SNSやネットで「AIえろ」という言葉を見かけ、興味はあるものの「どこまでなら大丈夫なのか」「違法にならないのか」と不安を感じていないでしょうか。実在人物の扱い、未成年に見える表現、投稿や販売の是非など、知らずに踏み越えやすい境界線は意外と多く存在します。本記事では、同意・法律・プラットフォーム規約の3つの視点から、個人が安全に判断できる基準と、トラブルを避けるための具体的なチェックポイントを分かりやすく整理します。興味とリスクの両方を正しく理解し、後悔しない判断ができるようになることを目的としています。
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AIえろとは何を指すのか
「AIえろ」は、生成AIを使って性的なニュアンスを含む画像・文章・音声・動画(またはそれに近い表現物)を作る行為、あるいはその成果物を指して使われる俗称です。ただし、この言葉は非常に幅が広く、同じ「AIえろ」という括りでも、社会的・法的リスクがほとんどない領域から、明確に危険な領域まで混在します。安全に理解するためには、まず「何を作ったのか」ではなく、「誰に関わるのか」「同意があるのか」「どこまで外部に出すのか」という軸で整理することが重要です。
大きく分けると、次の2系統が混ざりやすい点がポイントです。
1つ目は、架空の人物・完全オリジナルを前提にした創作(成人向け表現を含むことがある)です。2つ目は、実在人物の顔や特徴を利用して作る合成・生成(いわゆるディープフェイク的な性質を帯びる)です。後者は、当事者の尊厳侵害や名誉毀損、プライバシー侵害などの問題に直結しやすく、同意がない場合は特に深刻な被害になり得ます。
検索する人が最初に知りたいのは「自分がやろうとしていることは違法なのか」「やってよい範囲はどこか」だと思われますが、ここで大切なのは、法律の話だけで線引きしないことです。実際には、法律に触れるかどうか以前に、生成AIサービスの利用規約や投稿先の規約で禁止されている行為が多く、アカウント停止・投稿削除・収益化停止などの現実的なダメージが先に起きる場合も珍しくありません。さらに、法律や規約に抵触しないとしても、本人の同意がない・実在人物に見える・拡散可能性がある、といった条件が揃うと、倫理的にも社会的にも受け入れられにくくなります。
以下では、同意・実在人物・拡散という3つの軸を中心に、危険なパターンを避け、トラブルを防ぐための考え方を解説します。
AI生成とディープフェイクの違い
生成AIは、学習済みモデルに対して指示(プロンプト)や素材(画像、音声など)を与え、そこから新しい出力を得る技術の総称です。人物画像生成、文章生成、音声合成、動画生成などが含まれます。一方で「ディープフェイク」は、一般に、実在人物の顔や声、特徴を用いて、別の映像・画像・音声に合成し、本人がその行為をしたかのように見せる、あるいは誤認させる目的で使われやすい言葉です。
ここで重要なのは、技術的な違いよりも、社会的に問題が生じる構造です。実在人物が関わる場合、本人の同意がないだけで、人格権(名誉、プライバシー、肖像)を侵害する方向に傾きます。さらに、性的な文脈で用いられると、被害者は社会生活上の不利益を被ったり、深い心理的苦痛を受けたりする可能性が高くなります。つまり、「生成か合成か」という分類より、「実在人物が関わるか」「本人の同意があるか」「外部に出すか」が実務上の核心です。
また、生成AIは「それっぽい」画像を簡単に作れるため、意図せず実在人物に似てしまうこともあります。たとえば、特定の有名人や知人の特徴(目、輪郭、髪型、ほくろ、体型など)を細かく指定した結果、第三者から見て特定可能なレベルに近づくことがあります。本人の名前を出していなくても、周囲が「本人だ」と受け取る状況が生まれれば、名誉やプライバシーの問題が現実化し得ます。
「実在人物」「同意なし」が問題を深刻化させる理由
