アリババでの仕入れに興味はあるものの、「本当に大丈夫なのか」「詐欺やトラブルに巻き込まれないか」と不安をお持ちではないでしょうか。日本ではまだ情報が限定的な一方で、アリババを上手に活用して利益を出している事業者も数多く存在します。つまり、アリババは「危険」か「安全」かの二択ではなく、リスクを理解し、適切にコントロールできるかどうかが成否を分けるポイントです。
本記事では、「アリババ 危険性」というキーワードで多くの方が知りたいと感じている、詐欺・粗悪品・偽物・法規制・配送トラブルといった具体的なリスクを体系的に整理し、そのうえで初心者でも実践しやすいチェックリストと安全な取引手順をご提示いたします。読み終えていただく頃には、「なんとなく不安」という状態から、「どこに注意すべきかが分かったうえで、必要なリスクだけを取る」という判断ができるようになることを目指しています。
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アリババには、「圧倒的な仕入れ単価の安さ」「豊富な商品ラインナップ」という大きな魅力がある一方で、詐欺・品質のばらつき・コピー品・法規制・配送トラブルなど、見落とすべきでない危険性が確かに存在いたします。ただし、それらの多くは「どの段階で、何を確認すべきか」をあらかじめ把握していれば、相当程度まで低減できるリスクでもあります。
「何となく怖いから利用しない」という選択肢も一つですが、「リスクを理解し、ルールを決めて小さく試す」ことで、アリババを自社の仕入れ戦略の一つとして取り入れる道も開けます。
アリババ利用でよくあるトラブル・危険性
詐欺・決済リスク(偽請求・サイト外決済・支払い詐欺)
アリババ利用で最も避けたいのが「詐欺・決済リスク」です。代表的なパターンは以下のとおりです。
正規のメッセージを装った偽メール・偽請求書で、別口座へ振込させる
アリババの公式決済ではなく、「手数料が安いから」「早く出荷できるから」と言って、個人口座や別サイトでの支払いを要求される
支払い後に連絡が途絶え、商品が発送されない
ポイントは、「公式の取引画面と決済以外では支払わない」ことです。
アリババの購入者保護(Trade Assurance など)は、あくまで公式システム上の決済・注文に対して適用されます。チャットやメールで別口座を案内された場合は、原則として応じないようにすることが重要です。
品質リスク(粗悪品・説明と違う商品・不具合品)
アリババには多種多様なサプライヤーが存在し、品質レベルも大きくばらつきがあります。よくあるトラブルは以下のとおりです。
写真では高品質に見えたのに、届いた商品は明らかに粗悪
サイズやカラー、仕様が商品ページと違う
動作不良・欠品が多い
特に、いきなり大ロットで発注してしまうと、品質トラブルが一気に損失につながります。
初回は必ずサンプル発注または極小ロットで品質確認を行い、その結果を見てから本格的な発注に進むことがリスク軽減につながります。
偽ブランド・コピー品のリスク
人気ブランド品やキャラクター商品、デザイン性の高い商品については、コピー品・模倣品である可能性が高まります。これには次のようなリスクがあります。
商標権・著作権・意匠権などの知的財産権を侵害する可能性
日本の税関で差し止め・没収される可能性
最悪の場合、販売者として法的責任を問われるおそれ
特に、「明らかに市場価格より極端に安いブランド品」「有名キャラクターが無断で使われているような商品」は、輸入・販売自体を避けるのが安全です。
法律・規制のリスク(輸入禁止品・技適・知財侵害など)
アリババの商品は、中国国内基準を前提に製造されているものが多く、日本の法令・規格を満たしていない場合があります。代表的なリスクは以下のとおりです。
輸入禁止品・規制品
医薬品・化粧品の一部
動物・植物由来の一部商品
食品や添加物
電気・電子機器の技適・PSE 等の問題
無線機能付き機器(Wi-Fi、Bluetooth など)は「技適マーク」が必要
一部電気製品は「PSEマーク」等の安全基準が必要
