Cloudflareの画面に
「人間であることを確認します」
「Verifying you are human」
と表示されたまま、いつまで待っても先に進めない──。
ChatGPTや各種Webサービスを使おうとして、この状態に陥り困っている方は多いです。
本記事では、
なぜこの画面が表示されるのか(仕組みと安全性)
どのような原因で「ループ」が起きるのか
自宅PC・スマホで今すぐ試せる対処法
会社や学校のPCで発生したときの相談の仕方
再発させないための日常的な予防策
を、順を追って分かりやすく解説します。
まずは落ち着いて、上から順番にチェックしてみてください。
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「人間であることを確認します」とは?仕組みと安全性を先に理解する
Cloudflareと人間確認(CAPTCHA/Turnstile)の役割
Cloudflare(クラウドフレア)は、多くのWebサイトが利用している
CDN(コンテンツ配信)兼セキュリティサービスです。
サイトの表示を速くする
攻撃や不正アクセスからサイトを守る
といった役割があります。
その一環として、
「このアクセスは人間か、それともボット(自動プログラム)か?」
を判定するために表示されるのが、
「人間であることを確認します」
「Verify you are human」
画像選択型のCAPTCHA(キャプチャ)
などの画面です。
つまり、この画面が出ること自体は異常ではなく、
Webサイトを守る仕組みが働いている状態と考えてよいです。
なぜあなたの画面にだけ頻繁に出るのか
同じサイトを見ていても、「人間確認」が出る人と、ほとんど出ない人がいます。
これは、Cloudflare側が総合的に判断しているためです。
例として、以下のような要素が影響し得ます。
IPアドレス(国・地域・過去の不審なアクセス履歴など)
ブラウザの情報(バージョン、設定、拡張機能など)
通信経路(VPN経由か、会社のプロキシ経由か、公共Wi-Fiか など)
急激なリロードや短時間での大量アクセスがないか
これらが組み合わさった結果、
「少し怪しいかもしれない」と判断された場合
→ 人間確認画面が表示される正常なアクセスと判断された場合
→ 何も表示されずそのままアクセスできる
という動きになります。
本物の確認画面とフィッシングサイトの見分け方
「人間であることを確認してください」といった文言は、
フィッシングサイト(偽サイト)でも悪用されることがあります。
最低限、次の点は確認してください。
ブラウザのアドレスバーのURLが、アクセスしたいサイトか
例:
https://chat.openai.com、https://example.comなど
URLの左側に南京錠アイコンが表示され、HTTPSになっているか
不自然な日本語や、個人情報・カード情報などの入力を求めていないか
Cloudflareの正規の確認ページであれば、
メールアドレスやパスワード、カード番号などの入力を求めることはありません。
単にチェックボックスや簡単な操作を求める程度です。
まず確認したい3つのポイント
本格的な対処に入る前に、
以下の3点をさっと確認しておくと、原因のあたりがつけやすくなります。
1. サービス側の障害情報・公式アナウンスは出ていないか
利用しているサービス(例:ChatGPT、各種SaaS)の
公式ステータスページ
公式Twitter/Xアカウント
お知らせページ
ニュースサイトやSNSでの障害報告
などを確認し、全体的な障害が起きていないかを見ます。
自分の環境ではなく、サービス側・Cloudflare側の問題である場合、
ユーザー側でできることは限られます。
2. ほかのサイトでも同じ表示が出るか
次に、同じPC・スマホで、
他のCloudflareを使っているサイト
まったく別のサイト
にアクセスして、同じように
「人間であることを確認します」
と表示されるか確認します。
特定の1サイトだけで発生する
→ そのサイトやそのドメインに限った要因の可能性多くのサイトで同様に発生する
→ ネットワークやブラウザ、PCの設定の影響が疑われます
3. 会社PCか自宅PCか・VPN利用中かを整理する
自宅のPC・スマホ(自宅Wi-Fi・モバイル回線)
会社や学校のPC(社内ネットワーク・プロキシ経由)
在宅勤務中で会社のVPNを利用している
など、どの環境で問題が出ているのかを整理しておきましょう。
この後の対処手順も、
自分で設定を変えてよいか
情シスや管理者に相談すべきか
で変わってきます。
自宅PC・スマホでのCloudflare「人間確認」ループの主な原因と対処法
ここからは、自宅のPC・スマホを想定した対処方法です。
以下の順番で試してみてください。
1. ブラウザのキャッシュ・Cookie不整合を解消する
もっとも多い原因が、ブラウザに溜まったキャッシュやCookieの不整合です。
手順(例:Chrome)
右上の「︙」メニュー → [設定]
