検索して開いたのに、知りたいことがどこにも書かれていない。やたら長いのに要点がなく、別サイトの言い換えのような文章が続く——そんなページに当たるたび、「キュレーションサイトはゴミだ」と感じてしまう方は少なくありません。
本来キュレーションは、散らばる情報を整理し、一次情報へ導き、判断しやすく編集することで価値を生むはずです。では、なぜ“ゴミ化”するのか。そこには、制作体制・広告設計・検索流入に偏った運用など、構造的な原因があります。
本記事では、「キュレーションサイトがゴミと言われる典型パターン」を分解しつつ、読む側が低品質まとめを踏まないための見分け方と検索術を具体例つきで解説します。さらに、運営者向けに“キュレーション扱いされない”編集方針、引用・出典のルール、検証と更新のワークフローまでまとめました。次からは、時間を奪われずに信頼できる情報へ最短でたどり着けるようになります。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
キュレーションサイトがゴミと言われる典型パターン
中身が薄いのに長い構成になる理由
低品質なキュレーションが「長いのに薄い」状態になるのには、いくつかの“作り方の癖”があります。結論から言うと、読者の問題解決よりも、検索流入やページ滞在の指標、広告表示回数に最適化されるほど、文章は長く見えて中身が痩せていきます。
まず典型は「結論を後ろに置く」構成です。導入で不安や疑問を引き延ばし、同じニュアンスの説明を繰り返し、ようやく終盤で「結局は〜です」と言う。読者は途中で疲れ、要点が見えず、結果として“読むコストだけが高いページ”になります。
次に「見出しが多い=網羅している」と錯覚させる構成もあります。見出し数を増やしているだけで、各段落の具体性がなく、根拠・手順・判断基準が置かれていない。読者が欲しいのは見出しの数ではなく、「この条件ならこう」「この場合はこう避ける」といった意思決定材料です。
さらに「一般論の水増し」もよく起きます。たとえば「メリットはたくさんあります」「人によって異なります」「状況を見て判断しましょう」といった表現を繰り返すと、一見丁寧に見えて、実は何も言っていない状態になります。丁寧さと具体性は別物で、具体性がない丁寧さは、読者の時間を奪うだけになりがちです。
読者にとっての見分けポイントは明確です。
読み始めて数十秒で「このページの結論」「取るべき行動」が見えるか
手順や基準が数字・条件・例で示されているか
代替案や注意点が具体に書かれているか
これらが見えないのに文章だけ長い場合は、内容の薄さを疑ってよいでしょう。
体験不在と誤情報が増える制作体制
「ゴミ化」の根は、文章力というより制作体制にあります。体験や検証がないのに“それっぽい記事”が量産される環境では、誤情報や誤解が混ざりやすく、読者が損をしやすくなります。
低品質なキュレーションが生まれやすい条件は、次のようなものです。
1本あたりの制作コストが極端に低く、調査・検証に時間を割けない
執筆者の専門性がテーマに対して不足している
編集者がファクトチェックや検証手順を持っていない
公開後に修正する仕組みがなく、誤りが放置される
数値や引用の出典が統一されておらず、孫引きが起きる
ここで重要なのは、誤情報の多くが「悪意」より「構造」から生まれる点です。短時間で書かねばならない、編集チェックがない、更新しない。そうなると、一次情報を読まずに他サイトの要約をさらに要約し、誤解したまま断定してしまうリスクが跳ね上がります。
特に危険なのは、医療・健康・法律・金融など、判断ミスが生活や身体に影響する領域です。こうしたテーマでは、一般論のまとめは読者の状況に当てはまらない可能性が高く、安易な断定が致命傷になります。
読む側は、次のサインが見えたら慎重になってください。
「必ず治る」「絶対儲かる」など断定が多い
前提条件(年齢、症状の程度、地域差、時期)が書かれていない
出典が曖昧で、一次資料や公式情報へのリンクがない
重要な注意事項が最後の一文だけで済まされている
運営側は逆に、体験や検証がないテーマほど「書かない判断」も品質戦略です。扱うなら、一次情報の確認、監修、更新設計を最初から組み込み、断定表現を避け、例外条件を丁寧に書く必要があります。
