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お使いのコンピュータ ネットワークから通常と異なるトラフィック対処法|原因別に復旧と予防

Google検索をしようとした際に「お使いのコンピュータ ネットワークから通常と異なるトラフィックが検出されました」と表示され、検索が一時的に使えなくなることがあります。業務中や調べ物の最中に突然止まるため、不安や焦りが生まれやすい現象です。

ただし、この表示は「不正アクセスや自動化された大量アクセス(ボット)を防ぐ」ための仕組みによるもので、直ちにウイルス感染が確定するものではありません。実際には、VPNや共有Wi-Fi、ブラウザ拡張機能、短時間の連続検索など、日常的な行動や環境が引き金になって起こるケースが多く見られます。

本記事では、まず検索を再開するための一次対応を優先し、その後に原因を短時間で切り分け、最後に再発しにくい設定と運用へつなげる流れで解説いたします。PCとスマホの両方を想定し、専門知識がなくても順番に確認できる手順にしています。

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通常と異なるトラフィックが検出される理由

Googleは、検索サービスを安定して提供するために、機械的な大量アクセスや不審なアクセスパターンを検知すると、一定時間アクセスを制限します。その際、reCAPTCHA(画像認証など)が出たり、この警告が表示されたりします。目的は「ユーザーの安全」と「検索サービスの健全性」の維持です。

このとき重要なのは、Googleが見ているのは「端末そのもの」だけではなく、主に次のような“アクセスの見え方”だという点です。

  • 同一IPアドレスから短時間に大量の検索が行われている

  • 似た操作が連続している(同じ語句、同じパターン、短時間連打など)

  • 位置情報や端末情報が不自然に揺れる(VPNなどで出口が頻繁に変わる)

  • 共有IP(多人数が同じ外部IPを使う環境)で、誰かが自動化を行っている

つまり、本人が普通に検索しているつもりでも、環境によっては「大量アクセスに見えてしまう」ことがあり得ます。

Googleがブロックする代表パターン

代表的な引き金は、次の5系統に整理できます。

  1. 短時間の連続検索・更新
    検索結果を何度も更新したり、タブを大量に開いて次々検索したり、同じ語句を微調整しながら連続実行すると、ボット的な挙動に近づきます。特に「戻る→検索→戻る→検索」の短いループが続くと検知されやすくなります。

  2. VPN・プロキシ・トンネル系利用
    VPNは出口IPを共有することが多く、同じ出口IPを使う他の利用者の挙動の影響を受けることがあります。また、Google側からは“誰が正当なユーザーか”の判別が難しくなるため、保守的に制限されることがあります。

  3. 共有ネットワーク(社内・ホテル・カフェ・大学など)
    大勢が同じネットワークから外部へ出ていく環境では、外部から見ると同一IPに見えます。誰かが自動化ツールや大量検索をしていると、同じIPの他ユーザーも巻き込まれます。

  4. ブラウザ拡張機能・常駐ソフトによる自動アクセス
    広告ブロック、検索補助、ページ自動更新、SEOツール、価格監視、スクレイピング系など、便利な機能が“自動通信”を発生させることがあります。検索画面に限らず、裏でGoogle関連ドメインへ短時間に多数アクセスすると、制限につながる場合があります。

  5. マルウェアや不要アプリによる不審通信
    端末が意図しない通信を大量に行っていると、結果的に検索制限に巻き込まれることがあります。頻発する場合や、他の症状も併発している場合は無視しないことが大切です。

自分の端末が原因とは限らないケース

この警告は「端末=犯人」と直結しない点が落とし穴です。特に次のケースでは、端末側に異常がなくても起こり得ます。

  • 家族で同じWi-Fiを使っている:家族の誰かの端末が大量検索・自動化をしている

  • 社内ネットワーク:同じ出口IPを社員全員で共有しており、誰かのツールが影響

  • マンション回線:共有型の回線で外部から同じIPに見えることがある

  • VPN出口:世界中の利用者が同じ出口IPを使い、他者の影響が混ざる

そのため、最短で復旧したい場合は「原因究明より先に、まず見え方(回線・ブラウザ)を変える」ことが有効です。次章で一次対応の手順を整理いたします。


最短で直すための一次対応手順

一次対応の目標は明確です。「検索できる状態へ戻す」ことを最優先にし、安全に試せる順番で切り替えを行います。ここで重要なのは、表示が出た直後に焦って操作を重ねないことです。短時間に繰り返すほど“異常”として見え続け、解除が遅れる場合があります。

