「A4の半分って、結局どのサイズ?」
急いで印刷しようとしたときに限って、A5なのかB5なのか分からなくなったり、縮小したら文字が小さすぎたり、2面付けの向きを間違えてやり直しになったり……。A4の半分は一見シンプルに見えて、“紙のサイズ”と“印刷の仕上がり”が混ざると途端に失敗しやすいポイントです。
本記事では、A4の半分が指すサイズを正しく整理したうえで、目的別に「折る」「切る」「縮小して印刷」「A4に2面付け」「冊子・製本」の最適解を分かりやすく解説いたします。さらに、向きや綴じ方向、余白ズレなどのありがちなミスを防ぐためのチェックリストも用意しています。
読み終えたときには、あなたの状況に合った方法がすぐ選べて、一発で“狙ったとおりのA4の半分”を作れるようになります。
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A4の半分はA5になる基礎知識
A4の半分が必要になる場面は意外と多く、たとえば「配布資料をコンパクトにしたい」「会議資料を手元で扱いやすくしたい」「小冊子風にしたい」「手帳やファイルに収めたい」といった日常的な用途から、「印刷コストを下げたい」「2面付けで用紙を節約したい」など業務寄りの目的まで幅広くあります。ところが、いざ「A4の半分」と言われると、A5なのかB5なのか、折るのか切るのか、縮小して印刷するのかといった判断が絡み、思った以上に迷いが生じます。
ここで大切なのは、「A4の半分」という言い方が、状況によって意味が変わり得る点です。
紙そのもののサイズとしてA4の半分を求めているのか
印刷内容(文字や図)を縮小してA5にしたいのか
A4用紙を半分に切って2枚取りしたいのか
A4用紙にA5を2つ並べる(2面付け)ことを言っているのか
同じ「半分」でも、ゴールが違えば手段も設定も変わります。まずは規格としてのA5を押さえ、そのうえで目的に応じた作り方を選べるように整理していきます。
A5の寸法は148×210mm
結論から言うと、A判(Aシリーズ)の規格において A4の半分はA5 です。寸法は 148×210mm(14.8×21.0cm)です。A4は210×297mmなので、面積として半分になるのがA5だと理解しておくと、実務上ほとんど迷いません。
ここで混乱しやすいのが「どの辺を半分にするのか」という発想です。A4の短辺210mmの半分は105mm、長辺297mmの半分は148.5mmです。「半分」に見える数字が複数出てくるため、頭の中で寸法が混線しやすいのです。しかし規格としては「面積が半分」になるように定義されているので、A4→A5は自然に成立します。現場では、サイズ名(A5)で話が通じるようにしておくのが安全です。
また、A5は小冊子、案内、申込書、メニュー、手帳用の印刷物などによく使われます。クリアファイルやバインダーもA5対応が一般的に流通しており、「A4の半分」を扱うならA5を前提に道具を揃えるとスムーズです。
半分なのに端数に見える理由(規格の考え方)
「A4を半分にしたなら、もっときれいに割り切れた寸法になりそう」と感じるのは自然です。実際、A4の長辺297mmの半分は148.5mmで、A5の短辺148mmと微妙にズレています。この差が「半分なのに端数」という印象を生みます。
ただしA判サイズは、単に片方の辺を半分にして作られているのではなく、縦横比を一定に保ちながら面積が半分になるよう設計されています。縦横比が一定だと、拡大縮小や面付けをしてもレイアウトが崩れにくく、印刷物の設計・運用が非常に楽になります。
そのため、A4→A5、A5→A6…とサイズを変えても、同じ比率で縮尺を扱えるのです。
「A判は半分にすると一つ下のサイズになる」というルールを覚えておくと、A3はA4の2倍、A5はA4の半分、A6はA5の半分、と芋づる式に理解できます。業務でサイズ指定が頻繁に出る人ほど、この規格の考え方を押さえると失敗が減ります。
