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ビジーボード手作りは危ない?専門情報から見るリスクと安全な作り方ガイド

「ビジーボードを手作りしてあげたい。でも、本当に安全と言い切れるのだろうか──。」
SNSや動画サイトでおしゃれなビジーボードの作例を目にし、「100均の材料で作れるならやってみたい」「指先の発達にも良さそう」と感じた一方で、「ビジーボード 手作り 危ない」と検索してしまうご自身に、少し不安を覚えていらっしゃるかもしれません。

実際、ビジーボードはアイデア次第でとても魅力的なおもちゃになりますが、パーツ選びや作り方を誤ると、誤飲・窒息・ケガなど、乳幼児にとって深刻な事故につながるおそれもあります。特に、SNSでよく見かける「巻き取り式メジャー」「小さな金具」「ボタン電池を使ったライト」などは、見た目はおしゃれでも、安全の観点では慎重な判断が必要なパーツです。

本記事では、「危ないからやめましょう」と一方的に否定するのではなく、日本の玩具安全基準や誤飲サイズの目安といった公式情報を踏まえながら、「どこが危険になりやすいのか」「どこまでなら工夫しだいでリスクを下げられるのか」を分かりやすく整理します。さらに、危険なパーツの具体例と安全寄りの代替アイデア、設計・材料選び・組み立て・完成後チェックまでのステップ、そして手作り・市販品・代替玩具の比較まで網羅的に解説いたします。

読み終えていただくころには、「うちの子の月齢と環境なら、ビジーボードを手作りするのが良いのか」「市販品や別のおもちゃの方が安心なのか」を、ご自身で納得して判断できる状態になることを目指しています。お子さまの「やってみたい」を育みながら、安全もきちんと守るための判断材料として、本記事をご活用いただけましたら幸いです。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

この記事のまとめ

ビジーボードの手作りは、一見すると「コスパが良くておしゃれな知育玩具作り」に見えますが、その裏側には、誤飲・窒息・ケガ・紐の巻き付き・素材の安全性といった、複数のリスクが潜んでいます。「危ない」と言われる理由は、決して大げさでも不安をあおるためでもなく、実際に乳幼児の事故の多くが“小さな部品”や“想定外の使い方”から起きているという現実に基づくものです。

一方で、「絶対に手作りしてはいけない」というわけでもありません。トイレットペーパー芯を通るサイズの部品は使わない、紐やチェーンはそもそも採用しない、ボタン電池やバネ付き金具は避ける、といったルールを徹底し、日本の玩具安全基準や誤飲サイズの目安を参考にしながら、設計・材料選び・組み立て・完成後チェックを丁寧に行えば、リスクを大きく下げることは可能です。

目次

ビジーボードの基礎知識:どんなおもちゃで、何歳向けか

ビジーボードとは?SNSで流行した背景

ビジーボード(Busy Board)は、板状の土台に

  • 鍵・ラッチ・蝶番

  • スイッチ・ボタン

  • ファスナー・ベルト・紐

  • 車輪・ローラー

などの仕掛けを複数取り付け、子どもが「押す・引く・回す・留める」といった動きを楽しめるようにした遊具です。

身の回りの道具に興味を持ち始める1〜3歳ごろの子どもにとって、指先を使う遊びが詰まったおもちゃとして人気が高まりました。木の板と市販の金具などで比較的簡単にDIYできること、見た目がおしゃれになりやすいことから、SNSで多くの作例がシェアされ、ブームのような広がりを見せています。

モンテッソーリ教育との関係と賛否

ビジーボードは「モンテッソーリ風おもちゃ」として紹介されることが多くあります。モンテッソーリ教育では、日常生活の練習や感覚遊びを通じて自立心・集中力を育むことが重視されており、ビジーボードに含まれる動作(ボタンを留める、ファスナーを上げ下げする等)は、確かにその一部と重なる側面があります。

