キッチンやお弁当づくりで欠かせない存在となっている「パストリーゼ77」。
食品に直接噴霧できて、シュッとひと吹きするだけで除菌・防カビ対策ができることから、多くのご家庭や飲食店で愛用されています。
一方で、インターネットやSNSでは「危険らしい」「子どもやペットには良くない」「火事の原因になることもある」といった不安な情報も目に入ってきます。便利だからこそ、もし本当に危険なのであれば、今すぐやめるべきなのではないか――そのような迷いを抱えている方も少なくありません。
本記事では、メーカー公式情報や安全データシート(SDS)などの一次情報をもとに、パストリーゼ77の「危険性」と「安全な使い方」を整理し、過度な不安に振り回されず、しかし油断もせずに上手に付き合うためのポイントを解説いたします。
火災リスク・健康への影響・素材へのダメージといった観点から、避けるべき使用方法と守るべきルールを具体的にお伝えし、子どもやペットがいるご家庭でも安心して判断できる材料をご提供いたします。
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パストリーゼ77は、高濃度エタノールを主成分とする強力な除菌アイテムでありながら、食品に使えるレベルの原料で作られた、非常に扱いやすい製品でもあります。
その一方で、消防法上は危険物に区分される可燃性液体であり、使い方を誤れば火災や健康被害、フローリング・家具の劣化といったトラブルにつながる可能性も確かに存在します。
重要なのは、「危険だからやめる」か「安全だから気にしない」という二択ではなく、
どのような点に注意すれば、安全性と利便性のバランスを取れるのかを理解することです。
火気の近くでは決して噴霧しない
換気をしながら、必要最小限の量で使用する
素材への影響が心配な場所では、必ず目立たないところで試す
ラベルのない容器への詰め替えや、子ども・ペットの手が届く場所での保管は避ける
このような基本ルールを守るだけでも、リスクは大きく抑えることができます。
パストリーゼ77とは?成分と基本的な安全性
製品概要と食品添加物としての位置づけ
パストリーゼ77は、高濃度アルコールを主成分とした除菌用アルコール製剤です。主な用途は、次のような場面です。
キッチン周り(まな板・包丁・調理台・シンクなど)の除菌
食品容器・保存容器・お弁当箱・水筒などの衛生管理
テーブル・取っ手・ドアノブなどの表面の除菌
業務用の厨房や食品製造現場での衛生管理
大きな特徴は、食品に直接噴霧できる食品添加物タイプがあることです。これは、酒造用の醸造アルコールと純水など、食品として扱えるレベルの原料で構成されているためです。
ただし、パストリーゼ77は「医薬品」や「医薬部外品」ではありません。手指の消毒を目的として承認された製品ではないため、「常に手指消毒用として使ってよい」とは言えない点に注意が必要です。
成分(エタノール・カテキン等)とアルコール濃度
パストリーゼ77の主成分は以下の通りです。
エタノール(約70%/体積換算で77vol%)
精製水(純水)
緑茶由来カテキンなどの微量成分
高濃度エタノールであるため、以下の性質を持ちます。
揮発性が高く、乾きやすい
強い可燃性があり、火気厳禁である
素材によっては変色・劣化を引き起こす可能性がある
一方で、毒物や劇物に該当するようなものではなく、適切な範囲・用法で使用すれば、家庭でも安全に使える性質の製品です。
他の除菌スプレーとの違いとメリット・デメリット
パストリーゼ77と、一般的な除菌スプレーを比較すると、以下のような特徴があります。
| 項目 | パストリーゼ77 | 一般的なアルコールスプレー | 塩素系(次亜塩素酸ナトリウム等) |
|---|---|---|---|
| 主成分 | 高濃度エタノール+カテキン | エタノール(濃度はさまざま) | 次亜塩素酸ナトリウムなど |