知的財産権の侵害
デザインやロゴが他社の権利を侵害している可能性
これらを無視して輸入すると、
税関での差し止め・没収
行政指導・罰則
につながる可能性があります。仕入れる前に、対象商品が日本で合法的に輸入・販売できるか必ず確認する必要があります。
輸入・配送に関するトラブル(税関差し止め・遅延・破損など)
海外からの輸送には、次のようなリスクが常につきまといます。
税関での審査に時間がかかり、大幅な配送遅延が発生
梱包が不十分で、輸送中に破損・汚損する
インボイス(納品書)や書類不備により、税関で止められる
また、送料や関税・消費税など、トータルコストが想定より大幅に増えるケースもあります。
梱包方法・配送方法・インコタームズ(FOB / CIF / DAP など)の条件も、事前にサプライヤーと確認しておくことが重要です。
実際によくある事例(ケーススタディ)
詐欺にあったケース
信用できそうなメッセージを受け取り、案内された銀行口座に直接送金した
送金後、サプライヤーとの連絡が取れなくなり、出荷通知も来ない
アリババの公式注文を通していなかったため、購入者保護制度も使えなかった
このようなケースでは、送金金額を回収することはほぼ不可能です。「サイト外決済を要求された時点で赤信号」と考えるのが安全です。
届いた商品が想定と違ったケース
商品ページでは高品質な写真が掲載されており、レビューもそれなりに良かった
しかし実際に届いた商品は、素材がペラペラで縫製も雑
カラーやサイズがページ記載と異なるものも混在していた
このケースでは、初回から数百個単位で注文していたため、大量の在庫を抱え、ほぼ赤字で処分することになってしまいました。「サンプルでの事前確認」の重要性がよく分かる事例です。
輸入規制違反で商品が没収されたケース
人気キャラクター風のぬいぐるみや雑貨を大量に輸入しようとした
税関で知的財産権侵害の疑いがあるとして、貨物が差し止め
一部または全部が没収となり、商品代金・送料が無駄になった
このようなケースは、「権利関係を確認せず安さだけで仕入れた」 ことが原因で起こりがちです。
初心者でもできる「安全に使うためのチェックリスト」
以下は、初めてアリババを利用する際に確認しておきたい実践的なチェックリストです。
| チェック項目 | 内容・ポイント |
|---|---|
| サプライヤーの評価 | 星評価、レビュー数、取引件数、リピート率を確認する |
| 実績年数 | 何年アリババで出店しているかを確認する |
| サンプル発注 | いきなり大ロットではなく、必ずサンプルまたは少量発注でテストする |
| 商品ページの詳細 | 材質、サイズ、仕様、電源、認証マークなど、細部まで読み込む |
| 決済方法 | アリババ公式の決済システム(購入者保護付き)を利用する |
| コミュニケーション | 質問への回答スピード・内容・態度を確認する |
| 法律・規制確認 | 輸入禁止品・技適・PSE・知財など、日本で問題ないか確認する |
| 梱包・配送方法 | 梱包の品質、配送業者、追跡番号の有無を確認する |
| 返品・補償条件 | 不良品・未着時の対応ルールを書面やチャットで明確にしておく |
安全なサプライヤー・ショップを見分ける方法
評価・レビュー・取引実績を確認する
星評価が高く、レビュー件数が一定数以上ある
具体的なレビュー内容が書かれており、リピート購入とみられるコメントがある
取引実績(注文数・取引国数)が多い
これらは信頼性を判断するうえでの重要な材料です。
企業情報・認証の有無を見る
企業としての登記情報や所在地が明記されているか
工場認証や第三者機関の認証(ISO など)が表示されているか
こうした情報があるサプライヤーは、比較的ビジネス基盤がしっかりしていると考えられます。
コミュニケーションの質を確認する
質問に対して迅速かつ具体的に回答してくれるか
不明点に対し、写真や追加情報を提供してくれるか
納期・仕様・条件などをきちんと文章でまとめてくれるか
