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賃貸OK!壁に穴を開けずに防犯カメラをDIY設置する完全ガイド

玄関先の不審な足音や、置き配の荷物がいつの間にか消えている――そんな不安から「防犯カメラを付けたいけれど、壁に穴は開けたくない」「賃貸だから工事はちょっと…」と悩んでいませんか。

実は、最近の防犯カメラと取り付けグッズを組み合わせれば、外壁に穴を開けなくても、賃貸でも、DIYで十分実用的な防犯環境をつくることが可能です。

本記事では、壁に穴を開けない固定方法や配線テクニックはもちろん、賃貸で気になる原状回復・法律面の注意点まで、はじめての方でも迷わず進めるステップで解説いたします。

読み終える頃には、「自分の部屋なら、この位置に、この方法で、このカメラを付ければいい」という具体的なイメージが持てる状態を目指します。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

目次

なぜ防犯カメラ設置で「壁に穴」が問題になるのか

穴を開ける主な理由は「固定」と「配線」

一般的な防犯カメラ工事では、次の3つの理由から壁に穴を開けることが多いです。

  • カメラ本体をビスでしっかり固定するため

  • カメラに電源を供給するためのケーブルを通すため

  • 録画機やルーターへつなぐ配線を通すため

屋外に設置する場合は、風雨や振動に耐えられるよう強固な固定が必要です。そのため、外壁や軒天にアンカーを打ち込み、ビスでカメラ台座を固定する工事が一般的です。

一方、本記事のテーマは「壁に穴を開けたくない」ケースです。特に賃貸では原状回復義務があるため、穴あけ工事は避けたい・そもそも禁止されていることも少なくありません。

賃貸物件ならではの注意点(原状回復・管理規約)

賃貸物件で防犯カメラを設置する際は、次の点に注意が必要です。

  • 退去時に原状回復する義務がある

  • 管理規約や賃貸借契約で、共用部への私物設置や穴あけ工事が禁止されている場合がある

  • 共用部や他人の住戸を映り込ませると、プライバシー侵害と見なされる可能性がある

そのため、「穴を開けずに設置できる方法」を選ぶと同時に、「設置場所・向き・撮影範囲」「管理会社や大家への事前相談」をセットで考えることが重要です。


壁に穴を開けずに防犯カメラを固定する6つの方法

ここでは、DIYで実践しやすい「穴あけ不要の固定方法」を6つに整理してご紹介します。

置き型・棚の上に置く(室内向け)

室内の見守りが目的であれば、最も簡単なのは「置き型カメラ」を棚やラック、テレビボードなどの上に置く方法です。

メリット

  • 工事不要で、購入後すぐに設置できる

  • 配線も電源コードのみで済むケースが多い

  • 置き場所を変えやすく、模様替えにも対応しやすい

注意点

  • 転倒・落下のリスク(地震・ペット・子どもなど)

  • 視野が限られ、死角ができやすい

  • 窓越し撮影では、ガラスの反射や夜間の映り込みが発生しやすい

室内で玄関方向を撮る場合は、玄関ドアが斜めに入る位置の棚に置くと、ドアの開閉と出入りの様子を無理なく撮影しやすくなります。

両面テープ・接着剤で固定する場合のコツと注意点

軽量なカメラであれば、強力両面テープや屋外対応の接着剤で壁面に固定する方法もあります。

ポイント

  • カメラ+台座の重量に見合う「耐荷重」と「耐候性」のあるテープ・接着剤を選ぶ

  • 貼り付け面は、油分やホコリをしっかり拭き取ってから貼る

  • 室内は比較的安全だが、屋外では温度変化や雨で劣化しやすい

賃貸での注意

  • クロス(壁紙)に直接貼ると、剥がす際にクロスごと破れる可能性が高い

  • 目立たない場所で一度テストし、「きれいにはがせるタイプ」を選ぶ

落下するとカメラ本体の破損だけでなく、通行人や車両に当たる危険もあります。屋外で長期使用する場合、両面テープ単体での固定は避け、必ず補助的な固定(結束バンドやワイヤー)も併用してください。

