ブロック注射を受けたあと、「すぐ効くはずなのに変わらない」「数時間で戻った気がする」「このしびれやだるさは大丈夫?」と不安になる方は少なくありません。さらに、仕事や家事の都合で休めないと、運転や入浴、勤務ができるかどうかまで現実的な悩みになります。
ただ、ブロック注射の効き目は“ひとつの時間”で語れないのがポイントです。注射直後〜数時間に出やすい体感もあれば、翌日〜数日かけて「動きやすさ」や「寝やすさ」として効いてくることもあります。反対に、いったん楽になってから戻るように感じても、必ずしも失敗とは限りません。
この記事では、効き目の時間を「直後〜数時間」「翌日〜数日」「数日〜数週間」の3つに分けて、よくある経過と正常範囲、当日の過ごし方を整理します。あわせて、効かない・短いと感じる原因の見分け方、そして迷ったときに確認したい“受診の目安”まで、判断に必要な情報をひとつずつ分かりやすくまとめます。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
ブロック注射の効き目時間はいつから体感できる
直後から数時間で起きやすい体感
ブロック注射では、痛みを伝える神経の近くに薬を入れて、痛みの信号を通りにくくしたり、炎症の影響を和らげたりします。注射の種類や部位、使う薬剤にもよりますが、早い人は数分〜数十分で体感が変わることがあります。
この「直後〜数時間」に起こりやすい体感は、次のようなものです。
-
痛みが軽くなる、動かしやすくなる
-
しびれた感じ、感覚が鈍い感じ
-
体の一部に力が入りにくい、重だるい
-
注射部位の違和感、筋肉痛のような痛み
-
ふらつき、血圧が下がった感じ(特に硬膜外などで起こることがある)
-
まぶたが重い、のどがかすれる、鼻が詰まる(星状神経節ブロックで説明されることがある)
ここで大事なのは、「しびれや脱力=異常」と即断しないことです。局所麻酔薬が効くと、痛みだけでなく感覚や筋力にも影響が出ることがあります。つまり、効いているからこそ起こる体感も含まれます。
一方で、同じように見える症状でも、“危険なサイン”が紛れていることがあります。例えば、しびれ・脱力が時間とともに強くなる、左右差が急に大きくなる、立てないほど悪化する、意識が遠のく、息苦しさや発疹が出る、といった場合は自己判断せず医療機関へ連絡したほうが安全です。局所麻酔薬の中毒症状は、口の周りのしびれ、ふらつき、耳鳴り、視覚の異常、興奮、けいれんなどが挙げられており、稀でも見逃したくないポイントです。
また、直後にあまり変化がなくても、それだけで「効いていない」とは言い切れません。痛みの原因が複合している(神経+筋肉、関節など)場合や、炎症が強い場合、注射の狙いが「診断の手がかり」や「悪循環を切ること」に寄っている場合は、体感がゆっくり出ることがあります。
直後〜数時間のセルフチェック(目安)
-
しびれ・脱力は「同じ程度で徐々に軽くなる」方向か
-
痛みはゼロでなくても「動かしやすさ」や「恐怖感の軽減」があるか
-
ふらつき、動悸、息苦しさ、発疹、意識の変化はないか
-
尿が出にくい、強い頭痛が出たなど“いつもと違う”変化はないか
この段階では、無理に動いて効き目を試すよりも、医療機関に案内された注意点に従い、まずは安全に落ち着いて過ごすことが重要です。
翌日から数日で軽くなるパターン
ブロック注射は「打った瞬間に痛みが消える」ことだけがゴールではありません。注射後しばらくしてから、「朝の痛みが少し軽い」「動き始めが楽」「夜に眠りやすい」といった形で効いてきたと感じる人もいます。
翌日〜数日で起きやすい変化の例は次の通りです。
-
鋭い痛みが減り、鈍い重さに変わる
-
痛みの範囲が狭くなる/広がり方が弱くなる
-
体をかばう動きが減り、結果的に筋肉がこわばりにくくなる
-
「痛いから動けない」が「痛いけど動ける」に変わる
-
痛み止めの回数が減る、睡眠が改善する
ポイントは、効き目を「痛みがゼロかどうか」だけで判断しないことです。痛みは0/10にならなくても、生活の困りごと(椅子から立てない、靴下が履けない、寝返りで目が覚める等)が改善していれば、それは大切な“効き目”です。
ここでおすすめなのが、同じ動作で比較することです。
例えば「朝起きて最初の一歩」「車の乗り降り」「階段」「洗顔で前かがみ」「寝返り」など、痛みが出やすい動作を1〜2個決めておき、注射前と注射後で“できる度合い”を比べます。こうすると、感覚のブレが減り、医師にも説明しやすくなります。
数日から数週間続く軽減が起きる理由
「局所麻酔は数時間程度と聞いたのに、数日ラクが続いている(または逆に、数時間で戻った)」という話はとても多いです。ここを理解すると不安がかなり減ります。
