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チャイナエアラインは本当に危ない?過去の事故と現在の安全性を徹底解説

「チャイナエアラインって、危ないって聞いたけど本当なのだろうか。」
台湾旅行やアジア方面へのフライトを検討していると、料金の安さや便数の多さからチャイナエアラインが候補に上がる一方で、検索すると「チャイナ エア ライン 危ない」「空飛ぶ棺桶」といった不安をあおる言葉が目に入ってしまいます。過去に日本で大きな事故があった記憶がある方も多く、「自分や家族を乗せても本当に大丈夫なのか」と悩まれているのではないでしょうか。

本記事では、チャイナエアラインの過去の重大事故を事実として正面から押さえつつ、現在の安全性や国際的な評価、他社との比較、実際の口コミ、そして利用する際に知っておきたいリスク管理のポイントまでを体系的に解説いたします。
「怖いからやめておけ」「安いから気にするな」といった感情論ではなく、データと一次情報に基づき、読者の方ご自身が「乗る/乗らない」を納得して判断できる材料をご提供することが本記事の目的です。

チャイナエアラインに対して漠然とした不安をお持ちの方も、この記事を読み終えるころには、「何がどこまで危険とされてきたのか」「今はどう評価されているのか」「自分はどう選ぶべきか」を、冷静かつ具体的に整理できるようになるはずです。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

目次

チャイナエアラインは本当に「危ない」のか?

過去に重大事故が集中したが、現在は国際的に高い安全評価

チャイナエアライン(China Airlines)は、1990〜2000年代前半にかけて重大事故が相次いだため、「危ない航空会社」「空飛ぶ棺桶」といった強いイメージを持たれてきた航空会社です。
代表例としては、1994年の中華航空140便名古屋空港墜落事故、1999年の642便香港事故、2002年の611便台湾海峡空中分解事故などが挙げられます。いずれも多数の犠牲者を出した大事故であり、日本でも大きく報道されました。

一方で、2002年の611便事故以降、チャイナエアラインで致命的な事故は発生していません。その後の大きな出来事として知られる2007年の那覇空港での120便炎上事故も、機体は全焼したものの乗客乗員は全員脱出しており、死者は出ていません。

さらに、世界的な航空安全評価サイトである「AirlineRatings.com」では、チャイナエアラインは安全度7/7(最高評価)とされており、日本のJAL・ANAと同水準の評価を受けています。

したがって、「昔、重大事故が多かったことは事実だが、現在も同じレベルで『危ない航空会社』と位置づけるのは適切ではない、というのが本記事の結論です。

「危ない」というイメージが今も残る3つの理由

  1. 日本での大事故・炎上事故の強烈な記憶

    • 名古屋空港での140便墜落事故は、日本の航空史上でも最大級の惨事の一つとして報道され、多くの方の記憶に残っています。

    • 那覇空港での120便炎上事故では、機体が炎上・爆発する映像が繰り返しテレビで流れ、「チャイナエアライン=危ない」という印象をさらに強めました。

  2. ネット上の口コミや通称によるイメージの固定化

    • 一時期、掲示板やSNSなどで「空飛ぶ棺桶」といった言葉が広く出回り、それが現在も引用され続けています。

    • 過去の事故データだけを取り上げ、「昔危なかった=今も危ない」と短絡的に結びつける投稿も少なくありません。

  3. 安全性改善や現在の評価が十分に知られていない

    • 安全度7/7という評価や、2002年以降致命的事故が起きていない事実は、日本語で整理して紹介される機会が多くありません。

    • その結果、過去のイメージだけが更新されずに残っている状況といえます。


チャイナエアラインの基礎知識

台湾のフラッグキャリアとしての位置づけ

チャイナエアラインは、台湾(中華民国)のフラッグキャリアです。台北・桃園国際空港をハブとして、アジア・ヨーロッパ・北米・オセアニアなどに路線網を広げるフルサービスキャリアに分類されます。

名称が似ているため混同されやすいのですが、

  • China Airlines(CI)…台湾のフラッグキャリア

  • Air China(CA)…中華人民共和国のフラッグキャリア(中国国際航空)

