年末年始が明けた途端、出社する足取りが急に重くなったり、職場で「○○さん退職したらしいよ」という話を耳にしたりして、「あけおめ退職」という言葉を検索した方も多いのではないでしょうか。休みの間に心身が回復すると、これまで見過ごしてきた違和感がはっきりし、「このまま続けて大丈夫だろうか」と不安が膨らむことがあります。
ただ、年明けの退職は気持ちが先行しやすい一方で、伝え方や段取りを間違えると、引き止めや退職日の先延ばし、引き継ぎの混乱など、不要なストレスを抱えやすいのも事実です。勢いで動く前に、最低限押さえるべきポイントを整理しておくことが、結果的に自分を守る近道になります。
本記事では、「あけおめ退職」の意味と広まり方を押さえたうえで、正月明けに退職が増えやすい理由、退職を考えたときに最初にやるべき整理、そして揉めずに進めるための具体的な手順を、トラブル別の対処法や退職代行の判断基準まで含めて丁寧に解説します。年明けに「辞めたい」が頭から離れない方が、納得して次の一歩を選べるようになることを目的にまとめました。
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あけおめ退職の意味と広まり方
年末年始が明けた途端に「同僚が退職していた」「席が空になっていた」「退職の連絡が一斉に来た」――そんな状況を指して使われるのが「あけおめ退職」です。SNSで言葉だけが独り歩きしやすい一方で、検索する人の多くは「言葉の意味」だけでなく、「なぜ年明けに退職が増えるのか」「自分も辞めたいが揉めない方法はあるのか」をまとめて確認したい気持ちでたどり着きます。ここでは、言葉の定義と、広まりやすい背景を整理したうえで、次の行動(辞め方・守り方)につながる前提を作っていきます。
あけおめ退職の定義
「あけおめ退職」は、厳密な法律用語ではなく、主に年末年始休暇の明け方に退職が表面化する現象を指す俗称です。一般的には次の2つの使われ方が混ざっています。
休暇明けに退職が判明する:出社して初めて「○○さんは退職しました」と知る/グループチャットに退職連絡が入る/席が空になっている
年明けに退職意思を伝える:上司へ「年明けに辞めます」と切り出す/退職届を提出する/退職代行で連絡が入る
重要なのは、「言葉の定義」そのものよりも、年明けに退職が集中しやすい理由と、当事者になったときの対処(伝え方・段取り・トラブル回避)です。言葉だけを知っても、気持ちが揺れている状態では不安が残りやすいので、以降の見出しで「判断の軸」と「手順」を具体化します。
どの年代で起きやすいかの傾向
あけおめ退職は、職場全体で見れば誰にでも起こり得ますが、体感としては若手が多い職場ほど話題になりやすい傾向があります。理由は単純で、若手は次の条件がそろいやすいからです。
キャリアの選択肢が増えやすい:経験年数が浅くても転職できる領域があり、行動のハードルが比較的低い
職場への帰属意識が固まりきっていない:長期在籍のメリット・デメリットを冷静に比較しやすい
年末年始に価値観が揺れやすい:実家帰省・友人との会話・同級生の近況で「このままでいいのか」が刺さりやすい
一方で、年代に限らず、繁忙・人員不足・評価不満などの“構造的なストレス”がある職場では、誰が辞めても不思議ではありません。年明けは「いろいろな不満が一気に表面化する季節」と捉えると、自分や周囲の行動が理解しやすくなります。
退職代行とセットで語られやすい理由
年明けの退職でよく一緒に話題になるのが退職代行です。退職代行がセットで語られやすい背景には、年末年始特有の心理の揺れがあります。
休み中に決意が固まる:在宅で考える時間が増え、「辞めたい」が「辞める」に変わりやすい
出社が怖くなる:休み明けの出社は心理的負荷が高く、上司に切り出す気力が出ない
対話のコストを避けたい:引き止め・説得・説教を想像して、連絡自体がストレスになる
