「アナザーコード リコレクション」は、手がかりを集めて謎を解く面白さと、読み終えたあとに静かに残る余韻が同居するアドベンチャーです。孤島の屋敷で始まる「2つの記憶」と、湖畔で過去へ踏み込む「記憶の扉」。2つの物語は別々の事件を追いながら、やがて“記憶”という一本の線でつながっていきます。
ただ、プレイ前は「どんな順番で遊べばいいのか」「謎解きで詰まらないか」、プレイ中は「次に何をすれば進むのか」「取り逃しがないか」と不安になりやすいのも事実です。
本記事では、作品の全体像とおすすめの進め方を先に整理し、詰まりやすいポイントの回避策、収集要素の考え方、クリア後までを一気に解説します。迷いを減らして物語に没入し、最後まで気持ちよくたどり着くためのガイドとしてお役立てください。
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アナザーコード リコレクションの概要とできること
「アナザーコード リコレクション」は、記憶をめぐるミステリーと探索・謎解きを軸に進むアドベンチャー作品です。プレイヤーは主人公アシュレイとして、島や湖畔の舞台で手がかりを集め、会話や観察を通じて真相に近づいていきます。本作の特徴は、派手なアクションで押し切るタイプではなく、「気づき」と「つながり」を積み重ねて進行する点にあります。そのため、購入前は「自分に合うテンポなのか」「謎解きが難しすぎないか」、プレイ中は「どこを調べればいいのか分からない」「進行条件が見えない」といった不安が出やすい傾向があります。
一方で、そうした不安は、作品の全体像と“詰まりやすい型”を押さえておくだけで大きく軽減できます。本記事では、まず作品の基本を整理し、次に物語の順番と位置づけを明確にしたうえで、攻略の進め方、収集とクリア後、購入判断につながるボリューム・テンポの観点まで丁寧に解説します。
2作品収録とリメイクのポイント
本作は「2つの記憶」と「記憶の扉」という2つの物語を1本に収録していることが大きな魅力です。収録形式としては“同じ世界観の2編を続けて遊べる”構成であり、短編を2本読むような感覚ではなく、人物や記憶のテーマを共通項として深めていく読み味になります。
また、リコレクションという名の通り、遊びやすさの面でも調整されたタイトルである点が重要です。原作を知っている人は「どこが変わったのか」に目が向きがちですが、初めて触れる人にとっては「ストレスなく進められるか」がより重大です。具体的には、探索の導線やヒントの出し方、操作の快適さなど、アドベンチャーにおいて“気分よく没入できるか”に関わる部分が満足度を左右します。謎解きが好きでも、詰まりが長引きすぎると集中が切れやすく、物語の余韻も薄れがちです。本作はその点で、適切に手がかりへ戻れる仕組みや、詰まりを解消する補助が用意されているため、謎解きが得意でない人でも「止まり続けて投げてしまう」リスクを下げやすい作品設計になっています。
対応機種・発売日・価格の整理
購入判断の前提として、基本情報を一度固定しておくと迷いが減ります。対応機種はNintendo Switchです。パッケージ版とダウンロード版があり、遊ぶ環境(本体容量、入れ替えの手間、貸し借りの有無)で選び方が変わります。
価格面は、アドベンチャー作品としては標準〜ややしっかり目の設定に見えるかもしれません。しかし2編収録であること、物語体験の“密度”が価値の中心であることを踏まえると、「長時間遊べるか」だけでなく「記憶に残る体験として納得できるか」を基準にすると判断しやすくなります。アクションのように周回で遊び尽くす作品ではなく、初回の没入と読後感が核になりやすいからです。
ストーリーの順番と2つの記憶・記憶の扉の関係
本作で迷いやすいポイントのひとつが、「2つの物語はどう繋がるのか」「どちらから遊ぶべきか」です。結論としては、初めて触れる場合ほど順番の選択は重要になります。理由は単純で、人物関係や“記憶”というテーマの提示が、順番によって理解のしやすさに差が出るためです。
基本的には「2つの記憶」が入口として設計され、「記憶の扉」がその後に続く形で、世界観と主人公の背景をより深く掘り下げます。もちろん、好きな方から始めても遊べる作りではありますが、理解のスムーズさと感情の積み上げを優先するなら、順番は意識しておく方が得です。