と、まったく別の航空会社です。日本語の口コミやブログの中には、この2社を混同しているケースもあるため、情報を読む際には注意が必要です。

また、チャイナエアラインはスカイチーム(SkyTeam)アライアンスに加盟しており、デルタ航空や大韓航空などとコードシェアやマイル提携を行っています。これにより、乗継やマイル利用の面での利便性も確保されています。

日本発着路線と主な使用機材の概要

チャイナエアラインは、日本各地と台北(桃園・松山)を結ぶ多数の路線を運航しています(時期によって変動しますが、代表的なものは以下の通りです)。

  • 成田・羽田〜台北(桃園・松山)

  • 関西国際空港〜台北(桃園)

  • 中部国際空港〜台北(桃園)

  • 福岡・札幌・沖縄など地方都市〜台北 など

主な使用機材は以下の通りです。

  • 中長距離路線:エアバスA350、ボーイング777-300ER

  • 中距離・近距離路線:エアバスA330、ボーイング737シリーズ など

近年はA350やB777-300ERといった比較的新しいワイドボディ機の導入が進んでおり、長距離・中距離の基幹路線では機材の若返りが見られます。


「危ない」と言われる理由:過去の重大事故と背景

1990〜2000年代の主な事故(140便・611便・642便など)の概要

チャイナエアラインが「危ない」とされる最大の理由は、1990〜2000年代前半に重大事故が集中したことです。代表的な事故を簡単に整理します。

  • 1994年:中華航空140便 名古屋空港墜落事故

    • 台北発・名古屋行きエアバスA300が、名古屋空港への着陸進入中に失速・墜落。

    • 乗員乗客271名中264名が死亡し、日本の航空史上でも最大級の事故となりました。

    • 自動操縦系統の設定と操縦操作の齟齬、クルーの対応不十分など複数要因が重なったとされています。

  • 1999年:CI642便 香港国際空港事故

    • 台北発・香港行きのMD-11が台風下で着陸に失敗し、機体が横転・破損。

    • 乗員乗客のうち3名が死亡、多数が負傷しました。

    • 悪天候下での着陸判断や着陸操作に関する課題が指摘されています。

  • 2002年:CI611便 台湾海峡空中分解事故

    • 台北発・香港行きB747-200が巡航中に空中分解し、海上に墜落。

    • 乗員乗客225名全員が死亡しました。

    • 原因は、20年以上前の「尻もち着陸」の際の修理が不十分で、その疲労亀裂が長年進行していたことによる機体構造の破壊とされています。

このように、短期間に複数の重大事故が起こったことにより、「事故率が高い航空会社」というイメージが世界的に定着した時期がありました。

那覇空港での120便炎上事故と安全対策への影響

2007年8月には、台湾発・那覇行きのCI120便(B737-800)が那覇空港に着陸・駐機した直後、機体後部から出火し最終的に爆発炎上する事故が発生しました。

  • 乗客乗員165名は全員が緊急脱出し、死者はゼロでしたが、数名の負傷者が出ました。

  • 原因は、主翼スラットの機構に関わるボルトが適切に固定されておらず、その部品が燃料タンクを損傷したことで燃料漏れが発生し、引火したものとされています。

この事故を受けて、アメリカ連邦航空局(FAA)などは、同型機であるB737-800全体に対して緊急の耐空性改善命令(AD)を出し、世界中の航空会社に同様の部位の点検を義務付けました
つまり、120便の事故はチャイナエアラインに限らず、同型機を運航する世界中の航空会社にとっても「安全対策を見直す契機」となった事案です。

当時の安全文化・運航体制にどんな課題があったのか

当時のチャイナエアラインについては、以下のような構造的課題が指摘されていました。

  • 軍(空軍)出身のパイロットが多く、民間航空で重視されるCRM(クルー・リソース・マネジメント)文化とのギャップがあった

  • 過去の事故で損傷した機体の修理が不十分で、その後の点検体制も万全ではなかった(611便の事例)

  • 事故・インシデント情報を組織全体で共有し、未然防止につなげる安全管理システム(SMS)が未成熟であった

これらの課題に対し、2000年代以降、チャイナエアラインは

  • パイロット採用方針の見直し(民間訓練出身パイロットや自社訓練生の比率増加)