A4・A5・B5で迷うポイント
実務で最もありがちな混乱は、A判とB判が入り混じることです。たとえば「学校のプリントはB5が多い」「ノートはB5が多い」という経験があると、「A4の半分=B5」だと誤認しやすくなります。しかし、B5はA4の半分ではありません。B5は182×257mmで、A4よりひと回り小さい別規格です。
もう一つの迷いは、「A4からA5にする=コピー機で縮小50%」と短絡してしまうことです。A4→A5は面積が半分であっても、辺の長さは半分ではありません。つまり、縮小率は「50%」ではなく、辺の比率に応じた縮小になります。多くの環境では「用紙に合わせる」「A5に合わせる」などの自動設定で処理できますが、手動で倍率を触る必要がある場面もあります。
ここまでをまとめると、最初に確認すべきは以下の2点です。
「紙サイズとしてのA4の半分」はA5(148×210mm)
「印刷内容をどうしたいか(縮小したいのか、2枚取りしたいのか、2面付けしたいのか)」で手段が変わる
次章では、この「どうしたいか」を軸に、作り方を最短で選べるよう整理します。
A4の半分を作る方法を目的別に選ぶ
A4の半分を作る方法は大きく5つに分けられます。現場で迷うのは、やり方が複数あるのに「自分の目的に合うもの」が見えにくいからです。まずは、目的を次のどれに近いかで分類してください。
すぐ持ち歩きたい、保管したい → 折る
同じ内容を2枚取りしたい(縮小はしない) → 印刷して切る
A4で作った文書をそのままA5の見た目にしたい → 縮小して印刷
A4用紙1枚にA5を2つ並べたい → 2面付け
小冊子にして綴じたい → 冊子・製本
ここが定まると、設定の試行錯誤が減り、作業が一気に楽になります。
折ってA5相当にする(保管・携帯向け)
最も手軽で失敗が少ないのは「折る」方法です。A4用紙を二つ折りにすれば、外形はA5相当になります。会議資料や現場で参照するチェックリストなど、折り目がついても問題ない用途なら、この方法が最短です。
折り方のポイントは、「折り目の向き」と「収納先」を先に決めることです。たとえば、A5サイズのクリアファイルに入れたいなら、A4を短辺方向に折ってA5の比率に合わせます。逆に、手帳のポケットの形状やバインダーの向きによっては、縦横を入れ替えた折り方が使いやすいこともあります。折ったあとに「開きたい方向(左右に開きたいか、上下に開きたいか)」まで想像しておくと、現場での扱いが快適になります。
一方でデメリットもあります。
折り目が残るため、提出書類や顧客配布など「見た目のきれいさ」が重要なものには不向き
図表や細かい文字がある場合、折り目の位置が読みにくさにつながることがある
複数回折り直すと紙が傷みやすい
「一時的に持ち歩く」「保管の便宜のために折る」という割り切りができる用途に向いています。
A4に印刷して半分に切る(内容は縮小しない)
「A4で作った内容を縮小したくない。でもA5サイズの紙を2枚作りたい」というニーズはかなり多いです。たとえば、申込書の控え、チケットの半券、簡易な引換券、同じ案内を2部作りたい場合などです。この場合に有効なのが「A4用紙に2つ配置して印刷し、あとで切る」方法です。
ここで重要なのは、印刷内容を縮小しないことです。A5に縮小してしまうと文字が小さくなりますが、切って2枚にする場合は、A4の紙面を上下(または左右)に分割して使うだけなので、文字サイズを保ったまま2枚取りできます。
作り方は大きく2パターンです。
アプリ側(Wordなど)で上下2段(左右2列)にレイアウトを作る
プリンターや複合機の機能(カットプリント等)で2分割を前提に出力する
アプリ側で作る場合は、次を意識してください。
仕上がりサイズがA5(148×210mm)になるよう、レイアウトの枠を明確にする
切断位置(中央)に文字や重要な罫線がかからないようにする
上下(左右)で余白条件を揃える(後で「片方だけ窮屈」に見える事故を防ぐ)