同意のない性的イメージの生成・拡散は、単なる「迷惑」ではなく、人の尊厳を傷つける行為として扱われやすい領域です。特に、画像が一度外部に出ると、二次拡散や転載が連鎖し、回収が事実上不可能になります。被害者は「いつどこで誰に見られるか分からない」という不安を抱え続けることになり、学業・就業・対人関係に大きな影響が出る場合もあります。
さらに、同意の有無は、倫理だけでなくリスク評価にも直結します。本人が明確に同意していないものは、後から削除要請や法的対応が取られる可能性が高く、作成者・共有者・投稿者が責任を問われやすくなります。また、同意を得ているつもりでも、同意の範囲が曖昧(「作るのはいいが公開はダメ」「特定の場所だけ」など)だと、同意違反として揉めやすい点にも注意が必要です。
結局のところ、同意のない実在人物関連の生成は、「少しでも外部に出たら終わる」タイプのリスクを持ちます。安全な線引きを考えるなら、最初からそこに足を踏み入れないのが最も確実です。
AIえろで特に危険なNGパターン
「何が危険か」は、細かい法律論よりも先に、直感的に理解できる形で押さえておくべきです。ここでは、個人が最も事故を起こしやすいNGパターンを、頻度と深刻度の両面から整理します。ポイントは、未成年、実在人物、拡散・販売の3つです。この3つのいずれかに触れた時点で、リスクは急上昇します。
未成年に見える表現が最も危険
未成年に関する性的表現は、社会的にも法的にも極めて厳しく扱われます。ここで厄介なのは、「未成年と明言していない」だけでは不十分になり得る点です。外見が幼く見える、制服やランドセルなどの未成年を強く連想させる要素がある、年齢が判別しづらい、というだけで、見る人やプラットフォームから未成年と受け取られる可能性が生じます。
生成AIの世界では、モデルが出力する人物が「年齢の曖昧な見た目」になりやすい場合があります。だからこそ、成人が明確に伝わる設計に寄せる必要があります。具体的には、年齢表現(成人、社会人、成人であることが明確な設定)を明示するだけではなく、見た目としても成人に見える要素を重視し、未成年を想起させる小物や服装、文脈を避けるべきです。
さらに、生成AIサービスや投稿先は、未成年関連の疑いがある表現に対して、機械的に厳しい措置を取る傾向があります。誤判定でも凍結や削除が起きる場合があり、復旧が難しいケースもあります。「自分は未成年のつもりではない」という主観は、通用しない場面が多いと考えてください。
実在人物の顔・体の無断利用
次に危険なのが、実在人物の顔写真や特徴を使う、あるいは「○○に似せて」と指示して生成する行為です。対象が有名人であっても、知人であっても、危険性の構造は同じです。無断で性的な文脈に巻き込まれた本人にとっては、強い屈辱と恐怖の体験になり得ます。
「名前を出していないから大丈夫」「身内だけで見ているから大丈夫」と考えがちですが、事故は起きます。端末の共有、クラウド同期、バックアップ流出、誤送信、アカウント乗っ取りなど、本人の意思とは無関係に外部へ出る経路は多数あります。そして外部に出た瞬間、被害者側が削除や法的措置に動く合理性が生まれます。
また、実在人物の写真を直接入力しなくても、「特徴を詰めたプロンプト」で特定可能なレベルに似せることが可能になりつつあります。この場合も、第三者が見て本人だと認識できる程度であれば、名誉・プライバシー・肖像の問題が生じやすくなります。リスクを下げたいなら、実在人物に寄せる発想そのものを捨て、オリジナルの架空人物に徹するのが最も安全です。
公開・販売・拡散でリスクが跳ね上がる
「作る」より「外に出す」ほうが、桁違いに危険です。公開、共有、販売、配布、投稿、リンク共有など、第三者がアクセスできる形にした瞬間に、問題は複雑化します。理由は3つあります。
1つ目は、二次拡散の不可逆性です。削除依頼をしても転載が残り、検索結果やアーカイブに残る可能性があります。