広告過多で読者体験が崩れる
キュレーションが「ゴミ」と言われる最大の体験要因は、広告と導線設計です。情報が必要で来たのに、視界の多くが広告で占められ、本文を読む前に疲れてしまう。こうなると、内容がそこそこ良くても“サイト全体への不信”につながります。
よくある読者体験の崩れ方は以下です。
スクロールしても本文が進まず、広告や追従バナーが常に邪魔をする
クリックを誘うボタンが多すぎて、どれが本文の導線か分からない
ページ分割が多く、結論を読むのに何度も次ページを踏まされる
途中に大きな広告ブロックがあり、文章の流れが切れる
スマホで特に読みづらく、閉じたくなる
広告が必要なビジネスモデルでも、守るべき線引きがあります。読者の理解を妨げない、本文が主役、誤タップを誘発しない、ページ分割で無理にPVを稼がない。この基本が欠けるほど、読者は「自分の時間が消費されている」と感じ、強い拒否反応を持ちます。
読む側は、広告の量と配置で“危険度”を即判断できます。運営側は、広告設計が短期収益に寄りすぎると中長期の信頼を失い、検索評価やリピーターを失うという構造を理解し、体験優先のバランスを取るべきです。
キュレーションサイトが検索で目立った背景と現在の変化
WELQ問題が示したリスク
キュレーションの負の側面が広く認知された背景として、健康・医療分野での炎上が象徴的に語られます。ここで露わになったのは、検索経由で多くの人が情報に触れる時代に、低品質なまとめが上位に出続けると、誤情報が社会に拡散し、実害につながり得るという現実です。
この種の問題で厄介なのは、読者が「検索上位だから正しいはず」と思い込みやすい点です。多くの人は、毎回一次情報まで遡る余裕がありません。だからこそ、検索結果に表示されるページが、読者の判断に強い影響を与えます。
この構造下で、内容の薄いまとめや誤解を含む記事が上位を占めると、読者は間違った意思決定をしてしまう可能性がある。これは個人の自己責任では片付けにくい問題です。
運営側の視点でも、炎上は「コンテンツの誤り」だけで起きるわけではありません。
出典や根拠が曖昧
誤りの訂正が遅い、訂正が見えない
体制(監修、チェック)がない
収益優先に見える
こうした条件が重なるほど、信頼を失う速度が上がります。
Googleが重視する有用性とスパム対策の方向性
検索エンジン側は長い間、ユーザー体験を守るために低品質コンテンツへの対策を強めてきました。ここで押さえるべきは、「キュレーション形式だからダメ」ではなく、「ユーザーのためにならない、付加価値のないページ」が評価されにくくなっている、という方向性です。
具体的には、次のようなページは不利になりやすいと考えるのが自然です。
他サイトの内容を言い換えただけで、独自の検証や比較がない
断片情報の寄せ集めで、読者の疑問に答える設計がない
読者が次に取るべき行動が示されない
誤情報が混ざっても更新されない
クリックを稼ぐためだけの煽り見出しが多い
一方で、同じ「情報の編集」に見えても、付加価値が明確なページは評価される余地があります。たとえば、一次資料の読解を助ける要約、複数ソースの比較、条件の整理、検証手順の提示、最新情報への更新などです。
つまり、今の環境では「量産のテクニック」より「透明性と更新と検証」が強く求められている、と理解するのが適切です。
いま残っているキュレーションが相対的にマシに見える理由
最近は「昔ほどひどいまとめを見なくなった」と感じる人もいます。これは、低品質な量産が相対的に通りにくくなったこと、読者側の目が肥えたこと、そして運営側が炎上リスクを学習したことが重なっているからでしょう。
ただし、テーマによって事情は変わります。新しい話題、流行、商品名、トラブル系のキーワードは、今でも寄せ集め記事が生まれやすい傾向があります。理由は単純で、検索需要が急に増えると、一次情報や検証が追いつかない領域ができ、そこを薄い記事が埋めに来るからです。
したがって、読む側は「今は大丈夫なはず」と油断しないことが大切です。運営側は「残っているから正しい」ではなく、「残るには、更新と検証と透明性が必要」という基準で設計を見直すことが重要です。
ゴミキュレーションを踏まない見分け方
一次情報に当たれているかの確認ポイント
