接続は成功したのに、操作が重い/反応しない
これらは後述の「トラブルと直し方」で原因別に切り分けます。
サードパーティ機器のデバイスのセットアップで注意する点
サードパーティ機器(照明、エアコン、ロボット掃除機等)は、次の2パターンが多いです。
メーカーアプリで初期設定 → Google Homeに連携
Google Homeから追加するが、途中でメーカーの連携ログインが必要
このときの注意点は以下です。
1)連携アカウント情報
メーカー側のアカウント作成が必要な場合があります。メール認証やSMS認証があるので、事前に受信できる環境を整えてください。
2)Wi-Fi帯域要件
2.4GHzのみ対応の機器が多く、5GHzではセットアップできないことがあります。
ルーター側で「2.4GHz/5GHzの分離」設定があるなら、セットアップ時だけ分離して揃えると安定する場合があります。
3)権限の扱い
セットアップ中は位置情報やBluetoothの許可が必要になることがあります。完了後に「常時許可」になっていないか見直す運用が安全です。
デバイスのセットアップをWindowsで整える手順
Windowsのセットアップは、スマホと違って「使い始めた後にも案内が出る」点が特徴です。特に「PCのセットアップを完了しましょう」のような画面が繰り返し表示され、戸惑う方が少なくありません。
ここでは、初回起動の流れと、通知が出る理由、そして「個人用/職場用」の違いを整理いたします。
Windowsのデバイスのセットアップ初回起動の流れ
Windows 11/10の初回起動では、概ね次の順に進みます(機種やエディションで差があります)。
地域・キーボード・言語
正しく選ぶと、入力方式や時刻が自然になります。ネットワーク接続
更新・アカウント・初期アプリの準備に影響します。用途の選択(表示される場合)
「個人用」か「職場または学校用」かを選ぶ場面があります。Microsoftアカウントの設定(またはローカルアカウント)
環境によってローカルアカウントが選べる/選びにくい場合があります。更新の適用
初回に更新が集中し、時間がかかることがあります。電源は切らないでください。プライバシー関連の設定
位置情報、診断データ、広告識別子などが代表例です。デスクトップ表示後、追加の案内
OneDriveやMicrosoft 365などの案内が出ることがあります。
初回起動での判断ポイント
会社支給PC:職場用選択・会社アカウント・管理設定が必要なことがあります。自己判断で進めず、指示書に従うのが安全です。
個人PC:個人用が基本です。同期・バックアップをどこまで使うかは、後からでも調整可能です。
PCのセットアップを完了しましょうが出る理由
この種の案内は、次のような「追加設定」や「サービスの提案」が背景にあることが多いです。
Microsoftアカウントの追加情報入力
OneDriveのバックアップ設定
Microsoft 365(サブスク)の案内
セキュリティ・更新の推奨設定
ブラウザーや検索エンジンの提案
重要なのは、案内=必須作業とは限らないという点です。必要性が不明な場合は、次の基準で判断すると整理できます。
対応した方がよいケース
OneDriveを使って、ドキュメントや写真をクラウドにバックアップしたい
PCの紛失や故障に備えて復元性を上げたい
Microsoftアカウントで複数デバイス同期をしたい
急がなくてよいケース
まずは最低限で使い始めたい
会社のルールでクラウド同期が禁止されている(会社PCなど)
すでに別のバックアップ運用がある
個人用と職場用のデバイスのセットアップの違い
ここは誤ると後から設定のやり直しが必要になりやすいため、基準を明確にいたします。
個人用
自分のMicrosoftアカウントを中心に使う
同期やOneDriveバックアップを自分の判断で設定する
管理ポリシーの強制が少ない(基本は自己責任)
職場または学校用
組織のアカウントでサインインする
端末管理(ポリシー、アプリ制限、暗号化など)が入る可能性がある
設定項目が組織側で固定される場合がある
迷った場合の安全策
会社支給なら「職場用」である可能性が高い
自己所有で家庭利用なら「個人用」が基本
判断が付かない場合は、先に管理者や購入元の指示を確認してください(間違えると後工程が増えます)
デバイスのセットアップでよくあるトラブルと直し方
ここからは、セットアップを止める三大トラブルを「原因→確認→対処」の順で整理します。
検出できない(見つからない)
ログインできない(認証が通らない)
途中で止まる(進捗が進まない/失敗を繰り返す)
ポイントは、闇雲に再試行するのではなく、原因を絞って一つずつ潰すことです。最短で直すための切り分けを提示いたします。