一方で、モンテッソーリ教育の本来の考え方では、

  • 「できる限り本物の道具に触れること」

  • 「目的がはっきりした活動に集中すること」

が重要とされており、多数の仕掛けが一枚に詰め込まれたビジーボードは、刺激が多すぎて集中しづらいという指摘もあります。

したがって、「モンテッソーリだから必須のおもちゃ」というわけではなく、「使い方によってはメリットもデメリットもあり得る遊具」と捉えるのが現実的です。

対象年齢の目安と、月齢による注意ポイント

一般的には1〜3歳前後が対象とされることが多いですが、月齢によって注意点は大きく変わります。

  • 0歳〜1歳前半

    • 何でも口に入れて確かめる時期で、誤飲リスクが非常に高いです。

    • 小さな部品が1つでも剥がれると危険なため、「かなり大きいパーツのみ」「非常に頑丈な作り」でない限り、ビジーボードを積極的に勧めにくい時期です。

  • 1歳後半〜2歳ごろ

    • 指先の動きが発達し、仕掛け遊びを楽しめるようになります。

    • ただし誤飲リスクはまだ高く、「部品のサイズ」「外れにくさ」のチェックが必須です。

  • 2〜3歳ごろ

    • 仕掛けのルールを理解できるようになり、より複雑な遊びも楽しめます。

    • 誤飲リスクはやや下がるものの、紐・チェーン・劣化したパーツなどには引き続き注意が必要です。

兄弟がいるご家庭では、上の子には問題ないサイズのパーツが、下の子には誤飲サイズになるといった状況が発生しやすいため、特に慎重な判断が求められます。


手作りビジーボードが危ないと言われる具体的な理由

誤飲・窒息リスク(小さな部品・ボタン電池・ビーズ等)

乳幼児の事故のなかでも、とくに重篤になりやすいのが「誤飲・窒息」です。小さな部品やボタン電池などが気道に詰まる、もしくは体内で化学的なダメージを与えるケースが問題となっています。

ビジーボードDIYでは、次のような点が誤飲・窒息リスクになりやすい部分です。

  • 小さなネジ・ナット・ワッシャー

  • 100均などの小さなボタン・ビーズ・マグネット

  • ボタン電池で光るライトや小型の電子玩具

  • 小さなキャスター・車輪・回転するパーツ

DIYでは、「最初はしっかり固定されているように見えても、遊んでいるうちに少しずつ緩む・壊れる・外れる」ということが起こり得ます。とくに接着剤のみで付けた小さな部品は、大人の想定以上に外れやすいと考えた方が安全です。

ケガ・挟み込み・鋭利な部分(角・金具・バネ)

ビジーボードに使われがちな金具類(鍵、ラッチ、バネ付き金具など)は、本来家具や扉用として設計されており、乳幼児の玩具としての使用は想定されていません。

そのため、

  • 金具の隙間に指を挟む

  • バネの反動で顔や目を打つ

  • 飛び出したネジや鋭い角で皮膚を切る

といったケガのリスクがあります。

板の角が尖っている、ヤスリがけが不十分、ネジの頭が飛び出しているなど、仕上げが甘い部分もケガの原因になりやすいため、DIYでは特に注意が必要です。

紐・チェーンによる首や指の巻きつきリスク

紐やチェーンは一見安全そうに見えても、使い方次第で命に関わるリスクを生むパーツです。

  • 長い紐が首にかかり、体重がかかった状態になる

  • 輪になった紐に頭や首が通ってしまう

  • 細い紐やチェーンが指にきつく巻き付き、血流障害を起こす

ビジーボード周辺に登れる家具やクッションがあると、子どもがよじ登ることで紐やチェーンが思わぬ角度から首や体に絡む可能性もあります。「おとなしい遊びだから」と油断せず、紐類は慎重に扱う必要があります。

素材・塗料・接着剤の安全性(有害物質・剥がれ・誤飲)