| 食品への直接噴霧 | 食品添加物タイプは可 | 不可の製品も多い | 基本的に不可 |
| におい | アルコール臭のみで比較的少ない | 香料入りもある | 塩素臭が強い |
| 可燃性 | 高い(火気厳禁) | 濃度により中〜高 | 液自体は非可燃だが別の危険あり |
| 素材への影響 | 樹脂・ワックスなどで白シミの可能性 | 製品により異なる | 金属腐食・漂白に注意 |
メリット
食品や食品容器に使いやすい
乾きが早く、二度拭き不要な場面が多い
においが比較的少ない
デメリット・注意点
高濃度アルコールゆえの火災リスク
フローリングや家具など一部素材で変色・白シミのリスク
手指消毒用として承認された製品ではない
パストリーゼの「本当の危険性」とは何か
火災・引火リスク:高濃度アルコールと消防法上の位置づけ
アルコール濃度が60%以上の製品は、消防法上「危険物第4類」に該当します。パストリーゼ77はこの条件を満たすため、火気厳禁の表示が義務付けられるレベルの可燃性液体です。
危険性が高まる具体的なケースは、以下の通りです。
ガスコンロ・グリル・オーブントースターなど火が出ている器具に向けて噴霧する
使用直後で高温になっているコンロやオーブン庫内に大量噴霧する
ストーブやファンヒーター、暖炉などの火の近くで噴霧する
コンセント・プラグ・スイッチ部分など「火花」が生じる可能性のある部分に噴霧する
アルコール蒸気は一時的に空気中に拡散し、一定以上の濃度と火花・火がそろうと引火する可能性があります。日常的にすぐ火災になるわけではありませんが、「火と一緒に使う」ことが最も危険な使い方です。
吸入・皮膚・目・誤飲など人体への影響
高濃度アルコールを噴霧した場合、人体への影響として考えられるのは次のような点です。
吸入
換気が不十分な場所で大量に噴霧すると、目や喉の刺激、頭痛、めまい、吐き気などが起こる可能性があります。
皮膚への付着
一般的には大きな問題になりにくいものの、乾燥や刺激を強く感じる場合があります。敏感肌の方は注意が必要です。
目に入った場合
強い刺激や痛みを伴うことがあり、すぐに水でよく洗う必要があります。
誤飲した場合
少量であっても、子どもや体重の軽い方では急性アルコール中毒のリスクが高くなります。
また、パストリーゼ77は医薬品・医薬部外品としての消毒薬ではないため、手指消毒用として日常的に使うことは推奨されません。どうしても一時的に使う場合でも、
ごく少量にとどめる
肌荒れや刺激が出たら直ちに中止する
といった慎重な運用が望ましいです。
ペット・乳幼児がいる家庭での注意点
ペットや乳幼児がいる家庭で使う際には、次の点に特に注意する必要があります。
体や顔・口に直接噴霧しない
噴霧した場所は完全に乾いてから触れさせる
スプレーボトルを子どもやペットがさわらないよう、必ず手の届かない場所に保管する
使用後、ペットや子どもの様子に変化(咳き込み・嘔吐・ふらつき・目や皮膚の赤みなど)があれば、使用を中止し、必要に応じて医療機関・獣医師に相談する
狭い室内でケージやベビースペース周りに繰り返し噴霧すると、一時的にアルコール濃度が高まり、呼吸器への負担となる可能性があります。
「必要な場所に、必要な量だけ」「使用後は必ず換気する」ことを基本ルールとしてお考えください。
安全に使うための基本ルールと手順
キッチン・調理中の正しい使い方
キッチンでの一般的な使い方の手順は、以下の通りです。
汚れ・油を先に落とす
目に見える汚れや油が残っていると、アルコールが十分に効果を発揮できません。洗剤や水拭きで先に掃除します。水気をよく拭き取る
水分が多いとアルコール濃度が薄まり、除菌力が低下します。布巾やペーパーで水気を取ります。対象物から少し離して噴霧する
20〜30cm程度離し、表面が軽く湿る程度を目安にスプレーします。自然乾燥させる
そのまま自然乾燥させることで、アルコールが揮発しつつ除菌が行われます。拭き取りたい場合も、数十秒程度置いてから拭き取ると良好です。使用後は換気を行う
