突然、スマホに「425」や「+425」から始まる見慣れない番号の着信――。
「どこの国から?」「出ても大丈夫?」「折り返したほうがいいのか?」と、不安になって検索されたのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、425/+425から始まる着信の中には、国番号やエリアコードの仕組みを悪用した詐欺・迷惑電話が含まれている可能性が高いと考えられます。
一方で、すべてが危険な電話というわけでもなく、正規の海外発着信であるケースもゼロではありません。
本記事では、「425/+425とはそもそも何を意味する番号なのか」という基礎から、「危険なパターンの見分け方」「絶対にしてはいけない行動」「iPhone・Android・固定電話での具体的なブロック方法」「出てしまった・折り返してしまった後の適切な対処」までを体系的に整理しています。
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「出る前」に確認すること
番号の表示形式を確認する(+425なのか、425や0425なのか)
海外とのやり取りに心当たりがあるかどうかを考える
心当たりがなければ、出ない・折り返さないことを基本とする
「出てしまった後」に確認すること
通話内容・通話時間・相手の名乗りを思い出し、メモやスクリーンショットを残す
個人情報や認証コードを伝えていないかを確認する
不安があれば、キャリア・消費生活センター・警察に早めに相談する
425から始まる電話番号とは?
425と+425の違い
電話番号の先頭に「+」が付いているかどうかで、意味が大きく変わります。
+425
「+」は国際電話であることを示す記号です。
国際電話の国番号一覧では、「+425」は現在どの国にも割り当てられていない「未使用」のコードとされています。
にもかかわらず「+425」からの着信が表示される場合、多くは「発信者番号偽装(スプーフィング)」によって作られた疑似的な番号である可能性が高いと考えられます。
425(先頭に+がない場合)
北米番号計画(NANP)では、「425」は米国ワシントン州シアトル東側エリアのエリアコードとして利用されています。
海外在住者・海外の知人や企業と連絡している場合、正規のアメリカ発着信である可能性もあります。
画面上では「+425〜」「0425〜」「(425)〜」など表記が揺れるため、**「+」の有無」と「相手に心当たりがあるか」を冷静に確認することが重要です。
425(エリアコード)と国際電話の国番号の関係
国番号(+81など)は国や地域を識別するための番号です。
一方、425のようなエリアコードは、特定の国の中での地域を表す番号です。
日本のスマホや固定電話では、国際電話の発着信時に「+」が省略されて表示されることもあり、ユーザー側からは見分けづらいケースがあります。
この「表示のあいまいさ」を悪用し、存在しない国番号や馴染みのないコードを表示して不安を煽る手口が報告されています。
なぜ日本で「425」からの着信が問題になるのか
日本国内で問題になっている主な理由は次のとおりです。
心当たりのない海外風の番号から突然着信がある
自動音声で入国管理局・警察・電力会社などを名乗り、不安を煽る内容が流れる
短時間で何度も繰り返し着信があり、折り返し通話を誘導される
留守電メッセージで「重要」「至急」といった言葉を多用し、焦らせてくる
このような特徴から、425/+425を利用した詐欺電話・迷惑電話の報告がSNSや相談窓口に多く寄せられています。
「+425」はどこの国?国番号の事実とスプーフィングの実態
国番号一覧での「+425」の位置づけ(未使用コードであること)
国際電気通信連合(ITU)が定める国番号一覧では、「+425」は現在未使用の番号として扱われています。
つまり、「+425」という表示が出たからといって、特定の国からの正規の国際電話であるとは限らず、むしろ「実在しない国番号を名乗る不審な電話」である可能性のほうが高いと考えるべきです。
スプーフィング(発信者番号偽装)とは
スプーフィングとは、IP電話や悪質な通話アプリなどを利用し、実際の発信元とは異なる番号を表示させる技術です。
実在しない国番号「+425」をあえて使う
425エリアコードを使い、アメリカ本土からの一般的な連絡に見せかける
「+」を省略して国内の番号のように見せかける
といった手口により、受信者側の警戒心をコントロールしようとします。
「存在しない国番号」をあえて表示する詐欺の狙い
存在しない国番号を表示する狙いは、主に次の3点です。
正体を隠す
実際の発信元を追跡されにくくする目的があります。海外発着信だと気づきにくくする
通話料金やリスクの高さを意識させないため、表示形式を工夫するケースがあります。不安と好奇心を同時に刺激する
「何だろう?」という心理を利用し、折り返しやボタン操作をさせることが狙いです。
425/+425から始まる電話でよくある詐欺・迷惑電話の手口
入国管理局や警察・電力会社を名乗る自動音声ガイダンス
報告例では、次のようなパターンが多く見られます。
「入国管理局です」「警察です」「電力会社です」など、公的機関やインフラ事業者を名乗る
「重要な連絡」「未払い料金」「送電停止」「荷物の保管」など、不安を煽る内容
「内容を確認するには1番を押してください」など、ボタン操作を促す案内
このような自動音声ガイダンスは、ボタン操作を通じて別回線につなげたり、オペレーターとの通話に誘導したりするための入り口になっています。
折り返し通話を誘うワン切り・高額通話料型の詐欺
着信してすぐ切れる
留守電が入っているように見せる
「重要な用件のため折り返してください」とメッセージを残す
といったパターンで、受信者に折り返し通話をさせ、高額な国際通話料やプレミアム番号の料金を発生させることを狙う手口もあります。
SMSのURLクリックを狙うフィッシングのパターン
電話とは別に、同じ番号帯からSMSが送られ、
「未払い料金があります」「アカウントが停止されています」