特に「中央の切り取り線」を薄い罫線や点線で入れておくと、作業者が迷わず切れます。オフィスでは裁断機がある場合もありますが、カッターと定規でも対応可能です。ただし、量が多いほどズレが出やすいので、まとまった部数を作るなら裁断機の使用が安全です。
A4→A5に縮小して印刷する(見た目をA5にする)
「A4で作った資料を、そのままA5サイズとして配布したい」という場合は縮小印刷が基本です。これは“紙のサイズをA5にする”だけでなく、“印刷内容もA5に合わせて縮小する”という意味になります。
縮小印刷で最初に考えるべきは、読みにくくならないかです。A4をA5にすると、面積は半分になります。つまり文字や図表は相対的に小さくなります。
文章中心で、見出し・行間が十分に取られている資料 → 縮小しても比較的読みやすい
表や図が多く、細かい注釈がある資料 → 縮小で潰れやすい
もともと小さなフォントを使っている → さらに読めなくなる
このため、「A5にして持ち運びやすくしたい」だけなら、配布はA4のまま、持ち運びは折る、という選択が結果的に良いこともあります。どうしてもA5で配りたいなら、A5向けにレイアウトを組み直す(余白・見出し・図表のサイズを再設計する)ほうが、読みやすさと品質を両立できます。
縮小印刷の設定面では、プリンター画面で「用紙サイズ:A5」「拡大縮小:用紙に合わせる(フィット)」などを選ぶことが多いです。アプリ側でも、印刷時に「用紙サイズ」を選べる場合があります。ここで大切なのは、どこで縮小を行うか(アプリ側か、プリンタードライバー側か)を二重にしないことです。アプリで縮小し、さらにドライバーでも縮小すると、想定より小さくなったり余白が不自然になったりします。設定は一箇所で完結させるのが基本です。
A4用紙にA5を2つ並べて印刷する(2面付け)
「A4用紙1枚にA5を2つ並べたい」というニーズは、資料を節約したい場面でよく出ます。具体的には次のようなケースです。
同じA5資料を2部、1枚に並べて印刷して切り分けたい
A5の2ページ分をA4にまとめ、一覧性を上げたい
配布はA4で良いが、内容はA5相当のコンパクトな密度にしたい
このときに使うのが「2in1」「ページ集約」「Nアップ印刷」などと呼ばれる機能です。ポイントは、2面付けには“切る前提”と“切らない前提”があることです。
切る前提:A4に2つ並べて印刷→中央で切ってA5を2枚作る
切らない前提:A4に2ページ分を小さく配置し、A4のまま配る(一覧用)
切る前提の場合は、前述の「印刷して切る」と似ていますが、2in1機能を使うことでアプリ側のレイアウト作業を減らせることがあります。一方で、2in1は設定を間違えると「上下が逆」「左右が逆」「片面は合っているのに裏面がズレる」といった事故が起こりやすい領域でもあります。必ず試し刷りを挟むのが安全です。
また、2面付けの結果は、元データがA4かA5か、ページが縦か横か、用紙がA4かA5かで大きく変わります。迷う場合は次の順に整理すると解決しやすいです。
最終成果物はA4配布か、A5配布か(切るのか切らないのか)
1枚に載せたいページ数はいくつか(2ページか、4ページか)
並べ方は上下か左右か(読みやすい方向)
両面印刷するか(綴じ方向が関係するか)
この整理をしてから設定に入ると、機器やドライバーの表記が違ってもブレにくくなります。
冊子・製本(袋とじ/ブックレット)で作る
A4の半分サイズを「冊子」として使いたい場合、A5は非常に相性が良いです。A4用紙を二つ折りにするとA5相当になるため、ブックレット(小冊子)印刷の基本形が作れます。社内マニュアル、研修資料、メニュー、説明書、配布用の小冊子など、ページ物でよく使われる方法です。
冊子作成で重要なのは、単に縮小して印刷するのではなく、面付け(ページ順の並べ替え)が必要になる点です。冊子は、見開きにするページが入れ替わるため、普通に1ページずつ順番に印刷しただけでは製本したときにページが飛びます。これを自動で処理してくれるのが、プリンタードライバーや複合機にある「冊子」「製本」「ブックレット」といった機能です。