DIYでは、ホームセンターや100均で販売されている塗料・ニス・接着剤などを使う場面が多くあります。ただし、それらは必ずしも「乳幼児が直接触る・舐める」ことを想定していません。

  • 溶剤や添加物により、有害物質が溶け出す可能性

  • 剥がれかけた塗膜や接着剤の塊を誤飲する可能性

といったリスクがあります。

市販の乳幼児向け玩具の多くは、玩具の安全基準や食品衛生法などの試験を通過した素材を使用していますが、DIYではその部分を保護者自身が判断・管理することになります。そのため、「とりあえず家にある塗料・接着剤」で済ませるのではなく、表示を確認し、より安全性に配慮された製品を選ぶ視点が大切です。


手作り前に知っておきたい公式の安全基準とサイズ目安

日本の玩具安全基準(STマーク・小部品シリンダーとは)

日本玩具協会が定める「STマーク」は、玩具の安全性を確かめる目安の一つです。特に3歳未満の子ども向け玩具では、

  • 小さな部品が誤飲サイズかどうか

  • どの程度の力で外れてしまうか

などについて細かな試験が行われます。

ここで用いられるのが、

  • 小部品シリンダー:直径約31.7mmの円柱を斜めに切った形状の測定器

  • 小球ゲージ:直径44.5mmの球が通るかを見る器具

といった専用ゲージです。これらにすっぽり入ってしまう部品は、3歳未満では誤飲の危険がある「小さな部品」と判断されます。

DIYでこれらの専用器具を準備するのは現実的ではありませんが、「どれくらいのサイズが危険なのか」の感覚をつかむ上で重要な考え方です。

誤飲サイズの目安:トイレットペーパー芯・39mm×51mmルール

家庭で簡単に確認できる目安としてよく紹介されるのが、

  • トイレットペーパーの芯を通る大きさは誤飲・窒息の危険がある

  • 39mm×51mm程度の楕円形に収まるものは危険サイズと考える

というルールです。

ビジーボードに取り付けるパーツについては、

  • トイレットペーパーの芯を通るサイズのものは使わない

  • それより小さい部品が、一つも付いていないかを確認する

という点を最低ラインの基準として意識しておくと良いです。

紐の長さ・輪の大きさなど、首吊り・巻きつき防止の考え方

紐やチェーンに関しても、細かな基準が存在しますが、DIYでは以下の「考え方」を押さえておくことが重要です。

  • 輪を作らない
    紐やコード類で首や頭が通る輪を作らないようにします。両端を固定して輪を作らない、結び方にも注意する、といった配慮が必要です。

  • 長すぎる紐を使わない
    子どもの首や体に巻き付くほどの長さは避けます。どうしても必要な場合も、極力短くし、周囲に引っかかるものがない配置にします。

  • そもそも紐を使わない選択も検討する
    0〜2歳のお子さま向けであれば、紐・チェーン類を使わない構成にすることが最も安全です。


危険になりやすいパーツ例と、安全な代替アイデア

使用を避けたい・特に注意すべきパーツ一覧

とくに危険度が高い、または注意が必要と考えられるパーツ例は以下のとおりです。

  • 巻き取り式メジャー(伸びるタイプ)

  • ハンドスピナー(小さな部品が外れやすく、指を挟むおそれ)