デバイスのセットアップで検出できないときの切り分け
検出できない問題は、スマートデバイスやAndroidの「付近のデバイス」周りで多発します。下表で優先順位を付けて切り分けてください。
| まず起きている症状 | 優先確認 | 具体的な確認ポイント | 代表的な対処 |
|---|---|---|---|
| アプリにデバイスが出ない | Bluetooth | スマホのBluetoothがオンか | オン/オフ切替、再起動 |
| 近くにあるのに出ない | 距離・電波 | ルーター近くか、障害物はないか | 近づける、場所を変える |
| 途中で失敗する | Wi-Fi帯域 | 2.4GHz/5GHzが混在していないか | 2.4GHzに揃える |
| 一瞬出るが消える | 権限/省電力 | 位置情報や権限、電池最適化 | 権限許可、省電力解除 |
| 以前はつながった | 既存登録 | 既存の接続情報が残っている | 登録削除→再追加 |
即効性が高い基本手順(上から順に実施)
対象デバイスとスマホを再起動
Bluetoothのオン/オフ切り替え
位置情報のオン/オフ切り替え(必要な機器の場合)
Wi-Fiの接続先を揃える(同じSSID、可能なら2.4GHz)
アプリの権限確認(Bluetooth、位置情報、ローカルネットワークなど)
省電力モード・電池最適化を一時解除
過去の登録があれば削除して再追加
特に「Wi-Fi帯域」と「権限」は見落とされがちです。セットアップ中だけ一時的に権限を許可し、完了後に見直す運用が最も現実的です。
デバイスのセットアップ中にログインできないとき
ログイン不能は、パスワード間違いよりも「二段階認証の壁」が原因になりやすいです。次の順で確認してください。
1)パスワードが正しいか(入力ではなく“確実性”で確認)
旧端末や別端末で、そのIDとパスワードでログインできるかを確認します。
「たぶん合っている」は危険です。セットアップ中にロックや待機が発生すると時間がかかります。
2)二段階認証の受け取り手段が成立しているか
SMS受信が必要なのに、SIMを入れていない/圏外になっている
旧端末に確認通知が届く設定なのに、旧端末の電源が切れている
認証アプリが旧端末にしかない
対策の基本
旧端末があるなら、旧端末の電源・通信を安定させる
SMSが必要なら、SIM/eSIMや受信環境を先に整える
認証アプリ移行が必要なら、セットアップを一旦止めて移行手順を優先する(無理に進めると詰まります)
3)アカウントの保護(ロック)状態を疑う
短時間に何度も失敗すると一時ロックがかかることがあります。
その場合は、焦って試行回数を増やさず、復旧手続きを優先してください。
デバイスのセットアップが途中で止まるとき
途中停止は大きく分けて3種類です。
更新で止まる
データ移行で止まる
アクティベーション/認証で止まる
更新で止まる場合
Wi-Fiが不安定、または速度が不足している可能性があります。
ルーターに近づけ、他の大容量通信を止めると改善することがあります。
PCはAC接続、スマホは充電しながら進めてください。
データ移行で止まる場合
端末が発熱していると速度低下や停止が起きます。風通しの良い場所で実施してください。
転送中に他アプリを触らない(バックグラウンド制限がかかる場合があります)。
何度も止まる場合は、方法を切り替えるのが合理的です。
例:直接転送が不安定 → バックアップ復元へ
アクティベーション/認証で止まる場合
通信(Wi-Fi/モバイル)の切り替えで改善することがあります。
“ログインできない”に近い現象なので、二段階認証や回線状態も併せて確認してください。
デバイスのセットアップ後に必ず行う安全設定
セットアップ直後は「とりあえず使える」状態ですが、ここで安全設定を仕上げるかどうかで、後々の安心感が大きく変わります。特に、紛失・故障・乗っ取りのリスクは、初期の設定で大きく下げられます。
本章では、優先順位を付けて解説いたします。
画面ロックと生体認証の設定
最優先は、強い画面ロックです。PINやパスコードは短すぎないものを選び、推測されやすい数字(誕生日、0000、1234等)は避けてください。
推奨
パスコード/PINを必ず設定
指紋/顔認証を併用(利便性と安全性の両立)
ロック画面の通知表示を調整(内容を非表示にすると情報漏えいを防げます)
確認チェック
ロックが数分でかかる設定になっている
生体認証が失敗したときの代替(パスコード)を覚えている
ロック画面に表示される通知内容を必要最低限にしている
バックアップと紛失対策の設定