ただし、退職代行は万能ではありません。使えば終わるわけではなく、返却物、書類受領、最終給与、社会保険、離職票など“退職後に必要なやり取り”は残ります。後半で「向くケース/向かないケース」と「使う前にやるべき準備」を明確にし、勢いだけで選ばない判断材料をそろえます。
あけおめ退職が増える理由
年明けに退職が増えるのは、個人の気分だけが原因ではありません。心理・お金・職場状況の3つが重なり、決断が起こりやすい構造があります。ここを理解すると、「自分が甘いのでは」「逃げなのでは」という自己否定から距離を取れます。大事なのは、辞めるにしても続けるにしても、納得できる判断を作ることです。
休暇で心身が回復して現状が見える
忙しいときほど、人は「とりあえず今日を回す」ことに意識を割き、長期的な違和感を見ないふりしがちです。ところが長期休暇で睡眠や生活が整うと、次のような変化が起こります。
体調が戻ると、職場の負荷が際立つ:休み中は元気でも、仕事を思い出すと胃が重くなる
比較対象が増える:家族や友人との会話で「他社はこう」「同級生はこう」が入ってくる
自分の感情を言葉にできる:忙しいときは「ムリ」しか出てこないが、休みがあると「なぜムリか」が整理できる
この段階で、辞めたい気持ちが強くなるのは自然です。問題は、そこで衝動的に動くと損をしやすいことです。だからこそ、次の見出しで「衝動かどうかの点検」と「段取り」を先に作ります。
ボーナス支給後・年始の節目で決断しやすい
冬のボーナスは、退職を決断するうえで現実的な後押しになります。生活費の不安が少し減り、「転職活動の準備期間を確保できるかも」という見通しが立つからです。また、年始は節目の心理が働きやすく、決断のスイッチが入りやすい時期です。
区切りがあると決断が“正当化”される:「新年から変える」「今年は環境を変える」
短期の目標が作りやすい:「1月中に退職を伝える」「2月から転職活動」
周囲も動く:年明けは異動・組織変更・採用などが動き、転職市場も動きやすい
ただし注意点もあります。ボーナスの支給条件(在籍要件や支給日)によっては、退職時期がズレると受給に影響する場合があります。自分の会社の規程(支給日、算定期間、在籍要件)は必ず確認しておくと、あとで後悔しにくくなります。
人員不足や職場ストレスが連鎖を生む
あけおめ退職は「個人のわがまま」の話として語られがちですが、実際は職場構造の影響が大きいです。ひとり辞めれば業務が増え、増えた負荷で次が辞める。連鎖が起きる職場には共通点があります。
引き継ぎが属人化している:誰かが辞めると業務がブラックボックス化して崩れる
評価・配置が不透明:頑張っても報われない感覚が積もる
休めない:有給が取りづらい/繁忙が慢性化している
相談ルートがない:上司が忙しい、または聞く姿勢がない
この環境では、年末年始の休みで一度息ができた人ほど「戻りたくない」が強くなります。もし自分がそう感じているなら、感情を否定するより、判断材料(生活費、転職準備、退職の手順)をそろえて安全に動くことが大切です。
あけおめ退職を考えたときに最初にやること
年明けに辞めたい気持ちが強いときは、判断が「感情100%」になりやすい一方で、退職は手続きの塊です。ここで先にやるべきは、気持ちの整理と、損をしないための段取りづくりです。辞めるか続けるかの答えを急ぐよりも、答えを出せる状態に整えるほうが結果的に早いです。
衝動かどうかを見分けるチェックリスト
まずは、今の「辞めたい」が衝動か、積み重なった判断かを点検します。衝動が悪いわけではありませんが、衝動のまま辞めると、退職日・引き継ぎ・お金・転職のどれかで詰まりやすくなります。
チェックリスト:今の状態を点検する
休暇中、仕事のことを考えると強い不安・吐き気・動悸などの身体反応が出た
ここ3カ月で疲労が抜けず、休日も回復しない
辞めたい理由が「誰かが嫌い」だけに偏っている(仕事内容・評価・成長・待遇などの要素が整理できていない)
退職後の生活費(最低何カ月分)があるか把握していない
次に何をするか(転職・休養・学習)を言葉にできない