  • ボタン電池で光るライト・小型電子玩具

  • バネ付きの留め金・強い力で動く金具

  • 先端が尖ったネジ・釘・金属パーツ

  • 小さなボタン・ビーズ・マグネット

  • 細く長いチェーン・細い紐

0〜2歳児向けのビジーボードでは、これらのパーツは原則使わない判断が安全側です。

比較表:危険度が高いパーツ vs 代わりに使えるパーツ

危険になりやすいパーツ危険なポイント代わりに使えるアイデア例
巻き取り式メジャー紐が伸びて首・体に巻き付きやすい布テープを短く固定し、「めくる・貼る」遊びにする
ハンドスピナー小部品が外れやすい/回転部で指を挟み得る大きめの木製円盤をネジでしっかり固定し、「回す」のみに
小さなボタン・ビーズ誤飲・窒息のリスクが高い直径4cm以上の大きな木製ボタンや布のアップリケ
ボタン電池付きライト誤飲時に重篤化しやすい電池を使わない色パネル・窓の開け閉め遊び
細く長いチェーン首や指に巻き付くおそれ太めの布ベルト(輪にしない)、マジックテープなど
先端が尖った金具・ネジ目や顔を傷つける・引っかき傷の原因角を丸めた木製パーツ+ネジ頭を埋める、カバーを付ける

※表の「代わりに使えるアイデア」も、対象年齢や作り方によっては危険となり得ます。必ず後述のチェックリストと合わせて安全性をご判断ください。

100均素材を使うときの限界と注意点

100均の素材は手軽でコストも抑えられますが、

  • 乳幼児向け玩具としての安全試験を想定していないことが多い

  • 対象年齢が「7歳以上」など、そもそも赤ちゃん向けでない商品が多い

といった点を理解しておく必要があります。

最低限、以下の点は必ず確認することをおすすめいたします。

  • パッケージの「対象年齢」を確認し、3歳未満のお子さま向けに使わない

  • 大人が強く引っ張る・ねじるなど負荷テストを行い、それでも外れないか確認する

  • 経年劣化しやすい素材(細いプラスチック部品など)は避ける


安全なビジーボードを手作りする手順とチェックリスト

STEP1:設計前のチェック(年齢・設置場所・遊び方を決める)

作り始める前に、次の点を整理しておきます。

  • 対象とする子どもの年齢(月齢)

  • ビジーボードを置く・固定する場所(床置き・壁掛けなど)

  • 遊ぶ人数(ひとり、兄弟複数、園児など)

  • 遊ぶときの見守り体制(常時大人が近くにいるか)

【設計前チェックリスト例】

  • 対象はおおよそ1歳後半以上で、0歳前半は別のおもちゃを優先する方針とした

  • 兄弟がいる場合、下の子が届く位置やタイミングを考慮している

  • よじ登れる家具やクッションを近くに置かない配置を検討した

  • 大人がすぐに手を伸ばせる場所に設置する前提で考えている

STEP2:材料選び(板・金具・布・塗料・接着剤)

板(ベース)

  • 厚みがあり(目安として15mm以上)、反りにくい板材を選びます。

  • 角や縁は丸く加工し、全体をヤスリでなめらかに整えます。

金具・パーツ

  • 部品のサイズは「トイレットペーパーの芯を通らない」ことを最低基準とします。

  • 指を挟みやすいラッチ、強いバネで勢いよく動く金具は避けます。

  • ボタン電池を使用するパーツは、原則使わない方針とします。

塗料・接着剤

  • 「玩具対応」「食品衛生法適合」など安全性が明示されている製品を優先します。

  • 屋外用・工業用など、溶剤が強いものは避けます。

  • 接着剤のみで部品を留めるのではなく、ビス・ネジ・縫い付けなどを主として使用し、接着剤は補助と考えます。

STEP3:組み立てのポイント(固定方法・裏面処理・耐久性)

固定方法

  • 小さな部品ほど、ビス・ネジ・縫い付けなど複数の方法でしっかり固定します。

  • ネジ頭は子どもの指が引っかからないように、板に埋めるかカバーを取り付けます。

  • 裏面から出るネジは、短いものを使う、もしくは別の板で覆うなどし、触れない構造にします。

裏面処理

  • 裏面に飛び出したビス・釘・金具を残さないよう徹底します。

  • 壁掛けの場合も、子どもが裏側に回り込む可能性を考慮し、裏面も安全な処理を行います。

大人による負荷テスト

  • 各パーツを大人がかなりの力で引っ張る・押すなどして、外れないか確認します。

  • 少しでも不安を感じるパーツは、思い切って採用を見送る判断も重要です。

STEP4:完成後の安全チェックリスト(定期点検用)

