AI画像生成で「リアルな写真みたいにしたい」と思って作ったのに、なぜかCGっぽい。肌がツルツルになったり、指や目が崩れたり、背景が嘘っぽく見えたり——そんな“あと一歩”の違和感で止まっていませんか。
写真風のリアル感は、センスや運ではなく「光・質感・情報量」を整える順番と、プロンプトの型、ネガティブプロンプト、設定のつまみを正しく使うことで安定します。
本記事では、まず“写真として自然に見える条件”を言語化し、すぐに使えるプロンプトテンプレと定番フレーズを提示します。さらに、肌・指や目・背景・文字混入といった失敗を症状別に切り分け、最短で直す手順を具体例つきで解説します。Stable DiffusionやMidjourneyなどツールが違っても応用できる考え方を軸に、「たまたま当たり」から「狙って再現」へ移るための運用方法までまとめました。
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まず押さえるべきAI画像生成のリアルとは何か
「AI画像生成をリアルにしたい」と思ったとき、多くの人が目指しているのは“実写そのもの”ではなく、「写真として自然に見える状態」です。ここが曖昧だと、プロンプトを盛っても方向性が定まらず、結果が安定しません。
写真風のリアル感は、主に次の3点で評価されます。
光の整合性:影の向き、強さ、反射、逆光の挙動が自然か
質感の説得力:肌、髪、布、金属などの素材が“触れそう”に見えるか
情報量の適正:細部が必要なところは細かく、不要なところはボケているか
リアル寄せの近道は、まず「写真としての前提条件」を作り、そのうえで破綻しやすい箇所を順番に潰すことです。センスよりも、順序と型が成果を左右します。
写真風と実写の違いを言語化する
写真風は「カメラで撮ったという物理の痕跡」が揃っている状態です。例えば人物の肌がリアルでも、背景の遠近やボケ方が不自然だと、途端に合成っぽく見えます。逆に、顔の造形が多少理想化されていても、光と奥行きが自然なら「写真っぽい」と感じられます。
写真風を作るときは、次の問いを自分に投げると整理しやすくなります。
これはどこで撮った写真か
何時ごろの光か
どのくらいの距離から、どんなレンズで撮ったか
背景はどれくらいボケるべきか
この“撮影の設定”が決まると、プロンプトが急に書きやすくなり、ツールが違っても再現しやすくなります。
リアルを決める要素は光と質感と情報量
リアル感の要素を、さらに分解すると次のようになります。
光
光源が1つなのか複数なのか
影が硬いのか柔らかいのか
反射やハイライトがどこに乗るのか
質感
肌の微細な凹凸、毛穴、テカりの強さ
髪の束感、ツヤ、逆光時の縁の光
布の織り目、シワの出方、厚み
情報量
主役は高精細、背景は自然にボケる
不要な細部が増えるほど“嘘”が混ざりやすい
小物や文字は破綻の温床になりやすい
最初から全要素を完璧にしようとすると迷います。おすすめは次の順番です。
光と時間帯を決める
レンズと被写界深度を決める
質感を整える語彙を足す
破綻をネガティブで潰す
仕上げを少しだけ調整する
この順番に沿うだけで、写真風の安定感は大きく上がります。
AI画像生成をリアルにするプロンプトの基本テンプレ
プロンプトは「形容詞を増やすゲーム」ではありません。写真風に寄せるには、撮影条件を含む情報を、役割ごとに配置するのがコツです。特に人物写真風では、主題よりも「光」「レンズ」「構図」がリアル感を決めます。
プロンプトは主題と環境と撮影条件で組み立てる
写真風の基本テンプレは、次のブロックで考えるとブレません。
主題:人物や被写体の属性、表情、姿勢
環境:場所、背景、時間帯、天気、季節
光:自然光か人工光か、向き、柔らかさ
カメラ:レンズ、焦点距離、絞り、被写界深度
構図:視点、距離、画角、アスペクト比
仕上げ:解像感、粒状感、現像の雰囲気
そのまま使えるテンプレ
主題
a [age] [gender], [hair], [expression], [pose]
環境
in [location], [background details], [time of day], [weather/season]
光
soft natural light, realistic shadows, [backlight / side light]
カメラ
[35mm/50mm/85mm] lens, f[1.8/2.8], shallow depth of field, bokeh
構図
[eye-level / low-angle], [close-up / medium shot], [3:2 / 4:5]
仕上げ
photorealistic, high detail, natural skin texture, subtle film grain
例文