相談できる相手がいない、または孤立している
年明け初日に「今日で辞めます」と突発的に言いたくなっている
当てはまる数が多いほど、いきなり退職宣言をするより「準備→意思表示→手続き」の順で進めたほうが安全です。逆に、理由が具体化していて、生活費や転職計画がある程度見えているなら、淡々と手順を進めるフェーズに入れます。
退職日から逆算する全体スケジュール
退職で揉める原因は、退職日が曖昧なまま話が進むことです。退職日は「自分の希望」だけでなく、引き継ぎ・有給・規程・次の予定(転職や休養)とセットで決めます。
表:退職の進め方タイムライン(当日〜2週間〜1カ月)
| 時期の目安 | やること | 具体ポイント |
|---|---|---|
| 当日〜3日 | 状況整理(規程確認、生活費確認、退職理由の言語化) | 就業規則、ボーナス条件、社宅、貸与物、有給残日数を確認 |
| 1週間以内 | 上司へアポ取り、退職意思の相談・伝達 | 退職日は希望日を用意し、引き継ぎ意向をセットで伝える |
| 2週間前 | 退職届の提出、退職日の合意形成 | “言った言わない”を避け、提出日が分かる形で控えも意識 |
| 2〜3週間前 | 引き継ぎ資料の作成、関係者への共有 | 後任が未定でも資料化し、タスクの可視化で混乱を減らす |
| 最終週〜最終日 | 返却物、アカウント整理、社内外の挨拶、書類受領の確認 | 返却漏れ・書類漏れを潰し、退職後連絡を最小化 |
「2週間で辞められる」という話を見かけても、現場では合意形成が必要な場面が多いです。最短ラインを握りつつ、可能なら余裕を持たせる。これが揉めにくい現実解です。
退職理由の言語化テンプレ
退職の話がこじれるのは、理由が感情的になったり、相手の反論を誘発する言い方になったりするからです。言語化のコツは、「事実→影響→判断→配慮」の順で短くまとめることです。
テンプレ:退職理由を短くまとめる
事実:業務量・体調・働き方など、続いている状況
影響:成果や健康、生活への影響
判断:改善を試したが難しく、退職を決めた
配慮:引き継ぎはいつまでに何をするか(資料化、対応範囲)
例(角が立ちにくい言い方)
「体調面と今後の働き方を考え、退職を決めました。引き継ぎは○日までに資料を整え、最終日まで対応します」
「キャリアの方向性を見直し、環境を変える判断をしました。業務の棚卸しと引き継ぎ計画を作って共有します」
相手が理由を深掘りしてきても、詳細に説明しすぎると論点が増えます。退職は“交渉”より“手続き”に近いので、退職日と引き継ぎに話を戻すことが大切です。
あけおめ退職を揉めずに進める手順
ここからは実際の進め方です。ポイントは「順番を間違えない」ことです。多くの人が、感情のまま“結論だけ”を投げてしまい、引き止め・説得・対立に巻き込まれます。順番を守れば、驚くほど揉めにくくなります。
上司への伝え方と切り出し方
最初の一言が重いほど、言いづらくなります。おすすめは「退職の話」ではなく「相談の時間」を先に確保することです。
切り出し方の流れ
アポを取る:「ご相談したいことがあり、10〜15分お時間いただけますか」
先に結論:退職の意思、希望退職日
配慮を添える:引き継ぎの意向と大枠案
次の行動を決める:いつまでに退職届を出すか、引き継ぎ計画をいつ共有するか
言い方の例
「一身上の都合で退職を考えており、○月○日での退職を希望しています。引き継ぎは○日までに一覧と資料を作って進めたいです」
相手の反応がどうであれ、最初からディベートに入らないことが重要です。「なぜ?」に答えすぎると、説得の土俵に乗ってしまいます。必要なのは、退職日と手続きの合意です。
退職届の出し方と「2週間」の考え方
口頭だけだと、「そんな話は聞いていない」「言った言わない」になりがちです。退職は意思表示が明確であるほど、トラブルが減ります。そこで重要なのが書面です。
退職届:退職の意思を確定させる書面(一般に、受理・承認というより“届け出”の性格)