完成時だけでなく、定期点検を前提にチェックリストを活用します。

【完成後チェックリスト例】

  • トイレットペーパー芯を通るサイズの部品が一切ない

  • 紐やベルトが首に回る長さになっていない、輪もつくっていない

  • 木のささくれや尖った角が残っていない

  • ビス・ネジ・金具の頭が飛び出しておらず、触れても痛くない

  • 塗装の剥がれ・ひび割れ・べたつきがない

  • 強く引っ張って外れそうな部品がない

  • 遊ばせる前に、毎回ざっと目視で点検する習慣を持てている


手作りと市販品、そもそも作るべきか?比較と判断の目安

手作りビジーボードのメリット・デメリット

メリット

  • 子どもの興味や家庭のインテリアに合わせて自由にカスタマイズできる

  • 制作過程そのものが保護者にとって楽しく、思い出にもなる

  • 工夫次第で材料費を抑えることもできる

デメリット

  • 安全性・耐久性について、公的な試験を経ていないため、責任は保護者に委ねられる

  • 安全性を高いレベルで確保しようとすると、相応の知識と手間が必要

  • 完成後も、壊れた場合の修理や定期的な点検など、継続的な管理が必要

市販ビジーボードのメリット・デメリット(安全基準・コスト)

メリット

  • STマークや各種安全試験をクリアした製品を選べるケースが多い

  • パーツのサイズ・紐の長さ・角の丸みなどが設計段階から考慮されている

  • 対象年齢、使用上の注意、破損時の対応などが明示されている

デメリット

  • 手作りに比べて本体価格が高くなることが多い

  • パーツ構成やデザインを細かく指定することは難しい

ビジーボード以外のおすすめ代替玩具(積み木・型はめ等)

ビジーボードにこだわらなくても、同じように指先や日常動作の発達を促せるおもちゃは多数あります。

  • 大きめの木製積み木

  • 誤飲サイズ以上のピースで構成された型はめ・パズル玩具

  • すべてのパーツが縫い付けられた布絵本・布おもちゃ

  • マジックテープで貼る・はがす遊びのおもちゃ

ビジーボード手作りに不安がある場合、これらの代替玩具を選択することは、安全面から見ても十分合理的な判断です。


遊ばせるときの見守りポイントとトラブルシューティング

遊ぶ前に毎回確認したいポイント

ビジーボード自体の設計・素材を安全側で作っても、経年劣化や使用状況によりリスクは変化します。遊ぶ前には、次のような点を簡単に確認することをおすすめいたします。

  • パーツが緩んでグラグラしていないか

  • 割れ・欠け・ヒビが入った部品がないか

  • 床や周囲に小さな部品が落ちていないか

  • 紐やベルトが、他の家具・おもちゃに絡んでいないか

これらを1分程度でチェックするだけでも、リスク低減につながります。

「何かおかしい」と感じたときの対処(壊れた・パーツが取れた等)

  • 「少し危ないかもしれない」と感じた段階で、その部分だけでなくビジーボード全体の使用を一時中止します。

  • 破損したパーツは、修理しても安全性を確保できないと判断される場合、迷わず廃棄します。

  • 「もったいない」「せっかく作ったのに」という気持ちは当然ですが、乳幼児のおもちゃについては、常に子どもの安全を最優先にすることが重要です。

誤飲・窒息が疑われるときの基本対応と、迷ったら相談すべき窓口

誤飲・窒息が疑われる場合は、本記事の情報に頼りすぎず、速やかに専門家につなぐことが何より大切です。

  • 意識がない・呼吸が苦しそうなど緊急性が高い場合は、ただちに119番通報を検討します。

  • 迷う場合は、各自治体の「小児救急電話相談(#8000など)」や、かかりつけ小児科への電話相談を活用する方法があります。


よくある質問(FAQ)

0歳でもビジーボードで遊ばせて良いですか?

