タスクマネージャーで「デスクトップ ウィンドウ マネージャー(dwm.exe)」のCPUやGPU、メモリ使用量が高く表示されると、「ウイルスではないのか」「止めても大丈夫なのか」と不安になりがちです。さらに、画面のカクつきやちらつき、最悪の場合は黒画面や「dwmがクラッシュしたためログオフされました」といったトラブルにつながることもあり、放置してよいのか判断が難しい問題でもあります。
本記事では、デスクトップウィンドウマネージャーの役割と“停止をおすすめしない理由”を押さえたうえで、一時的な負荷上昇と異常な高負荷の見分け方、外部モニターやドック、ドライバー、常駐アプリの競合を含む原因の切り分け手順、クラッシュやログオフが起きる場合に確認すべきイベントログのポイントまで、症状別に整理して解説します。読み終えたときに「何から試せばよいか」が明確になり、遠回りせずに安定動作へ戻すための道筋が分かります。
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デスクトップウィンドウマネージャーとは何か
dwm.exeの役割と、画面表示の仕組み
「デスクトップ ウィンドウ マネージャー(Desktop Window Manager、DWM)」は、Windowsの画面表示を最終的に組み立てる“合成役”です。アプリが描いたウィンドウの内容を、そのまま画面へ直に出すのではなく、いったん素材として受け取り、最終的な画面として合成して表示します。
この合成があることで、次のような見た目・操作の快適さが成立します。
ウィンドウの影や角丸などの表現
透明効果(アクリルやぼかし)
ウィンドウのアニメーション(最小化・最大化・切り替え)
複数ウィンドウの重なりやZ順(前後関係)の自然な表示
マルチモニター環境での統一した描画
高DPI(4Kなど)でのスケーリングや描画
つまりDWMは「見た目の演出係」であると同時に、実態としてはデスクトップ描画そのものを成立させる中心部品です。dwm.exeが動いているのは、Windowsが“普通に画面を描くため”に必要だから、と理解すると分かりやすいでしょう。
負荷が上がる場面があるのも、この役割から説明がつきます。たとえば、ウィンドウを大量に動かす、透明効果を多用する、4K×複数画面で表示を合成する、といった状況では、合成処理が増えてCPU/GPU/メモリの消費が目立つことがあります。
停止・無効化をおすすめしない理由
結論として、dwm.exeを停止・無効化して解決を狙うのはおすすめできません。理由は大きく3つあります。
根本原因が残る
たとえばドライバー不整合や外部モニター構成の相性、常駐アプリの競合が原因の場合、DWMを止めても根は解決しません。むしろ、別の表示不具合として症状が形を変えることがあります。画面表示が不安定になる
DWMは表示合成の土台です。停止すると画面が一時的に暗転したり、表示が崩れたり、操作感が不自然になったりする可能性があります。環境によってはすぐにOS側が再起動させるため「戻ったように見える」ことがありますが、再発の芽は残ります。切り分けが難しくなる
停止や強制終了は、問題の発生条件を変えてしまい、何が原因だったのかを曖昧にします。対処のゴールは「止める」ではなく、負荷が上がる原因を減らして安定させることです。
したがって、本記事では「安全確認→判断→原因の切り分け→安全な対処→再発防止」という流れで進めます。やみくもな“最適化”より、順番どおりの切り分けのほうが結果的に早く解決します。
高負荷が起きやすい利用シーン(高解像度・マルチモニター等)
dwm.exeの負荷が目立ちやすいのは、次のような条件が重なったときです。自分の環境に当てはまるものがないか確認してみてください。
高解像度(4K/5K)
1枚の画面を合成するだけでも、ピクセル数が増えるほど計算量が増えます。高リフレッシュレート(120Hz/144Hz/240Hzなど)
1秒あたりの描画回数が増えるため、合成処理の回転数も上がりやすくなります。マルチモニター(2枚以上)
合成対象が増え、スケーリングや配置の調整も増えます。モニターごとに解像度やHzが違う
片方が4K/60Hz、片方がWQHD/144Hzなど、条件が揃っていないと負荷が上がりやすくなります。ドッキングステーション、変換アダプタ使用
接続経路が増え、相性や帯域の問題が起きやすくなります。透明効果・アニメーション多用
見た目を整える処理が増えます。画面に重ねる常駐(録画、配信、FPS表示、キャプチャ、ウィンドウ装飾)
“描画の途中に割り込む”タイプのツールは、競合の温床になりやすいです。