退職願:退職のお願い(解釈によっては承諾待ちになることがある)
会社の指定書式がある場合はそれに従い、指定がなければ一般的な体裁で問題ありません。提出時は「提出日が分かる形」を意識します(手渡しなら控えの扱い、メールなら送信記録など)。
また、「2週間で辞められる」という話が出やすいのは、一般に期間の定めのない雇用契約で、申し入れから一定期間で効力が生じるという考え方があるためです。ただし、現場では就業規則や引き継ぎの都合が絡むため、最初から強硬に“2週間”を振りかざすと対立を招きやすくなります。
揉めにくい現実的な使い分け
まずは就業規則の期間(例:1カ月前)を目安に“円満ルート”で合意を取りにいく
合意が難航し、引き延ばしが不当・長期化する場合に“最低ライン”の考え方を使う
どちらにせよ、引き継ぎ資料と返却物の段取りで誠実さを見せる
最短で辞めるほど、手続きの漏れが起きやすく、退職後に連絡が増えます。辞めた後の平穏を買う意味でも、段取りに時間を使う価値は大きいです。
引き継ぎ・有給消化・最終出社の整え方
退職で職場の印象を決めるのは、退職理由よりも引き継ぎです。後任がいない場合でも、「自分の業務が再現できる状態」を作るだけで混乱は大きく減ります。
引き継ぎ資料に入れるべき項目
業務一覧:頻度(毎日/毎週/毎月)、締切、関連部署
進行中タスク:状況、次アクション、判断待ち事項
関係者一覧:社内外の担当者、連絡先、会議体
ファイル・データ:保管場所、命名ルール、参照権限
トラブル対応:よくある問い合わせ、過去事例、判断基準
有給消化を通しやすくするコツ
口頭で「有給取りたい」ではなく、日付を入れて提案する
「引き継ぎ完了日」と「有給開始日」をセットで示す
先に資料化して“退職後に困らない形”を見せる
最終出社日は、返却とアカウント整理が集中します。特に社用PC・スマホ、入館証、名刺、鍵、経費精算、社宅などは漏れが多いので、チェックリストで潰しておくと安心です(後の見出しで整理します)。
社外への挨拶メール例文
取引先への挨拶は、長文で気持ちを語る必要はありません。相手が必要なのは「今後の窓口」と「引き継ぎの確実性」です。年明けは相手も忙しいので、短く、情報が抜けないことが大切です。
挨拶メールに入れる要素(必須)
退職日(または最終対応日)
お礼
後任(部署・氏名)
連絡先(代表番号や後任メール)
今後のお願い
例文(取引先向け)
件名:退職のご挨拶(会社名 氏名)
本文:
いつも大変お世話になっております。○○社の△△です。
私事で恐縮ですが、○月○日をもちまして退職することとなりました。これまで賜りましたご厚情に心より御礼申し上げます。
後任は同部署の□□(メール:xxxx / 電話:xxxx)が担当いたします。今後のお問い合わせは□□までご連絡いただけますと幸いです。
引き続き変わらぬお付き合いのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
社内向けの挨拶も同様に、情報を整理して短くまとめるほうが、年明けの忙しい時期には好まれます。
トラブル別の対処法と退職代行の判断基準
退職で一番つらいのは、手続きそのものより“揉めること”です。揉めると、退職日が決まらない、精神的に消耗する、転職活動に影響する、退職後も連絡が続く、といった二次被害が起きます。ここではよくある揉めポイントを事前に想定し、対処をテンプレ化します。
引き止められる、退職日を延ばされる
引き止めはよくあります。「条件を上げる」「部署を変える」「もう少しだけ頑張れ」など、言い方もさまざまです。ここで最も重要なのは、論点を増やさないことです。
基本方針
退職意思は一貫させる(揺れている印象を出すと長引く)
争点を退職日に絞る(理由の深掘りに付き合いすぎない)
合意事項は記録する(メールで要点整理して残す)
対話の例(長引かせない)