一般に、局所麻酔薬そのものの作用時間は長くありません。しかしブロック注射では、局所麻酔薬にステロイドを加えることがあり、その場合は抗炎症・抗浮腫の目的で、痛みが長期間軽減することがあると説明されています。
加えて、痛みには「悪循環」があります。
痛い → 筋肉がこわばる → 血流が落ちる → 動きが減る → さらに痛みが増幅する、という循環です。ブロック注射で一時的に痛みが弱まると、体が必要以上に緊張しなくなり、この悪循環がほどけて、麻酔が切れたあとも“痛みが育ちにくい状態”になることがあります。だから「翌日以降に効いてきた」「数日ラクが続いた」と感じることがあるのです。
逆に言えば、悪循環をほどく前に、仕事や家事で無理をして負担が再びかかると、早めに戻ったように感じることもあります。注射は魔法ではなく、「立て直すためのチャンス」と捉えるほうが現実的です。
ブロック注射の持続時間は何で変わる
痛みの原因と炎症の強さで差が出る
持続時間が人によって大きく違うのは、痛みの原因が同じではないからです。例えば、同じ腰の痛みでも、神経の炎症が主な人、筋肉の緊張が主な人、関節が主な人、複合している人がいます。痛みが強く長引くほど、体は“痛みに敏感な状態”になりやすく、少しの刺激でも痛く感じやすくなります。
また、炎症が強い状態では、注射で一時的に楽になっても、生活動作で刺激が続くと戻りやすくなります。ここで重要なのは、「戻った=失敗」ではなく、「原因と負担がまだ残っている可能性が高い」という理解です。
早めに始めるほど持続しやすい傾向
一般論として、治療の開始が早く軽症の場合は持続が長く、開始が遅く重症の場合は持続が短くなる傾向がある、と説明されることがあります。
この背景には、痛みが長期化すると“悪循環”が固定化しやすいことが関係します。痛みをかばって動きが減ると、筋力が落ち、関節が硬くなり、姿勢や歩き方が崩れ、さらに痛みが増えるというループに入りやすいのです。早い段階で痛みを下げられると、このループに入る前に立て直しやすくなります。
回数を重ねると伸びると言われる理由
「何回くらいで効くの?」「繰り返すほど持続が伸びるって本当?」という疑問も多いです。説明としては、回数を重ねることで炎症や筋緊張の悪循環が落ち着き、効果の持続が伸びる傾向があると言われることがあります。
ただし、ここで大切なのは「回数」そのものよりも、「ラクな時間に何をしたか」です。
注射で痛みが下がっている間に、次のようなことができると、再燃のリスクが下がりやすくなります。
-
痛みが出にくい姿勢・動作を教わる(座り方、物の持ち方、寝返りのコツ)
-
できる範囲の運動やリハビリで、筋力と柔軟性を戻す
-
ストレッチや温め方などセルフケアの習慣を作る
-
痛みが出る行動パターン(長時間同じ姿勢など)を分割する
注射は「ラクにする」手段で、目的は「生活を戻す」ことです。ここが一致すると、持続時間の感じ方も安定します。
ブロック注射の種類別に効き目時間の目安を比較する
神経根ブロックと硬膜外ブロックの違い
ブロック注射にはいくつかの種類があり、効き方の体感や注意点が変わります。まず混同されやすいのが神経根ブロックと硬膜外ブロックです。
-
神経根ブロック:背骨から出てくる神経の根元付近を狙い、神経の興奮や炎症に関与する痛みを軽減する目的で行われます。ブロック後には、該当神経領域の感覚低下や筋力低下などが起こり得ると説明されています。
-
硬膜外ブロック:硬膜外腔に薬液を入れ、より広い範囲の痛みの軽減を狙う説明がされます。硬膜外は、血圧低下、下肢の知覚鈍麻、尿閉、穿刺後頭痛などが合併症として挙げられています。
効き目の時間については、どちらも「直後に変化が出る人」もいれば「翌日以降で楽になる人」もいます。持続も数時間で薄れることもあれば、数日以上の軽減として感じられることもあります。個別差が大きいからこそ、次の章で紹介する“効かないと感じる原因”とセットで考えるのが大切です。
星状神経節ブロックの特徴
星状神経節ブロックは、首の交感神経の集まりに働きかける説明がされる治療で、痛みだけでなく血流や自律神経のバランスに関連づけて案内されることがあります。施術後に、片側のまぶたが重い、のどがかすれる、鼻が詰まるなどの一時的変化が出ることがあるため、当日は運転などに注意が必要と説明されるケースがあります(具体は医療機関の指示に従ってください)。
トリガーポイント注射との違い
トリガーポイント注射は、筋肉のしこりや痛みの引き金点(押すと響く部位)を狙う治療として案内されることが多く、神経そのものより筋・筋膜由来の痛みに焦点が当たります。局所麻酔薬の作用自体は短い一方で、筋緊張の悪循環がほどけることで、その後もしばらく動きやすくなると説明されることがあります。