調理中は換気扇を回し、窓を開けるなどしてアルコール蒸気がこもらないようにします。
火気との関係では、以下を徹底してください。
コンロの火が付いている間は噴霧しない
グリル・オーブン・トースターなど高温の器具には、冷めてから使用する
ガスコンロ周辺で使用する場合は、必ず火を消してから行う
電子レンジや冷蔵庫などの家電に使う場合は、
取扱説明書で「アルコール使用不可」の記載がないか確認する
電源を切ったうえで、電装部やコンセント部分にはかからないよう注意する
といった点を守ると安全性が高まります。
食品・お弁当・作り置きへの噴霧手順と注意点
食品添加物タイプのパストリーゼ77は、食品への直接噴霧が可能です。ただし、次のような手順と注意点を守るとより安全・快適に利用できます。
調理を終えてから噴霧する
火を通す・味付けを終えるなど、仕上げた状態の食品に使用します。表面にうっすらかかる程度を目安に噴霧する
かけ過ぎるとアルコール臭が強く残りやすくなります。ラップやフタをする前に少し置く
1〜2分程度おいて、アルコールがある程度揮発してから包装すると、においが和らぎます。アルコールに弱い方・子どもには配慮する
においが気になる場合は、食品ではなく容器の内側に噴霧する
使用量を減らす
などの方法で調整すると安心です。
「アルコール臭がする=危険」ということではありませんが、必要以上の多量使用は避けることが、安全面・味の面の両方から重要です。
保管方法と詰め替え時の注意点
パストリーゼ77の保管と詰め替えで守るべきポイントは、次の通りです。
保管の基本ルール
直射日光を避け、涼しく風通しのよい場所に置く
コンロ・ストーブ・ヒーターなど、火気の近くに置かない
子どもやペットの手が届かない場所や戸棚の中に保管する
車内など高温になる場所に放置しない
詰め替え時の注意点
耐アルコール性の容器(HDPE・ガラスなど)を使用する
他の薬剤が入っていた容器を再利用しない(成分が混ざる危険あり)
容器に必ず「パストリーゼ」「高濃度アルコール」「火気厳禁」などのラベルを貼り、中身を明確にする
元の容器と同様に、火気・高温・子どもの手が届く場所を避けて保管する
ラベルのない容器に詰め替えると、誤飲・誤使用のリスクが非常に高くなります。家庭内の安全管理の観点からも、表示は徹底していただくことを強くお勧めいたします。
他の除菌アイテムとの比較(価格・用途・安全性)
他社アルコールスプレーとの比較
他社のアルコールスプレーと比較するときは、次のような点に着目すると整理しやすくなります。
アルコール濃度(70%前後/50〜60%/低濃度など)
食品への使用可否(食品添加物タイプかどうか)
香料・保湿成分の有無(手指用か表面用か)
パストリーゼ77は、
高濃度アルコール
食品添加物タイプ
カテキン配合
という点で、キッチン・食品周りに特化した製品と考えることができます。
一方で、手指消毒が主目的であれば、保湿成分が配合された「手指消毒用」医薬部外品のアルコール製剤の方が、肌への負担が少なく、表示も明確です。
次亜塩素酸ナトリウム・次亜塩素酸水など塩素系との違い
塩素系の代表が、家庭用の塩素系漂白剤にも使われる「次亜塩素酸ナトリウム」です。こちらは、
ノロウイルスなど一部のウイルスに高い効果がある
一方で、強い塩素臭・金属腐食性・漂白性がある
他の薬剤と混ざると有毒ガスが発生する危険がある
といった性質を持ちます。
パストリーゼ77は塩素を含まず、塩素ガスの危険はありませんが、その代わり火災リスクと揮発・吸入の問題が主な注意点となります。
用途ごとに、
嘔吐物などノロウイルスリスクへの対応
漂白を避けたい場所の除菌
食品周りの衛生管理
といった観点で、アルコール系と塩素系を使い分けることが重要です。
シーン別の使い分け早見表
以下は、代表的なシーンごとの使い分けイメージです。
| シーン | パストリーゼ77 | 一般アルコールスプレー | 塩素系(次亜塩素酸ナトリウム等) |