a woman in her late 20s, black hair, natural smile, sitting on a bench, in a park, golden hour, soft natural light, realistic shadows, 85mm lens, f1.8, shallow depth of field, bokeh, eye-level shot, 3:2, photorealistic, high detail, natural skin texture, subtle film grain
ポイントは「photorealistic」の一言に頼らず、時間帯と光、レンズ、ボケを明示することです。ここが写真っぽさの芯になります。
写真らしさが上がる定番フレーズ集
定番フレーズは、やみくもに足すより、目的別に選ぶと効きが安定します。以下は“役割”ごとの語彙例です。
光を自然にする
soft natural light
golden hour / blue hour
realistic shadows
soft backlight / side light
diffused light
奥行きを作る
shallow depth of field
bokeh
foreground blur
background blur
カメラらしさを付与する
35mm lens:環境も入れて自然なスナップ風
50mm lens:標準的で万能
85mm lens:人物が映える、背景が溶けやすい
f1.8:ボケ強め、ポートレート向き
f2.8:少しシャープで扱いやすい
質感を整える
natural skin texture
visible pores
realistic hair strands
realistic fabric texture
ここで重要なのは、写真的な条件を増やし、抽象的な形容詞を減らすことです。例えば「beautiful」「perfect」ばかりを増やすと、ツルツルの加工感が出やすくなります。
ネガティブプロンプトで破綻を先に潰す
写真風で“破綻が目立つ”のは、手、目、歯、文字、過剰なノイズです。ネガティブプロンプトは、これらを先に潰して成功率を上げるために使います。
まずは短く、土台から
最初から長文にせず、まずは以下の土台を推奨します。
low quality, worst quality, blurry, noisy
deformed, disfigured, bad anatomy, extra fingers
text, watermark, logo, caption
cartoon, illustration, 2d, painting
ネガティブを増やすタイミング
指が崩れる → bad hands, extra fingers などを追加
肌が人形っぽい → plastic skin, doll を追加
背景がごちゃつく → cluttered background, messy background を追加
文字が混ざる → text, watermark, logo を強化
コツは「症状が出たら、その症状に対応するネガだけ足す」ことです。無闇に増やすと、意図した要素まで消えて調整が難しくなります。
AI画像生成でリアルにならない症状別の直し方
うまくいかないときは、根性でプロンプトを盛るより、症状から原因を切り分けた方が早く直ります。まずは、よくある症状と処方を一覧にしておきます。
肌がプラスチックになるとき
肌がツルツル、光沢が不自然、陰影が薄いと「作り物っぽさ」が一気に増えます。
よくある原因
光の指示が曖昧で、均一照明になっている
「perfect」「smooth」など加工方向の語彙が強い
肌の情報が少なく、質感が生成されない
直し方の手順
時間帯を指定する
golden hour / soft window light など
影の存在を明示する
realistic shadows, soft shadows
質感語彙を追加する
natural skin texture, visible pores
加工語彙を削る
perfect skin, airbrushed などは外す
まだ不自然ならネガを追加する
plastic skin, doll
追加しやすい修正例
追加:natural skin texture, visible pores, realistic shadows
ネガ追加:plastic skin, doll
指や目が崩れるとき
写真風で最も目立つ破綻です。指が増える、関節が曲がる、視線が合わない、目の反射が左右で違うなどが代表例です。
よくある原因
全身や複雑ポーズで情報量が足りない
手が小さく写る構図で崩れやすい
解像度やディテールが不足している
直し方の手順
構図を簡単にする
バストアップ、手を画面外へ、正面寄りのポーズ
手の見せ方を変える
hands behind back など“難しい手”を避ける
ネガティブで手の破綻を抑える
bad hands, extra fingers, deformed fingers, bad anatomy
参照画像を使う
ポーズ参照や画像参照が使える環境なら活用する
それでも崩れるなら主題を分割する
