コンタクトレンズが目に張り付いてしまい、「全然取れない」「このまま失明したらどうしよう」と不安になってスマートフォンで必死に検索していませんか。
Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトには同じような悩みが数多く寄せられていますが、なかには根拠のあいまいな対処法や、かえって目を傷つけてしまうおそれのある情報も混在しています。
本記事では、そのような不安を抱える方に向けて、医療機関やコンタクトレンズメーカーなどの信頼できる情報をもとに、「今この瞬間どう対処すべきか」を分かりやすく整理いたします。
目に張り付いたコンタクトを自宅で安全に外すための手順はもちろん、絶対にしてはいけないNG行為、眼科を受診すべきサイン、そして二度と同じトラブルを繰り返さないための予防策まで、知恵袋でよくある疑問をカバーしながら丁寧に解説します。
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コンタクトが張り付く主な原因は、乾燥・装用時間オーバー・寝落ち・レンズの劣化などです。
無理にこすったり、爪でつまんだりする自己流の対処は、角膜の傷や感染症に直結しかねません。
まずは手を洗い、人工涙液などで目とレンズに潤いを与え、レンズが動くようになってから通常の外し方を試してください。
強い痛み・充血・視界のかすみ、10分以上改善がない、レンズの所在が分からない――このいずれかに当てはまる場合は、自己判断をやめ、眼科を受診することが最も安全です。
日ごろから装用時間・交換サイクルを守り、乾燥対策や適切なレンズ選びを行うことで、張り付きトラブルは大きく減らせます。
コンタクトが張り付いて取れないときの前提知識
なぜレンズが目に張り付くのか(主な原因)
コンタクトレンズが目に張り付いて取れなくなる主な原因は、次のようなものです。
乾燥(ドライアイや環境要因)
エアコンの効いた部屋で長時間過ごす
パソコン・スマートフォンを長時間見続けて瞬きが減る
これらにより涙の量が減り、レンズ表面と角膜表面が乾いて「吸着」しやすくなります。
装用時間オーバー・つけたまま寝てしまう
推奨時間を超えて長時間装用したり、つけたまま寝てしまうと、涙の循環が悪くなり、レンズが乾燥して張り付きやすくなります。特にソフトレンズは水分を含むため、乾くと角膜にぴったりくっついた状態になりやすいとされています。メニコン+1レンズの劣化・交換サイクル違反
2weekや1monthなどのレンズを交換時期を過ぎても使い続けると、表面に汚れや傷が増え、涙のなじみが悪くなります。その結果、部分的な張り付きや違和感が起こりやすくなります。ドライアイ・アレルギーなど目の状態
元々ドライアイやアレルギー性結膜炎を持っている方は、涙の質・量が不安定で、レンズが乾燥しやすい傾向があります。
こうした要因が重なると、レンズと角膜の間の涙が不足し、「ぴたっ」と吸い付いたような状態になり、通常の外し方では取りにくくなります。
危険な対処法と絶対にしてはいけないこと
張り付いたコンタクトを何とか外そうとして、次のような行為をしてしまうケースが多く見られます。しかし、これらは角膜を傷つけたり、感染症を招くおそれがあり非常に危険です。
| 項目 | やってよい応急処置 | やってはいけないNG行為 |
|---|---|---|
| 指・まぶたの使い方 | 清潔な手で、まぶたの上から優しくレンズを動かす | 爪で強くつまむ/こする/引きはがす |
| 目薬 | コンタクト装用中に使用可能な人工涙液をさす | 仕様不明の目薬を大量にさす/痛み止めだけで我慢する |
| 時間 | 数分〜10分ほど潤いを与えて様子を見る | 30分以上、同じ目をいじり続ける |
| レンズがあるか不明なとき | いったん触るのをやめ、鏡やケースで冷静に確認する | レンズがないかもしれないのに、黒目を押し続ける |
特に避けるべき行為
爪先でレンズを強くつまむ
黒目を指で直接こする
「どうしても怖いから」と張り付いたまま一晩放置する
ネットで見た根拠不明の「裏ワザ」(唾液、油など)を試す
これらは角膜びらんや感染症を引き起こし、長期的な視力低下につながる可能性があります。
今すぐできる応急処置の手順(自宅での対処法)
※以下は一般的な情報であり、症状には個人差があります。少しでも「おかしい」「怖い」と感じた場合は、自己判断せず眼科を受診してください。
ケース1:目の表面に張り付いて外れないとき
ソフトコンタクトレンズが黒目の中央付近に張り付いて外れない場合の基本的なステップです。
ステップ1:まずは手を洗う
石けんと流水で20〜30秒以上、指先・爪の間までしっかり洗う
清潔なタオルやペーパーで水分を拭き取る
ステップ2:目に潤いを与える