種類別の比較表(時間の見通しと当日の注意)
次の表はあくまで一般的な整理です。実際は「どこに、どの薬剤を、どれくらい、どんな誘導で行ったか」で変わります。自分が受けた注射名を確認しながら、期待値を合わせるために使ってください。
| 種類 | 主な狙い | 効き始めの体感 | “痛み軽減”の続き方 | しびれ・脱力 | 当日注意の出やすさ | 代表的な注意点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 神経根ブロック | 原因神経の痛み軽減、診断の手がかり | 直後〜翌日以降まで幅 | 数時間〜数日、ステロイド併用等で延びる場合 | 出やすいことがある | 中 | 感覚・筋力低下、再燃感の評価が重要 |
| 硬膜外ブロック | 広範囲の痛み軽減、悪循環の遮断 | 直後〜翌日以降まで幅 | 数時間〜数日以上の体感も | 出やすいことがある | 高 | 血圧低下、尿閉、穿刺後頭痛などに注意 |
| 星状神経節ブロック | 交感神経緊張の緩和の説明が多い | 当日から体感することも | 数時間〜数週間など幅 | 体感は部位により | 中 | まぶたの重さ、声のかすれ、鼻づまり等が一時的に出ること |
| トリガーポイント注射 | 筋肉の痛みポイントを狙う | 数分〜当日〜翌日など | 数時間〜数日〜、動作が楽になる形で出ることも | 限局的 | 低〜中 | 注射部位の痛み、内出血。原因が神経性なら別治療が必要なことも |
ブロック注射が効かないと感じる原因と次の一手
注射が合っていないケース(原因のズレ)
「効かない」と感じるとき、まず考えたいのは“狙うべき原因が違った”可能性です。痛みは一箇所からだけ出ているとは限りません。
よくあるズレのパターンは次の通りです。
-
神経の痛みだと思っていたが、筋肉・関節が主因だった
-
1つの原因だと思っていたが、複数原因(神経+筋肉+姿勢)が重なっていた
-
画像所見(ヘルニアなど)はあるが、それが主因とは限らない
-
痛みが長期化して「痛みに敏感な状態」が主因になっている
この場合、注射自体が無意味だったというより、次にやるべきことが「治療の変更・組み合わせ・評価の更新」になります。例えば、神経根ブロックが合わないなら硬膜外や別のブロック、筋肉要素が強いならトリガーポイント注射やリハビリ、生活動作の修正が優先になることがあります。
効果判定のタイミングが早すぎるケース(“戻り”の誤解)
注射直後に変化が小さくても、翌日〜数日で楽になる人はいます。また、麻酔が切れて「一度戻ったように感じる」こともあります。ここで早合点すると、必要以上に不安になってしまいます。
判断を安定させるコツは次の3つです。
-
「痛みがゼロか」ではなく「生活が改善したか」で見る
-
同じ動作で比べる(朝の一歩、寝返り、階段など)
-
戻った“量”と“時刻”を記録する(医師に伝える材料になる)
また、当日に無理をして動きすぎると、痛みが戻ったように感じることがあります。注射で痛みが落ちた分、普段なら避けていた動作をしてしまい、負担が再点火するイメージです。大切なのは、「ラクになったから全部やる」ではなく、「ラクになったから立て直す(少しずつ戻す)」です。
効き目が短いときに見直したい3つのポイント
効果が「数時間で終わった」「翌日には元通り」と感じるときは、次を見直すと整理しやすくなります。
1) 痛みの発生源が残っていないか
姿勢、仕事の動作、長時間の同一姿勢、睡眠環境など、痛みが再燃する刺激が続いていると戻りやすくなります。
2) 炎症が強すぎないか
強い炎症がある場合、注射で一時的に楽になっても、回復に時間がかかることがあります。医師が薬剤(ステロイド添加など)を検討する場面もあります。
3) 評価の物差しが合っているか
「痛みがゼロ」だけをゴールにすると、改善していても“失敗”と感じます。歩ける距離、睡眠、仕事の集中、痛み止めの量など、現実的な指標を置き直すと判断が安定します。
医師に相談するときのメモテンプレ(コピペ用)
次回の受診で話を早くし、治療の精度を上げるために、以下をそのままメモしてください(スマホのメモに貼り付けて記入できます)。
-
受けた注射:____(神経根/硬膜外/星状神経節/トリガーポイント など)
-
注射した部位:____(右/左、首/腰/肩 など)
-
痛みの場所:____(図にすると分かりやすい)
-
注射前の痛み(0〜10):___
-
効き始めた時間:___(直後/○時間後/翌日朝 など)
-
いちばん楽だった時間帯:___
-
戻ったと感じた時間:___(どんな動作で?)