やってはいけない行動(連打・自動更新)

次の行動は避けてください。

  • 更新ボタンの連打、F5連打

  • 検索語を少し変えて高速で何度も実行

  • タブを大量に開いて短時間で連続検索

  • 自動更新系ツールを動かしたまま再試行

  • CAPTCHAが出ているのに戻る・再読み込みを繰り返す

やりたい気持ちは自然ですが、制限が強化されたり、解除までの時間が延びたりする要因になりやすいです。まず一息置き、次の「回線切替」へ進めるのが最短です。

回線を切り替えてIPを変える

最も効果が出やすいのが回線切替です。Googleから見えるIPアドレスが変わるため、制限対象から外れる可能性が高まります。

PCの場合

  • 自宅や社内Wi-Fiで発生 → スマホのテザリング(モバイル回線)へ切り替える

  • 可能なら、別のWi-Fi(家庭内の別回線、ポケットWi-Fiなど)へ切り替える

  • 会社の場合は、社内規定に従いながら一時的にモバイル回線を使う

スマホの場合

  • Wi-Fi接続中なら、まずWi-Fiをオフにしてモバイル回線(4G/5G)へ切り替える

  • 逆にモバイル回線で発生しているなら、別のWi-Fiへ切り替えて様子を見る

ここで大切なのは、回線切替が「復旧」だけでなく「原因切り分け」にも直結する点です。回線を変えたらすぐ直る場合、端末側よりも共有回線や出口IP要因が濃厚になります。

ブラウザのキャッシュとCookieを整理する

回線切替でも改善しない、または改善しても再発が早い場合は、ブラウザ側の整理を行います。Cookieやキャッシュは、ログイン状態やアクセス履歴、サイトの一時データを保持します。これが原因で認証がこじれたり、挙動が不自然に見えたりすることがあります。

実施の目安は次のとおりです。

  • 直近でブラウザの不調(表示崩れ、ログインループなど)がある

  • 別ブラウザでは検索できるが、普段のブラウザでは警告が出る

  • 同じ端末・同じ回線でも「ブラウザを変えると直る」ことがある

注意点

  • Cookie削除で、一部サイトからログアウトされることがあります。業務で多要素認証を使っている場合は、復旧後にログインが必要になるため、時間に余裕があるタイミングで行ってください。

  • まずは「Google関連のみ」削除できる場合はそれでも構いません。難しければ全体削除でも問題ありません。

あわせて、シークレットモード(プライベートブラウズ)で検索できるか確認すると、Cookie・拡張機能由来かどうかの判断材料になります。

VPN・プロキシ・リレーを止める

VPNやプロキシを使っている場合、一次対応としては停止が有効です。仕事でVPNが必須の場合もありますが、切り分けのために「停止できる状況か」を確認する価値があります。

  • VPNを一時停止 → 通常回線で検索

  • それで改善 → VPN出口IPや設定が影響している可能性

  • 改善しない → 回線共有・端末・拡張機能・マルウェアなど別要因の可能性

また、スマホでは「通信経路を秘匿する」機能(中継・リレー系)がオンになっていると、挙動が不安定になるケースがあります。頻発する場合は一時的にオフにし、改善するか確認すると切り分けが進みます。


原因を5分で切り分けるチェックリスト

一次対応で検索が再開できたら、同じことを繰り返さないために原因の切り分けへ進めます。ここは時間をかけるほど良いというより、「最短で当たりをつけ、再発しやすい要因から潰す」ことが重要です。