2つ目は、被害者が存在する場合に、被害規模が拡大しやすいことです。見られた人数、期間、拡散先が増えるほど、精神的被害も社会的被害も拡大します。
3つ目は、営利要素が絡むことで、プラットフォーム規約上の制裁だけでなく、社会的非難や法的責任の追及が強まりやすいことです。
特に販売は、決済、広告、プラットフォーム利用など、足跡(ログ)が残りやすく、発信者特定の現実性も上がります。軽い気持ちで「ちょっと配る」から始まっても、後戻りしにくい形でトラブルが固定化する可能性があります。
危険回避チェックリスト
以下は、行為の段階ごとに、事故の起きやすさと危険条件を整理したチェックリストです。自分がどの段階にいるかを把握し、危険条件が1つでも当てはまるなら、その時点で方針を見直すのが安全です。
| 行為の段階 | 事故が起きる主な原因 | 特に危険な条件 | 安全側の考え方 |
|---|---|---|---|
| 作成 | 入力素材・指示の設計ミス | 実在人物の写真、実在人物に似せる指示、未成年に見える要素 | オリジナル架空人物、成人に見える設計、未成年想起要素の排除 |
| 保存 | 流出経路の見落とし | クラウド自動同期、共有端末、第三者が触れるPC | ローカル管理、同期の停止、アクセス制限 |
| 共有 | 誤送信・スクショ拡散 | グループチャット、DM、匿名掲示板 | 共有しない、共有が必要なら同意と範囲を明確化 |
| 公開 | 二次拡散・削除不能 | SNS投稿、誰でも見られる場所、転載されやすいサイト | 公開前に規約確認、公開しない選択を最優先 |
| 販売 | 規約違反・足跡が残る | 決済導入、広告、プラットフォーム違反 | そもそも避ける、権利処理・規約遵守が前提 |
この表の重要点は、「作成して終わり」ではなく、保存や共有の段階で事故が起きるという現実です。安全に扱うなら、公開・販売はもちろん、共有も原則しないほうが良いと考えてください。
法律で問題になりやすいポイント
法律の論点は幅が広く、ケースごとに結論が変わります。ただし、「どの観点で責任が問われ得るのか」を理解しておけば、危険な行為に踏み込む前に止まれます。ここでは、AIえろに関連して争点になりやすいポイントを、一般論として整理します(個別事案の判断ではありません)。
名誉毀損・侮辱、プライバシー・肖像権
実在人物が関わる場合、まず問題になりやすいのが名誉やプライバシーです。たとえば、本人が性的な行為をしているかのように見える画像が出回れば、本人の社会的評価を下げるおそれがあります。また、本人の顔や特徴を無断で利用している点で、肖像に関する権利やプライバシー侵害の論点が生じ得ます。
重要なのは、「本人の名前を出したか」だけではありません。周囲が本人だと特定できる状態であれば、名誉やプライバシーの侵害が問題になり得ます。さらに、公開範囲が狭いつもりでも、第三者に渡った時点で被害が顕在化するため、「内輪だから大丈夫」という発想は危険です。
また、侮辱的な文脈や誹謗中傷と結びつく場合、投稿内容やコメント、タグ付けなどが追加的な争点になります。画像単体よりも、投稿の仕方、煽り文、拡散意図の有無が、問題の評価を重くすることもあります。
わいせつ物頒布等の論点
性的表現を外部に流通させる行為は、内容や態様によって、わいせつ物頒布等に関する議論の対象になり得ます。ここは非常にセンシティブで、何が該当するかは時代・社会状況・表現の程度・公開方法などに左右されます。一般論として言えるのは、「公開」「配布」「販売」へ進むほど、争点が増え、リスクが上がるということです。
「創作だから大丈夫」「AIが作ったから大丈夫」という免罪符は存在しません。作り方がAIであっても、外部への頒布・公開という行為が問題になり得る点は変わらないため、公開するなら投稿先の規約だけでなく、社会的・法的な受け止められ方も含めて慎重に判断する必要があります。