[プライバシーとセキュリティ] → [閲覧履歴データの削除]
期間を「全期間」に設定
少なくとも以下にチェック
Cookie と他のサイト データ
キャッシュされた画像とファイル
対象サイトに再度アクセス
※ログイン状態が解除されるサイトもあるため、
ID・パスワードを忘れていないか事前に確認しておくと安心です。
2. シークレットウィンドウや別ブラウザで再現性を確認する
キャッシュやCookieの影響を切り離すために、
シークレットウィンドウ(プライベートブラウジング)を使ってみます。
Chrome:
Ctrl + Shift + NEdge:
Ctrl + Shift + NFirefox:
Ctrl + Shift + P
ここで同じサイトにアクセスして、
問題が解消する → 通常のブラウザプロファイルに何らかの原因がある
まだダメ → ネットワークなど別の要因の可能性が高い
と切り分けできます。
さらに、可能であれば別のブラウザ(Edge, Firefox, Safariなど)も試してみてください。
3. 広告ブロッカーやセキュリティ拡張機能の一時停止
AdBlock系の拡張機能や、トラッキング防止・スクリプトブロック拡張機能が、
Cloudflareのチェックに必要な通信を止めているケースがあります。
問題が出ているブラウザで、拡張機能の一覧を開く
広告ブロック・セキュリティ系の拡張機能を一時的に無効化
ブラウザを再起動して再度アクセス
解消した場合は、そのサイトだけ除外設定を行う
セキュリティ拡張を完全にアンインストールする必要はありません。
問題のサイトに限って除外設定を行うのが、安全と利便性のバランスが良い方法です。
4. VPN・セキュアDNS・プロキシの有無を確認する
VPNやセキュアDNS(DNSを別サービスに切り替える機能)を利用している場合、
Cloudflareからみて「通常と違う場所・経路」からアクセスしているように見え、
チェックが厳しくなることがあります。
思い当たる場合は、一度VPNをオフにする
ブラウザやOSの設定で、DNSをカスタム設定にしていないか確認する
よく分からない場合は、PCのネットワーク設定を「自動取得」に戻してみる
※会社支給PCや、プロバイダ提供のセキュリティソフトの場合、
自分で勝手に変更しない方がよいケースもあります。後述の「会社・学校PC」の章も合わせてご確認ください。
5. モバイル回線・別Wi-Fiなどネットワークを変えて試す
ネットワークそのものが原因の可能性もあります。
自宅Wi-Fi → スマホのテザリングに切り替えて試す
逆に、モバイル回線 → 自宅Wi-Fiに切り替えて試す
ルーターの再起動(電源を抜いて30秒ほど待つ → 再接続)
別のネットワークでは問題なくアクセスできる場合、
Cloudflare側でその回線のIPアドレスやアクセスが警戒されている可能性があります。
その場合は、
しばらく時間をおいて再度試す
プロバイダやモバイルキャリアに相談する
といった対応も検討してください。
会社・学校のPCで起きる場合の切り分けと対処
会社や学校のネットワークは、
一般的に以下のような仕組みで保護されています。
プロキシサーバー
Webフィルタリング製品
ウイルス対策ソフトによるHTTPSスキャン
これらがCloudflareの判定と干渉し、
「人間であることを確認します」のループが起きるケースがあります。
社内プロキシやセキュリティ製品が影響している可能性
代表的な例として、
プロキシが通信内容を一度復号(HTTPSデコード)して検査している
その結果、Cloudflareから見て「想定外の改変」が行われているように見える
といった状況があります。
この場合、エンドユーザーが自分で設定を変更することは推奨されません。
ネットワーク全体のセキュリティポリシーに関わるため、必ず管理者の判断が必要です。
自分でできる確認(別ブラウザ・別回線・自宅からのアクセス)
とはいえ、情シスに相談する前に、
以下のような簡単な切り分けは自分でも可能です。
会社PCで別ブラウザ(Edge / Chrome / Firefoxなど)を試す
可能なら、スマホのモバイル回線から同じサイトにアクセスしてみる
在宅勤務時に問題が出る場合、自宅回線+VPNなしでも再現するか確認する
会社PCだけで問題が出る
→ 会社ネットワークやセキュリティ設定の影響が濃厚どの環境でも同様に発生する
→ サイト側・Cloudflare側の一時的な問題の可能性も
情シス・管理者に相談するときのポイントとメール例文
相談時は、次の情報があると管理者が原因を調査しやすくなります。
問題が発生するサイトのURL
発生日時(可能であれば数分の幅で)
画面に表示されるメッセージ(スクリーンショットがあると尚良い)
他のサイトや自宅回線では問題ないかどうか
使用しているブラウザ名とバージョン
相談メール例文
件名:Cloudflare「人間であることを確認します」ループによるアクセス不可について
情報システム部門 御中
お疲れさまです。◯◯部の△△です。
下記サイトに会社PCからアクセスした際、Cloudflareの