|---|---|---|---|
| お弁当・作り置き | ◎(食品添加物タイプ) | △(食品不可のものも多い) | × |
| まな板・包丁 | ◎ | ○ | △(漂白・腐食に注意) |
| トイレ・浴室の床や壁 | ○(換気を十分に) | ○ | ○(カビ・ノロ対策向け) |
| ペットトイレ周り | ○(乾燥後使用) | ○ | △(ペットへの接触に注意) |
| 金属・布製家具 | ○(素材による) | ○ | △(腐食・色落ちのリスク) |
| 嘔吐物などノロ疑い | △(単独では不十分) | △ | ◎(適切な濃度で使用) |
「とりあえず何にでもパストリーゼ」という使い方ではなく、得意な場面・不得意な場面を理解したうえで選ぶことが、安全性と効果を両立させるポイントです。
よくあるトラブル事例と対処法
火気付近で噴霧してしまった・こぼしてしまった場合
炎に向けて噴霧してしまった場合
火が付いた・燃え移った場合
→ 直ちにその場から離れ、周囲の人とともに安全な場所へ避難してください。火が広がっている場合は、迷わず消防(119番)へ通報する必要があります。火は付かなかったが、火気の近くで使用してしまった場合
→ すぐに火を消し、窓を開ける・換気扇を回すなどして十分に換気してください。
床やテーブルに大量にこぼした場合
周囲の火気(コンロ・ストーブ・ライターなど)をすべて消す
窓を開け、換気扇を回すなどして換気を行う
布やペーパータオルで液体を吸い取り、拭き取る
拭き取った布は水を含ませてからビニール袋に入れ、密封して廃棄する
アルコールは揮発が早いものの、一度に大量にこぼすと蒸気を吸い込みすぎるおそれがあります。換気を優先して行ってください。
フローリングや家具が白くなった・傷んだ場合
フローリングにワックスが塗られている場合、パストリーゼを繰り返し噴霧すると、ワックスとアルコールが反応して白く濁る「白シミ」が発生することがあります。家具の塗装面でも同様です。
対処法の一例としては、以下のような方法が知られています。
キメの細かいスポンジに少量の食用油を付けて、白くなった部分をやさしくこする
フローリング用の樹脂ワックスを白シミ部分に塗り、薄く延ばして乾燥させる
ただし、素材やワックスの種類によって結果が異なるため、広い範囲で試す前に目立たない場所でテストしてから作業することを推奨いたします。
今後同じトラブルを防ぐためには、
フローリングや家具に使用する前に、目立たない場所で少量を試す
高価な家具・賃貸の床などでは、極力直接噴霧を避け、布に吹きかけてから拭く
といった工夫が有効です。
吸い込みすぎた・誤飲した・目に入った場合の初期対応
一般的な応急措置の例を、状況別に整理いたします。
吸入した場合
直ちにその場から離れ、新鮮な空気の場所で安静にする
気分が悪い・頭痛やめまいが続く・息苦しさがある場合は、医療機関に相談する
皮膚に付着した場合
汚染された衣服を脱ぎ、流水やシャワーでよく洗い流す
刺激や赤みが続く場合は、医師に相談する
目に入った場合
コンタクトレンズを外し、数分〜15分程度、水でしっかりと洗い流す
痛みが強い、視界に異常がある場合は、できるだけ早く眼科など専門医の診察を受ける
誤飲した場合
無理に吐かせない
すぐに医療機関へ連絡し、製品名・摂取量・年齢・体重・症状などを伝え、指示に従う
意識がない・けいれんしているなどの場合は、直ちに救急要請が必要
具体的な対応は、年齢・体重・持病・摂取量などによって異なります。不安がある場合や判断に迷う場合は、ためらわず専門家に相談してください。
応用的な使い方と安全確保のポイント
ペット用品・ベビー用品に使うときの工夫
ペットトイレ・ケージ、ベビー用品に使用する場合は、以下の点を意識すると安全性が高まります。
噴霧後、完全に乾いてからペットや赤ちゃんが触れるようにする
