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膨張したモバイルバッテリーの正しい捨て方|絶対NG行為と自治体ルールの調べ方まで解説

カバンの中で、机の上で、ふとモバイルバッテリーを見ると「なんだか膨らんでいる気がする」。
そのまま使い続けてよいのか、今すぐ捨てるべきなのか、しかし捨て方も分からない——多くの方がこの不安な状態で手を止めてしまいます。

膨張したモバイルバッテリーは、内部で異常が起きているサインであり、そのまま使用したり、自己流で処分したりすると発火・火災につながるおそれがあります。
一方で、一般ゴミや不燃ゴミに混ぜて出すことも、自治体ルール上はもちろん、収集車や処理施設の安全面から絶対に避けなければなりません。

本記事では、「今まさに膨張したモバイルバッテリーが手元にある」方を想定し、発見直後にやるべきことから、安全な一時保管の方法、自治体ごとの正しい捨て方の調べ方、そして絶対にしてはいけないNG行為までを、順を追って分かりやすく解説します。この記事の手順どおりに進めていただければ、危険な自己判断に頼らず、安心して正しく処分するための道筋がはっきり見えてきます。

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この記事のまとめ
  • 膨張したモバイルバッテリーは、発火・破裂のリスクが高く、すぐに使用を中止する

  • 火気・高温・水・可燃物から離れた場所で、一時的に安全保管する

  • 端子部分は可能な範囲で絶縁処理を行う(ただし無理はしない)

  • 一般ゴミ・不燃ゴミ・資源ゴミには絶対に混ぜない

  • 膨張品はリサイクルボックスでは受け付けないケースが多い

  • お住まいの自治体の「小型充電式電池」「モバイルバッテリー」のページを必ず確認する

  • 不明点があれば自治体や販売店に電話で問い合わせ、指示に従って処分する

目次

膨張したモバイルバッテリーはなぜ危険?

膨張は「内部異常」のサイン。使い続けてはいけない理由

モバイルバッテリーがパンパンに膨らんできた場合、それは内部のリチウムイオン電池でガスが発生するなど、何らかの異常が起きているサインです。
膨張した状態で使用を続けると、内部でショートが起きやすくなり、発火や破裂につながるおそれがあります。

見た目が少し膨らんでいる程度でも、「まだ使えるから」と充電・放電を繰り返すのは非常に危険です。
スマートフォン本体と違い、モバイルバッテリーは衝撃を受けやすい持ち歩き用途が多いため、落としたり圧力がかかったりすると急激に状態が悪化する可能性があります。

ごみ収集車や処理施設で火災が起こる仕組み

モバイルバッテリーなどの小型充電式電池が一般ゴミに混ざると、ごみ収集車やごみ処理施設内で大きな火災が発生することがあります。

原因は、圧縮・破砕の過程で電池が強い力を受け、内部が破損してショートすることです。
特に膨張して弱くなった電池は、わずかな衝撃でも破裂や発火を起こしやすく、各自治体でも火災事故の原因として問題視されています。

このため、多くの自治体が「燃えるごみ・燃えないごみ・資源ごみにモバイルバッテリーを混ぜて出さないでほしい」と強く注意喚起しています。

膨張していないモバイルバッテリーとの違い

膨張していないモバイルバッテリーも、もちろん一般ゴミとして捨てることはできません。しかし、膨張しているかどうかで処分ルートが変わる場合があります。

  • 膨張していない場合の主なルート(一般例)

    • JBRC協力店(家電量販店・ホームセンターなど)のリサイクルボックス

    • 自治体が設置する小型家電回収ボックス など

  • 膨張している場合

    • リサイクルボックスでは受け付けないケースが多く、自治体窓口や清掃工場等に直接持ち込みを求める例が増えています。

つまり、膨張しているモバイルバッテリーは「より危険度が高い特別扱いの電池」と考え、通常品より慎重に取り扱う必要があります。


膨張を見つけた直後にやるべきこと【3ステップ】

ステップ1:すぐに使用を中止し、ケーブルを外す

膨張に気付いたら、まずはただちに使用を中止してください。充電中であれば、コンセントやUSBポートからケーブルを抜き、スマートフォンなど機器側からも外します。

このとき、乱暴に引き抜いたり投げ置いたりせず、できるだけそっと扱うことが重要です。強い衝撃や圧力が加わると、内部でショートや破損を起こしやすくなります。

ステップ2:火気・水・高温を避けて一時保管する

使用を止めたら、次は安全な一時保管場所を確保します。

  • 避けるべき場所の例

    • 直射日光が当たる窓際・ベランダ

    • 夏場の車内

    • ガスコンロやヒーターなど火気の近く

    • 湿度が高く、水がかかる可能性のある場所(浴室周辺など)