連続検索・自動化ツールの有無

最初に確認したいのは、本人の操作に「短時間の連続」が含まれていないかです。

  • 調査中に、似たワードで何十回も検索した

  • 上位表示チェックやキーワード比較で、検索を次々回した

  • 検索結果を自動で更新する癖がある

  • ブックマークレットや小ツールで検索を自動化している

これらがある場合、再発防止策はシンプルです。

  • 検索の間隔を数秒〜十数秒空ける

  • 同じ操作の連続を避ける(戻る→検索の短いループを中断する)

  • 検索が必要な作業は、タブを増やしすぎず段階的に行う

  • 自動化ツールは回数・間隔を見直す、または検索ではなくAPIや別手段へ切り替える

とくに業務で「調査」「比較」「検証」をする方ほど、意図せず連続操作になりやすいので注意が必要です。

拡張機能・常駐ソフトの影響

次に、ブラウザ拡張機能や常駐ソフトを確認します。切り分けの基本は「最小構成」にすることです。

おすすめの順番

  1. シークレットモードで再現するか確認(拡張機能が無効になる設定が多い)

  2. すべての拡張機能を一時的に無効化

  3. ひとつずつ有効化して原因を特定

影響が出やすい代表例は次のとおりです。

  • 広告ブロック、トラッキング防止系(サイト側の挙動に干渉することがある)

  • 自動翻訳、ページ解析、SEO関連拡張(裏でアクセスが増えることがある)

  • 自動リロード、監視、価格追跡、スクレイピング系

  • セキュリティソフトのブラウザ保護機能(通信の中継や検査で不具合が出ることがある)

「便利だから入れっぱなし」になっている拡張機能は、用途が不明なものほど削除を検討してください。更新が止まっている拡張機能は、セキュリティ面でもリスクが高まります。

共有Wi-Fiや社内ネットワークの影響

回線要因の切り分けは、次の観点で進めると早いです。

  • 自宅の単独回線で起きるか

  • 社内ネットワークでのみ起きるか

  • カフェ・ホテル等の公衆Wi-Fiで起きるか

  • VPN接続時だけ起きるか

もし「社内だけ」「特定のWi-Fiだけ」で起きるなら、原因は端末よりもネットワーク側の可能性が高いです。個人でできる対策は次のようになります。

  • 重要な調べ物は、モバイル回線へ切り替えて行う

  • 社内ではネットワーク担当へ相談し、出口IPやフィルタの状況を確認してもらう

  • 公衆Wi-Fiは、検索が止まったら早めに回線切替で切り抜ける

とくに社内ネットワークの場合、誰かのツールが大量アクセスをしていると、同じ出口IPの利用者全員が巻き込まれます。自分の端末が正常でも起こり得るため、個人で抱え込まないほうが結果的に早く解決します。

不審な挙動がある場合のマルウェア確認

最後に、頻発する場合や、他の症状が併発する場合はマルウェア確認へ進めます。次のいずれかに当てはまるなら、優先度を上げてください。

  • 回線を変えても、ブラウザを変えても再発する

  • PCが重い、ファンが回り続ける、バッテリー消費が異常

  • 広告やポップアップが増えた、勝手に別サイトへ飛ぶ

  • 見覚えのないアプリやツールバーが増えた

  • ブラウザの検索エンジンやホームが勝手に変わった

基本的な確認手順(PCの例)

  • OS標準のセキュリティ機能(Windows セキュリティなど)でフルスキャン

  • 不要アプリのアンインストール(最近入れたもの、提供元不明のもの)

  • ブラウザ設定の初期化(検索エンジン、ホーム、拡張機能)

  • 可能なら別アカウントや別端末で同様の症状が出るか確認

ここでのポイントは、原因が「検索」ではなく「端末全体の通信」にある可能性を見落とさないことです。頻発するほど生活や業務への影響が大きいため、早期に対処したほうが安全です。


スマホで出る場合の対処

スマホはPCよりも「回線切替」が簡単なため、手順もシンプルです。まずは最短で復旧させ、その後に機能やアプリを確認して再発を抑えます。

モバイル回線へ切替

Wi-Fi接続中に起きた場合、最優先で試したいのはWi-Fiをオフにしてモバイル回線へ切り替えることです。共有Wi-Fiや家庭内共有の影響を一気に避けられるため、効果が出やすいです。