-
戻ったときの痛み(0〜10):___
-
楽になった動作:____
-
まだつらい動作:____
-
しびれ/脱力:あり・なし(どこに?強さは?)
-
ふらつき/動悸/発疹:あり・なし
-
頭痛:あり・なし(立つと悪化する?)
-
排尿・排便:問題なし/出にくい/漏れる
-
痛み止め:注射前__回→注射後__回
-
眠り:改善した/変わらない/悪化した
このテンプレがあるだけで、「効かない」から一歩進んで「どの治療を続けるか・変えるか」の話ができます。
ブロック注射の副作用と受診の目安
よくある一時的な症状(様子を見やすい範囲)
多くの人が経験しやすいのは、次のような一時的反応です。
-
注射部位の痛み、内出血、張り
-
しびれ、感覚の鈍さ
-
力が入りにくい、重だるさ
-
一時的に痛みが増えたように感じる(注射刺激や筋緊張で起こることがある)
-
ふらつき、血圧の変動(硬膜外などで説明されることがある)
こうした反応は時間とともに軽くなることが多い一方、“軽くなる方向か、悪化する方向か”は必ず見てください。軽くなるなら様子を見やすく、悪化するなら連絡の目安になります。
すぐ相談したい危険サイン(症状→緊急度→行動)
ここは最重要です。次の症状は“今日中に医療機関へ連絡”を目安にしてください(夜間・休日なら救急相談の利用も検討)。
A:神経の症状が進む
-
しびれ・脱力が時間とともに強くなる
-
歩けない、片側だけ急に力が入らない
-
感覚がどんどん広がる
B:排尿・排便の異常
-
尿が出にくい、尿意が分からない
-
便が出ない、漏れる
※背骨周辺の手技後は見逃したくないサインです。
C:感染や出血を疑うサイン
-
発熱が続く
-
背中や穿刺部の強い痛みが増える
-
腫れ、赤み、熱感が強い
D:強い頭痛(立つと悪化)
-
立つと激しくなり、横になると軽くなる頭痛が続く
-
数日で改善しない/どんどん強くなる
穿刺後頭痛は多くが数日〜1週間ほどで改善することが多いとされ、長引く場合は医療機関で評価が必要です。
E:アレルギーや薬剤中毒を疑うサイン
-
息苦しさ、強い動悸、発疹、顔の腫れ
-
口の周りのしびれ、耳鳴り、視覚異常、興奮、けいれんなど
局所麻酔薬の中毒症状については、初期症状から重篤化まで段階的に記載されています。
迷ったときのコツ
-
「受けた注射の種類(硬膜外など)」「症状が出た時刻」「症状が強くなる方向か」をセットで伝えると、医療機関が判断しやすくなります。
当日の過ごし方と注意点(予定調整のための実用ガイド)
当日の過ごし方は医療機関の指示が最優先ですが、一般的に“安全側”に倒すと次のようになります。
1) 運転・危険作業は控える前提で計画する
しびれや脱力、ふらつきが残る可能性があるため、運転が必要な場合は事前に代替手段を用意しておくと安心です。
2) 入浴・飲酒・激しい運動は当日は控えることが多い
血行が急に変わる行為は症状をぶらしやすく、また転倒リスクにもつながります。医療機関の指示に従ってください。
3) 効いている間に“やり過ぎない”
痛みが減ると動けてしまうため、普段なら避けていた動作をして再燃することがあります。
当日は「やらないこと」を決めるのがコツです(長時間の前かがみ、重い物、長距離歩行、長時間運転など)。
4) 24時間は“観察と記録”に重きを置く
良くなった点も不安な点も、時刻つきでメモすると、次の診療の質が上がります。
ブロック注射のよくある質問
何回くらい受けると良い?