「お気遣いありがとうございます。ただ、退職の意思は固まっています。退職日は○月○日で進めさせてください。引き継ぎは○日までに資料を共有します」
「条件のご提案はありがたいのですが、方向性として退職を決めています。退職日と引き継ぎ計画の確認をお願いできますか」
もし退職日を延ばす交渉をするなら、「上限」を必ず決めてください。たとえば「最大でも2週間」「最大でも月末まで」など、延長の終点がないとズルズル続きます。
有給を取らせないと言われた
有給の話は感情的になりやすい部分です。「忙しいから無理」「人がいないから無理」と言われても、そこで感情的に押し返すと悪化します。おすすめは、引き継ぎ完了日と有給開始日をセットで提案する方法です。
通しやすい提案の形
「○日までに引き継ぎ資料を共有し、関係者への説明も行います。そのうえで、残有給○日分を○日から消化させていただきたいです」
さらに、退職後に困りがちな点(書類受領、貸与物返却)も先回りして提案すると、会社側も受け入れやすくなります。
返却物は最終出社日にまとめて返す
それ以降に必要な返却があれば郵送にする
離職票などの送付先を明確にする
私物・PC・社宅など返却が絡む
退職後の連絡を減らす最大のポイントが「返却と受領を完了させること」です。退職後に「PCが返っていない」「鍵がない」「経費が未精算」となると、連絡が増えてストレスが戻ってきます。
チェックリスト:返却物・手続き
社員証、入館証、名刺、制服、鍵(ロッカー・キャビネット)
PC、スマホ、充電器、ICカード等の付属品
書類、備品、マニュアル、印鑑など会社所有物
経費精算、交通費精算、立替金の処理
社宅・寮:退去日、立会い、原状回復、電気ガス水道、郵便転送
アカウント:業務ツール、共有フォルダ、メール転送設定の扱い(会社方針に従う)
退職後に必要な書類の確認
離職票
源泉徴収票
雇用保険被保険者証(会社保管の場合)
年金・健康保険関連の書類(会社手続き分)
最終給与明細、退職金がある場合は明細・規程
これらは「いつ」「誰が」「どこへ送るか」を決めておくと、退職後の不安が大きく減ります。
退職代行が向くケース、向かないケース
退職代行は、心理的負荷を下げる手段として有効な場面があります。
一方で、選び方や準備を誤ると、必要なやり取りが滞り、退職後に困ることもあります。大切なのは「使う・使わない」ではなく、「自分の状況に合うかどうか」です。
比較表:退職代行 vs 自力退職(メリット/デメリット/向く人)
| 観点 | 退職代行 | 自力退職 |
|---|---|---|
| 心理的負荷 | 上司対応を回避しやすい | 対話が必要で負荷がかかる |
| 進行の速さ | 連絡が一気に進むことがある | 会社都合で日程調整が必要 |
| 引き継ぎ | 会社によっては最低限になりやすい | 自分で整えやすい |
| 退職後の関係 | 断ち切りやすい | 円満に寄せやすい |
| コスト | 費用が発生 | 原則不要 |
退職代行が向くケース
上司と話すだけで体調が悪化する
パワハラ・強い圧力があり、直接連絡が危険
出社が難しく、連絡窓口が必要
退職意思は固まっていて、引き継ぎより安全確保が優先
退職代行が向かないケース
取引先対応や引き継ぎを丁寧に完了したい
退職後も同じ業界で関係が残る可能性が高い
会社と話し合える余力があり、円満退職を重視したい
退職代行を検討する場合でも、最低限の準備は必要です。準備が不足すると「何を返せばいいか分からない」「書類が届かない」など、退職後に困ります。
退職代行を使う前に整理しておくこと
会社からの貸与物一覧(PC、鍵、社員証など)
私物の回収方法(出社できない場合の対応)
送付先(離職票、源泉徴収票など)
最終給与の振込口座、未精算の経費
有給残日数(可能なら)
緊急連絡を避けるための希望(連絡手段、時間帯)
「退職の連絡を代行してもらう」だけで終わらない部分を先に押さえると、退職後の平穏が守れます。
よくある質問
年明け初日に「今日で辞めます」は可能?