「人物のリアル」→「手の表現」→「小物を持つ」へ段階的に
「手に小物を持たせる」「複雑なジェスチャー」などは難易度が跳ね上がります。まずは“成功しやすい構図”で勝ちパターンを作るのが近道です。
背景が嘘っぽいとき
人物はそこそこなのに、背景の遠近が変、建物が歪む、情報が散らかる、合成感が出るという症状です。
よくある原因
背景指定が曖昧で、埋め草が増える
レンズや被写界深度の指定がなく、距離感が崩れる
背景に要素を詰め込みすぎて破綻している
直し方の手順
背景は3点に絞る
場所、時間帯、天気
例:downtown street, evening, light rain
レンズを決める
35mm:背景が入りやすい
85mm:背景が溶けやすい
ボケを明示する
shallow depth of field, background bokeh
背景の散らかりをネガで抑える
cluttered background, messy background
物体を減らす
看板、ポスター、小物は破綻源になりやすいので一旦外す
背景のリアル感は、「何を描くか」よりも「何を描かないか」で改善することが多いです。
文字が混ざるとき
Tシャツや看板、背景のポスターなどに意味不明な文字が出るのは定番の悩みです。
よくある原因
看板やポスターなど“文字がありそうな要素”を含めている
生成モデルが模様として文字っぽい形を作ってしまう
直し方の手順
ネガティブに文字系を入れる
text, watermark, logo, caption
文字が出やすい小物を外す
magazine, poster, billboard などを避ける
どうしても文字が必要なら工程を分ける
画像生成は文字なしで作る
文字は後からデザインツールで載せる
文字は生成で完璧に狙うより、後工程でコントロールした方が品質が安定します。
AI画像生成をリアル寄せする設定の考え方
プロンプトが同じでも、設定で結果は大きく変わります。特にStable Diffusion系は設定の影響が強く、Midjourney系は“自動の味付け”の強弱が見た目を左右します。ここを理解すると、リアル寄せが急に安定します。
Stable DiffusionはCFGとステップ数の関係を理解する
Stable Diffusion系で重要なのは、「プロンプトへの追従」と「自然さ」のバランスです。CFGは追従度に関係し、ステップ数は生成の収束に関係します。
調整の基本方針
指示が反映されない → 追従が弱い可能性
不自然、硬い、作り物っぽい → 追従が強すぎる可能性
ディテールが甘い → ステップや解像方向で改善余地
破綻が増える → 無理な情報量、または追従過多の可能性
迷いにくい調整手順
まずはデフォルト付近で生成して基準を作る
指示が弱いと感じたらCFGを少し上げる
逆に不自然になったらCFGを少し下げる
ステップは「少し増やす」程度で比較する
変更は1回につき1つだけ行い、ログを残す
“上げれば上げるほど良い”ではありません。リアル寄せでは、過剰に縛ると質感が硬くなりやすいので、自然さが残る範囲を探すのがコツです。
MidjourneyはRaw ModeとStylizeで忠実さを上げる
Midjourney系は、標準状態だと独自の“絵作り”が強く働くことがあります。写真風に寄せたいときは、できるだけプロンプトに忠実な状態に寄せ、撮影条件の指示でコントロールする方が安定します。
写真風を狙うときの考え方
自動の味付けが強いときは弱める方向で試す
形容詞を盛るより、光とレンズと距離感を丁寧に書く
まずは「ポートレートとして成立する条件」を固定し、主題だけ変える
例:盛りがちな要素を減らす
減らす:masterpiece, ultra beautiful, extremely perfect など過剰な美化
増やす:golden hour, realistic shadows, 85mm lens, f1.8 など撮影条件
写真風は“演出語彙”より“撮影語彙”が強い、という感覚を持つと調整が楽になります。
参照画像とスタイル固定で再現性を上げる
リアル寄せは「たまたま当たりが出る」状態から、「狙って当てる」状態に移すと一気に楽になります。その鍵が再現性です。
再現性を上げる3つの柱
参照画像を使う
構図参照、ポーズ参照、雰囲気参照
スタイルを固定する
似た条件で出し続けることでブレを減らす
ログを残す
あとで同じ品質を再現できるようにする
最低限ログに残す項目
プロンプト
ネガティブプロンプト
使用モデルやバージョン
主要設定値
解像度やアスペクト比
シードがある場合はシード
参照画像の有無
このログが増えるほど、リアル寄せは“運”ではなく“技術”になります。
AI画像生成でリアルを安定させる運用手順
リアル寄せを安定させる最大のポイントは、「一度に変えない」「勝ちパターンを保存する」の2つです。ここを徹底すると、同じ時間で得られる成果が段違いになります。
まずはテンプレでベースを作る
おすすめの進め方は、次の5ステップです。
テンプレで主題と環境を決める
