BeReal（ビーリアル）は危険？最新の危険性と安全な使い方を専門解説

BeReal（ビーリアル）は、「盛らない」「映えない」リアルな日常をシェアできるSNSとして、中高生や大学生を中心に一気に広がりました。しかしその一方で、「自宅が特定されないか」「制服や子どもの顔を出して本当に大丈夫なのか」と、不安を抱える保護者や学校・企業関係者も増えています。
本記事では、BeRealの仕組みや他SNSとの違いを踏まえつつ、位置情報や背景の映り込みによる身元特定、スクリーンショットによる“フリー素材化”、未成年ならではのトラブル、企業・学校における情報漏えいリスクまでを体系的に整理します。そのうえで、「いますぐ見直すべき設定」と「家庭・職場で決めておきたいルール」を具体的に提示し、完全に禁止するかどうかではなく、「どこまでなら許容できるのか」を判断するための実践的な指針を提供します。

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BeReal（ビーリアル）とは？他のSNSとの違いと特徴

BeRealの基本的な仕組み（1日1回・2分以内の投稿ルール）

BeRealは、1日1回ランダムなタイミングで通知が届き、そのタイミングから原則2分以内に写真を撮影・投稿するSNSです。スマートフォンの前面カメラと背面カメラが同時に起動し、「自分の顔」と「今いる場所・状況」が一枚の画像として投稿されます。

主な特徴は次のとおりです。

• 投稿タイミングは運営側がランダムに決める

• 通知後2分以内に撮影・投稿することが推奨される

• 前面・背面カメラで同時撮影される

• 再撮影回数が友達に表示され、「撮り直しの多さ」が分かる

• 投稿は原則24時間でタイムラインから消える

この「制限時間付きの同時撮影」によって、「映え写真を作り込む」のではなく、「今この瞬間のリアルな自分」を共有するというコンセプトが実現されています。

他SNSと比べたメリット・魅力（「盛らない」「映えない」リアルさ）

InstagramやTikTokなどでは、フィルターや加工、編集を駆使して“盛れた”写真や動画を作り込む文化が一般的です。一方、BeRealは以下のような点が若者に支持されています。

• 加工や編集をする時間がほとんどなく、「ありのまま」を共有できる

• 「今何をしているか」を友達とリアルタイムに共有できる

• フォロワー数や「いいね」を競う感覚が比較的弱く、気楽に使いやすい

このようなポジティブな側面がある一方で、「リアルタイム」「ありのまま」「前後カメラ」という特徴そのものが、プライバシーや情報漏えいのリスクにつながり得る点に注意が必要です。

日本と海外での利用状況・話題になっている背景

BeRealはフランス発のSNSで、海外では数千万規模のユーザーが利用しているとされています。日本でもZ世代を中心に利用が広がり、「映えないSNS」「リアル志向のSNS」としてメディアでも取り上げられるようになりました。

一方で、授業中やアルバイト中に投稿してトラブルになる例や、社内情報・顧客情報が映り込むリスクなどが指摘され、危険性に関する解説記事も増えています。

BeRealに潜む主な危険性・リスク一覧

まず、代表的なリスクを一覧表で整理します。

位置情報・背景映り込みによる自宅や学校の特定リスク

BeRealでは、投稿時に位置情報を添付することができます。位置情報がONになっていると、自宅・学校・職場などの場所が投稿と紐づいて表示される可能性があります。

さらに、位置情報を付けていない場合でも、以下のような要素から居住地域や通学先が推測されてしまうことがあります。

• 窓の外に映る風景（特徴的な建物、看板、駅、ランドマーク等）

• 部屋に置いてある郵便物・宅配の伝票・学生証・社員証

• 制服や部活のユニフォーム、学校名入りのジャージ

• 通学路・通勤ルートが分かるような連続した投稿

特に中高生の場合、制服から学校名が特定できることは想像に難くありません。そのうえ、自宅周辺と組み合わさることで、通学路や生活圏が推測され、ストーカーや付きまといなどのリスクが高まります。

スクリーンショットや転載による写真の「フリー素材化」

BeRealの投稿は24時間でタイムラインから消えますが、「消えるから安全」と考えるのは危険です。実際には、次のような理由から、投稿は半永久的に残り得ます。

• 友達や閲覧者がスクリーンショットを撮影できる

• 撮影されたスクリーンショットは他SNS（X、Instagramなど）に転載可能

• 悪意ある編集・加工をされ、「フリー素材」のように拡散される恐れ

そのため、「24時間で消えるから大丈夫」という前提で、恥ずかしい写真や際どい写真を投稿することは、非常に危険です。

友達の顔や第三者を許可なく写すことによるトラブル

通知から投稿までの時間制限が短いため、BeRealでは「とりあえず今いる場所で撮ってしまう」ケースが多くなります。その結果、次のような問題が起こりやすくなります。