ここまでで重要なのは、「DWMは悪者ではない」という点です。目立つのは役割上自然であり、問題は過剰な負荷やクラッシュにつながる条件があることです。
デスクトップウィンドウマネージャーが高負荷か判断する
一時的なスパイクと、継続的な高負荷の見分け方
まず、タスクマネージャーでの数値を見たときに、「それが一時的なスパイクなのか」「継続的な高負荷なのか」を切り分けます。ここを誤ると、必要のない設定変更をして遠回りになります。
一時的なスパイク(様子見でよいことが多い)
ウィンドウを大量に開閉した直後
高解像度の動画をフルスクリーンにした直後
外部モニターを抜き差しした直後
スリープ復帰直後
画面共有や録画開始・停止の直後
ゲーム起動直後や、Alt+Tabで切り替えた直後
この場合、DWMは短時間だけ頑張って合成を調整しているだけで、数秒〜数十秒で落ち着くことが多いです。
継続的な高負荷(対処優先度が高い)
何もしていないのに数分以上CPUが高い
GPU使用率が高止まりして戻らない
メモリ使用量が時間とともに増え続ける
画面のちらつき、黒画面、操作遅延が頻発する
「dwmがクラッシュした」等でログオフされる
特に「増え続ける」「落ちる」は、放置するとストレスが増えるだけでなく、作業中の中断につながります。ここから先の手順に進みましょう。
まずやる安全確認(本物のdwm.exeか、場所の確認)
次に、偽装(同名の不審プロセス)の可能性を最短で潰します。これは難しい作業ではありません。
手順
タスクマネージャーを開く
「デスクトップ ウィンドウ マネージャー」を右クリック
「ファイルの場所を開く」を選ぶ
開いた場所が Windows\System32 配下になっているか確認する
判断
System32配下 → まず本物の可能性が高い
それ以外(ユーザーフォルダ、Temp、見慣れない場所) → 要注意
追加の安全策チェックリスト
Windowsセキュリティのフルスキャンを実行する
最近入れた不審なアプリや拡張機能がないか確認する
ブラウザ拡張(広告ブロック以外の常駐系)を一時停止して比較する
この安全確認を先にやっておくと、「原因は設定や相性なのか、セキュリティなのか」を混同せずに進められます。
症状別チェック表(CPU/GPU/メモリ/クラッシュ)
ここからは、見えている症状ごとに“疑うべき方向”を整理します。最初に方向づけをしておくと、対処がぶれません。
| 目立つ症状 | ありがちな原因候補 | 優先して確認すること | 典型的な改善の方向 |
|---|---|---|---|
| CPUが高い | 常駐アプリ競合、視覚効果、更新直後の不整合 | 最近入れた常駐/オーバーレイ、Windows Update履歴 | 競合停止、視覚効果調整、更新適用 |
| GPUが高い | マルチモニター、Hzの不一致、録画/配信/ブラウザHW支援 | モニター構成、Hz、ドック/ケーブル、録画系常駐 | 構成単純化、Hz合わせ、ドライバー更新 |
| メモリが増える | ドライバー相性、特定条件での不具合、常駐ツール | 外部モニター有無、ドライバー入れ直し、常駐停止 | ドライバー刷新、常駐切り分け |
| 黒画面/ログオフ | ドライバー不整合、更新直後、システム破損 | イベントログ、ドライバー、修復コマンドの要否 | ドライバー優先、ログ確認、必要なら修復 |
この表の「優先して確認すること」を上から順に行うのが、最短ルートです。
デスクトップウィンドウマネージャーが重いときの対処手順
ここからは「安全で戻せる」順に手順を並べます。すべて実施する必要はありません。上から順に試し、改善したところで止めてください。
手順1:Windows Updateと再起動で状態をリセット
まずは、状態のリセットと更新適用です。意外にここだけで直ることがあります。
やること
PCを再起動する(シャットダウンではなく再起動が望ましい)
Windows Updateを確認し、保留中の更新を適用する
更新後は必ず再起動する
ポイント
何日も再起動していないと、ドライバーや表示系の状態が積み上がって不安定になることがあります。
更新直後に悪化した場合は、原因切り分けのために「悪化した日付」「更新の内容」をメモしておくと、後半のログ確認や相談がスムーズです。
チェックリスト
再起動後、dwm.exeの負荷が落ち着くか
外部モニター接続時だけ悪化するか
特定のアプリ起動時だけ悪化するか
この時点で「条件がある程度見える」だけでも前進です。
手順2:ディスプレイドライバー更新・入れ直し