可能かどうかだけで言えば、退職意思を伝えること自体はできます。ただし、年明け初日に「今日で辞めます」と突発的に宣言すると、次のリスクが一気に高まります。
引き継ぎが間に合わず、強い反発を招く
返却物や書類手続きが整理できず、退職後も連絡が続く
退職日が決まらず、精神的に消耗する
転職活動の準備が整っておらず、焦りが増える
もし限界で「今日行くのが無理」なら、選択肢は“突発退職”だけではありません。まずは退職意思を伝え、退職日を最短で設定し、引き継ぎ資料を渡す。この順番を守るだけで、状況はかなり改善します。体調が明らかに悪い場合は、医療機関や相談窓口を含めて、自分の安全を最優先にしてください。
就業規則が1カ月前でも、2週間で辞められる?
就業規則に「退職は1カ月前に申し出ること」と書かれている会社は多いです。一方で、一般に期間の定めのない雇用契約については、申し入れから一定期間で退職の効力が生じるという考え方が語られることがあります。ただ、ここで重要なのは、法的な話と現場運用の話を分けることです。
現場運用:就業規則に沿ったほうが揉めにくい(引き継ぎや配置の都合がある)
最低ライン:引き延ばしが不当に長期化する場合に備え、最低限の考え方を把握しておく
おすすめは、最初から強硬に主張するのではなく、まず合意で退職日を決めることです。合意が難しく、引き延ばしが続く場合に備えて、記録(メール等)を残しつつ、相談先も確保しておくと安心です。
退職理由は正直に言うべき?
「正直に全部話す」ことが必ずしも正解ではありません。退職理由は、相手を納得させるためではなく、退職の手続きを進めるために伝えます。詳細に語りすぎると論点が増え、反論や説得の材料を与えることがあります。
角が立ちにくいのは、次のような表現です。
体調面・働き方の見直し
キャリアの方向性
家庭事情(差し支えない範囲で)
一身上の都合
もちろん、職場改善の意図でフィードバックをしたい場合もありますが、退職交渉の最中にそれをやると対立になりやすいです。退職日と引き継ぎの合意が取れてから、伝えるかどうかを判断すると安全です。
転職先が決まっていなくても辞めていい?
辞めること自体は可能ですが、転職先が未定のまま辞めると、不安が膨らみやすいのも事実です。退職後に「焦って合わない会社に入る」ことが一番の損になりやすいので、最低限次を整えてから動くと安心です。
生活費の見通し(最低何カ月分か)
転職活動の開始日と方針(業界・職種・勤務地・年収)
休養が必要な場合の計画(通院、相談先、生活リズム)
退職後の手続き(保険・年金・税金)のざっくり把握
「辞めるかどうか」に迷うときは、「辞めた後の生活が回るか」を数字で確認するだけで判断がしやすくなります。勢いではなく、見通しで決めることが、年明けの退職で後悔しないコツです。