コンタクト装用中でも使用できる人工涙液タイプの目薬を1〜2滴点眼する
目薬がなければ、しばらく目を閉じて涙を行き渡らせる
強くこすらず、軽く数回まばたきをする
ステップ3:レンズが動くまで待つ
そのまま数分、ゆっくりまばたきを続け、レンズが少しでも「ずれる」「動く」感覚が出るかを確認します。
レンズが全く動かないうちは、無理に指でつまもうとしないでください。
ステップ4:通常の外し方で静かに外す
レンズが動くようになったら、普段の外し方で静かに外します。
下まぶたを少し下げ、視線を上に向ける
レンズの下側を指の腹で軽くずらし、指先でそっとつまむ
ステップ5:それでも外れない場合
10分ほど試しても全く動かない
痛み・強い充血・かすみが出てきた
このような場合は、それ以上触り続けず、可能なかぎり早く眼科を受診してください。
ケース2:白目側やまぶたの裏にずれた気がするとき
「目の裏に行った」「どこかに消えた」と感じても、目の構造上、レンズが完全に頭の方まで行ってしまうことはありません。実際には、白目側やまぶたの内側付近にずれていることがほとんどです。
位置の確認方法
明るい場所で鏡を用意する
反対の手で上まぶた・下まぶたを順に軽く引き、白目の部分を確認する
レンズの端が光って見えたり、わずかな縁が見えることがあります
まぶたの上からそっと動かす方法(一般的な例)
手を洗う
目を閉じる
レンズがありそうな場所のまぶたの上から、指の腹で軽く押さえる
耳側 → 黒目側の方向へ、少しずつレンズを戻すイメージで動かす
黒目の上に戻ってきたら、目を開けて通常の外し方で外す
※強い痛み、異物感がある場合は、この操作も無理に行わず眼科での処置を受けてください。
それでも取れないときのチェックリスト
以下の項目を確認し、1つでも当てはまる場合は、自己処置を中止し眼科受診を検討してください。
□ 目を開けていられないほどの強い痛みがある
□ 真っ赤になるほどのひどい充血が続いている
□ 視界がかすむ・にごる・光が異常にまぶしい
□ レンズが破れているかもしれない/欠片が残っているかもしれない
□ 10〜15分ほど潤いを与えても、レンズがまったく動かない
□ レンズが入っているかどうか自分でも分からない
これらに該当する場合、「もう少し頑張れば取れるかも」と無理を続けるのは危険です。早期に眼科で確認してもらうことで、大きなトラブルを防ぐことができます。
眼科を受診すべきサインと受診の流れ
すぐに受診した方がよい症状
次のような症状がある場合は、できるだけ早く眼科を受診してください。
激しい痛み・ゴロゴロ感が続く
強い充血や、白目に濁ったような部分が見える
視力低下・かすみ・光のにじみを強く感じる
レンズが破れた・欠けた可能性がある
目やに・膿のような分泌物が増えてきた
コンタクトを外したあとも症状が続く
これらは角膜びらん・角膜炎などのサインである可能性があり、放置すると視力に長期的な影響が出ることがあります。
受診時に伝えるべき情報と診察のイメージ
眼科を受診する際には、次のような情報をメモしておくと、診察がスムーズになります。
医師に伝えたい情報
レンズの種類:ソフト/ハード、1day・2week・1month など
装用時間:いつからつけているか/寝ている間につけていたか
現在の症状:痛み・充血・かすみ・目やにの有無
既往歴:ドライアイ・アレルギー・角膜炎の既往など
一般的な診察の流れ(例)
問診
視力・眼圧検査など
スリットランプ(細隙灯)による角膜表面の確認
必要に応じて、染色検査などで傷や炎症の有無を確認
レンズが残っている場合は、専用の器具や点眼薬を用いた除去
診察自体は数分〜十数分程度で終わることが多く、「もっと早く来ればよかった」と感じる方も少なくありません。
費用の目安と保険適用
費用は医療機関や検査内容により異なりますが、健康保険が適用される一般的な診療であれば、自己負担3割の場合で数千円程度に収まることが多いとされています。
初診料+検査料:おおよそ数千円前後
追加検査や処置が必要な場合:内容により増減
重症化して入院や長期治療が必要になった場合の負担を考えると、早めの受診は費用面でもメリットがあります。
コンタクトが張り付かないための予防策
装用時間・交換サイクルを見直す
張り付きトラブルの多くは、「つけすぎ」と「替えなさすぎ」が原因です。
レンズごとの推奨装用時間を守る
1dayレンズは「もったいないから」といって数日使い回さない
2week・1monthなどはカレンダーやアプリで交換日を管理する
就寝前には必ず外す習慣をつくる
これだけでも、張り付きリスクは大きく下げることができます。
乾燥対策と正しい目薬の使い方
乾燥を防ぐことは、張り付きを防ぐうえで非常に重要です。
エアコンの風が直接当たらないようにする