  • 一時的に適した場所の例

    • 室内の風通しがよく、直射日光が当たらない床の上

    • 金属製ではない、丈夫な箱(厚手の紙箱など)の中
      ※可燃物との距離を十分に取り、倒れにくい場所に置きます。

自治体によっては、「高温多湿・直射日光が当たるごみステーションに出さず、市役所に直接持ち込むように」としているところもあります。

処分方法が決まるまでの間は、ここで紹介したような条件を満たす場所で保管してください。

ステップ3:端子を絶縁し、処分方法の情報収集を行う

モバイルバッテリーの+極・−極の端子が露出している場合は、他の金属との接触を防ぐための絶縁処理を行います。

  • 絶縁テープや電気工事用のビニールテープなど、電気を通しにくいテープを用いる

  • 端子部分が見えないよう、押さえつけすぎない程度にしっかり覆う

ただし、製品の状態によっては、無理にテープを貼ろうとすると圧力がかかり危険な場合もあります。不安があるときは、無理に触らず、自治体や販売店に「絶縁処理はした方が良いか」「そのまま持ち込むべきか」を相談してください。

ここまでが「今すぐやるべき最低限の安全対策」です。このあとで、具体的な処分ルートを確認していきます。


膨張したモバイルバッテリーの主な処分ルート

家電量販店・ホームセンターなどの回収窓口(JBRC協力店)

モバイルバッテリーを含む小型充電式電池については、JBRC(一般社団法人JBRC)が中心となり、家電量販店・ホームセンターなどで回収を行っています。

ただし、JBRCの回収対象は「会員企業製であること」「電池の種類が明確であること」など条件があり、さらに膨張・破損など異常のある電池は原則として回収対象外とされるケースが多い点に注意が必要です。

そのため、膨張していないモバイルバッテリーであれば回収ボックスに入れられても、「膨張しているもの」は事前に店舗へ連絡し、受け入れ可能か確認することをおすすめします。

自治体の清掃工場・環境関連窓口に直接持ち込むケース

膨張したモバイルバッテリーについては、自治体が清掃工場・クリーンセンター・廃棄物対策課の窓口などで直接受け付ける仕組みを設けている例が多く見られます。

例として、ある自治体では以下のような対応をしています。

  • 危険物用の専用袋に入れて、指定日の「発火性危険物」として排出する

  • 市役所や支所の窓口に膨張した電池を直接持ち込む

  • 清掃工場に持ち込んだ場合のみ受け入れる(有料の場合もあり)

このように、自治体ごとに細かなルールや料金体系が異なるため、「他の自治体の例」をそのまま真似するのではなく、お住まいの地域の情報を必ず確認してください。

膨張品はリサイクルボックスNGのことが多い理由

家電量販店などに設置されているリサイクルボックスは、基本的に一般の使用済み電池を想定した無人回収です。そのため、膨張・破損した電池を入れると、以下のようなリスクがあります。

  • 他の電池や金属とぶつかり、ショート・発火の危険が高まる

  • 回収・運搬・保管時に異常発熱が起きても、すぐに気付けない

こうした背景から、膨張したモバイルバッテリーはリサイクルボックスに入れず、必ず店員や窓口に相談することが重要です。


自分の自治体の「正しい捨て方」を調べる方法

Google検索でのおすすめキーワード例

自治体ごとのルールを調べる際は、次のようなキーワードで検索すると情報に辿り着きやすくなります。

  • 「膨張 モバイルバッテリー 処分 ○○市」

  • 「リチウムイオン電池 捨て方 ○○区」

  • 「小型充電式電池 回収 ○○町」

「膨張」「モバイルバッテリー」「処分(捨て方)」「自治体名」を組み合わせるのがポイントです。

自治体サイト内で確認すべきページとチェックポイント

検索結果から自治体サイトに辿り着いたら、次のようなページを探してみてください。

  • ごみ・リサイクルの分別一覧ページ

  • 小型充電式電池(リチウムイオン電池等)の処分方法のページ

  • モバイルバッテリーなど電池内蔵機器の火災防止に関するお知らせ

そのうえで、以下の点をチェックすると、必要な情報を漏れなく確認できます。

  1. 膨張・変形した電池を受け付けているか

  2. どこに持ち込めばよいか(市役所・支所・清掃工場など)