  • 訓練制度やCRM教育の強化

  • 整備・品質管理の厳格化、安全管理システムの導入・改善

といった改革を継続的に行ってきたとされています。


現在の安全性:国際評価と直近の事故・インシデント状況

AirlineRatingsの安全度7/7とJAL・ANAとの比較

世界の航空会社を安全性やサービスなどの観点から評価している「AirlineRatings.com」では、チャイナエアラインに対して安全度7/7(最高評価)を付与しています。
評価項目には、以下のような要素が含まれます。

  • 致命的事故の有無・発生頻度

  • 国際監査(IOSAなど)の通過状況

  • 航空当局による認証・監査

  • 機材の平均年齢、整備体制 など

同サイトでは、JAL・ANAも同じく安全度7/7と評価されています。
つまり、少なくともこの評価指標においては、チャイナエアラインは日系大手と同じ「最高ランクの安全性」と位置づけられていることになります。

2002年以降の致命的事故ゼロと軽微インシデントの位置づけ

事故データベースや公的な記録をまとめると、チャイナエアラインで最後に致命的事故が発生したのは2002年のCI611便です。
2007年のCI120便那覇事故は機体全損ではあるものの、死者は出ていません。

その後も、エンジントラブルや計器に関する不具合など、非致命的なインシデントは一定数発生しています。しかし、これはチャイナエアラインに限らず、世界中の大手航空会社で見られるものであり、

  • インシデントを適切に報告する文化

  • 原因を分析し、整備・運航手順を見直す仕組み

があること自体が、安全文化の成熟度を示すものでもあります。

「インシデントがある=危険な航空会社」というわけではなく、インシデントをどのように扱い再発防止につなげているかが重要です。

機材更新・訓練体制など最近の安全対策

近年のチャイナエアラインは、安全性向上のため以下のような取り組みを進めています。

  • 機材更新

    • エアバスA350やボーイング777-300ERといった新世代機を導入し、老朽化した機材を段階的に退役させています。

    • 新世代機は、構造・システム面で安全性が高く、操縦支援機能も進化しています。

  • 訓練・人材育成

    • CRM訓練やシミュレーター訓練を強化し、クルー間のコミュニケーションや状況認識能力の向上を図っています。

    • 軍出身者中心だったパイロット構成から、民間訓練出身パイロットを増やす方向へ転換しています。

  • 国際基準への準拠

    • スカイチーム加盟航空会社として、アライアンス内で共有される安全基準や監査を受けています。

    • 国際的な安全監査プログラム(IOSAなど)にも対応しています。


他社との安全性・サービス比較(JAL・ANA・エバー航空など)

安全性評価と事故歴の比較(一覧表)

以下は、傾向をつかむための簡易的な比較イメージです(概略レベルです)。

項目チャイナエアラインJALANAエバー航空
安全度評価(AirlineRatings)7/7(最高)7/7(最高)7/7(最高)7/7(または同等)
最新の致命的事故の時期2002年 CI611便1980〜90年代1980年代大きな事故は少ない
2002年以降の致命的事故なしなしなしなし(エバー単体)
アライアンススカイチームワンワールドスタースター
日本〜台湾路線での料金イメージ日系より安めやや高めやや高め中間〜やや高め

この比較から分かるように、安全度評価や致命的事故の有無だけを見ると、チャイナエアラインが「特別に危険」という位置づけにはなりません。

料金・サービス・機材のバランス比較

  • 料金面

    • 日本〜台湾路線では、チャイナエアラインはJAL・ANAよりも安い運賃を提示することが多く、フルサービスキャリアの中では「割安」なポジションにあることが多いです。