• 授業中の教室で撮影し、他の生徒や先生の顔がはっきり写ってしまう

• アルバイト中のバックヤードで撮影し、同僚や顧客が写り込む

• カフェや電車内などで、周囲の一般客の顔やPC画面が映る

他人の居場所や行動予定を、本人の同意なく公開してしまうことにもつながります。こうした行為は、友人同士やクラス内・職場内の人間関係トラブルに発展しかねません。

利用規約・データ利用の観点から見たリスク（投稿の二次利用等）

BeRealのプライバシーポリシーでは、ユーザーから収集する情報（プロフィール情報、投稿内容、位置情報、利用状況など）をどのような目的で利用するかが定められています。代表的な利用目的として、以下が挙げられます。

• サービスの提供・維持・改善

• 安全性・セキュリティの確保

• パーソナライズ・広告・マーケティング

また、利用規約上、投稿内容がサービスの運営やプロモーションで用いられる可能性があると解釈できる部分もあります。つまり、「自分の投稿は完全に自分だけのもの」という前提には立てません。

特に子どもの写真や家族の写真については、後から取り返しがつかない形で利用されるリスクを意識する必要があります。

未成年利用での特有のリスク（年齢制限・同意・性被害の懸念）

BeRealのプライバシーポリシーでは、サービスは13歳未満の子どもを対象としておらず、13歳以上16歳未満が利用する場合は保護者の承認が必要とされています。

しかし現実には、年齢確認が厳格に行われているわけではないため、小学生や低年齢の中学生でも利用できてしまう可能性があります。この場合、次のようなリスクが高まります。

• 夜間、一人でいる自室から部屋着姿で投稿する

• ベッドルームや浴室近くなど、プライベート度の高い場所が写る

• 知らない大人からのコメント・友達申請を安易に承認してしまう

こうした状況は、性被害・ハラスメント・不適切な接触につながり得るため、特に慎重な対応が必要です。

企業・学校でのBeReal利用における危険性

社内情報・顧客情報の映り込みによる情報漏えい

企業や店舗で勤務中にBeRealの通知が来た場合、「みんなで記念に撮ろう」といった軽い気持ちで投稿してしまうことがあります。しかし、その背景には以下のような情報が映り込む危険があります。

• PC画面（顧客情報・メール内容・社内資料）

• 紙の書類（見積書・契約書・売上資料など）

• ホワイトボード（会議の内容・新製品のアイデア）

• 倉庫内の商品・試作品・価格表

これらは、企業にとって重大な情報漏えいにつながりかねません。

ブランドイメージ・炎上リスク（勤務中・授業中の投稿）

BeRealは「今この瞬間」を共有するため、勤務中や授業中に通知が来ることも珍しくありません。そのタイミングで、ふざけたポーズや不適切な行為を撮影・投稿すると、以下のような問題につながり得ます。

• 制服やロゴ入りユニフォームから勤務先・学校が特定される

• 接客中にふざけている様子が拡散し、企業の信用が損なわれる

• 授業中のふざけた投稿が学校名と紐づいて拡散し、学校の評判を傷つける

BeRealの投稿自体はクローズドな範囲でも、スクリーンショット一枚が別SNSに転載されれば、一気に公開範囲が広がる点に注意が必要です。

採用・人事の観点で問題になるケース

近年、採用選考やコンプライアンスチェックの一環として、応募者のSNSを確認する企業も存在します。BeRealの投稿が以下のような内容であれば、企業側からネガティブに評価される可能性があります。

• 顧客情報・社外秘資料が写り込んだ投稿

• 飲酒・喫煙・違法行為が疑われる投稿

• 他者への誹謗中傷・差別的発言と結びつく投稿

若い世代にとっては「その場のノリ」でも、将来のキャリアに長期的な影響を与えかねない点を伝えることが重要です。

公式情報・最新動向から見るBeRealのプライバシー実態

公式プライバシーポリシーの重要ポイント（年齢制限・データ利用目的など）

BeRealのプライバシーポリシーでは、収集する情報と利用目的が詳細に説明されています。主なポイントは次のとおりです。

• 収集される情報の例

  • アカウント情報（氏名・ユーザー名・メールアドレス等）

  • 投稿内容（写真・キャプション・位置情報等）

  • 利用状況（アプリの使用頻度・機能の利用状況等）

  • 端末情報（IPアドレス等）

• 利用目的の例

  • サービスの提供・維持・改善

  • 安全性・セキュリティの確保

  • パーソナライズ・広告・マーケティング

• 未成年に関する規定

  • サービスは13歳未満を想定していない

  • 13〜16歳の利用には保護者の承認が必要

保護者としては、「どのような情報が収集され、どのような目的で利用されるのか」を一度は目を通し、家庭内で共有しておくことをおすすめします。

コミュニティガイドラインと通報・ブロック機能

BeRealのガイドラインでは、「非公開の個人情報」を本人の同意なく共有することを禁じています。住所・電話番号・その他位置情報などは慎重に扱うよう求められています。