  3. 予約や事前連絡が必要かどうか

  4. 有料か無料か、料金の単位(重量制など)

  5. 持ち込む際の注意点(袋詰め・表示・保管条件など)

電話で問い合わせるときに聞いておきたい項目リスト

Webページだけでは分かりにくい場合は、自治体の環境関連窓口や清掃工場に電話で問い合わせるのが確実です。その際、次の項目をメモしておくと話がスムーズです。

  • 「膨張したモバイルバッテリーを処分したい」という旨

  • 個数と大きさの目安

  • 購入元やメーカーが分かるかどうか

  • 持ち込み可能な場所と受付時間

  • 事前にしておくべき処理(絶縁・袋詰めなど)

これらを確認しておけば、「窓口まで行ったが受け付けてもらえなかった」という事態を避けやすくなります。


処分までの安全な一時保管方法

自宅での置き場所の考え方(NG場所/OK場所の例)

処分日や持ち込み日までのあいだ、膨張したモバイルバッテリーをできるだけ安全な場所に保管することが大切です。

  • NG場所の例

    • コンロ・ストーブ・ヒーター・こたつなど熱源の近く

    • 直射日光が当たる窓際・ベランダ

    • 高温になりやすい車の中

    • 可燃物(紙類・布・カーテンなど)のすぐそば

  • 比較的安全と考えられる場所の例

    • 室内の風通しが良く、直射日光の当たらない床の上

    • 周囲に可燃物が少ない、壁際の低い位置

    • 子どもやペットが触れにくい場所

可能であれば、「急に発熱しても周囲に燃え移りにくい場所」を意識して選ぶと安心です。

簡易的な保管容器の工夫と絶縁テープの使い方

保管時は、次のような工夫も検討してください。

  • 金属製ではない、丈夫な箱(厚手の紙箱やプラスチックケースなど)に入れる

  • 箱の中に不燃性のクッション材(厚紙など)を敷き、バッテリーが動きにくくする

  • 端子部分が露出している場合は、電気を通しにくいテープで覆う

なお、テープの中には電気を通しやすい素材を使っている製品もあるため、できる限り絶縁テープや「電気工事用」のビニールテープを選ぶと安全性が高まります。

ただし、既にかなり膨張していて壊れそうな状態の場合、無理にテープを貼ることでかえって危険が増す可能性もあります。そのようなときは、触る前に自治体や販売店へ相談してください。

持ち運びや郵送時の注意点

自治体や回収サービスに持ち込む際は、次の点に注意してください。

  • 持ち運び中にカバンの中で他の金属とぶつからないよう、単独で箱や袋に入れる

  • 袋や箱の外側に「膨張したモバイルバッテリー」と表示しておくと、窓口でも状況が伝わりやすい

なお、一般的な宅配便などで膨張したモバイルバッテリーを送ることは、安全上の理由から断られる可能性があります。郵送の可否については、必ず事前にサービス提供者へ確認してください。