注意点は次のとおりです。
両面印刷が前提になることが多く、短辺綴じ・長辺綴じの選択で裏面が逆になりやすい
用紙の厚みで折りがきれいに出ない(ページ数が増えるほどズレが出やすい)
仕上がりで中央がふくらむ(中綴じ冊子の特性)ため、余白設計が必要
初めて冊子を作る場合は、まず4ページや8ページなど少ないページ数で試し、折ってホチキスで留め、ページ順が合っているか確認すると確実です。
印刷・コピーで失敗しない設定とチェックリスト
A4の半分に関する失敗は、ほぼ「向き」「綴じ方向」「余白」「両面」のどれかに集約されます。つまり、ここを意識して確認すれば、事故の多くは防げます。特に、2面付けや冊子など複合的な設定を使う場合は、作業者が慣れていても見落としが起きます。失敗の“型”を知っておくことが最短ルートです。
向き(縦横)と綴じ方向で事故が起きる
まず、縦横の向きは「画面上で見えている向き」と「印刷後に手で扱う向き」が一致しないことが原因で混乱します。特に次の場面で事故が起きやすいです。
2in1で上下に並べたつもりが左右に並んでしまう
横向き資料を2in1にしたら、片方が回転してしまう
両面にしたら、裏面だけ上下が逆になる
冊子印刷で綴じ方向を間違え、開いたときに天地が揃わない
対策として効果が大きいのは、「完成形の動作」を先にイメージすることです。具体的には、次を手順に組み込みます。
印刷後にどう折るか(折るならどの辺が背になるか)
どちら側から開くか(右開き/左開き、上下開きなど)
両面の場合、裏面を見たときに上下が逆にならないか
切る場合、切ったあとの用紙の向きはどうなるか
これを言語化しておくと、綴じ方向(短辺/長辺)や回転設定が必要かどうかが判断しやすくなります。迷ったら、試し刷りの紙を実際に折ってみるのが一番早いです。
余白ズレを防ぐ考え方
余白ズレは、見た目の品質を一気に下げる典型的なトラブルです。特に「A4にA5を2つ並べて切る」場合、上下(左右)で余白が揃わないと、切ったあとに片方だけ窮屈に見えます。また、プリンターには印字できない領域(非印字領域)があるため、端まで均等に印刷できるとは限りません。この特性を理解せずに「紙いっぱいに枠線を引いた」レイアウトを作ると、欠けたり寄ったりしやすくなります。
余白ズレを減らすための考え方は次のとおりです。
余白を先に決める:最初から余白をしっかり取ると、印刷の揺らぎが目立ちにくい
切断線の周囲に余裕を持たせる:中央付近に重要要素を置かない
拡大縮小を二重にしない:アプリ側とプリンター側で同時に「用紙に合わせる」を使うと想定外の縮尺になりやすい
全面ベタやフチあり枠線を避ける:家庭用プリンターでは端まで安定して印刷できないことがある
“きれいに見せたい”ほど、余白をケチらないほうが結果は良くなります。特に配布物は、読みやすさと見た目の安心感に直結します。
両面印刷での注意点
両面印刷が絡むと、難易度が一段上がります。理由は単純で、片面で成立している向きや配置が、裏面で反転するからです。ここで起きやすいのは、短辺綴じ・長辺綴じの選択ミスです。たとえば、縦向きの資料で長辺綴じを想定していたのに短辺綴じになっていると、裏面が上下逆になります。横向き資料ではさらに混乱しやすく、試し刷りを飛ばすと一括印刷後に気づいてやり直しになることがあります。
両面印刷のトラブルを避けるために、次の順で確認すると安全です。
片面で正しい向き・配置になっているか(まずここを固定)
両面にしたとき、裏面の上下が正しいか
2in1や冊子と組み合わせる場合は、切る・折る動作まで含めて確認する
特に冊子の場合は、両面・面付け・綴じ方向の3点が同時に絡みます。初回は必ず少部数で試し、手で折ってページ順を確かめてから本番に入るのが確実です。
最終確認チェックリスト