クランプ・アタッチメント・マグネットで柱や手すりに固定する

バルコニーの手すりやポール、室内の柱・ラックなどがあれば、クランプや専用アタッチメントを使う方法が有効です。

主なアイテム例

  • C型クランプ+カメラ用雲台

  • 手すり・ポール用の抱き合わせ金具

  • マグネット付きカメラ台座(磁性体の柱・梁に利用可)

メリット

  • 穴を開けずに高い位置へ設置しやすい

  • 角度調整の自由度が高い

注意点

  • クランプの締め付けすぎによる手すり・ポールの傷

  • サビや塗装剥がれが起きにくい場所を選ぶ

  • 屋外でマグネットを使う場合、風でずれないように補助固定を行う

突っ張り棒やスタンドで天井〜床の間に設置する

室内で天井近くから広範囲を撮影したい場合は、「突っ張り棒」や「縦型のつっぱりラック」にカメラを固定する方法もあります。

活用例

  • 玄関の脇に天井突っ張りポールを立てて、上部にカメラを固定

  • リビングの隅に突っ張り式のディスプレイラックを置き、最上段にカメラを設置

メリット

  • 壁や天井を傷つけずに高い位置へ設置できる

  • 他の収納やディスプレイと兼用できる

注意点

  • 床・天井の仕上げ材によっては、突っ張りの跡が残る場合がある

  • 転倒防止のため、耐荷重と設置高さを守る

ライティングレールを使って天井から吊るす

店舗やデザイン性の高い住宅でよく使われる「ライティングレール(ダクトレール)」を利用して、防犯カメラを吊るす方法もあります。

特徴

  • レールから直接電源が取れるタイプのカメラもあり、配線をスッキリまとめやすい

  • レール上で位置を自由に移動でき、死角を減らしやすい

ただし、ライティングレール自体を新たに設置する場合は、電気工事士の資格が必要になるケースがあります。既にレールがある物件で、そのレールに取り付けるだけのカメラを選ぶと、DIYでも導入しやすくなります。