絶対にやってはいけないNG行為

穴を開ける・潰す・分解する

膨張したバッテリーを見て、「穴を開けてガスを抜けば安全になるのでは?」と考えてしまう方もいますが、これは非常に危険な行為です。

  • バッテリーに穴を開ける

  • ハンマーなどで叩き潰す

  • 自分で分解・解体する

これらはいずれも内部の短絡や急激な発熱・発火を招くおそれがあり、各メーカーや環境省も絶対に行わないよう強く注意喚起しています。

分解や解体は専門設備・保護具を備えた事業者の作業であり、一般家庭で真似してはいけません。

水に浸ける・燃やす・電子レンジに入れるなどの危険行為

リチウムイオン電池は、水や高温とも相性が悪く、誤った方法で処理すると大変危険です。

  • 水に浸けて冷やそうとする

  • たき火や焚き火で燃やそうとする

  • 電子レンジやオーブンに入れる

いずれも爆発や有毒ガス発生のリスクがありますので、絶対に行わないでください。

バッテリーが発熱している・焦げ臭いなど異常が見られる場合は、速やかに離れ、可能であれば消防など専門機関の指示を仰いでください。

一般ゴミ・不燃ゴミに混ぜて出してしまうこと

最後にもっとも重要なNG行為が、一般ゴミ・不燃ゴミ・資源ゴミに混ぜて出すことです。

膨張したモバイルバッテリーはもちろん、通常のモバイルバッテリーであっても、多くの自治体が「燃えるごみ・燃えないごみ・資源物としては出さないように」と明確にルール化しています。

ごみ収集車や処理施設での火災は、作業員の安全だけでなく、周辺住民にも大きな被害を及ぼす可能性があります。

「分からないから、とりあえず不燃ゴミに混ぜる」という自己判断は、絶対に避けてください。


膨張していないモバイルバッテリーの捨て方との違い

通常品の主な処分ルートと費用感

膨張していない、見た目に異常のないモバイルバッテリーであれば、次のようなルートで処分できる場合が多いです。

  • JBRC協力店(家電量販店・ホームセンター等)のリサイクルボックス

  • 自治体が設置する小型家電回収ボックス

  • メーカーや販売店の回収・下取りサービス

多くの場合は無料回収ですが、自治体やサービスによって例外もあるため、事前確認が安心です。

膨張品で追加される注意点を比較表で整理

文章上の比較になりますが、ポイントを整理すると次のようになります。

  • 処分ルート

    • 通常品:リサイクルボックスへの投入が可能な場合が多い

    • 膨張品:リサイクルボックスNGで、窓口への直接持ち込みや自治体指定の方法が必要になりがち

  • 事前処理

    • 通常品:端子の絶縁処理を行い、所定の回収方法に従う

    • 膨張品:絶縁処理に加えて、保管方法・運搬方法により慎重な配慮が必要

  • 確認先

    • 通常品:販売店やJBRC協力店の案内で完結しやすい

    • 膨張品:自治体の環境関連窓口・清掃工場など公的機関への確認がほぼ必須

このように、膨張しているかどうかで求められる注意のレベルと相談先が変わることを理解しておくと、誤った処分を避けやすくなります。

今後のトラブルを防ぐための選び方・使い方のポイント

膨張させないことが、最も安全で手間のかからない対策です。今後の利用に向けて、次の点も意識しておきましょう。

  • PSEマークが表示された信頼できるメーカー製品を選ぶ

  • 高温の車内や直射日光の当たる場所に放置しない

  • 対応していないケーブルや充電器での急速充電を避ける

  • モバイルバッテリーの表面が熱くなりすぎていないか、定期的に確認する

  • 購入後数年経過し、充電持ちが極端に悪くなったものは早めに交換する


まとめ|「自己流で捨てない」が最大の防火対策

今すぐできる行動(保管・確認・問い合わせ)

もし今、手元に膨張したモバイルバッテリーがある場合は、次の順番で行動してみてください。

  1. 充電・使用を中止し、ケーブルを外す

  2. 火気・高温・水を避けた場所に一時保管する

  3. 可能な範囲で端子の絶縁処理を行う

  4. 「膨張 モバイルバッテリー 処分 ○○市」などで検索し、自治体ルールを確認する

  5. 不明点があれば、自治体の環境関連窓口や清掃工場に電話で問い合わせる

この5ステップを踏めば、「どうしていいか分からない不安な状態」から抜け出すことができます。

安全に処分したあとの買い替え時の注意点

安全に処分が完了したら、あらためて新しいモバイルバッテリーの購入を検討することになると思います。その際は、以下の点に注意してください。

  • PSEマークなど、安全基準を満たした製品かどうかを確認する

  • 過度に安価な無名ブランド品は避け、信頼できるメーカーから購入する

  • 容量や出力だけでなく、過充電防止機能・温度保護機能など安全機能にも目を向ける

そして今後も、膨張や異臭、異常な発熱など「いつもと違うサイン」に気付いたら、早めに使用を中止し、今回ご紹介した手順を思い出していただければ幸いです。