一律の回数は決めにくいのが実際です。痛みの原因、炎症の強さ、生活の負担、注射の種類・薬剤によって変わります。一般論として、軽症で早期に開始できた場合は持続が長く、重症で開始が遅い場合は回数が必要になりやすい、という説明がされています。
目安としては、「何回」よりも次の3つで判断するのが現実的です。
-
生活の困りごとが改善しているか(睡眠・歩行・仕事など)
-
効き目の出方が再現性を持っているか(効き始め・戻りのパターン)
-
併用療法(リハビリ・動作修正)が進んでいるか
間隔はどれくらい空ける?
間隔も個別です。症状が強い時期は短めに行い、落ち着いたら間隔を空ける、という考え方が取られることがあります。ただし、薬剤や持病、抗凝固薬などの背景で注意点が変わるため、自己判断で詰めたり延ばしたりしないほうが安全です。
仕事や運転、入浴はいつから?
これは「注射の種類」「部位」「その日のしびれ・脱力」「医療機関の指示」で決まります。特に運転は、感覚や筋力が一時的に落ちる可能性があるため、自己判断で再開しないほうが安全です。
予定が動かせない場合は、あらかじめ「注射当日は運転しない」前提で段取りを組み、必要なら付き添い・公共交通・タクシーなどを検討してください。
一時的に痛みが増えることはある?
注射刺激、筋緊張、穿刺部の違和感などで、一時的に痛みが強くなったように感じることはあり得ます。多くは時間とともに落ち着きますが、発熱、強い腫れ、神経症状の進行などがあれば、我慢せず医療機関へ連絡してください。
効果が短い場合、別のブロックに変えるべき?
「数日しか持たない」「戻りが早い」場合でも、すぐに別治療が正解とは限りません。痛みの原因が何か、評価が合っているか、併用療法が進んでいるかで選択が変わります。
ただ、一般論として「理想的な持続は1週間程度を目安に考える」という説明や、短い場合は別のブロックや治療を検討するという考え方が提示されることもあります。
この場合こそ、前述のメモテンプレが効きます。「どの種類で、いつ効いて、どんなふうに戻ったか」を具体的に示せると、医師は次の一手を組み立てやすくなります。
まとめ:効き目の時間は3つの時間帯で考えると不安が減る
ブロック注射の効き目は、人によって出方が違います。それでも、不安を減らす“整理の軸”はあります。
-
直後〜数時間:局所麻酔による変化(しびれ・脱力を含む)が出やすい
-
翌日〜数日:動作や睡眠など生活の改善として効いてきたと感じることがある
-
数日〜数週間:悪循環がほどけたり、薬剤の組み合わせによって軽減が続く場合がある
そして、何より大切なのは安全です。しびれ・脱力が進行する、排尿・排便の異常、発熱、立つと悪化する強い頭痛が続く、息苦しさや発疹、けいれんなどがある場合は、迷わず医療機関へ連絡してください。
最後に、もし「効いていない気がする」と思っても、感覚だけで結論を出す必要はありません。
効き始め・戻りの時刻、楽になった動作、残る困りごとをメモして受診すれば、次の一手は具体的になります。注射はゴールではなく、生活を立て直すための手段です。焦らず、でも危険サインは見逃さずに進めていきましょう。
参考にした情報源
-
日本ペインクリニック学会「ペインクリニック治療指針 改訂第6版」https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/kaiin_sisin06.html
-
日本ペインクリニック学会 資料(神経根ブロック)https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shi-guide04_10.pdf
-
JAPIC/PINS(リドカイン注射液の医薬品情報)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00047522.pdf
-
KEGG(リドカイン 医療用医薬品情報ページ)https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00047522
-
かおるペインクリニック「神経ブロックの効果や持続など」https://www.kaoru-pc.jp/column/2019/09/09/2247/
-
Ubie「硬膜穿刺後頭痛の目安」https://ubie.app/byoki_qa/clinical-questions/symptom/spv6lltq8f_t
-
看護roo!「硬膜外麻酔の合併症」https://kango-oshigoto.jp/media/article/50849/
-
エイジングケアクリニック「ブロック注射の持続・間隔」https://www.aj-clinic.com/column/919/