0歳〜1歳前半は、何でも口に入れて確かめる発達段階にあり、誤飲リスクが特に高い時期です。小さな部品が一切なく、舐めても安全な素材のみで構成され、大人が常にそばで見守る条件であれば検討の余地はありますが、一般的には、よりシンプルで安全性の高い布おもちゃやガラガラなどを優先することをおすすめいたします。

100均パーツだけで安全に作ることはできますか?

100均のパーツのみで「安全」と言い切ることは難しいです。商品ごとに対象年齢や強度が異なり、乳幼児向け玩具としての試験を想定していない製品も多いためです。どうしても使用する場合は、

  • 対象年齢表示を必ず確認する

  • 小さな部品は使わない

  • ビスや縫い付けでしっかり固定し、接着剤のみに頼らない

といった安全側の判断が必須となります。

紐やチェーンは一切使わない方が良いですか?

0〜2歳のお子さま向けであれば、「紐・チェーンは使わない」構成が最も安全です。どうしても取り入れたい場合でも、

  • 短くする(首に一周巻き付かない長さ)

  • 輪にしない

  • 細い紐やチェーンではなく、太めの布ベルトなどにする

など、慎重な配慮が求められます。

一度作ったビジーボードのパーツを後から付け足しても大丈夫ですか?

成長に合わせてパーツを付け足すこと自体は可能ですが、そのたびに、

  • 追加したパーツが誤飲サイズではないか

  • 既存の構造と干渉して、新たな危険(紐が絡みやすくなる等)を生んでいないか

を再度確認する必要があります。安全性に少しでも不安を感じる場合は、新しいパーツを追加するのではなく、別のおもちゃで遊びを増やす方が安心です。


まとめ:ビジーボード手作りの「危ない」を「安心」に近づけるために

記事全体の要点整理

  • ビジーボードDIYは、工夫しだいで魅力的なおもちゃになり得ますが、誤飲・窒息・ケガ・化学物質など複数のリスクを内包しています。

  • 日本の玩具安全基準(STマーク、小さな部品の基準)や誤飲サイズの目安を参考に、「トイレットペーパー芯を通るサイズの部品は使わない」など、家庭での実践的なルールに落とし込むことが重要です。

  • 伸びるメジャー、小さなボタン・ビーズ、ボタン電池、細いチェーンなど、危険になりやすいパーツは原則使用しない方針が安全です。

  • 設計前・材料選び・組み立て・完成後チェックの各段階でチェックリストを活用し、「作って終わり」ではなく「定期的に見直す」おもちゃと捉えることが大切です。

  • ビジーボードにこだわらず、積み木や布絵本など、よりシンプルで安全性の高い代替玩具も有力な選択肢です。

これから作る人・既に作っている人それぞれへのアドバイス

  • これから作るご家庭へ
    まず「本当にビジーボードを手作りする必要があるか」を一度立ち止まって検討し、それでも作る場合は、本記事の安全基準やチェックリストを前提に設計してください。

  • すでに作っているご家庭へ
    一度しっかりと見直しを行い、危険なパーツが含まれていないか、劣化している部分がないかを確認してください。場合によっては、パーツの撤去やビジーボード自体の廃棄も含め、安全を最優先にご判断いただくことをおすすめいたします。

仕様変更・成長に応じて定期的に見直すことの重要性

子どもは日々成長し、身体能力も興味の対象も変化していきます。同じビジーボードでも、

  • 小さいころは危険だったパーツが、成長後は適切になる場合

  • 逆に、劣化や破損により新たな危険が生じる場合

があります。

ビジーボードを手作りする場合は、「完成品」ではなく「メンテナンスが必要なおもちゃ」と捉え、定期的な点検と、成長に合わせた見直しを行うことが、危険を「できる限り小さくする」ための鍵となります。