セットアップ後に必ず確認したいのが、バックアップと端末探索(紛失対策)です。端末が壊れたり紛失したりした瞬間に、バックアップの有無が「復旧できるかどうか」を決めます。
バックアップ(基本方針)
写真・連絡先・設定がクラウドに保存される状態を作る
可能なら、定期的に自動バックアップが走る状態にする
PCや外部ストレージに二重化できるならさらに安全
紛失対策(基本方針)
端末探索機能をオン
位置情報の扱いに不安がある場合は、探索のための必要範囲を理解した上で設定
会社端末の場合は、組織のポリシーを優先
確認チェック
バックアップの最終日時が最近になっている
端末探索がオンになっている
予備の復旧手段(バックアップコード等)を保管している
自動更新と権限の見直し
最後に重要なのが、自動更新と権限の棚卸しです。セットアップ直後は、アプリが古いまま・権限が広いままになりやすいです。
自動更新
OS更新:可能なら自動更新または更新通知を有効化
アプリ更新:ストアの自動更新を有効化(Wi-Fi時のみ等の条件設定も可能)
権限の見直し
位置情報:常時許可になっているアプリを見直す
Bluetooth:不要な常時スキャンを避ける
マイク/カメラ:必要時のみ許可にする
通知:重要なアプリだけを残し、ノイズを減らす
確認チェック
OSと主要アプリが最新になっている
位置情報・Bluetooth・マイク・カメラの権限が過剰でない
不要な通知を整理できている(重要通知が埋もれない)
よくある質問
デバイスのセットアップで旧端末が手元にない場合はどうしますか
旧端末がない場合は、バックアップからの復元が中心になります。まずは、以前の端末でバックアップが取れているかを確認してください。バックアップが見つからない場合は、「新規設定」で開始し、クラウドに保存されているデータ(連絡先・写真・メール等)を同期して復旧する流れになります。
ただし、認証アプリや金融系アプリは、バックアップだけで戻らないことがあり、別途本人確認が必要になる場合があります。必要に応じて各サービスの引き継ぎ手順を確認してください。
デバイスのセットアップでWi-Fiがないと進められませんか
機器によりますが、多くのケースでWi-Fiは強く推奨されます。特に以下はWi-Fiがあると成功率が上がります。
大容量のバックアップ復元
OS更新・アプリ一括更新
スマートデバイスのネットワーク参加
モバイル通信でも進められる場合はありますが、速度・通信量・安定性の観点で止まりやすくなります。可能ならWi-Fi環境を確保してからの実施が安全です。
デバイスのセットアップで検出できないとき最初に何を確認しますか
最初に確認すべきは、次の4点です。
Bluetoothがオン
位置情報がオン(必要な機器の場合)
スマホと機器が近い(電波が強い)
スマホが正しいWi-Fiに接続している(同一ネットワーク)
この4点を満たしたうえで、再起動→権限→省電力→過去登録削除の順に進めると、無駄な試行が減ります。
デバイスのセットアップ後にやるべき設定は何ですか
優先順位は以下のとおりです。
画面ロック(PIN/パスコード)と生体認証
バックアップの有効化と最終日時の確認
紛失対策(端末探索)
OS/アプリ更新
権限(位置情報、マイク、カメラ等)と通知の整理
「使える」状態から「安心して使える」状態にする工程として、必ず実施してください。
会社支給端末のデバイスのセットアップは個人と何が違いますか
会社支給端末は、個人端末と比べて以下が大きく異なります。
組織のアカウントでサインインする必要がある
端末管理(ポリシー、アプリ配布、制限、暗号化等)が入る可能性がある
設定の自由度が制限される場合がある
誤った手順で進めると、再設定や管理者対応が必要になることがあります。配布時の指示書がある場合はそれを最優先し、不明点は管理者に確認してください。
まとめ
デバイスのセットアップは、単なる初期設定ではなく、データ移行・接続・トラブル解消・安全設定までを含めた「使い始めの全工程」です。成功の鍵は次の3点です。
事前準備で詰まりを消す(アカウント・二段階認証・バックアップ・充電・Wi-Fi)
状況に合う移行方法を選ぶ(旧端末がある/ない、安定性、整理目的)
完了後に安全設定を仕上げる(ロック、バックアップ、紛失対策、更新、権限)
本記事の見出し順に進めれば、途中で止まっても「どこを直せばよいか」が分かる構成になっています。まずは「事前チェックリスト」を満たし、スマホ→スマートデバイス→Windowsの順で必要なところだけ進め、最後に安全設定で仕上げてください。仕様や表示は更新で変わる可能性があるため、画面の文言が違う場合は近い項目を探し、焦らず一つずつ確認することが重要です。