著作権・パブリシティ権の考え方
AIえろの制作では、素材として既存の画像・動画・イラストを参照したり、学習済みモデルの出力が既存作品に似てしまったりすることがあります。ここで問題になりやすいのが、著作権侵害のリスクです。特定の作品の特徴を強く再現した出力や、素材の直接利用、無断転載は禁止(利用規約違反含む)などは、トラブルになり得ます。
また、有名人などの肖像には、単なる肖像利用とは別に、顧客吸引力(いわゆるパブリシティ)に関連した議論が生じる場合があります。特に、広告や販売など営利文脈で「有名人に見える」「連想させる」使い方をすると、問題が拡大しやすくなります。
結論として、権利の面でも「実在人物に寄せない」「既存作品に寄せない」「素材の権利を確認する」という基本原則が、最も安全な予防策になります。
生成AIとプラットフォーム規約で止まるポイント
現実的には、法律より先に規約で詰むケースが多くあります。生成AIサービス側のポリシーと、投稿先・販売先のポリシーの両方を満たさないと、継続的な運用はできません。ここでの注意点は、「規約はサービスごとに違う」「規約違反は機械判定で発生し得る」「一度の違反で復旧不能になることがある」という3点です。
生成AI各社が禁止しがちな領域(児童・搾取・露骨表現など)
多くの生成AIサービスは、未成年に関する性的コンテンツ、性的搾取を助長する内容、同意のない性的コンテンツ、露骨な性行為の描写などに強い制限を設けています。これは倫理的理由だけでなく、法規制、決済会社、広告ネットワーク、アプリストアなどの外部要因も関係しており、短期的に緩くなるより、むしろ厳格化しやすい傾向があります。
ここで重要なのは、「規約に書かれている禁止事項」だけでなく、「疑いがある場合の扱い」です。たとえば、未成年に見える疑いがある、同意なしの実在人物の可能性がある、と判定されると、コンテンツが生成できないだけでなく、アカウントの制限対象になる場合があります。自分の意図がどうであれ、疑われる形にしない設計が必要です。
また、サービスによっては、成人向け表現自体を広く禁止している、あるいは利用条件が厳格である場合もあります。使う前にポリシーを読み、許容範囲を把握することが最も効率的な事故防止です。
投稿先SNS・販売サイトの規約違反で起きること
投稿先(SNS、画像共有、動画共有、同人販売、サブスク、コミュニティ等)は、成人向け表現の扱いが特に厳しい領域です。具体的には、次のような措置が起こり得ます。
投稿削除、検索非表示、シャドウバン
アカウントの一時停止、恒久停止
収益化停止、決済凍結、出金保留
通報窓口での削除拒否(逆に加害者扱いになる場合もあり得ます)
さらに、規約違反が重なると、同一人物の再登録を拒否される可能性もあります。日常的に使っているアカウントが止まると、連絡手段や仕事にも影響します。「バレなければいい」という発想は、長期的には損失が大きくなりやすいと考えてください。
安全に運用するなら、まず「投稿しない」が最も強い選択です。投稿する場合は、投稿先の規約に沿って、表現の程度や年齢想起要素の排除、閲覧制限機能の利用など、できる対策を全て取る必要があります。
被害に遭ったときの対処手順
AIえろ文脈のトラブルは、「作ってしまった側」だけでなく、「勝手に作られた側」にも起こります。もし自分や身近な人が、同意のない性的偽画像の被害に遭った場合、感情的に動くほど不利になりやすい局面があります。大切なのは、証拠を確保し、削除導線を押さえ、必要なら専門家につなぐことです。
まずやるべき証拠保全(URL、日時、スクショ)
削除や凍結が起きると、元の投稿が見られなくなり、後から「何が起きたか」を示せなくなる場合があります。まずは証拠保全を優先します。
URL(個別投稿、プロフィール、拡散元、転載先)
投稿日時、更新日時
投稿者のアカウント名、ID、表示名、プロフィール情報