雨樋やフェンスを活用した屋外設置のアイデア

外壁に穴を開けたくない場合、雨樋(縦樋)やフェンスを利用してカメラを固定する方法もあります。

ポイント

  • U字バンドや専用ブラケットで雨樋・フェンスを挟み込む

  • カメラの向きと高さを事前に確認し、死角を減らす

  • 配線は結束バンドで雨樋・フェンスに沿わせてまとめる

雨樋の素材によっては、長期の固定で変形する可能性もあるため、必要以上に強く締め付けないことが重要です。


穴あけ不要で配線するテクニック

固定ができても、電源や通信ケーブルが確保できなければカメラは動きません。ここでは、穴あけ不要で配線する方法をご紹介します。

窓サッシからフラットケーブルを通す方法

窓のサッシのすき間には、専用の「フラットケーブル(薄型ケーブル)」を通すことができます。

手順イメージ

  1. 屋内側のコンセント付近に録画装置や電源アダプターを設置

  2. フラットケーブルを窓枠のすき間に沿わせる

  3. ケーブルが挟まる部分に負担がかからないよう位置を調整

  4. 屋外側でカメラと接続し、防水テープやモールで保護

注意点

  • ケーブルが窓の開閉に干渉しないか確認する

  • 防水テープや配線カバーで雨・紫外線対策を行う

エアコンのダクト穴・換気口・床下換気口を利用する

既に開いている穴(エアコンのダクト、換気口、床下換気口など)を配線に流用する方法も一般的です。

メリット

  • 新たに穴を開ける必要がない

  • 配線を目立たせず、見た目をスッキリさせやすい

注意点

  • ダクトや換気口の構造によっては、防水・気密処理が必要

  • 無理にケーブルを通すと断線・損傷の原因になる

構造が複雑な場合や、防水処理が難しい場合は、無理をせず業者に相談することをおすすめします。

電源の取り方と、コードを目立たせない工夫

電源の基本的な考え方

  • 室内のコンセントから電源アダプターを取り、窓サッシやダクトを経由して屋外カメラに供給する

  • 室内用カメラであれば、コンセント近くの棚やラック上に設置する

見た目を整える工夫

  • 壁と同色の配線カバー(モール)を使う

  • 床や巾木に沿ってケーブルを這わせ、養生テープで仮止めした上からモールで隠す

コードの「つまずき事故」を防ぐためにも、足元を横切る配線は極力避けるか、しっかり固定しておくことが重要です。

完全ワイヤレス・ソーラー式カメラのメリット・デメリット

「穴を開けたくないなら、ワイヤレスカメラにすればいいのでは?」と思われがちですが、屋外用ワイヤレスカメラには注意点もあります。

メリット

  • 室内側への配線が不要、あるいは最小限で済む

  • バッテリー式やソーラー式なら、近くにコンセントがなくても設置しやすい

デメリット

  • 結局、どこかで「充電」または「電源ケーブル」が必要

  • Wi-Fi電波が弱い場所では、映像が途切れたり録画に失敗したりする

  • 安価な海外製品では、セキュリティ上のリスクが指摘されているものもある

「完全に配線ゼロ」で済ませようとするのではなく、「電源の取り方とWi-Fi環境」をセットで検討することがポイントです。


シーン別・防犯カメラDIY設置レシピ

ここからは、代表的な設置シーンごとに、「どこに」「どうやって」設置するかのイメージを具体化していきます。

玄関ドア周りを撮りたい場合(室内側から/外側から)

室内側から玄関を撮る場合(賃貸向けおすすめ)

  • 室内用カメラを玄関脇の棚や壁側のキャビネット上に置く

  • 玄関ドアと足元がフレーム内に入る高さ・角度を調整

  • 電源コードは巾木沿いにモールで隠す

この方法であれば、共用廊下側を直接撮影せずに「来客の顔」と「室内への侵入」の記録を残せます。

玄関の外側を撮りたい場合

  • ドアの上部や横の壁に穴を開けず、ドア枠・ポーチ柱・手すりなどにクランプで固定する

  • 共用廊下を広く映しすぎるとトラブルになりやすいので、撮影範囲は必要最小限に絞る

  • 共用部を撮影する場合は、必ず管理会社や大家に相談し、承諾を得る

共用廊下・共用エントランスを映したい場合のマナー

共用廊下やエントランスは、「他の入居者も日常的に利用する場所」であり、プライバシーへの配慮がより重要です。

  • 個人判断で勝手にカメラを設置しない

  • まずは管理会社・大家に相談し、建物全体の防犯カメラ設置を提案する

  • 設置する場合は、「防犯カメラ作動中」のステッカーを掲示し、目的を明示する

個人情報保護法の観点からも、「何のために撮影しているのか」「誰が映像を管理するのか」を明らかにすることが求められます。

ベランダ・窓際に向けて設置する場合

ベランダ・窓際は、防犯とプライバシーの線引きが難しい場所です。

基本方針

  • 自室ベランダの出入り口や手すり付近を中心に撮影し、隣戸のベランダや室内が画角に入らないようにする

  • 必要以上に広い範囲を撮らない(ズーム機能や画角調整で対応)

設置例

  • ベランダの室外機の上に小型三脚+カメラを置く

  • 手すりにクランプで固定して、自室側に向ける

「隣の部屋のベランダや室内を覗き込むような角度」は明確にアウトですので、設置前にスマホアプリで実際の画角を確認しておくことをおすすめします。

駐車場や自転車置き場を監視したい場合

戸建てや専用駐車場付き賃貸では、車や自転車の盗難対策として防犯カメラを設置したいというニーズが多くあります。

穴あけ不要の設置アイデア

  • カーポートの柱にクランプ+屋外用カメラを固定

  • フェンスにブラケットで挟み、駐車スペース全体が入るように調整

  • 室内からエアコンダクトや床下換気口経由で配線を通す

駐車場の出入り口付近を広く撮ることで、ナンバープレートや不審者の動線を記録しやすくなります。


賃貸でトラブルを避けるための法律・マナー基礎

個人情報保護法とプライバシーの考え方

防犯カメラに映る「顔」「行動」は、個人情報に当たる可能性があります。

個人で防犯カメラを設置する場合でも、次の点を意識してください。

  • 撮影目的を「防犯」に限定し、他の目的で利用しない

  • 長期間の無制限な保存は避け、一定期間で上書きされる設定にする

  • できるだけ不特定多数が行き交う共用部ではなく、自室の出入り口や専用使用部分を中心に撮影する

管理会社・大家に相談するときのポイント

共用部にカメラを向ける可能性がある場合は、必ず事前に管理会社や大家に相談してください。

相談時には、次の内容を簡潔にまとめるとスムーズです。

  • 設置したい理由(例:不審者の出入りが多い、盗難被害があった など)