ペットの口や鼻が直接触れる部分(食器の内側・おもちゃの一部など)には、熱湯消毒や専用洗剤など、別の方法も検討する
使用後に、ペットや赤ちゃんの様子に変化がないか、いつもより注意して観察する
パストリーゼは劇物ではありませんが、体の小さな存在にとっては少量でも負担となる可能性があります。より安全側に倒した使い方を心掛けていただくことが安心につながります。
職場や店舗で大量に使う場合のリスク管理
飲食店・テイクアウト店・オフィスなどで大量に使用する場合は、家庭よりも一段階厳密な管理が望まれます。
使用場所ごとに換気方法(換気扇・窓・給排気設備など)を明確にする
保管場所・保管本数・使用量を把握し、必要以上に多く置かない
従業員に対し、
火気厳禁
コンセント周りへの噴霧禁止
ラベルのない容器への詰め替え禁止
といったルールを文書で提示し、定期的に教育する
一定量以上を保管する場合、消防法上の規制・届出が必要となるケースもあります。業務用としてまとまった量を使用・保管する場合は、所轄の消防署や専門業者に相談し、法令順守と安全管理を両立させてください。
災害備蓄としての活用と注意点
パストリーゼ77は、災害時の衛生管理用品としても活用できます。ただし、備蓄する際には次の点に注意が必要です。
直射日光や高温多湿を避け、火気から離れた場所に保管する
定期的に在庫を確認し、古いものから日常使いに回す「ローリングストック」を行う
ガスボンベ・灯油・塩素系漂白剤など、他の危険物と密集して保管しない
災害時は換気が難しい場面も想定されますので、使用量を絞り、可能な範囲で換気を確保することが大切です。
危険性セルフチェックリスト
家庭で確認したい「NG行動」チェックリスト
次の項目に当てはまる場合は、使い方の見直しを強くお勧めいたします。
ガスコンロやグリルの火が付いた状態で近くに噴霧することがある
ストーブやヒーターの近くで日常的に使用している
電源タップやコンセント部分に直接スプレーしている
換気をせず、狭い部屋で何度も噴霧している
ラベルのないボトルに詰め替え、中身を家族が把握していない
子どもやペットが簡単に触れる場所にボトルを置いている
フローリングや家具に、テストなしでいきなり大量噴霧している
一つでも当てはまる場合は、本記事の該当箇所を参考に、今日から使用方法を修正していただくことを推奨いたします。
使用前に確認する5つのポイント
パストリーゼを使用する前に、次の5点をチェックすると安全性が大きく高まります。
火気から十分に離れているか
換気が確保されているか(換気扇・窓開けなど)
対象物の素材はアルコールに強いか(ワックスやコーティングはないか)
他の薬剤(特に塩素系)と同時使用していないか
子ども・ペットがすぐ近くにいないか
これらを習慣として確認しておけば、事故のリスクを大きく減らすことができます。
ラベル表示・SDSのどこを見ればよいか
安全に使ううえで、容器ラベルとSDS(安全データシート)の確認は非常に重要です。
ラベルで確認したい項目
「火気厳禁」などの危険有害性に関する表示
使用上の注意、使用不可の対象物や場所
製造元・問い合わせ先
SDSで確認したい項目
応急措置(吸入・皮膚・目・誤飲ごとの対応方法)
取り扱いおよび保管に関する注意事項
法規制上の区分(危険物の種別など)
一度目を通しておくだけでも、非常時の落ち着いた対応に大きく役立ちます。
パストリーゼと危険性に関するFAQ
赤ちゃんがいる家で使っても大丈夫ですか?
適切な使い方を守れば、赤ちゃんがいる家庭でもパストリーゼを使用することは一般的に可能と考えられます。ただし、
赤ちゃんの肌や顔、口の周りに直接噴霧しない
噴霧した場所は完全に乾かしてから赤ちゃんを近づける
使用時には必ず換気を行う
といった基本的なルールは必ず守ってください。より慎重を期する場合は、赤ちゃんが直接口に入れるもの(おしゃぶりなど)には、別の方法(煮沸や専用洗剤)を検討することも有効です。
ペットが舐めてしまいました。どうしたら良いですか?