印刷前の最終確認は、時間をかけたほうが結果的に早く終わります。次のチェックリストを、そのまま作業フローに入れてください。慣れている人ほど「だいたい合っているだろう」で飛ばしがちですが、事故は飛ばしたところから起きます。
最終的に欲しいのはA5の紙か、A4の紙か(切るのか、切らないのか)
目的は「折る」「切る」「縮小」「2面付け」「冊子」のどれかを言語化できている
用紙サイズの指定が合っている(A4に出すのかA5に出すのか)
2面付けの場合、並び方(上下/左右)が意図どおり
両面の場合、綴じ方向(短辺/長辺)が意図どおり
余白や切断線に重要な要素がかかっていない
まず1枚だけ試し刷りし、折る・切る・開く動作まで確認した
本番部数を印刷する前に、試し刷りを関係者に見せて合意できた(配布物の場合)
このチェックを通すだけで、「大量印刷してから気づく」リスクを大きく下げられます。
A4の半分の用紙を保管・配布するコツ
A4の半分を作る作業は、印刷が終わったら終わりではありません。多くの場合、配布・保管・持ち運びまでがセットです。ここを見落とすと、せっかくサイズを揃えたのに「入れ物がない」「配布時にぐちゃぐちゃになる」「郵送で折り曲がる」など別の問題が発生します。A5として扱うなら、A5を前提に運用を整えると、日常のストレスが減ります。
A5対応ファイル・バインダーの選び方
A5を保管するなら、最初からA5対応のファイルやバインダーを使うのが基本です。A4の半分サイズを無理にA4ファイルで扱うと、内部で動いて角が折れたり、取り出しにくかったりします。A5ファイルならぴったり収まり、持ち運びもしやすくなります。
選び方の観点は次のとおりです。
頻繁に出し入れする:クリアホルダーよりも、口が広いクリアファイルやバインダーが便利
ページ物として管理する:A5バインダー+リフィル(穴数規格に注意)が扱いやすい
そのまま配布する:A5クリアファイルにセットして配布すると見た目が整う
現場で書き込みが多い:下敷きやクリップボードのA5対応を揃えると作業が安定
特に「A4を折ってA5相当にして保管する」運用をする場合は、折り目が増えると紙が劣化しやすいので、重要度の高い資料はA5として印刷し直すなど、運用で線引きするときれいに回ります。
封筒や郵送の考え方(折らずに入れる/折る)
A5を配布・郵送する場合は、「折らずに送る」か「折って送る」かで準備が変わります。折らずに送れば見た目は良いですが、封筒サイズが大きくなり、郵送条件やコストに影響することがあります。折って送ればコンパクトになりますが、折り目が付くことを許容できるかが判断材料になります。
また、郵送では厚みや重量、角の保護も大切です。A5の冊子や複数枚セットを送る場合、封筒内で擦れて角が傷むことがあります。クリアファイルに入れる、厚紙を同封する、封筒を少し余裕のあるものにするなど、簡単な工夫で受け取り時の印象が変わります。配布物の性質(顧客向けか、社内向けか)に合わせて、折る/折らないを決めるとよいでしょう。
手帳・現場運用(A4資料を折って入れる)
現場では「A4資料を折ってA5相当にして運用する」方法が非常に現実的です。特に、毎回印刷し直すほどではないが、手元で見やすく携帯したい資料は、折って手帳やA5ファイルに挟むだけで利便性が上がります。
運用のコツは、用途で割り切ることです。
折って良いもの:当日限りの資料、控え、メモ、現場チェックリスト、配布後に回収しない資料
折らないほうが良いもの:提出書類、顧客向けの正式資料、後で保管して参照する重要資料、スキャンして電子保管する資料
また、A4を折って持ち運ぶ運用を続けると、「折り目がある前提」で読みやすいデザイン(文字の配置、余白、重要情報の位置)に自然と改善が入ります。たとえば重要な情報は折り目付近に置かない、見出しを上部に寄せる、ページ番号を端に寄せるなど、少しの工夫で現場の読みやすさが変わります。
よくある質問
A4の半分はA5で確定?