  • 設置場所とカメラの向き(簡単な図や写真があるとベター)

  • 映像の保存方法と閲覧者(自分だけ/警察から要請があった場合のみなど)

管理側としては、「他の入居者とのトラブルを避けられるか」「建物の美観を損なわないか」が気になる点です。それらに配慮した提案を心がけましょう。

共用部を撮影する際の注意点とステッカー表示

共用部にカメラを設置する場合、多くの解説では「カメラ作動中の表示(ステッカー等)が望ましい」とされています。

  • カメラがあることを分かりやすく表示する

  • 連絡先や管理者名を明示しておくと、安心感が高まる

表示を行うことで、「隠し撮り」ではないことが明確になり、防犯効果の向上も期待できます。


DIYでも失敗しない防犯カメラの選び方

室内用・屋外用の違いと最低限のスペック

防犯カメラは、使用場所に応じて「屋内用」「屋外用」に大きく分かれます。

屋内用の特徴

  • 防水・防塵性は限定的だが、そのぶんコンパクトで安価なものが多い

  • ペット・子どもの見守り用途に適している

屋外用の特徴

  • 防水・防塵性能(IP規格)を備え、雨にさらされても運用できる

  • 夜間撮影(赤外線LEDなど)に対応したモデルが一般的

画素数は、200〜400万画素(フルHD〜2K程度)が標準的なラインとされています。

画素数・夜間撮影・保存方法(クラウド/ローカル)をどう選ぶか

画素数

  • ナンバープレートや顔認識を重視するなら、最低でもフルHD(約200万画素)以上

  • 高画質にしすぎると、保存容量(クラウド料金・SDカード容量)が増える点に注意

夜間撮影

  • 赤外線LEDによるモノクロ撮影タイプ

  • カラー夜間撮影(スターライト)対応タイプ

保存方法

  • microSDカードにローカル保存:月額費用を抑えたい方向け

  • クラウド録画:機器の盗難・破損に備えたい場合に有効

賃貸ユーザーの場合、まずは「室内用カメラ+クラウド録画」など、工事が要らず撤去もしやすい組み合わせから始めると、引っ越し時の流用もしやすくなります。

賃貸向けにおすすめのタイプ(置き型・電池式・ソーラー式)

  • 室内の玄関・廊下用
    置き型Wi-Fiカメラ(電源コードのみ)、動体検知・スマホ通知付き

  • ベランダ・駐車場用(近くにコンセントがない)
    電池式/ソーラー式の屋外用ワイヤレスカメラ+Wi-Fi接続

  • 配線が面倒な場合
    完全ワイヤレスカメラで試し設置 → 使い勝手が良ければ、必要に応じて有線タイプに切り替え


DIYで難しい場合はプロに相談を

プロに任せた方がよいケースの例

次のようなケースでは、DIYで無理をせず専門業者への相談を検討してください。

  • 高所作業が必要(2階の軒下など)で、転落リスクが高い

  • 配線経路が複雑で、防水・防火・気密性能への影響が心配

  • ブレーカーからの専用回路増設など、電気工事士の資格が絡む作業が必要

防犯カメラは「いざという時の証拠」を残すことが目的です。設置不良で録画できていなければ意味がないので、不安を感じる部分はプロの手を借りる方が結果的に安心・安全です。

DIYと業者依頼の費用感と選び方

DIYの特徴

  • 機器代のみで済むケースが多く、初期費用を抑えやすい

  • 設置や設定を自分で把握することで、トラブル時の対処もしやすい

業者依頼の特徴

  • 設置環境に応じたベストな機器・配線ルートの提案が期待できる

  • 工事保証やアフターサービスが付くことが多い

まずは本記事でご紹介したような「穴あけ不要の簡易設置」から試し、必要性や運用感を確認したうえで、本格的な防犯対策が必要であれば業者への相談を検討する、というステップアップ方式がおすすめです。