時間帯と光を決める
レンズと被写界深度を入れる
ネガティブで破綻を抑える
仕上げ語彙を少しだけ足す
最初は「70点の土台」を作ることに集中してください。土台ができた後なら、表情や衣装、背景のバリエーションを増やしても崩れにくくなります。
1回に変える要素は1つに絞る
結果が安定しない最大の原因は、同時に複数の要素をいじってしまうことです。変更は1回につき1つに絞るだけで、改善スピードが上がります。
変更の優先順位
まず光と時間帯
次にレンズと距離
次に背景の情報量
その後にネガティブ追加
最後に設定の微調整
例えば「背景が嘘っぽい」と感じたら、先に背景指定とレンズを直し、設定はいじらない方が原因が見えます。
良かった設定をログとして保存する
勝ちパターンを“資産化”すると、リアル寄せは急に楽になります。以下のチェックリストを使うと漏れが減ります。
運用チェックリスト
プロンプトを保存した
ネガティブプロンプトを保存した
参照画像がある場合は一緒に保存した
使用ツールやモデルの情報を記録した
主要設定値を記録した
解像度、アスペクト比を記録した
生成日時を記録した
良かった理由を一言メモした
「良かった理由」のメモが意外に効きます。後で見返したときに、何を狙っていたかがすぐに思い出せます。
AI画像生成の商用利用と注意点
リアル寄せが上手くいくほど、SNS投稿だけでなく、バナー、LP、資料、動画素材など用途が広がります。だからこそ、商用利用と権利の注意点は後回しにせず、最初から整理しておくと安心です。
ツール規約と出力物の扱いを先に確認する
商用利用で最低限押さえたいのは、「使っていいか」だけでなく「何をしてはいけないか」「説明責任が必要になったときに答えられるか」です。
商用利用で確認したい項目
商用利用が許可されているか
出力物の権利帰属や制限はどうなっているか
禁止事項として何が明記されているか
生成に使った入力データの扱いはどうなっているか
外部への納品時に条件があるか
仕事で使うほど、後から「どのツールで、どんな設定で作ったのか」を問われる可能性が上がります。前述のログ化は、品質だけでなくリスク管理にも直結します。
FireflyのContent Credentialsなど透明性の考え方
生成AIは「作ったこと」そのものより、受け手が判断できる状態を作ることが重要になりつつあります。透明性は、炎上対策というより信頼の設計です。
透明性を高める実践例
社内ルールとして、生成AIの使用有無を記録する
素材の用途ごとに、生成AI可否の基準を作る
必要に応じて、AI生成である旨を示す
クライアントワークでは、事前に合意を取る
「どこまで開示するか」は案件や媒体で変わります。ただ、後から困らないように、最低限“自分たちが説明できる状態”を作っておくことが重要です。
AI画像生成をリアルにするFAQ
どのツールが一番リアルですか
一番リアルなツールは用途で変わります。目安としては次の考え方が分かりやすいです。
| 目的 | 向きやすい傾向 | 理由 |
|---|---|---|
| 細かい制御、同じ雰囲気の量産 | Stable Diffusion系 | 設定やモデルでコントロールしやすい |
| 文章中心で試行錯誤しながら写真風 | Midjourney系 | 撮影語彙が効きやすく、出力がまとまりやすい |
| 商用や透明性も意識して運用 | Fireflyなど | 透明性や利用条件の整理がしやすい場合がある |
まずは自分の目的が「一枚の完成度」なのか、「同品質の量産」なのかを決めると選びやすくなります。
実在人物に似せるのは大丈夫ですか
特定の個人に似せる意図がある場合、肖像権やパブリシティ、各サービスのポリシー、名誉や信用に関わる問題など、複数のリスクが絡みます。特に商用や公開前提では慎重さが必要です。
安全に寄せるなら、次の方針が現実的です。
特定の個人の特徴を狙わない
年代、髪型、服装など一般化した特徴で設計する
参照画像を使う場合も、権利が明確な素材に限定する
仕事で使うときに最低限やることは何ですか
最低限、次の3つを押さえると事故が減ります。
規約と禁止事項の確認
生成条件のログ保存
透明性の方針を決める
加えて、社内やチームで「用途別のOKライン」を共有しておくと、判断がブレずに運用できます。
まとめ
AI画像生成をリアルにするコツは、プロンプトを盛ることではなく、写真として成立する前提条件を整え、破綻を順番に潰していくことです。まずは「主題・環境・光・レンズ」のテンプレで土台を作り、ネガティブで失敗を減らし、設定は一度に変えずに比較してください。
うまくいかないときは、症状別に切り分けるのが最短ルートです。肌が不自然なら光と質感、指や目なら構図の簡略化とネガティブ、背景なら情報量の削減とレンズ指定、文字なら工程分割。原因が見えると、修正は驚くほど速くなります。
そして最後に、商用利用や公開前提なら、規約確認とログ保存、透明性の方針が安心につながります。勝ちパターンを資産化しながら、狙って“写真風のリアル”を作れる状態に育てていきましょう。