  • サービス・機内設備

    • 口コミでは、

      • CAの対応が丁寧

      • 機内食がおいしい
        といった評価がある一方で、

      • 一部路線で機材が古く、シートやモニターがやや劣る
        といった声もあります。

  • 機材面

    • A350やB777-300ERが投入されている路線では、座席・機内エンタメともに比較的新しく、快適性は高評価です。

    • 旧型機が残る路線では、日系やエバーと比べて快適性で見劣りする場合もあります。

どんな人にチャイナエアラインが向いているか

チャイナエアラインは、次のような方に比較的向いていると考えられます。

  • LCCは避けたいが、日系よりも費用を抑えたい方

  • 台湾経由で東南アジア・オセアニアなどに向かうため、乗継の利便性を重視したい方

  • 機材やサービスが多少日系より劣っても、価格差があれば納得できる方

逆に、

  • 「不安を少しでも感じる航空会社は避けたい」という方

  • 過去の事故のイメージをどうしても払拭できない方

には、無理に利用を勧める必要はありません。リスク許容度と心理的な安心感は人それぞれであり、日系や他社を選ぶことも立派な選択肢です。


実際の利用者の口コミ・評判から見えること

ネガティブな口コミの傾向と注意点

口コミサイト(4travel・HIS等)で見られるネガティブな意見は、主に以下のようなものです。

  • 機材が古く、座席やモニターに経年劣化を感じた

  • 便によっては遅延が多い印象がある

  • グランドスタッフの案内や対応が不親切だった

  • 「昔事故が多かったので、搭乗前は正直不安だった」

これらは、快適性やサービス品質に関する不満が中心であり、「安全運航そのものへの懸念」を具体的に裏付けるものとは限りません。
また、一部には過去の事故だけを根拠に「危ない」と断定する書き込みもありますが、その多くは感情的な印象に基づくもので、最新データや第三者評価を踏まえた議論とは言い難い点にも注意が必要です。

ポジティブな口コミの傾向(コスパ・サービスなど)

ポジティブな口コミとしては、以下のような内容が多く見られます。

  • 価格の割にサービスが良く、コストパフォーマンスが高い

  • CAの接客が丁寧で、日本語対応も一定レベルで安心できた

  • 機内食がおいしく、台湾らしさが感じられた

  • 安全確認やアナウンスが丁寧で、むしろ安心感があった

総じて、「FSCとしてのコスパは良い」という評価が目立ちます。

口コミの上手な読み解き方

口コミを判断材料にする際は、次の点を意識するとバランスの良い見方ができます。

  • 投稿時期を確認する

    • 機材更新やサービス改善が行われているため、10年前の口コミがそのまま今に当てはまるとは限りません。

  • 極端な体験談だけに引きずられない

    • どの航空会社にも「最高だった」「二度と乗りたくない」という極端な意見は存在します。平均像を知るためには、複数の口コミサイト・複数の時期の意見を総合することが重要です。

  • 「安全性」と「快適性」を分けて考える

    • シートの広さや機内食の味と、飛行機が安全に飛ぶかどうかは別次元の問題です。何に不満を持っている口コミなのかを整理して読みましょう。


予約前に確認したいポイントと航空会社の選び方

就航路線・機材・コードシェアの確認ポイント

チャイナエアラインを含め、どの航空会社を選ぶ場合でも、予約前に次の点を確認しておくと安心です。

  • 運航会社(operated by)

    • 同じ便名でも、実際の運航が別会社(コードシェア)である場合があります。「運航会社」がどこかを必ず確認してください。

  • 機材(型式)

    • A350・B777-300ERなど新しめの機材か、旧型機かによって快適性が大きく変わります。予約画面や航空会社公式サイトで機材型式を確認することがおすすめです。