DWMは表示合成の中心にあるため、ディスプレイドライバー(GPUドライバー)の影響を強く受けます。ここは優先度が非常に高い対処です。
おすすめの進め方(安全寄り)
GPUメーカーの公式経路でドライバー更新
Intel / NVIDIA / AMD のいずれかに該当
ノートPCの場合、まずはPCメーカー提供ドライバーも検討
特に外部モニターや省電力が絡む機種では、メーカー調整版のほうが安定することがあります。
更新しても改善しない場合は、入れ直し(クリーンインストール相当)
旧版の残骸が悪さをしているケースがあります。
切り分けのコツ
更新・入れ直しの前後で、次を比較してください。
内蔵ディスプレイのみ(外部モニターなし)
外部モニターあり
ドック経由
直結(HDMI/DP直刺し)
「外部モニターなしだと安定する」なら、ドック・ケーブル・Hz・解像度の方向へ寄せるのが合理的です。
注意点
ドライバー更新は、必ず再起動までセットで行います。
ゲーム向け機能や最適化ユーティリティを入れている場合、いったん無効化して比較すると原因が絞れます。
手順3:視覚効果と透明効果の調整
DWMは見た目の効果も担当するため、視覚効果を減らすと負荷が下がる場合があります。根本原因が別にあっても、体感改善につながりやすい“安全な調整”です。
見直し候補
透明効果:オフ
アニメーション効果:オフ
背景のぼかし・強調効果:控えめにする
判断基準
「仕事で安定優先」「省電力優先」ならオフのメリットが大きいです。
「デザイン重視」なら、ここで一気に切るのではなく、外部モニター構成やドライバー側の改善を優先し、最後の微調整として行うのも手です。
チェックリスト
透明効果を切ったら、GPU使用率が下がるか
アニメーションを切ったら、ウィンドウ操作の引っかかりが減るか
変化がないなら、ここで粘らず次へ進む
“効かない設定”で長居しないことが、最短で直すコツです。
手順4:外部モニター・ドック・リフレッシュレートの見直し
外部モニターやドックが絡むと、DWMの負荷・安定性に影響することがあります。特に「モニターの条件が揃っていない」「接続経路が複雑」な場合は、切り分けの価値が高いです。
見直しの順番(上から効きやすい)
リフレッシュレート(Hz)を揃える
片方60Hz、片方144Hzのような差があると、表示合成の都合で負荷が増えることがあります。
解像度を一段下げて変化を見る
4K→WQHD、WQHD→FHDなど
ドックを介さず直結で試す
ドックが原因かどうかが一発で分かります。
ケーブルを交換する(規格を適正化)
帯域不足や接触不良が、ちらつき・暗転・再接続の原因になることがあります。
接続ポートを変える
USB-C Alt Mode、HDMI、DisplayPortなど、経路変更で安定することがあります。
チェックリスト(環境の棚卸し)
モニター台数
それぞれの解像度
それぞれのHz
接続方式(HDMI/DP/USB-C/ドック)
変換アダプタの有無
画面キャプチャデバイスの有無
ここを整理するだけで、原因が「PC本体」ではなく「構成」の問題だと気づけることがよくあります。
手順5:競合アプリの切り分け(クリーンブートの考え方)
dwm.exeの負荷や不安定さは、意外と“周辺アプリ”が原因のことがあります。特に次のタイプは、描画に割り込むため競合しやすいです。
画面録画・配信・キャプチャ
FPSカウンターやオーバーレイ
ウィンドウ装飾・透明化ツール
仮想デスクトップ強化ツール
リモート操作系の常駐
GPU最適化や自動切替のユーティリティ(環境により)
安全に切り分ける手順(おすすめ)
「最近入れた常駐」を止めて比較する
変化がなければ、常駐を最小化して再起動(クリーンブートに近い状態)
改善したら、1つずつ戻して原因を特定する
“戻しながら”進めるためのメモ術
停止したものと停止した順番をメモする
1回の再起動で複数いじりすぎない
「改善した変更」を確定してから次へ進む
この段階まで来て改善しない場合は、「高負荷」より「クラッシュ」の章の観点(ログ確認・修復)へ進めたほうが早い場合があります。
デスクトップウィンドウマネージャーがクラッシュしてログオフされるとき
「dwmがクラッシュしたため、セッションはログオフされました」など、ログオフや黒画面を伴う場合は、単なる高負荷よりも深刻度が上がります。作業中断につながるため、ここからは“原因を特定しやすい証拠”を残しながら進めます。
イベントビューアで見るポイント(アプリケーションログ等)
原因を絞るために、まずイベントビューア(イベントログ)を確認します。ここで「いつ」「どのモジュールで」「どんな例外が起きたか」が分かることがあります。