「人間であることを確認します」という画面が繰り返し表示され、
ログイン画面まで進めない状況が続いております。
問題が発生するサイト:
URL:________
発生日時:
2025年◯月◯日 ◯時◯分頃〜現在も継続
状況:
「人間であることを確認します」という画面が表示され、
数十秒待っても次の画面に進まず、再読み込みしても同じ状態になります。試した対応:
ブラウザ再起動、PC再起動
別ブラウザ(Chrome/Edge)での再試行
自宅のPC・スマホ(モバイル回線)からは正常にアクセス可能
利用環境:
PC:Windows 10
ブラウザ:Google Chrome バージョン◯◯
お手数ですが、社内プロキシやセキュリティ設定の影響がないか
ご確認いただけますと幸いです。以上、よろしくお願いいたします。
このように、自分で試した内容と結果を整理して伝えることで、
原因特定までの時間を大きく短縮できます。
ChatGPTなど特定サービスで発生する場合の注意点
Cloudflareは、ChatGPTをはじめ多くのWebサービスで利用されています。
そのため、次のようなケースが起こり得ます。
ChatGPT利用中だけ「人間確認」ループが発生する
特定の開発者向けサイト・オンラインゲーム・SaaSだけで発生する
サービス側がCloudflareを利用しているケース
この場合、
サービス側の負荷状況
一時的なセキュリティ強化
地域・国ごとのアクセス制御
などにより、Cloudflareの判定が厳しくなっている可能性もあります。
サービスごとの公式ヘルプ・告知も合わせて確認し、
自分だけの問題か、サービス全体の問題かを見極めることが重要です。
利用規約に反するアクセス(過度なリロード等)を避ける
「なかなか進まないから」といって、
短時間に大量のリロードを繰り返す
自動操作ツールでアクセスを連打する
といった行為は、かえってボット疑惑を高めることになり、
Cloudflare側のブロックを強めてしまう可能性があります。
苛立つ気持ちは分かりますが、
何度も連続でリロードするのは控えてください。
どうしても解消しない場合の一時的な代替手段
しばらく時間を置いてから再アクセスする
スマホアプリ版や別デバイスからアクセスする
他のブラウザからログインし、そこで作業を行う
といった、一時的なワークアラウンドを検討するのも一案です。
ただし、非公式クライアントや規約で禁止されているアクセス方法は、
アカウント停止等のリスクがありますので、利用は避けてください。
再発させないための予防策チェックリスト
一度解消したとしても、
同じ環境・同じ使い方を続けていると、再びトラブルが発生することがあります。
日常的な予防策として、次のポイントを意識しておくと安心です。
定期的なブラウザメンテナンス
数カ月〜半年に一度は、不要なキャッシュ・Cookieを整理する
使っていない拡張機能は削除する
ブラウザ自体を最新バージョンにアップデートする
拡張機能・セキュリティソフトの設定見直し
新しい拡張機能を入れた直後から問題が出ていないか意識する
広告ブロッカーやセキュリティソフトに「信頼済みサイト」として登録できる機能があれば活用する
セキュリティレベルを過度に高く設定しすぎない(何をブロックしているか把握する)
公共Wi-FiやVPN利用時の注意点
不特定多数が利用するWi-Fiでは、Cloudflareのチェックが増えることがある
VPNを利用する場合は、信頼できるサービスを使う
問題が出た場合、一旦VPNを切って試し、原因の切り分けを行う
やってはいけない対処法と注意事項
最後に、避けるべき対処法についても触れておきます。
非公式ツールでCloudflare保護を回避しようとしない
インターネット上には、Cloudflareの保護を無理やり回避するような
非公式ツール
スクリプト
CAPTCHA自動解決サービス
なども存在します。
これらを利用すると、
利用しているサービスの規約違反となる可能性が高い
アカウント停止や法的な問題のリスク
マルウェア・情報漏えいのリスク
など、デメリットの方が圧倒的に大きいです。
本記事では、このような方法は一切推奨しません。
正規の手順で解決・相談するようにしてください。
エラー画面の安易なスクリーンショット共有に注意する
サポートに問い合わせる際にスクリーンショットを添付するのは有効ですが、
SNSにそのまま投稿する
不特定多数の人が見る場所にアップロードする
ことは避けてください。
URLやユーザー名などが写り込んでいると、
第三者に余計な情報を与えてしまうリスクがあります。
どうしてもSNSで相談したい場合は、
URLバーを隠す
個人情報・IDなどをマスキングする
などの配慮を行ってください。
困ったときに頼れる相談先を確認しておく
利用サービスの公式サポート窓口
会社・学校の情報システム部門
プロバイダやモバイルキャリアのサポート窓口
など、自分が頼れる窓口をあらかじめ把握しておくと、
同様のトラブルが再発した際にも冷静に対処しやすくなります。