2つの記憶の導入と魅力
「2つの記憶」は、アシュレイの“現在”を出発点にしつつ、島という閉ざされた舞台で手がかりを積み上げていく構成が魅力です。孤島、屋敷、限られた登場人物、記憶の断片。こうした要素が揃うことで、読者(プレイヤー)は「次に何を調べ、どこで繋がるのか」を自然に追いかけられます。
この編の魅力は、ミステリーの入口が分かりやすいことにあります。何が起きたのか、誰が何を知っているのか、過去に何があったのか。こうした疑問が段階的に提示され、探索と会話で少しずつ解像度が上がっていきます。謎解きも、単にパズルとして成立するだけでなく、舞台の仕掛けや人物の背景と絡み合いながら進むため、「解けた」だけでなく「分かった」という納得感が得やすいタイプです。
さらに、アドベンチャーとして重要なのは、主人公の視点が「感情の揺れ」として伝わることです。アシュレイが何に戸惑い、何に確信を持ち、何に傷つくのか。こうした心の動きが丁寧であるほど、プレイヤーは操作しているのではなく“同行している”感覚になります。「2つの記憶」はその入口として、物語の推進力と人物への共感を作りやすい設計です。
記憶の扉の導入と魅力
「記憶の扉」は、より“過去”に踏み込んでいく読み味が強くなり、記憶のテーマが重層化していきます。舞台が変わることで空気感も変化し、前編とは違った種類の不穏さや切なさが浮かび上がるのが特徴です。もし「2つの記憶」が“いま起きている謎”を追う面白さだとすれば、「記憶の扉」は“過去の出来事が現在をどう形づくっているか”を辿る面白さに寄ります。
この編では、理解する対象が増えるぶん、プレイヤーが抱える疑問も増えやすいです。人物の関係性、言葉の裏、手がかりの意味。情報が増えること自体は魅力ですが、同時に「どの情報が進行に必要なのか」「何を優先して追えばいいのか」が分かりにくくなる瞬間もあります。その分、順番としては前編で世界観と主人公像を固めておいた方が、後編で迷いにくくなります。
「記憶の扉」は、体験としての余韻が強く残りやすい編でもあります。事件や謎の真相だけでなく、人の選択や後悔、向き合い方が中心に据えられているため、読み終えたあとに「何が描かれていたのか」を振り返りたくなるタイプです。派手な展開よりも、静かな衝撃や感情の沈み込みで刺さる人にとっては、特に評価が上がりやすいでしょう。
どちらから遊ぶべきか
迷ったら、基本は 「2つの記憶」→「記憶の扉」 をおすすめします。理由は3つあります。
1つ目は、主人公アシュレイの置かれた状況と性格、行動原理を理解しやすいことです。物語の入口で「この人は何を大事にしているのか」が掴めると、後編で迷いにくくなります。
2つ目は、舞台とルールがシンプルなため、探索と謎解きの“作法”を先に身につけられることです。どこまで調べるべきか、会話をどう回すか、手がかりをどう扱うか。こうした習慣ができていると、後編の情報量が増える局面でも安定して進められます。
3つ目は、感情の積み上げが自然になることです。アドベンチャーはストーリーの理解だけでなく、気持ちの流れが途切れないことが満足度に直結します。順番を整えておくと、後編の場面がより深く響きやすくなります。
攻略の進め方と謎解きで詰まらないコツ
アドベンチャー作品で詰まる原因は、「難問だから」というより「進行条件が見えない」「やるべき行動が思いつかない」という“視界の狭さ”にあります。本作は特に、会話・観察・アイテムの扱いが絡み合い、どれか一つが抜けると進行が止まりやすい設計です。
ここでは、詰まりを防ぐために必要な考え方と、止まったときの復帰手順を整理します。大切なのは、手当たり次第に動くことではなく、「詰まりの型」を見抜いて対処することです。
詰まりやすい場面の共通パターン
詰まりは大きく3つの型に分けられます。自分がどの型で止まっているか分かるだけで、復帰のスピードが上がります。
1)調べる対象の見落とし
最も多いのがこれです。部屋の中に“気になるもの”があるのに、視点や立ち位置のせいで調べられる判定に入りづらい、あるいは「前に調べたからもう何もない」と思い込んでしまうタイプです。特に、イベントが一つ進んだ後に同じ場所へ戻ると、同じオブジェクトでも反応が変わることがあります。
対処法は、部屋を「壁→机→床→出入口」の順でなぞり直すことです。闇雲に動くのではなく、視線を一定のパターンで巡回させると漏れが減ります。