また、規約違反と思われるコンテンツやアカウントを通報できる仕組みも用意されています。問題のある投稿を見つけた場合は、放置せず、アプリ内の通報機能を利用することが推奨されます。

欧州でのGDPR関連の苦情・規制動向の概要

欧州のプライバシー擁護団体が、BeRealの広告目的のデータ処理に対する同意の取り方がGDPRに違反する疑いがあるとして、当局に苦情を申し立てた事例も報じられています。

具体的には、ユーザーが広告目的のデータ処理への同意を拒否しても、同意を促すバナーが繰り返し表示されることが、「自由な同意」を妨げているのではないかという点が問題視されています。

日本のユーザーに直接的な法的影響があるかは現時点で不透明ですが、「海外でプライバシー上の問題が指摘されているサービスである」という事実は、リスク評価の一材料として押さえておくべきです。

BeRealを安全に使うための基本設定チェックリスト

アカウント・公開範囲の初期設定（友達のみ／ディスカバリー）

BeRealには、「友達のみ」と、不特定多数に公開されるエリア（ディスカバリー等）のような公開設定があります。原則として、次の方針をおすすめします。

• 公開範囲は「友達のみ」を基本とする

• よく知らない相手からの友達リクエストは安易に承認しない

• 子どもが利用する場合は、保護者が最初に友達リストを確認する

BeRealは「親しい友人同士で使うから安全」と紹介されることもありますが、友達の友達を通じて知らない人ともつながる可能性は十分にあります。

位置情報・連絡先・通知など権限設定のポイント

スマートフォンの設定およびアプリの権限設定で、次の点を確認します。

• 位置情報

  • 原則「常にOFF」または「アプリ使用中のみ」

  • 投稿に位置情報を添付しない運用を推奨

• 連絡先へのアクセス

  • 連絡先同期は、知らない人と自動的に繋がるリスクがあるため、必要性をよく検討

  • 子どもが利用する場合は、保護者が設定を確認

• 通知

  • 授業中・勤務中に通知が鳴らないよう、「集中モード」や「おやすみモード」を活用

  • 「いつ通知が来ても投稿しない時間帯」（深夜・就業時間など）を家庭や職場で決めておく

投稿前に確認すべき「NG映り込み」チェック項目

投稿前に、最低限次の項目を確認する習慣をつけることをおすすめします。

• 住所・電話番号・メールアドレス・クレジットカード番号などが写っていないか

• 郵便物・宅配ラベル・学生証・社員証・名札・名刺などが見えないか

• 制服・部活ユニフォーム・社章・学校名・会社名入りのグッズが写っていないか

• 他人の顔・PC画面・ホワイトボード・書類などが映っていないか

• 部屋着や肌の露出が多い服装で撮影していないか

• 自宅の玄関・表札・近所のランドマークが特定できる構図になっていないか

2分以内という制限があるため、すべてを完璧に確認することは難しいかもしれません。それでも、「少しでも不安がある場合は投稿しない」という判断基準を持つことが大切です。