長時間のPC・スマホ作業では、1時間に1回は休憩&意識的なまばたき
室内が乾燥している場合は、加湿器の使用を検討する
目薬の選び方(一般的な考え方)
コンタクト装用中に使用可能と明記された人工涙液タイプを基本とする
防腐剤が少ない/無いタイプを選ぶと、長期使用時の刺激が少なくなります
充血を一時的に抑える「血管収縮剤入り」の目薬は、自己判断で頻用しない
疑問がある場合は、眼科や販売店で自分のレンズに合う目薬を確認してください。
ライフスタイル別・トラブル予防のポイント
| ライフスタイル | よくある状況 | 起こりやすいリスク | おすすめ対策 |
|---|---|---|---|
| 学生(部活・サークル) | 遅くまで活動してそのまま寝落ち | 長時間装用・乾燥・寝ている間の張り付き | 帰宅後すぐ外す習慣/外泊時はメガネを持参 |
| デスクワーク中心 | 1日中PC作業・エアコン環境 | 瞬き減少による乾燥・ドライアイ | 1時間ごとに休憩・人工涙液で適宜潤す |
| 接客・サービス業 | メイク優先で外すのが後回し | 装用時間オーバー・メイクの汚れ付着 | 休憩時間に一度外して目を休ませる/メイク前に装用し、外してからメイク落とし |
| スポーツ・アウトドア | 風・埃・汗などの刺激 | 汚れ付着による違和感・炎症 | スポーツ用ゴーグル併用/強い違和感時は外してメガネに切り替え |
よくある勘違いとトラブルシューティング
「目の裏にコンタクトが入った」ように感じるとき
「目の裏に行ってしまった」「頭の方まで行った気がする」という相談は非常に多いですが、目の構造上、レンズが完全に裏へ消えてしまうことはありません。
実際には、次のような場所にずれていることがほとんどです。
白目の上側・下側
上まぶたの裏側の手前
まぶたの縁付近
強くこすったり、爪で探そうとすると、かえってレンズを奥に押し込んでしまうことがあります。
「見つからない・不安だ」と感じた時点で、早めに眼科で確認してもらうのが安全です。
寝ている間に張り付いてしまったときの対処
つけたまま寝てしまい、朝起きたらレンズが張り付いて動かない、というケースは珍しくありません。
このような場合のポイント
起床直後にこすらない・無理につままない
まずは人工涙液や、ぬるま湯の蒸しタオル(目を閉じた状態で)などで、目の周りを温め・潤す
レンズが動くようになるまでは、外そうとする動作を繰り返さない
強い痛み・かすみ・充血がある場合は、自宅で時間をかけて頑張るよりも、その日のうちに眼科を受診する方が安全です。
取れたかどうか分からないときの確認方法
「もう外れたのか、まだ目の中にあるのか分からない」という不安も、知恵袋で非常に多く見られます。
確認の例
使用していたレンズケース・ゴミ箱を確認する
指先や洗面所の周りにレンズが落ちていないか確認する
片目ずつ、視界のぼやけ具合や違和感を観察する
どうしても判断できない場合は、眼科で確認してもらう
「たぶん取れているはず」と自己判断し、上から新しいレンズを装用するのは避けてください。重ねて装用すると、さらにトラブルの原因になります。
Yahoo!知恵袋的なQ&A形式でのFAQ
Q1:お風呂やシャワー中に張り付いた場合は?
A:
水道水やお湯には、コンタクトレンズに適さない微生物や成分が含まれることがあり、感染症のリスクが高まります。
シャワーを浴びながらこすったり、外そうとするのは避ける
いったんシャワーを止め、タオルで水分を拭き取ってから、落ち着いて目薬・人工涙液で潤す
強い違和感・痛み・充血があれば、早めに眼科で診察を受けてください
今後は、お風呂やプールでは原則メガネに切り替えることをおすすめします。
Q2:毎回張り付く/外しにくいのはレンズが合っていない?
A:
可能性の一つとして、レンズのベースカーブ(BC)や材質、度数、装用時間などが、目の状態と合っていないことが考えられます。
いつも同じ側の目で張り付きやすい
新しいメーカーに変えてからトラブルが増えた
乾燥感・異物感が続く
このような場合は、眼科でフィッティングを見直してもらうことをおすすめします。自己判断でメーカーや種類を頻繁に変えると、かえってトラブルの原因になることがあります。
Q3:10代・学生でも親に言わずに眼科へ行ってよい?
A:
医療機関への受診は、年齢にかかわらず基本的には推奨される行動です。保険証や医療証の所持状況などによっては、保護者の同意が必要な場合もありますが、目のトラブルは時間との勝負です。
まずは「コンタクトが取れなくて心配だから、眼科で診てもらいたい」と正直に伝える
保険証の所在や、かかりつけの眼科があれば確認する
どうしても言い出しにくい場合は、学校の保健室や学生相談窓口に相談するのも一案
怒られることより、目を守ることの方がずっと大切です。勇気を出して相談してください。