  • 乗継空港・乗継時間

    • 台北乗継の場合、乗継時間が極端に短いと、遅延時に乗継が間に合わないリスクがあります。最低でも1時間半〜2時間程度の余裕があるスケジュールを推奨いたします。

料金とトータルコスト(乗継時間・遅延リスク)の考え方

航空券を選ぶ際、単純な料金の安さだけで決めてしまうと、結果的に損をするケースもあります。

  • 乗継時間が短すぎて、遅延時に乗継できず、現地到着が大幅に遅れる

  • 深夜到着で、空港から市内の交通手段や治安に不安がある

  • 出張で重要な会議があるのに、リスクの高いスケジュールを組んでしまう

といった場合は、数千〜1万円程度の差であれば、直行便や余裕のある時間帯の便を選んだ方がトータルでは合理的なことが多いです。

チャイナエアラインは日系よりも安いことが多いため、

  • 安全性評価に納得できるか

  • スケジュールや乗継条件が問題ないか

を確認した上で、価格差が自分にとって十分なメリットと感じられるかどうかが判断のポイントになります。

チャイナエアラインを選ぶか迷ったときの判断フロー

迷ったときは、次の順番で整理すると意思決定しやすくなります。

  1. 安全性に納得できるか

    • 過去の事故経緯、現在の安全度評価、致命的事故の有無などを理解したうえで、「それでも不安が強すぎるかどうか」を自問します。

  2. 価格差に納得できるか

    • 日系や他社との価格差が、心理的な安心感を差し引いても魅力的かどうかを考えます。

  3. 同伴者(家族・パートナー)の意向

    • 自分だけでなく、家族やパートナーがどう感じているかも確認し、全員が納得できる選択を優先します。

  4. それでも迷うなら安全側に倒す

    • 航空会社に対する不信感や不安が残る状態で搭乗すると、フライト中もストレスが続きます。

    • どうしても決めきれない場合は、「より安心できると感じる航空会社」を選ぶのが結果的には得策です。


搭乗時に安全・快適に過ごすためのチェックリスト

出発前にできる安全対策チェックリスト

  • 旅行保険・クレジットカードの付帯保険の内容を確認し、遅延・欠航・手荷物トラブルが補償対象かチェックする

  • 緊急連絡先(家族・保険会社・カード会社・大使館)をスマホと紙の両方にメモしておく

  • 体調を整え、無理な乗継や過密スケジュールを避ける

  • 前日・当日に航空会社のアプリやメールで出発時刻に変更がないか確認する

機内での過ごし方と非常時の備え

  • 離着陸時はシートベルトをしっかり締め、シートは起こし、テーブルは収納しておく

  • 搭乗後すぐに、非常口の位置と安全のしおりを確認し、自分の座席から最寄りの非常口までの座席数を数えておく

  • 足元に大きな荷物を置かず、緊急時に通路へすぐ出られるようにしておく

  • シートベルトサインが消えていても、着席中は極力シートベルトを軽く締めておく

子連れ・高齢者と一緒に乗るときの注意点

  • トイレやギャレーに近い座席、通路側座席を選び、移動しやすい配置を工夫する

  • 耳抜き対策(飴・飲み物・イヤープラグ)、酔い止め、ブランケットなどを準備し、体調を優先する

  • 非常時にどのように行動するか、事前に簡単な役割分担(誰が誰を誘導するか)を話し合っておく

  • 子どもには、安全ベルトの意味や非常時の行動を、怖がらせすぎない範囲で事前に説明しておく


トラブル発生時の対処法(遅延・欠航・手荷物など)

遅延・欠航時に確認すべきことと交渉のポイント

  1. まず情報を集める

    • 公式アプリ、ウェブサイト、空港の案内表示、アナウンスで遅延・欠航の理由と見込み時間を確認します。

  2. 航空会社カウンターでの確認事項

    • 振替便の有無と、振替先の到着時刻

    • 宿泊・食事クーポンの提供有無

    • 他社便への振替の可否など

  3. 英語が苦手でも使える簡単フレーズ例

    • “My flight is delayed. What are my options for rebooking?”

    • “Do you provide hotel or meal vouchers?”

日本語対応スタッフがいない場合でも、この程度のシンプルな英語であれば十分に意図は伝わります。

手荷物トラブル(ロストバゲージ・破損)への対応

  • 受託手荷物が出てこない場合、到着ロビーを出る前に必ず航空会社・空港の手荷物カウンターで申告します。

  • 手荷物不着・破損の申告書(PIR:Property Irregularity Report)を発行してもらい、控えを保管します。

  • 後日、航空会社への補償請求や保険金請求を行う際、この書類が非常に重要になります。

旅行保険・クレジットカード保険の活用例

旅行保険やクレジットカード付帯保険では、一般的に以下のような費用が補償されることがあります。

  • 長時間の遅延に伴う宿泊費・食事代

  • ロストバゲージに伴う衣類・生活必需品の購入費

  • 欠航・遅延により参加できなかったツアー代金の一部 など

チャイナエアライン側の補償だけではカバーしきれない部分もあるため、航空券を購入する前に保険の補償内容を必ず確認しておくことをおすすめいたします。


法的・リスク面の注意点

航空運送約款と補償範囲の基本

チャイナエアラインを含むすべての航空会社には、「航空運送約款」が定められており、そこに

  • 遅延・欠航時の対応方針

  • 手荷物トラブル時の補償範囲

  • 事故時の責任の基本枠組み

が記載されています。
利用者としては、少なくとも「遅延・欠航・手荷物」の項目に目を通し、「どの範囲までは航空会社が責任を負い、それ以外は自己責任・保険でカバーするのか」を把握しておくと安心です。