低品質を避ける最短ルートは、「一次情報に当たれる記事を選ぶ」ことです。一次情報とは、公式発表、法令・公的資料、研究論文、行政機関や学会の資料、企業の規約・仕様ページなど、情報の起点となるものを指します。
見るべきポイントは次の通りです。
出典リンクが具体的で、クリックして実在するページに飛べる
出典が古い場合、最新の更新情報が追記されている
「どの主張がどの出典に基づくか」が分かる構造になっている
引用と本文が混ざっておらず、引用部分が区別されている
数値や統計の出所が明記され、条件(期間、対象)が書かれている
逆に、危険信号もあります。
出典が「ネットの声」「SNSで話題」だけ
参考リンクがトップページだけで、根拠の箇所にたどり着けない
「〜と言われています」ばかりで、誰が言ったかが分からない
異なる記事が同じ段落を使い回しており、独自の根拠が見えない
読む側は、本文を全部読む前に「出典の質」だけ確認する癖をつけると、時間の浪費が減ります。
誇張見出しと断定表現を疑う
キュレーションが「ゴミ化」しているとき、最初に表れるのは言葉遣いです。クリックを狙うほど、過激で短絡的な表現が増えます。
よくあるパターンは次の通りです。
「知らないと損」「今すぐ」「絶対」「必ず」などの煽り
「たった1つの方法」「これだけでOK」などの単純化
ネガティブ感情を刺激する語(危険、最悪、終わり、やばい)
本文が薄いのにタイトルだけ強い
重要なのは、見出しの強さ自体が悪ではない点です。問題は「強い言い切りに見合う根拠と条件が本文にあるか」です。
何が対象で、何が対象外か
どの条件下で成立する話なのか
反例や例外をどう扱うのか
この3点がない断定は、読者の意思決定を誤らせます。
運営者情報と更新履歴の見方
情報の信頼性は「内容」だけでなく「責任の所在」で大きく変わります。運営者情報と更新履歴は、読む側にとっての安全装置です。
最低限、次が見えるか確認してください。
運営者(法人名・個人名)が明記されている
連絡先(問い合わせフォーム、所在地情報など)がある
編集方針や広告方針が書かれている
執筆者プロフィールがあり、関連経験や専門性が説明されている
最終更新日が明記され、古い情報が放置されていない
誤りの訂正や追記の履歴が分かる(差分が分かるほど良い)
反対に、運営者が不明で、更新も止まっているのに断定が多いページは、読む価値よりリスクが上回りやすいと言えます。
| 観点 | OKの例 | NGの例 |
|---|---|---|
| 出典 | 一次情報へ直リンク、主張と根拠が対応 | 「〜らしい」だけ、リンクなし |
| 内容 | 条件・手順・判断基準が具体 | 一般論の繰り返し、断定のみ |
| 検証 | 自分の検証・比較があり再現条件が書かれている | 他サイト要約の寄せ集め |
| 透明性 | 運営者/編集方針/更新日/訂正が明確 | 運営者不明、更新停止 |
| 体験 | 読者の行動につながる導線がある | 広告が主役で読みにくい |
検索結果からゴミキュレーションを避ける検索術
検索演算子で除外する実例
見分け方を身につけても、そもそもクリックしない設計にすると効率が跳ね上がります。検索演算子(検索の指示)を使うと、低品質に当たる確率を下げられます。
代表的な使い方です。
まとめ・ランキング系を避けたいとき
キーワード -まとめ -ランキング -おすすめ -○選 -比較
特定ドメインを除外したいとき
キーワード -site:example.com
公式・公的情報を優先したいとき
キーワード site:go.jp(行政)キーワード site:ac.jp(大学)キーワード site:or.jp(団体が多い)
特定形式のページを避けたいとき
キーワード -intitle:まとめ(タイトルに「まとめ」が入るページを避ける狙い)
ポイントは、「嫌なページの特徴」を自分の中で言語化して、検索条件に落とすことです。たとえば「おすすめ」「ランキング」にイラつくなら、それを引き算するだけで、目に入るページが変わります。
公式・一次情報へ最短で行く型
低品質を避ける最大のコツは、最初から一次情報へ向かう検索の型を持つことです。目的別に「型」を用意しておくと、毎回迷わずに済みます。
サービスや製品を調べるとき
