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CPUの温度を確認|Windows/Mac対応の基本

PCがやけに熱い、ファンが急にうなり始めた——そんな不安の近道は“勘”ではなく温度の見える化です。
本記事では、Windows/Macそれぞれで今すぐできるCPU温度の確認方法をシンプルに解説。
一般的な目安や読み方、温度が高いときの落ち着いた対処まで、ムダなく一本で把握できます。
専用ツールを使わない方法から常時モニタのコツまで幅広くカバーし、作業前後の“変化”を掴めるように設計しました。
まずは現状を数字で確認し、静かで安定した環境づくりの第一歩を踏み出しましょう。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

この記事のまとめ

見るべき指標はCPUのPackage温度・ファン回転数・動作周波数の3点。

  • アイドルはおおむね30〜50℃、高負荷時は70〜90℃が一つの目安。

  • 高温が続く、動作が不安定なら清掃・常駐見直し・設置環境の順で丁寧にチェック。

  • 設定や清掃の効果は、前後でログを取り比較すると判断しやすくなります。

今日できる小さな一歩は、温度の常時表示簡単な計測シナリオの実施。
数値で状況を掴めば、無理のない対処で静音・安定へ近づけます。
焦らず一つずつ、あなたのPCに合った最適解を見つけていきましょう。

CPU温度の“読み方”の基本

  • Package / CPU Die:CPU全体の代表的な温度。まずはこれを見る。

  • Core(コア別):個々のコアの温度。負荷によって差が出るのは正常。

  • Tjunction / TJ Max:CPU設計上の上限温度の指標(モデルにより異なる)。この値に近い状態が続くと性能を落として保護(サーマルスロットリング)する場合があります。

  • サーマルスロットリング:温度抑制のため意図的にクロックを下げる挙動。温度・周波数・ファン回転を併せて観察すると把握しやすい。

一般的な目安(指標)

  • アイドル:30〜50℃

  • Web/オフィス程度の軽作業:40〜70℃

  • ゲーム/動画エンコードなど高負荷:70〜90℃

  • 連続で90℃前後が続き、かつ動作不安定や極端なファン高回転が出るなら、冷却や設定の見直しサイン。
    ※ 夏場や薄型筐体は上振れしやすい点に留意。


WindowsでCPU温度を確認する(3通り)

方法A:UEFI/BIOSで確認(ツール不要・起動前の目安)

  1. 再起動 → メーカーロゴ表示中に設定キー(例:Del/F2/F10/Escなど)を押下。

    • キーは機種により異なるため、ロゴ下のガイドや製品マニュアルを確認。

  2. Hardware Monitor」「PC Health」「H/W Monitor」等の項目を開く。

  3. CPU Temperature の表示を確認。これはほぼアイドル相当の目安。

  4. 必要ならファンカーブQ-Fan等の設定も確認(変更は自己責任。静音化と冷却のバランスを崩さないよう慎重に)。

向いている用途:最小限の確認、組み立て直後のチェック、OSが起動しない時の診断。
限界:負荷をかけた状態での推移は分からない。


方法B:メーカー提供ユーティリティで確認(互換性重視)

  • 例:電源・パフォーマンス管理アプリ、システム管理ツールに温度やファン回転数の表示がある機種があります。

  • 検索例:(PCモデル名) 温度 ユーティリティ

  • メリット:対応機種向けに作られており、センサーの読み取り精度・安定性が期待しやすい。

  • 注意:機能や表示項目は機種依存。最新版へのアップデート状況も確認。


方法C:サードパーティ製ユーティリティで常時モニタ

代表的な機能

  • メニュートレイ常駐で現在温度を常時表示

  • コア別Package温度、周波数・電圧・消費電力ファン回転などを総合表示

  • ログ保存・グラフ化・しきい値アラート(高温時に通知)

  • ゲーム中にオーバーレイ表示できるものもあり

導入のコツ

  1. 公式配布サイトからダウンロード(ミラーサイトは避ける)。

  2. インストーラの同梱ソフトに注意し、不要なオプションは外す。

  3. 初回起動後は、表示項目をPackage温度+ファン回転+周波数に絞ると見やすい。

  4. 「ログ間隔」は1〜5秒程度から。長時間の検証はCSV保存が便利。

活用シナリオ

  • 掃除前後の比較:掃除前・後で30分の作業ログを取り、最大温度/平均温度を比較。

  • アプリ別診断:ゲームAとBで同条件(解像度・設定)にし、温度差を可視化。

  • 季節差:夏と冬で室温も併記してログ比較すると傾向が分かる。


MacでCPU温度を確認する(2通り)

方法A:Terminal(ターミナル)で簡易確認(Intel/Appleシリコン)

  1. アプリケーション > ユーティリティ > ターミナルを開く。

  2. 次のコマンド例を実行(管理者パスワードを求められる場合あり)

    sudo powermetrics --samplers smc -n 1
    • 出力例(環境により表示名は異なることがあります)