国際条約(モントリオール条約等)と補償限度額の考え方

国際線の多くでは、モントリオール条約等に基づき、航空会社の賠償責任が定められています。
ここでは具体的な金額には触れませんが、ポイントは、

  • 航空会社の賠償には一定の上限(限度額)が設けられている

  • 高額な荷物・貴重品は原則として預けないことが推奨される

  • 生命や高額の損害については、別途保険で上乗せしておくのが現実的である

という点です。

リスクを許容できない人が取るべき選択肢

もし、

  • 過去の事故映像を見るだけで強い不安やストレスを感じる

  • 日系以外の航空会社に乗ること自体に抵抗がある

といった場合は、無理にチャイナエアラインを選ぶ必要はありません

  • JAL・ANA・エバー航空など、安全評価の高い他社を選ぶ

  • どうしても不安が大きい時期は、旅行自体を延期・中止する

といった選択も、長期的には安全かつ合理的な判断となり得ます。
航空機に対する不安を抱えたまま搭乗することは、精神的な負担を大きくし、旅行全体の満足度も下げてしまいます。


よくある質問(FAQ)

Q1. チャイナエアラインは今でも「空飛ぶ棺桶」と呼ばれるほど危ないのですか?
A. 過去の重大事故によりそのように呼ばれた時期はありましたが、現在は国際的な安全評価で最高ランクを得ており、2002年以降致命的事故も発生していません。現在も同じレベルで「極端に危険」と評価するのは妥当ではないと考えられます。

Q2. 2002年の611便事故以降、致命的な事故は起きていますか?
A. 公的な記録ベースでは、611便以降、チャイナエアラインで致命的事故は発生していません。2007年那覇での120便炎上事故は機体全損ではあるものの、死者は出ていません。

Q3. 安全性だけを重視するならJAL・ANA一択ですか?チャイナエアラインを選ぶ意味は?
A. JAL・ANAはもちろん世界的に見ても高い安全性を誇りますが、安全度評価の指標だけを見ればチャイナエアラインも最高評価となっています。そのうえで、料金や路線、サービスのバランスを考えると、チャイナエアラインを選ぶメリットも十分にあります。

Q4. 子ども連れでチャイナエアラインに乗っても問題ありませんか?
A. 現在の安全評価や事故記録を踏まえると、他の大手フルサービスキャリアと比べて特別に危険とはいえません。ただし、心理的な不安が強い場合は、日系などより安心できる航空会社を選ぶ方が、家族全体の満足度は高くなります。

Q5. チャイナエアラインが不安な場合、代わりにどの航空会社を選べばよいですか?
A. 日本〜台湾路線であれば、JAL・ANA・エバー航空・一部LCCなど複数の選択肢があります。安全性評価・料金・スケジュールを比較し、ご自身と同伴者が最も安心できる航空会社を選択するのが望ましいです。


まとめ:チャイナエアラインはどんな人におすすめか

チャイナエアラインは、

  • 1990〜2000年代に重大事故が集中した

  • その結果「危ない航空会社」というイメージが強く残っている

という歴史を持つことは事実です。

しかし一方で、

  • 最後の致命的事故は2002年の611便であり、それ以降致命的事故は発生していないこと

  • 国際的な安全評価で最高ランク(7/7)を得ていること

を踏まえると、現在のチャイナエアラインを「特別に危険な航空会社」と位置付けるのは適切とは言えません。

本記事の内容を総合すると、チャイナエアラインは次のような方におすすめできます。

  • LCCより安全性・サービスを重視しつつ、日系よりも費用を抑えたい方

  • 台湾乗継でアジア・オセアニアなどへ行きたい方

  • 過去の事故の歴史を理解したうえで、現在の安全評価に納得できる方

一方で、

  • 過去の事故の印象がどうしても拭えず、搭乗中も不安を強く感じてしまう方

  • 「日系以外には乗りたくない」という明確な方針をお持ちの方

にとっては、無理にチャイナエアラインを選ぶ必要はありません。
安全性の「データ」と、自分や家族の「心理的な安心感」のバランスを踏まえ、ご自身が納得できる航空会社を選択していただくことが最も重要です。