少量を一時的に舐めた程度では、直ちに重大な症状が出るケースは多くありませんが、体の小さいペットほど影響を受けやすいと考えられます。
まずはペットの様子をよく観察し、嘔吐・ふらつき・元気がないなどの症状がないか確認する
不安がある場合や、いつもと様子が明らかに違う場合は、早めに獣医師に相談する
今後は、ペットが舐める可能性の高い場所への使用を控える、噴霧後十分に乾燥させる、といった運用に切り替える
ことで、リスクを減らすことができます。
お弁当がアルコール臭くなるのは危険ですか?
お弁当に噴霧した際にアルコール臭を感じることがありますが、適量であれば、においがすること自体が直ちに危険というわけではありません。
ただし、
噴霧量が多すぎる
すぐに蓋を閉めてしまい、揮発する時間がない
などの場合、味やにおいの面で食べづらく感じるだけでなく、アルコールに弱い方には負担となる可能性があります。
対策としては、
噴霧量を見直し、必要最小限にする
食品そのものではなく、容器の内側に噴霧する
ラップやフタをする前に、少し時間を置いてから閉める
といった方法で調整することをお勧めいたします。
手指の消毒に使ってもよいですか?
パストリーゼ77は「手指消毒用」として承認された医薬品・医薬部外品ではありません。そのため、日常的に手指消毒用として常用することは推奨されません。
日常の手指消毒には、厚生労働省の承認を受けた手指用アルコール製剤を使用する
どうしても一時的に使う場合でも、肌の状態をよく観察し、異常があればすぐに中止する
という方針を基本としていただくと安全です。
SNSで「危険だからやめた方がいい」と見ましたが本当ですか?
パストリーゼ77は、高濃度アルコールであるため、
火気との組み合わせによる火災リスク
吸い込みすぎ・誤飲・目への飛入などによる健康リスク
素材によっては白シミや劣化のリスク
といった注意すべき危険性を確かに持っています。
一方で、毒物や劇物に分類されるような製品ではなく、適切なルールを守って使用すれば、家庭や業務で広く利用できる安全性も備えています。
したがって、
「まったく危険ではない」というのも誤り
「どんな使い方でも危険だからやめるべき」というのも極端
といえます。重要なのは、正しい危険性の理解にもとづき、適切な使い方に徹することです。
まとめ:危険性を正しく理解して、安心して活用するために
この記事の要点おさらい
パストリーゼ77は、高濃度エタノールとカテキンを主成分とする食品添加物タイプのアルコール製剤です。
可燃性が高く、消防法上「危険物第4類」に相当するため、火気厳禁・換気・保管方法には特に注意が必要です。
密閉空間での大量噴霧、火気近くでの使用、ラベルのない容器への詰め替え、子どもやペットの手が届く場所への保管などは、事故や健康被害のリスクを高めます。
適切な手順とルールを守れば、キッチンや食品周りを中心に、家庭や業務で安全かつ便利に活用できる製品です。
今日から見直したい3つのポイント
火気との距離を必ず確保すること
コンロ・グリル・ストーブ・コンセント周辺では使用しない、火を消してからスプレーする。換気と噴霧量を意識すること
換気扇や窓を活用し、必要最小限の噴霧量に抑えることで、吸入リスクを軽減する。容器とラベルを適切に管理すること
耐アルコール容器のみを使用し、「中身が一目で分かる」ラベル表示を徹底する。
最新情報の確認と今後の注意点
アルコール製剤を取り巻くルールやガイドラインは、社会状況や法令の変更によりアップデートされる可能性があります。安全に利用し続けるためには、
メーカー公式サイト
最新の安全データシート(SDS)
行政機関からの通知・注意喚起
といった一次情報に時々目を通していただくことが有効です。