サービス名 公式サービス名 料金サービス名 仕様サービス名 利用規約サービス名 よくある質問
制度やルールを調べるとき
制度名 根拠用語 定義 公的○○ 法令(法律や規則に当たりたいとき)
トラブル解決を調べるとき
現象 原因 対処 公式エラーコード 対処 公式製品名 不具合 お知らせ(公式の障害情報に当たりたいとき)
一次情報は難しくて読みにくいこともあります。その場合は「一次情報を読み解いている信頼できる二次情報」を探します。ここでの見分け基準は、結局は先ほどの「出典」「透明性」「更新」です。二次情報でも、根拠が一次情報へつながっていれば、読者は安全に判断しやすくなります。
スパム報告という選択肢
明らかに「内容がなく、検索からの流入をだますために作られている」と感じるページに何度も遭遇する場合、検索側へ報告するという選択肢もあります。これは万能薬ではありませんが、検索体験全体の改善に寄与する行動です。
ただし、報告以前に優先すべきは自分の時間を守ることです。
クリックして数十秒で「薄い」と分かったら戻る
ブックマークすべき一次情報・信頼サイトを蓄える
嫌なドメインは
-site:で除外する
この運用ができると、そもそも“ゴミ”を踏む回数が大きく減ります。検索前に「公式があるか」を先に確認する
医療・お金は一次情報か責任表示のある解説を優先する
-おすすめ -ランキングで煽り型を避ける不快なドメインは
-site:で除外する出典がない断定記事は即離脱する
運営者向け:キュレーションをゴミ化させない作り方
付加価値の定義と編集方針
運営側が最初に決めるべきは「自分たちは何を付け足すのか」です。キュレーションの価値は“集めること”ではなく“編集すること”にあります。編集とは、読者が判断できるように材料を整理し、誤解を減らし、行動につなげることです。
付加価値の例を、実務に落ちる形で整理します。
一次情報を読み解き、重要点を要約する(要点、条件、例外)
複数の一次情報を突き合わせ、違いを比較表にする
読者の状況別に分岐させる(初心者、経験者、ケース別)
実測・検証を入れる(手順、スクリーンショット、再現条件)
失敗例や注意点を先に書き、読者の損失を防ぐ
更新前提で設計し、変更点を追記する(仕様変更、制度改定など)
ここで重要なのは「付加価値を言葉にして編集方針にする」ことです。方針がないと、記事が増えるほど品質がばらつき、結局“寄せ集め”に戻ってしまいます。
編集方針には、最低限次を入れておくと管理しやすくなります。
一次情報の参照を必須にする領域(特にYMYL)
断定表現のルール(条件・例外の明示)
引用・画像の扱い
更新頻度と更新責任者
読者体験(広告量、ページ分割、導線)の基準
引用ルールと出典表記のテンプレ
キュレーションが最も炎上しやすいのは、引用の誤りや無断転載です。だからこそ「現場で守れるルール」に落とす必要があります。抽象的な「著作権に配慮する」では守れません。テンプレとチェック項目を作り、運用で回すことが重要です。
ルールの基本設計は次の通りです。
引用は必要最小限にする(引用が主役にならない)
引用部分を明確に区別する(引用符、ブロック、注記)
出典を明記する(資料名、発行元、日付、URL、確認日)
引用する必然性が本文にある状態にする(批評・比較・検討)
文章の“置き換え”で逃げず、独自の解釈・検証を足す
画像は特に慎重に扱い、権利処理済み素材や公式配布素材を使う
出典表記テンプレ(例)を用意すると運用が安定します。
出典:資料名/発行元/公開日(または更新日)/URL
確認日:YYYY年MM月DD日
引用目的:本文のどの主張を支えるか(例:仕様の根拠、数値の根拠)
さらに、編集者向けのチェック項目も現実的です。
引用がなくても主張が成立するか(引用依存になっていないか)
その引用は「最小限」か(長すぎないか)
出典をクリックして根拠に到達できるか
断定の前に条件・例外が書かれているか
読者が次に取る行動(リンク、手順、判断基準)があるか
この設計があるだけで、キュレーションの“寄せ集め化”は大きく防げます。
検証・更新・監修のワークフロー
品質は「公開前の気合」では維持できません。維持できるのはプロセスだけです。とくにキュレーションは“情報が変わる”領域ほど価値が出る一方、更新しなければ一気に不信になります。更新しないキュレーションは、時間差で必ずゴミ化します。