2)会話・キーワードの消化不足
次に多いのが会話です。重要情報はイベントカットシーンに限らず、会話の選択肢の中に埋め込まれていることがあります。会話を途中で切り上げてしまうと、進行フラグが立たず、いくら探索しても動かない状態になります。
対処法は、関係者の会話を「一巡」させることです。選択肢がある場合は全て選び、同じ相手に2回話しかけて反応が変わらないか確認します。アドベンチャーでは「もう話した」と思った相手が鍵になることが珍しくありません。
3)移動先の思い込み
「次はここに行くはず」という思い込みで止まる型です。一本道のように見えて、実際には“寄り道で必要な情報を拾う”作りになっている場合、正面から進もうとしても空振りになります。
対処法は、直前に解決した謎や入手した情報に立ち返り、「この情報はどこで使うのか」を言語化することです。「鍵を手に入れた」なら“鍵穴”がある場所へ、「誰かの話を聞いた」なら“その人物に会える場所”へ、といった具合に、情報を行動へ変換します。
探索の基本と会話・キーワードの扱い
本作の攻略で重要なのは、探索を「面で広げる」のではなく「点を確実につなぐ」ことです。具体的には、次の手順で進めると詰まりが減ります。
手順1:いま居る場所を“出る前に”調べ切る
部屋を出て別のエリアへ移動してから戻ると、どこまで調べたかが曖昧になります。まずは現在地の中で、違和感があるもの・触れそうなものを一通り当たってから出ます。ここでのコツは「新しい部屋ほど丁寧に」です。初めて入る場所は手がかりが密度高く配置されていることが多く、雑に流すと後で取り返しがつきにくくなります。
手順2:会話は“更新が止まる”まで回す
会話は一度で終わるとは限りません。選択肢が出る場合は、全て選ぶのが基本です。さらに、同じ相手に連続で話しかけると反応が変わるケースもあるため、「選択肢が尽きた」+「追加反応がない」の2段階で確認すると安全です。
会話が長く感じる場合でも、進行を止めるよりは、会話を回し切ってから探索に戻る方が結果的に早く進みます。
手順3:入手した情報を“使いどころ”に変換する
アドベンチャーで詰まりが長引くのは、情報が「知識」で止まってしまい、行動に変換されないときです。
たとえば「場所の名前」を知ったなら、その場所へ行く。「道具の存在」を知ったなら、道具が置かれていそうな場所を探す。「特定の言葉」が鍵なら、その言葉を手がかりに会話相手を変える。
この変換が上手くいくと、謎解きは“閃き”だけでなく“推理”として進められるようになり、苦手意識が薄れます。
ヒント機能の使いどころ
謎解きの面白さは「考えて、解ける」ことにあります。しかし、同じ場所を何度も往復し、何をすればいいのか分からないまま時間だけが過ぎると、面白さより疲れが勝ちやすくなります。重要なのは、ヒントや手がかりを“敗北”ではなく“復帰の道具”として扱うことです。
おすすめの運用は、次のようなルールを自分の中に作ることです。
5分程度試しても、仮説が一つも立たないときはヒントを検討する
仮説が立っているなら、まずは仮説を検証してから使う
ヒントは最初から最後まで読むのではなく、必要最小限だけにする
この運用にすると、謎解きの手触りを保ちつつ、詰まりによるストレスを最小化できます。結果として、物語への没入が途切れにくくなり、読後感の満足度も上がります。
収集要素とクリア後にやること
アドベンチャーの収集要素は、アクションのように「効率周回で一気に回収」とは相性が良くないことがあります。理由は、物語の進行で舞台が変わったり、同じ場所でも状況が変化したりして、「いつでも回収できる」とは限らないためです。取り逃しに不安がある場合は、プレイ中から“取り逃しを減らす習慣”を作っておくのが現実的です。
取り逃しを減らす確認習慣
取り逃し対策で最も効果が高いのは、「節目での再確認」をルーティン化することです。具体的には以下のタイミングが狙い目です。
章や大きなイベントが終わった直後
新しいエリアに入る前
物語が大きく動いた直後(会話やムービーで状況が変わった直後)
このタイミングで、気になっていた場所を1〜2か所だけ再訪します。「全てを総点検する」ではなく、「気になる点だけ」を短時間で確認するのがポイントです。総点検を始めると疲れやすく、結局途中でやめてしまうからです。