【保護者向け】子どもにBeRealを使わせる際のルール例

年齢・時間帯・シチュエーションに関するルール例

• 利用を許可する年齢は、少なくとも13歳以上（公式ポリシーを踏まえた目安）

• 深夜の利用は禁止（例：21時以降は投稿しない）

• 一人でいる自室・浴室・寝室からの投稿は禁止

• 授業中・塾の授業中・アルバイト勤務中の投稿は禁止

• 家族旅行など、場所が特定されやすい場面は事前に相談

投稿内容のガイドライン（顔出し・制服・自宅周りなど）

• 顔出しを許可するかどうかは、家族で協議して方針を決める

  • 顔出しOKの場合でも、制服・社章付き服装・自宅周辺との組み合わせは禁止

• 制服姿・学校名が分かる服装での投稿は禁止

• 自宅の外観・玄関・表札・近所のランドマークが特定できる構図は禁止

• 友達が写る場合は、事前に本人の同意を得る

子どもとの話し合い方と、やめさせるべきラインの目安

保護者としては、「危ないからダメ」と一方的に禁止するのではなく、次のような伝え方をすると納得を得やすくなります。

• 「リアルだからこそ、悪意のある人にとっても価値のある情報になる」という事実を説明する

• 「今は楽しくても、数年後に見たときに困る投稿かどうか」を一緒に考える

• 「このラインを超えた投稿をしたら、すぐにアプリを削除する」といったレッドラインを明示する

やめさせることを検討すべき例としては、次のようなケースが挙げられます。

• 何度注意しても、制服姿や自宅周辺での投稿を繰り返す

• 見知らぬ大人からのコメントや誘いに応じている

• 深夜に一人で部屋から投稿することが習慣になっている

• 友達や家族の個人情報を繰り返し写し込んでしまう

このような場合は、単にルールを追加するだけでなく、一度利用を止めることも含めて検討すべきです。

もしトラブルが起きたら：通報・ブロック・削除の手順

写真の削除・アカウントの非公開化・ブロック方法の概要

• 問題のある投稿は、できるだけ早く削除する

• アカウントの公開範囲を「友達のみ」に変更し、知らない相手をフォローから外す

• 不審なユーザーや嫌がらせをしてくるユーザーは、ブロック機能を使用する

• 子どもが自分で操作できない場合は、保護者が一緒に手順を確認する

なりすまし・嫌がらせ・個人情報の無断公開が起きた場合

• スクリーンショットを撮るなどして、証拠を必ず保存する

• アプリの通報機能や、公式の問い合わせフォームから報告する

• 他SNSに転載されている場合は、そのSNSの通報機能も合わせて利用する

学校・警察・専門窓口への相談を検討すべきケース

次のようなケースでは、家庭だけで抱え込まず、学校・警察・専門窓口への相談を検討してください。

• 住所や学校が特定され、しつこく付きまとわれている

• 性的な画像の要求や、脅迫めいたメッセージを受け取っている

• 子どもが「死にたい」「学校に行きたくない」と精神的に追い詰められている

インターネットやSNSに関する相談窓口を設けている公的機関や民間団体も存在します。地域の教育委員会や学校とも連携しながら、早めの相談を心がけることが重要です。

BeRealは結局危険？利用を判断するためのまとめ

利用のメリットとリスクの整理

【メリット】

• 加工や映えを気にせず、気楽に日常を共有できる

• 親しい友人とのリアルなつながりを感じやすい

• 他SNSと比べて、フォロワー数や「いいね」に縛られにくい

【リスク】

• 位置情報・背景映り込みによる自宅・学校・職場の特定

• スクリーンショット・転載による「フリー素材化」

• 他人の無断撮影・無断公開による人間関係トラブル

• 利用規約・データ利用の観点からの不透明感

• 未成年にとっての性被害・ハラスメント等のリスク

大切なのは、「メリットとリスクを理解したうえで、自分や家族にとって許容できるか」を判断することです。

保護者・若者・企業それぞれの「おすすめ対応方針」

• 保護者

  • 少なくとも公式ポリシー上の年齢条件を満たしてから利用を検討する

  • 初期設定・権限設定を一緒に確認し、家庭内ルールを明文化する

  • 定期的に、どのような投稿をしているか子どもと対話する

• 若者（本人）

  • 「将来の自分が見ても困らない投稿か？」という視点を持つ

  • 友達や第三者のプライバシーを尊重する（許可なく写さない）

  • 少しでも不安な投稿は、撮影しても公開しないという選択肢を持つ

• 企業・学校

  • 社内・校内での私的なSNS利用に関するガイドラインを整備する

  • 勤務中・授業中のBeReal投稿をどのように扱うか方針を明示する

  • 情報漏えい・ハラスメント防止の観点から、社員・生徒への啓発を行う

今後の仕様変更・規約変更への注意点

SNSサービスは、機能や利用規約・プライバシーポリシーが頻繁に更新されます。BeRealについても、現時点の内容は今後変更される可能性があります。

そのため、次の点を意識しておくことをおすすめします。

• 大きなアップデートや規約変更のお知らせが来た際は、必ず内容を確認する

• プライバシー設定は、定期的に見直す（特にアプリ更新後）

• 不安な点があれば、公式ヘルプや信頼できる解説を参照し、必要に応じて利用を見直す

本記事が、BeRealの危険性と安全な使い方を検討するうえでの参考になれば幸いです。利用するかどうかは、読者ご自身とご家族の事情に応じて慎重にご判断ください。