      *** Sampled system activity ***
      SMC sensors:
      CPU die temperature: 54.0 C
      Fan: 2000 rpm
  3. 繰り返し観察したいときは -i 5 -n 12 のように間隔(秒)と回数を指定:

    sudo powermetrics --samplers smc -i 5 -n 12

    ※ 機種やOSバージョンによっては、項目名・表示可否が変わる場合があります。表示されない場合は方法Bへ。

併用すると便利なコマンド

  • 現在の負荷を併記:

    top -l 1 | head -n 10
  • ログ保存(CSV風に整形して後で表計算で分析):

    sudo powermetrics --samplers smc -i 5 -n 60 \
    | awk -F': ' '/CPU die temperature/ {print strftime("%Y-%m-%d %H:%M:%S"),$2}' \
    >> cpu_temp_log.txt

方法B:ユーティリティで常時モニタ(メニューバー表示)

  • メニューバーに温度・ファン回転数を常時表示でき、ワンクリックで履歴グラフや各種センサーも確認可能。

  • 通知ログ保存アプリ別CPU使用率ファン制御機能を備えるものもあります。

  • Appleシリコン/最新OSの対応状況は、導入前に配布元の記載で必ず確認。

  • 注意:ファン制御(手動固定など)は冷却性能や騒音との兼ね合いに影響するため、標準自動制御を基本に、必要時のみ一時的に試すのが無難です。


高温時のチェックリスト

まずは“原因の切り分け”

  • 室温:エアコンOFFの室温28〜30℃環境では、温度全体が上がりやすい。

  • 作業内容:特定アプリ直後に温度上昇?バックグラウンドで更新やインデックス作成中?

  • 設置環境:排気口が壁や布で塞がれていないか。ノートは柔らかい布の上に置かない。

物理的メンテナンス

  • 吸気口/排気口の清掃:エアダスターはファンを指で軽く固定してから短時間で。

  • ケース内の配線整理(デスクトップ):ケーブルが吸排気の気流を妨げていないか。

  • ノートPCの傾斜:底面を数mm〜1cm浮かせるだけでも吸気が改善する場合あり。

  • サーマルグリス(上級者向け):経年で性能が落ちる場合あり。作業は自己責任保証や分解可否を必ず確認。

ソフト・設定の見直し

  • 不要な常駐アプリを停止/アンインストール。

  • Windows:電源モードを「バランス」に。バックグラウンドアプリの権限も見直し。

  • Mac:ログイン項目の整理、「省エネルギー」や「バッテリー」設定の最適化。

  • ドライバー/OS:最新化で制御ロジックや安定性が改善する場合あり。

冷却強化(必要に応じて)

  • デスクトップ:ケースファンの吸気→正圧寄り排気→背面・天面のセオリーを再点検。

  • ノート:冷却スタンド、吸気を妨げない台座。

  • ファンカーブ:静音重視からやや積極的へ。急な温度上昇を抑える狙い。


10分でできる“温度の見える化”スターター(Windows/Mac共通)

  1. 温度+ファン+周波数が見られるユーティリティを導入(またはMacはpowermetrics)。

  2. 観察用シナリオを用意:

    • アイドル 5分 → Web閲覧 5分 → ゲーム/ベンチ 10分 → アイドル 5分

  3. ログ保存を有効にし、最大温度・平均温度ファン最大回転をメモ。

  4. 掃除 or 設定調整を1つだけ実施(同時に複数はNG)。

  5. 同じシナリオで再計測し、“前後差”を比較。

    • 例)最大88℃ → 81℃、平均72℃ → 66℃、ファン最大4000rpm → 3600rpm

  6. 効果が小さければ、次の対策へ一つずつ進める。


トラブルシューティングQ&A

Q. タスクマネージャーやアクティビティモニタで温度は?
A. 標準ではCPU温度の直接表示はありません。WindowsはUEFI/BIOSまたはユーティリティ、Macはpowermetricsやユーティリティを利用します。

Q. 一瞬だけ95℃を見た。危険?
A. 瞬間的な高温の“スパイク”は負荷の山で発生します。継続せず安定動作なら、すぐに故障につながるとは限りません。連続して高温+不安定が出る場合に対策を。

Q. ゲーム中だけ温度が高い。設定で下げられる?
A. 解像度や影・AAなどGPU負荷寄りの設定を下げると、ケース内温度が下がってCPUにも効くことがあります。フレームレート上限設定(例:60/120fps上限)も有効なことがあります。

Q. ノートPCで手軽な対策は?
A. 底面を浮かせる・吸気の確保・埃の除去・常駐の整理が効果的です。冷却パッドは機種や底面構造により効きに差があります。

Q. 温度表示がツールごとに違うのはなぜ?
A. 参照するセンサーの種類や補正が異なるためです。同一ツール内での前後比較を重視しましょう。