  • Wi-Fiをオフ

  • 検索アプリやブラウザを一度終了し、再起動

  • 数十秒置いてから検索を再試行

これで直る場合は、Wi-Fi側(共有IP)の影響が濃厚です。以降、同じWi-Fiで再発するなら、家族の端末や同一ネットワーク内の要因も視野に入ります。

iPhoneのプライベートリレー等の見直し

iPhoneでは、通信経路を中継する機能がオンになっていると、検索が不安定になることがあります。頻発する場合は、一時的にオフにして挙動が改善するか確認してください。オフで改善するなら、その機能が“Googleから見た通信の見え方”に影響している可能性があります。

業務やプライバシー要件がある場合は、常時オフにする必要はありません。「検索が止まりやすい場面だけオフにする」「回線を変えるときだけ調整する」といった運用でも十分に再発が減ることがあります。

アプリ/ブラウザの切替(Safari/Chrome)

スマホでは、同じ回線でも「ブラウザやアプリを変えると直る」ことがあります。切り分けとして、次を試すと効果的です。

  • Safariで発生 → Chromeで試す(またはその逆)

  • Googleアプリで発生 → ブラウザで試す(またはその逆)

  • 端末再起動で改善するか確認

また、ブラウザアプリのキャッシュ削除や履歴削除も有効です。削除によりログインが必要になるサービスもあるため、必要なパスワードが分かる状態で実施してください。


再発防止の設定と運用

最後に、再発を抑えるための考え方を整理します。ポイントは「異常と判定されやすい状況を作らない」ことです。個人でできる範囲の対策でも、発生頻度は大きく下がります。

VPN・広告ブロックの使い方の注意点

VPN

  • 常時接続が不要なら、必要なときだけオンにする

  • どうしても常時必要なら、出口が安定しているサービスを選ぶ、または設定の見直しを行う

  • 業務VPNの場合は、ネットワーク担当へ「Google検索で制限が出る」事象を共有し、出口IPやセキュリティ機器の設定を確認してもらう

広告ブロック等の拡張機能

  • 入れている拡張機能を棚卸しし、用途不明なものは削除

  • 更新が止まっている拡張機能は避ける

  • 自動更新・監視系は、頻度を下げるか、必要時のみ有効化

拡張機能は便利ですが、増やしすぎると原因切り分けが難しくなります。「最小限+必要時に追加」が安全です。

社内・家庭での共有回線の対策

共有回線は、個人が完璧にコントロールできません。再発防止の現実的な落としどころは次のとおりです。

  • 重要な調査はモバイル回線へ切り替えられるよう準備しておく

  • 家庭では、家族の端末も含めて不要アプリ・拡張機能を見直す

  • 社内では、ネットワーク担当へ早めに相談し、原因になり得るツール運用を把握してもらう

  • 公衆Wi-Fiは「止まったら切替」で割り切る(長時間の検証作業には不向き)

特に社内は、出口IP共有の影響が出やすい環境です。個人で抱え込むより、担当部署に状況を伝えるほうが再発防止に直結します。

頻発する場合に相談すべき窓口

手元の対策を一通り試しても頻発する場合は、状況に応じて相談先を分けるとスムーズです。

  • 社内ネットワークでのみ発生:情報システム部門、ネットワーク管理者

  • 特定のVPN接続時だけ発生:VPN提供元、社内VPN管理者

  • 家庭の回線で広く発生:回線事業者(共有IPや制限の可能性も含め相談)

  • 端末の不審挙動がある:セキュリティソフト提供元、PCメーカーサポート、信頼できる修理店

相談時は、次の情報をまとめておくと原因特定が早くなります。

  • 発生した日時(例:12月23日 10:15頃)

  • 発生した回線(自宅Wi-Fi、社内、カフェ、VPNあり/なし)

  • 端末(PC/スマホ、OS、ブラウザ)

  • 直前に行っていた操作(連続検索、タブ大量、ツール利用など)

  • 回線切替・ブラウザ切替で改善したかどうか