スクリーンショット(投稿本文、画像、コメント欄、いいね/拡散状況)
可能なら画面録画(スクロールして全体を記録)
検索結果のスクリーンショット(検索クエリと表示結果が分かる形)
注意点として、証拠のためとはいえ、画像そのものを他者に転送したり、SNSで晒し上げたりすると、二次拡散を手伝うことになりかねません。証拠は、必要最小限の範囲で、管理できる場所に保管するのが安全です。
削除要請と通報の流れ
次に、削除導線を使います。順番の基本は「拡散元→転載先→検索結果」です。
投稿プラットフォームの通報機能で削除申請
プラットフォームの権利侵害窓口(なりすまし、プライバシー侵害、ハラスメント等)への申請
転載先が複数あれば、優先順位を付けて並行対応
検索エンジンの削除申請(検索結果からの除外)
迷惑行為・脅迫・金銭要求がある場合は、警察相談も検討
削除要請は「丁寧に、事実を整理して」行うのが基本です。感情的な文面は、相手の反発を招いたり、運営の判断を遅らせたりすることがあります。申請フォームでは、権利侵害の根拠(本人であること、同意がないこと、プライバシー侵害であることなど)を簡潔に示し、URLを正確に添付することが重要です。
開示請求・弁護士相談の目安
匿名アカウントによる投稿でも、発信者情報の開示請求などの手段が問題になる場合があります。ただし、手続きは時間と費用がかかり、証拠や状況の整理が重要になります。次のような場合は、早めに弁護士など専門家への相談を検討してください。
実在人物であることが明確で、被害が大きい
拡散が止まらない、転載が増え続けている
投稿者が削除に応じない、脅迫や金銭要求がある
学校・職場・取引先などへ実害が出ている
子どもや未成年に関係する疑いがある
また、相談の前に「何がどこに、いつ、どの程度拡散されたか」を時系列で整理すると、対応がスムーズになります。専門家は法律だけでなく、プラットフォーム対応の実務にも知見がある場合があり、削除や交渉の現実的な道筋が見えやすくなります。
安全に扱うための運用ルール
最後に、「興味はあるが危ないことはしたくない」人が、事故を起こさないための運用ルールをまとめます。ここでは、表現の内容そのものを掘り下げるのではなく、同意・権利・拡散リスクを最小化するための実践的な考え方に絞ります。安全運用の要点は、「同意」「実在人物回避」「公開前チェック」の3つです。
同意の取り方と記録の残し方
もし他人が関わる可能性があるなら、同意は曖昧にせず、範囲を明確にして記録を残すことが重要です。特に成人向け文脈は、後から心変わりやトラブルが起こりやすく、「どこまで許可したか」が争点になります。
同意の確認では、最低限次を明確にしてください。
何を作るのか(用途、表現の程度、形式)
どこで使うのか(個人鑑賞のみ/限定公開/一般公開/販売)
期間(いつまで)
取り下げ(後から削除要請があった場合の扱い)
第三者提供の可否(共同制作者、外注、印刷所など)
記録は、メッセージのログ、同意書、メールなど、後から確認できる形が望ましいです。口頭だけの合意は、後で揉めたときに弱くなります。
実在人物を避ける設計(オリジナル、モデルリリース)
最も大きな事故要因は、実在人物に寄せることです。安全に扱うなら、最初から「実在人物を使わない」「似せない」「連想させない」の三原則が有効です。具体的には、以下を徹底するとリスクが下がります。
実在人物の写真・SNS画像を入力しない
有名人名や特定可能な特徴の組み合わせを指定しない
知人や配信者に似せる意図のプロンプトを作らない
出力が誰かに似ていると感じたら、破棄し再生成する
公開・共有を前提にしない
どうしても人物を扱う必要がある場合(たとえば創作活動でモデルが必要な場合)は、モデルリリース(本人の許可)や契約、利用範囲の明確化が前提になります。ただし、個人が軽い気持ちで行うには負担が大きいため、基本はオリジナル架空人物に徹するのが無難です。