はい、A判規格の「サイズとしてのA4の半分」はA5で確定です。A5の寸法は148×210mmです。一般的に「A4の半分」と言われたら、まずA5を想定して問題ありません。
ただし、現場で「半分にして」と言われたときに、相手が求めているのが「紙サイズ(A5)」なのか、「印刷内容の縮小」なのか、「A4用紙を半分に切って2枚取り」なのかは確認しておくと安全です。言葉としては同じでも、目的が違うと完成形が変わるためです。
A4を半分に切ったら必ずA5?
理屈の上では、A4用紙を規格どおりに二等分すればA5相当になります。ただし現実には、手作業の裁断にはわずかなズレが出ますし、印刷位置が中央に寄っていないと、切ったあとに左右(上下)の余白が不揃いに見えることがあります。大量に作るほどズレは目立つため、次の点を押さえると安定します。
切断線を見える形で入れる(薄い点線など)
余白を多めに取り、ズレても見た目が崩れないようにする
可能なら裁断機を使う(定規とカッターより精度が出やすい)
最初に数枚だけ切って仕上がりを確認してから量産する
「必ずA5になるか」よりも、「きれいなA5として成立するか」を基準に考えると失敗が減ります。
A4の資料をA5にすると文字が小さすぎるときは?
縮小印刷で最も多い悩みがこれです。対処は大きく3つあります。
A5向けにレイアウトを作り直す
縮小で文字が潰れるなら、最初からA5として設計し直すのが最も確実です。見出しを大きくし、行間や余白を整え、図表を簡略化するだけで読みやすさが改善します。配布はA4のままにして、運用だけA5相当にする
持ち運びや保管が目的なら、配布はA4で行い、必要に応じて折ってA5相当にする運用が現実的です。折り目が付くことを許容できる用途なら、これが最短です。内容を分割する(1枚に詰め込まない)
A4で1ページに収めていた内容を、A5で無理に1ページに収めようとすると、小さくなりやすいです。A5ではページ数を増やして情報密度を下げるほうが、結果として読みやすくなります。小冊子化(冊子印刷)とも相性が良い方法です。
「文字が小さい」問題は、単に倍率の問題ではなく、読みやすさの設計の問題でもあります。用途(読む人、読む場面、距離、照明)まで考えると最適解が見つかります。
コンビニや複合機で2面付けしたいときは?
コンビニのマルチコピー機や複合機は機種・画面構成が異なるため、まったく同じ手順で説明することは難しいのですが、探すべき機能名は共通しています。次のキーワードを目印にすると見つけやすいです。
「ページ集約」「2in1」「レイアウト」「割付」「Nアップ」
冊子の場合は「冊子」「製本」「ブックレット」
操作で迷いやすいのは、用紙サイズ(A4に出すのかA5に出すのか)と並べ方(上下/左右)です。まず「最終成果物はA4かA5か」「切るのか切らないのか」を決め、試し刷りで確認してから本番に入るのが安全です。コンビニ印刷は一括で刷るとやり直しが効きにくいので、最初の1枚に慎重になるだけで無駄を大きく減らせます。