コミュニケーションの段階で不安を感じるサプライヤーとは、無理に取引を進めない方が無難です。
価格が「安すぎない」かをチェックする
同カテゴリの商品と比べて、明らかに価格が安すぎる場合は注意が必要です。
粗悪品
コピー品
在庫処分品
などの可能性があります。「相場から大きく外れた激安品」は、リスクが高いと考えるべきです。
取引〜輸入〜受取までのステップと注意点(流れで理解)
ステップ1:サプライヤーの選定
キーワードで商品を検索
候補となるサプライヤーを複数ピックアップ
評価・レビュー・実績・企業情報を比較
問い合わせを行い、返信内容とスピードを確認
ステップ2:サンプル(または少量)の注文
仕様や希望条件(サイズ、色、パッケージ等)を明確に伝える
サンプル価格・送料・納期を確認する
実際に届いた商品をチェックし、品質・仕様・表示内容を確認
ステップ3:本注文と決済
サンプルに問題がなければ、本注文の数量・単価・納期を交渉
アリババ公式の注文画面で数量・価格・条件を確認
公式決済システムで支払いを行う(サイト外決済は避ける)
ステップ4:出荷・配送・通関
出荷予定日・配送業者・追跡番号を確認
インボイス内容(商品名、数量、単価、HSコードなど)を確認
税関での確認が必要な場合に備え、必要書類を整理
ステップ5:商品到着・検品
到着後すぐに数量・外観・動作をチェック
不良品・不足分がないか確認し、あれば写真・動画で記録
問題がある場合は、速やかにサプライヤーへ連絡し、対応を協議
トラブルが起きたときの対処法/返金・補償の活用方法
正規決済を利用している場合
公式の紛争処理(Dispute)機能を使い、
商品の状態が分かる写真・動画
メッセージ履歴
注文情報
などを添えて申請します。
条件に応じて、
全額または一部返金
再送
が認められる場合があります。
サプライヤーとの直接交渉
軽微な不良や数量ミスの場合、
次回注文時の値引き
一部返金
といった形で解決を図ることもあります。
交渉内容は、必ずチャット上で文章として残すようにすると、後々の証拠にもなります。
法律・規制が絡むトラブルの場合
税関や関係機関の指示に従い、輸入を断念せざるを得ないケースもあります。
特に知財侵害や安全基準違反が疑われる場合は、無理に通関させようとせず、今後同種の商品の取引を避けることが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. なぜアリババの商品はこんなに安いのですか?
工場直送・卸売が中心で、中間マージンが少ない
中国国内の人件費・材料費が比較的安い
日本市場向けのブランド料や広告費が上乗せされていない
といった理由から、一般的な日本の小売価格より安くなる傾向があります。
Q2. ブランド品やキャラクター商品を仕入れても問題ありませんか?
基本的にはおすすめできません。
コピー品・模倣品の可能性が高く、知的財産権侵害となるリスク
税関で差し止め・没収されるリスク
があるためです。正規ライセンスを確認できる場合を除き、避けるのが無難です。
Q3. 初心者でもアリババを安全に使えますか?
適切な手順とチェックを行えば、初心者でも利用は可能です。
サプライヤーの慎重な選定
サンプル発注・少量発注からスタート
公式決済の利用
法律・規制の確認
といった基本を守ることで、かなりのリスクを減らすことができます。
Q4. トラブル時に必ず返金してもらえますか?
「必ず」とは言えません。
公式決済を利用しているかどうか
証拠(写真・動画・履歴)の有無
契約条件
によって結果が変わります。トラブルを完全にゼロにすることはできないため、そもそもトラブルを起こさないように慎重な事前チェックを行うことが重要です。
まとめ — 安全に使うためのポイント
アリババは「安く大量に仕入れられる」という大きなメリットがある一方で、詐欺・品質・偽物・法規制・配送といった複数のリスクを伴います。
しかし、
サプライヤーの厳選
サンプル・少量発注
公式決済の利用
法律・規制の事前確認
といった基本を徹底することで、多くのトラブルは事前に回避可能です。