公開前セルフチェック(炎上・二次拡散の想定)
公開や共有を考えた時点で、リスクは跳ね上がります。公開前に必ずセルフチェックを行い、少しでも危うい要素があるなら出さない判断を取るのが安全です。
未成年を想起させる要素がないか(外見・服装・小物・文脈)
実在人物に似ていないか(特定可能性、誤認可能性)
権利が不明な素材を使っていないか(画像、動画、ロゴ等)
生成AIサービスの規約に抵触しないか(禁止領域に触れていないか)
投稿先・販売先の規約に抵触しないか(成人向け扱い、閲覧制限、禁止事項)
もし転載されても耐えられるか(回収不能を前提に考える)
ここで最も強力な安全策は、「公開しない」です。公開しない限り、二次拡散の連鎖は原理的に起こりません。公開して得られるメリット(反応、収益、承認欲求など)と、公開によって失う可能性(炎上、凍結、社会的信用の毀損、被害者の発生)を天秤にかけ、少しでも不安があるなら踏みとどまるのが賢明です。
また、規約や法制度は変わります。以前は許容されていた表現が、突然禁止されることもあります。だからこそ、運用ルールを固定化せず、定期的にポリシーや社会状況を確認し、守りを固める姿勢が重要です。
よくある質問
AIで作っただけ(公開していない)なら大丈夫?
公開していない場合でも、安全とは言い切れません。理由は、内容次第で重大な問題になり得ること、そして流出経路が現実に存在することです。実在人物を無断で扱っている、未成年を想起させる表現になっている、権利不明な素材を使っている、といった要素があるなら、公開していなくても危険側に寄ります。加えて、クラウド同期や端末の共有、修理時のデータ移行、誤送信などで外部に出る可能性はゼロではありません。
「公開しない」だけに頼らず、そもそも危険な素材・危険な設計を避けることが重要です。
実在人物に似ているだけでも問題になる?
「似ている」の程度が、第三者の目から見て特定可能かどうかで、リスクは大きく変わります。本人の名前を出していなくても、周囲が本人だと認識できる状況が生まれれば、名誉・プライバシー・肖像などの問題が生じ得ます。特に、性的な文脈では受け止められ方が厳しくなりやすい点に注意が必要です。
安全側に倒すなら、実在人物に寄せないこと、似ていると感じた出力は破棄して作り直すことが現実的な対策です。
削除されない場合はどうする?
削除が進まない場合は、単発の通報だけで終わらせず、複数の導線を並行して使うことが重要です。拡散元の運営窓口、権利侵害のカテゴリを変えた申請、転載先への個別申請、検索結果の除外申請などを組み合わせます。被害の程度が大きい場合や、投稿者が悪質な場合は、専門家への相談を検討してください。証拠保全を先に済ませているかどうかが、後の対応を左右します。
海外サイトに拡散したら対応できる?
海外サイトへの拡散は難易度が上がりますが、完全に無力というわけではありません。まずは、拡散の起点になっている場所を特定し、主要なプラットフォームの削除導線を押さえることが現実的です。また、検索エンジンの除外申請は、閲覧経路を断つ上で一定の効果が期待できます。深刻な状況では、国際対応の経験がある専門家に相談するほうが、結果として早く収束する場合があります。
規約違反でアカウント停止になったら復旧できる?
復旧できるかどうかは、プラットフォーム側の判断に大きく依存し、難しい場合もあります。特に成人向け表現や未成年関連の疑いが絡むと、機械判定で厳しい制裁が入ることがあり、異議申し立てが通らないケースも起こり得ます。だからこそ、復旧を期待するより、そもそも停止されない運用を徹底するほうが合理的です。
具体的には、サービスのポリシーを読み、禁止領域に触れない設計にすること、疑われやすい要素(未成年想起、実在人物の可能性、露骨表現の扱い)を避けること、そして公開・共有を慎重に判断することが重要です。