確認場所
イベントビューア
Windowsログ
アプリケーション
システム
最低限メモする項目(テンプレ)
発生日時(分まで)
障害が発生したアプリケーション名(例:dwm.exe)
障害モジュール名(例:dwmcore.dll など)
例外コード
障害オフセット(表示されていれば)
直前にしていた操作(外部モニター接続、会議開始、ゲーム起動など)
見るコツ
発生時刻の前後(±5分程度)に、ディスプレイ関連・ドライバー関連の警告やエラーが並んでいないか確認します。
「同じ種類のエラーが繰り返されている」なら、原因が固定化している可能性が高いです。
よくある原因(ドライバー不整合、更新直後、システム破損)
クラッシュやログオフの原因として多いのは、次の系統です。まずは“再現性”があるかを見て、方向を定めます。
1) ディスプレイドライバーの不整合
更新直後に発生し始めた
外部モニター接続時に顕著
ゲームや動画再生で増える
→ 対策は「ドライバー更新・入れ直し」「外部モニター構成の単純化」が第一です。
2) Windows Update直後の不整合
特定の更新(累積更新や機能更新)を入れた後に悪化した
ほかの表示系不具合も同時期に出た
→ 対策は「追加更新の適用」「ドライバーの更新」「設定の見直し」。更新履歴のメモが生きます。
3) システムファイル破損
不規則にクラッシュする
ほかのアプリでも不安定
以前の強制終了や電源断が多い
→ この場合は、次の見出しで触れるSFC/DISMなどの修復を検討します。
SFC/DISMなど“安全寄り”の修復(必要時のみ)
ドライバーや外部モニター構成、競合アプリの切り分けでも改善しない場合、システム修復を検討します。ただし、何でもかんでも実行するのではなく、必要性が高いと判断できるときに限定するのが安全です。
実行を検討する目安
週に何度もログオフされる
黒画面が繰り返す
イベントログにシステム系のエラーが増えている
OS全体が不安定(設定アプリが落ちる等)
実行前のチェックリスト
大事なデータをバックアップした
直近の更新やドライバー変更をメモした
外部モニターを外した状態でも再発するか確認した
修復の結果、改善する場合もありますが、改善しない場合に備えて「相談材料テンプレ」を作っておくと、その後の切り分けが格段に楽になります。
再発する場合の相談材料テンプレ(環境情報、再現手順)
再発が続く場合、自己流で試行回数を増やすよりも、情報を整理して相談したほうが早いことがあります。ここでは、相談時に“必要になりがちな情報”をテンプレ化しておきます。
相談材料テンプレ(そのまま貼れる形)
OS:Windows 11(バージョン/ビルド)
端末:メーカー/機種名(ノートかデスクトップか)
GPU:メーカーと型番(内蔵/外付け)
ドライバー:現在のバージョン、直近で更新したか
モニター:台数、解像度、Hz、接続方式(HDMI/DP/USB-C/ドック)
発生タイミング:スリープ復帰、会議開始、ゲーム起動、動画再生、外部モニター抜き差し等
イベントログ:発生時刻、障害モジュール名、例外コード
最近変えたこと:Windows Update、ドライバー、常駐アプリ、周辺機器、ケーブル
再現手順の書き方のコツ
「何をすると」「何秒後に」「どうなる」を短文で
例:
外部モニターをドック経由で接続→Teamsで画面共有開始→1分以内に画面が暗転し、ログオフされる
ゲーム起動→Alt+Tabで切り替え→dwm.exeのGPUが高止まりし、ウィンドウ操作がカクつく
この情報が揃っていると、原因が「外部表示」「ドライバー」「アプリ競合」「OS不整合」のどれに寄っているか、判断が早くなります。
デスクトップウィンドウマネージャー問題の再発防止
ドライバー更新の運用ルール(安定版の考え方)
再発防止で重要なのは、ドライバーや更新の当て方を“運用”として安定させることです。頻繁に触ってしまうと、何が効いたのか分からなくなります。
おすすめの運用
重要な作業がある週は、むやみにGPUドライバーを更新しない
更新するなら、以下をセットにする
更新前のバージョンをメモ
更新後に外部モニター構成も含めて動作確認
問題が出たら早めに切り戻しを検討
ノートPCは、メーカー提供版とGPUメーカー版のどちらが安定するかを見極める
外部モニターや省電力制御は、メーカー側が調整していることがあります。
「最新=最良」とは限りません。安定性が目的なら、実績のある版を使い続ける判断も合理的です。
高負荷になりやすい設定・アプリの傾向(オーバーレイ等)