また、探索のコツとして、メモ代わりに「気になったが後回しにしたもの」を頭の中でラベル付けしておくと効果的です。たとえば「鍵が必要そうな扉」「何かを置けそうな台座」「意味深な記号」など、後で戻るべき対象は似た特徴を持ちます。これらを意識しておけば、必要なアイテムを手に入れた瞬間に「使いどころ」が思い出しやすくなり、取り逃しも減ります。
クリア後解放・周回時の注意点
クリア後にやることは、大きく2つに分かれます。ひとつは「回収の完了」、もうひとつは「物語の再確認」です。
回収の完了
取り逃した要素がある場合、クリア後に回収できる範囲と、取り返しがつかない範囲が気になるところです。作品によって仕様は異なるため、取り逃しが不安な場合は、プレイの節目ごとに軽く確認する姿勢が有効です。特に、物語が大きく切り替わる直前は「戻れなくなる可能性」が高いポイントになりやすいため、直前のエリアで“気になるもの”だけでも確認しておくと安心です。
物語の再確認
アナザーコードの魅力は、謎が解けた瞬間の爽快感だけでなく、後から振り返ったときに「そういう意味だったのか」と腑に落ちる感覚にあります。クリア後は、印象に残った会話や場面を思い出しながら、「どの場面で伏線が提示されていたか」「人物の言葉の裏に何があったか」を整理すると、体験の価値が一段深まります。
周回する場合は、初回では見落としていた細部に気づきやすくなり、物語の読み味が変わります。テンポの好みは分かれますが、作品世界が肌に合った人ほど、二度目の理解が増えるタイプの作品です。
クリア時間の目安と評価の分かれ目
購入前に知っておきたいのは、単に何時間で終わるかではなく、「どんな時間の使い方になるか」です。アドベンチャーは、プレイ時間よりも“密度”が満足度を左右します。同じ20時間でも、作業感が強い20時間と、没入していた20時間では価値がまったく異なるからです。
ボリューム感の目安
ボリュームは、謎解きで詰まるかどうか、寄り道をどれだけするかで変動します。サクサク進める人は短めに収まり、じっくり観察しながら遊ぶ人は伸びやすいでしょう。特に、会話を丁寧に追い、部屋の隅々まで調べるタイプは時間が増えます。ただし、その増えた時間は“無駄”になりやすいかというと必ずしもそうではなく、作品との相性が良ければ「空気を味わう時間」として満足に繋がります。
一方で、謎解きが苦手で、同じ場所を何度も往復してしまう場合は、プレイ時間が伸びるわりに疲れが溜まりやすいです。そうならないためにも、前章で紹介した「詰まりの型の見分け」と「ヒントの運用」が役立ちます。ここを整えるだけで、ボリュームは“長い”ではなく“ちょうどよい”に変わりやすくなります。
テンポが合う人・合わない人
評価が分かれやすい最大の理由は、テンポ感です。本作は、刺激の強い展開を連打するタイプではなく、探索・会話・推理の積み重ねで進みます。この“積み重ね”を楽しいと感じる人は、ゆったりしたテンポを「丁寧」「没入できる」と受け取ります。逆に、次々と新展開が起きる作品を求めている人は、情報を回収する時間が「間延び」に感じやすいでしょう。
テンポが合うかどうかを見極めるには、次の観点が有効です。
一本道のアクションより、探索で状況を整理するゲームが好きか
会話を読むこと自体が苦にならないか
“雰囲気”や“余韻”を重視する作品が好きか
これらに当てはまるほど、テンポの遅さは弱点ではなく魅力として働きやすいです。
おすすめできる人チェックリスト
最後に、購入判断のためのセルフチェックを用意します。当てはまる数が多いほど、満足度が上がりやすい傾向です。
ストーリーや人物の心情を丁寧に味わいたい
孤島や湖畔といった舞台の空気感を楽しみたい
謎解きは好きだが、詰まったらヒントで前に進める方が良い
“派手さ”より“読後感”“余韻”を大切にしたい
1本で2つの物語を続けて遊び、世界観を深めたい
反対に、次の傾向が強い場合は注意が必要です。
テンポ最優先で、会話や探索の往復にストレスを感じやすい
謎解きで止まること自体が強い苦痛になりやすい
操作で爽快感を得る作品を中心に遊んでいる
ただし、テンポが合わない人でも「詰まりを短くする運用(ヒントの使い方・詰まりの型の判断)」を取り入れると、体験の質が改善する場合があります。購入後に後悔を減らすためにも、プレイスタイルと作品の性質を先に擦り合わせておくことが大切です。