「本人確認のため、こちらのURLから手続きしてください」
といったメッセージで、偽サイトに誘導しID・パスワードやクレジットカード情報を入力させるパターンも報告されています。
危険かどうかを切り分けるチェックリスト
425/+425からの着信があった場合、次の項目に当てはまるほど危険度は高いと考えられます。
「今すぐ折り返してください」など、焦らせる文言があるか
「本日中に対応しなければ法的手続きに移行します」
「すぐに折り返してください」
「至急折り返しが必要です」
このような表現は、冷静な判断力を奪うための典型的な文言です。
公的機関・有名企業を名乗っていないか
入国管理局、警察、税務署、電力会社、携帯キャリアなど
有名ECサイトやカード会社の名を騙るメッセージ
本物であれば、いきなり海外番号から自動音声で支払いを迫ることは極めて異例です。
留守番電話メッセージの内容は具体的か・不自然か
具体的な担当部署名や用件が説明されているか
一方的に折り返しを促すだけで、要件が抽象的ではないか
不自然な日本語や機械音声、用件があいまいな場合は要注意です。
海外とやり取りする心当たりがあるかどうか
海外取引・海外在住の家族や知人との連絡の有無
その国・地域が425や近いエリアコードと関係があるか
心当たりが全くない場合は、「詐欺の可能性が高い」と仮定して慎重に行動するほうが安全です。
絶対にやってはいけない行動
その場で指示された番号を押す・折り返す
自動音声で「1番を押してください」「この番号に折り返してください」と指示された場合でも、その場で操作することは避けてください。
別回線への接続や高額通話料の発生
別の詐欺グループにつながる可能性
が考えられます。
個人情報・口座情報・認証コードを伝える
氏名・生年月日・住所・勤務先
銀行口座番号・クレジットカード情報
SMSで届いた認証コード(ワンタイムパスワード)
これらは絶対に伝えないでください。正規の機関が電話でこれらの情報を求めることは、原則としてありません。
SMSやメール内のURLを安易に開く
「425からのSMSだから大丈夫だろう」と油断しない
URLをタップする前に、公式アプリや公式サイトから同様の通知が来ていないかを必ず確認する
疑わしい場合は、メッセージごと削除する・無視することが推奨されます。
スマホ・固定電話での具体的な着信拒否・ブロック方法
ここでは代表的な方法を概要のみ示します。実際の画面や文言は機種やOSバージョンによって異なります。
iPhoneで425/+425からの着信をブロックする方法
「電話」アプリを開き、「履歴」タブを表示
425/+425からの着信の右側にある情報ボタンをタップ
「この発信者を着信拒否」を選択
確認ダイアログで承認する
迷惑電話が多い場合は、iOSの「不明な発信者を消音」機能を使うことで、連絡先に登録されていない番号からの着信を自動的に消音することも可能です。
Androidで番号・番号パターンをブロックする方法
電話アプリを開く
メニューから「設定」→「迷惑電話ブロック」などの項目を開く
「番号を追加」「番号パターンを追加」などで「425」や「+425」を登録
拒否リストに追加して保存
詳細な名称はメーカーや機種によって異なりますが、多くの端末で類似の機能が利用できます。
固定電話・ひかり電話での迷惑電話ブロックサービス
NTTなどの通信事業者が提供する「迷惑電話お断りサービス」「ナンバーディスプレイ」「迷惑電話自動判別サービス」などを検討してください。
不審な番号を登録リストに入れておくことで、今後の着信を自動的に拒否できます。
迷惑電話対策アプリを併用する場合の注意点
信頼できる提供元かどうか(レビューやインストール数)を確認する
通話履歴・連絡先へのアクセス権限の扱いを確認する
キャリアの公式アプリ・サービスが用意されている場合は、まずそれらの利用を検討する
すでに出てしまった・折り返してしまった場合の対処法
まず確認すべきポイント(通話時間・内容・相手の名乗り)
通話時間が長時間に及んでいないか
相手は何を名乗り、どのような内容を話していたか
個人情報や認証コードなどを伝えてしまっていないか
可能であれば、通話履歴のスクリーンショットやメモを残しておくと、後から相談する際に役立ちます。
今すぐやるべきこと(通話記録保存・キャリアへの相談)
不審に感じた場合は、通話履歴・SMS・留守番電話の内容を保存
携帯キャリアのサポート窓口に連絡し、通話明細の確認や、今後の着信拒否について相談する
不当な料金請求の可能性がある場合は、その旨を早めに相談しておく
懸念がある場合の相談先(消費生活センター・警察・キャリア)
消費生活センター(消費者ホットライン「188」)
不審な国際電話や料金請求に関する相談を受け付けています。最寄りの警察署・サイバー犯罪相談窓口
詐欺の疑いがある場合や、個人情報を伝えてしまった場合に相談できます。携帯電話会社・固定電話会社の窓口
今後の対策や料金面の確認を行ってください。
家族・企業でのルール作りと再発防止策
家族で共有しておきたい「不審電話の鉄則ルール」
知らない海外風の番号には、原則として出ない
出てしまっても、こちらから個人情報を話さない
SMS・メールのURLは、公式アプリや公式サイトで確認するまでは開かない
不審に感じたら、必ず家族に相談する
これらを紙やメモにして、家庭内で共有しておくと安心です。
企業における代表電話・社員スマホの対応マニュアル
代表電話・社員用スマホでの「不審電話対応マニュアル」を作成する
「不審な番号には出ない/出ても個人情報・社内情報を答えない/折り返さない」という原則を徹底する
怪しい電話があった場合、必ず上司や情報システム部門に報告するルートを明確にする
事例を活かした教育・周知のポイント
実際に425/+425で起きた事例を紹介しながら、「このときどう対応すべきだったか」を共有する
新入社員研修・定期研修の一部として、電話対応におけるセキュリティ教育を行う
社内チャットなどで「迷惑電話リスト」を共有し、誰かが気づいた危険を全員で共有する