再発防止の観点では、“負荷を生みやすい常駐”を把握しておくことが効きます。特に、画面に情報を重ねるタイプのツールは、便利な反面で競合リスクが高めです。
注意したい代表例
録画・配信ソフトの常駐機能
FPS表示やチャットオーバーレイ
画面キャプチャの常駐プロセス
ウィンドウを装飾するツール(透明化、枠変更など)
リモート操作ソフトの常駐
“軽量化”をうたう最適化ツール(何を変えるか不透明なもの)
対策の考え方
常駐は最小限にする(必要なときだけ起動)
不具合が出たら、まずオーバーレイ系を疑う
ブラウザのハードウェアアクセラレーションは「オン/オフで比較」し、相性があるなら固定する
「便利だけれど、問題が出たら切り分け対象」だと理解しておくと、再発時の対応が早くなります。
マルチモニター環境での安定化のコツ
マルチモニター環境は快適ですが、条件が複雑になるほど表示合成も複雑になります。安定化のコツは“揃える”ことです。
安定化のコツ
できる範囲でHzを揃える(60Hz同士、120Hz同士など)
解像度・スケーリング倍率も極端に違いすぎないようにする
ドック利用時は、直結テストできる経路を残しておく(原因切り分けが早い)
ケーブルは規格を揃え、可能なら品質の確かなものにする
不要な仮想ディスプレイや古いキャプチャドライバーを整理する
また、スリープ復帰で問題が出やすい場合は、電源管理(省電力設定)も絡むことがあります。まずは「外部モニターなしで再現するか」を基準に、モニター側なのかPC側なのかを分けて考えると迷いません。
デスクトップウィンドウマネージャーのよくある質問
dwm.exeのメモリが増え続けるのはメモリリーク?
可能性はありますが、まずは冷静に「増え方」と「影響」を見てください。
数分〜数十分で一定のところに落ち着く
→ 合成やキャッシュの都合で増えることはあります。すぐに異常と断定しなくて大丈夫です。時間とともに増え続け、戻らない/パフォーマンスが落ちる/クラッシュする
→ 異常の可能性が高いです。
対処の優先順位
外部モニターを外して増え方が変わるか
GPUドライバーの更新・入れ直し
競合アプリ(オーバーレイ・録画等)の停止
Windows Updateの適用
それでも増え続けるなら、ログと相談材料を整える
原因が一つとは限らないため、“条件を変えて差が出るか”を見ながら進めるのが確実です。
dwm.exeを終了するとどうなる?自動で戻る?
環境によっては、画面が一時的に暗転したり、表示が乱れたりします。OSが自動で再起動させるケースもあり、その場合は「一瞬で戻った」ように見えることがあります。ただし、強制終了で直るなら根本原因ではなく、状態がリセットされたに過ぎないことがほとんどです。
再発するなら、ドライバーや外部モニター構成、競合アプリの切り分けに戻ったほうが早く解決します。
GPU使用率が高いのは故障?
故障とは限りません。特に次の状況では、GPU使用率が高く見えても不自然ではないことがあります。
4Kや高Hzのマルチモニター
透明効果・アニメーションが多い設定
ブラウザで高解像度動画を再生
画面録画・配信・キャプチャを使用
故障を疑う前にやるべきこと
外部モニターを外して改善するか確認する
Hzを揃える、解像度を下げる、ドックを直結に変える
録画/配信/オーバーレイを止めて比較する
GPUドライバーを更新・入れ直しする
これらで改善するなら、「故障」より「構成・相性・設定」が原因である可能性が高いです。
ウイルスを疑うべきサインは?
dwm.exe自体はWindowsの重要プロセスですが、同名を装う不審ファイルが存在する可能性はゼロではありません。疑うべきサインは次です。
「ファイルの場所」がSystem32以外
同名のプロセスが不自然に複数あるように見える
直近で不審なソフトを入れた/広告の多いサイトから何かを入れた
セキュリティソフトが警告している
やること(順番)
ファイルの場所確認
Windowsセキュリティのフルスキャン
不審アプリのアンインストール、ブラウザ拡張の整理
改善しない場合は、専門家やサポートへ相談(相談材料テンプレが役立ちます)
まとめ
デスクトップ ウィンドウ マネージャー(dwm.exe)は、Windowsの画面表示を合成する基盤であり、停止や無効化で解決を狙うより、原因を切り分けて負荷を下げるほうが安全で確実です。
まずは「一時的なスパイク」か「継続的な高負荷」かを見分ける
安全確認として、dwm.exeの場所を確認し、必要ならスキャンする
対処は「再起動・更新→GPUドライバー→視覚効果→外部モニター構成→競合アプリ」の順が迷いにくい
ログオフや黒画面を伴う場合は、イベントログを確認し、相談材料を整えて原因を固定化する