最低限のワークフローを表にします。
| フェーズ | 目的 | 必須アウトプット |
|---|---|---|
| 企画 | 読者の疑問を特定し、解決範囲を決める | 想定読者、検索意図、解決範囲、一次情報候補 |
| 収集 | ソースを集め、真偽の起点を押さえる | 参照資料一覧、URL、日付、重要箇所メモ |
| 検証 | 体験・再現・比較で付加価値を作る | 検証手順、条件、結果、スクショ等 |
| 執筆 | 判断できる形に編集する | 結論、条件分岐、比較表、手順、注意点 |
| 編集 | 誤り・誤解・表現リスクを潰す | ファクトチェック、引用確認、用語統一 |
| 公開 | 透明性を担保し信頼を積む | 著者/監修、更新日、参考文献、免責の適切表示 |
| 更新 | 古さを防ぎ、差分を残す | 定期見直し日、変更履歴、差分の理由 |
監修が必要な領域(医療、法律、金融など)は、監修者の関与範囲と責任範囲を明確にし、監修の有無を曖昧にしないことが重要です。
また、更新の現場では「どこが変わったか」を残すだけで信頼が上がります。読者は完璧さより、誠実に更新される態度を評価します。更新履歴があると、読者も社内も安心して参照でき、結果として“使われる記事”になります。
よくある質問
キュレーションサイトは全部ダメなのですか
全部がダメではありません。キュレーションの価値は、一次情報の理解を助けたり、複数ソースを比較して判断材料を提示したり、読者が行動できる形に編集したりする点にあります。問題になりやすいのは、付加価値のない寄せ集め、誤情報の放置、責任表示の欠如、広告優先で体験を壊している設計です。
読む側は「出典」「透明性」「更新」を見れば、使えるキュレーションと避けるべきページを概ね切り分けられます。
引用とコピペの違いは何ですか
引用は、必要性があり、引用箇所が区別され、分量が必要最小限で、出典が明記され、本文(自分の主張や検証)が主役である状態です。
一方で、他人の文章が本文の中心になっていたり、言い換えただけで独自の検証や比較がなかったりすると、実態としてコピペに近づきます。迷うなら「引用を減らし、自分の検証・比較・解釈を増やす」「一次情報へリンクして読者が確かめられる導線を作る」が安全です。
医療や金融のまとめはなぜ危険なのですか
医療や金融は、誤情報が実害につながりやすく、一般論が個別事情に当てはまらないことが多い領域です。さらに、断定表現で不安を煽る記事は、読者に誤った自己判断を促しやすくなります。
読む側は、一次情報や責任表示のある解説を優先し、断定が多いのに条件が書かれていないページは避けるのが無難です。運営側は、監修や更新設計を用意できないなら、テーマ自体を扱わない判断も含めて検討すべきです。
自社メディアがキュレーション扱いされないコツは
「編集としての付加価値」を、成果物とプロセスで示すことです。具体的には、一次情報への導線、比較表、検証手順、条件分岐、更新履歴、責任表示です。
また、広告設計が読者体験を壊していないか、断定表現に条件や例外が添えられているか、引用が最小限で主従が逆転していないかも重要です。量産ではなく、透明性と更新性を“サイトの文化”にすることが、長期的に信頼を積み上げます。
まとめ
キュレーションサイトが「ゴミ」と言われる背景には、形式の問題ではなく、付加価値のない寄せ集め、体験不在、誤情報の放置、広告優先で読者体験を壊す設計といった構造があります。読者の時間と判断を奪う作り方が、強い不信と苛立ちを生むのです。
読む側は、出典が一次情報につながっているか、断定に条件が添えられているか、運営者情報と更新履歴があるかを最初に確認してください。さらに、検索演算子で「おすすめ」「ランキング」などの煽り型を避け、公式・公的機関・責任表示のあるサイトに寄せるだけで、踏む確率は大きく下がります。
運営側は、付加価値の定義、引用運用テンプレ、検証・更新・監修のワークフローを整備し、「公開したら終わり」ではなく「更新して信頼を積む」設計へ切り替えることが重要です。検索環境や情報は今後も変わります。だからこそ、短期のテクニックよりも、透明性・検証可能性・更新性を軸にした編集が、結果として最も強い資産になります。