240Hzモニターを用意したのに、「設定に240Hzが出ない」「240fpsに張り付かずカクつく」「グラボを替えたのに体感が変わらない」──このような壁にぶつかる人は少なくありません。
実は240Hz環境の成否は、グラボの性能だけで決まるわけではなく、接続規格(DP/HDMI)・Windowsの設定・GPUドライバ設定・ゲーム内設定・CPUボトルネックが複雑に絡みます。どれか一つでも噛み合わないと、性能が十分でも240Hzが選べなかったり、fpsが安定しなかったりします。
本記事では、競技系FPSで勝ちに行きたい人向けに、ゲーム別に「どのクラスのグラボが目安になるか」を整理しながら、240Hzが出ないときの接続チェック、Windows/NVIDIA/AMDでの有効化手順、そして240fpsが安定しない原因の切り分けまでを一本道で解説いたします。
読み終えるころには、買い替えの判断基準が明確になり、いまの環境で何を直せば体感が伸びるのかが分かるはずです。
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240Hzで得したいなら最初に押さえる3つの前提
240Hzモニターを買ったのに「思ったより滑らかじゃない」「設定に240Hzが出てこない」「ゲーム中のfpsが安定せずガクッと落ちる」といった悩みは非常に多いです。原因はグラボの性能不足だけではなく、目標設定のズレ、CPUや設定のボトルネック、接続規格やOS側の設定ミスが複合して起きるケースがほとんどです。
本記事では、購入前の判断から購入後の有効化、伸び悩み時の切り分けまで、順番に整理します。競技系FPSを中心に「勝ちやすい体感」を狙う人が、遠回りせずに環境を整えられることをゴールにしています。
240Hzと240fpsは別物で、まず目標を決める
まず押さえるべきは、240Hz(モニターの更新回数)と240fps(PCが描画できるフレーム数)は別物という点です。
モニターが240Hzでも、ゲームが240fpsを安定して出せないなら、表示は常に240fps相当の滑らかさにはなりません。逆に言えば、ゲームが240fpsを出していても、モニターが60Hzのままだと、描画したフレームを表示しきれず体感が頭打ちになります。
ここで重要なのは「自分が何を達成したいか」です。240Hzの価値は、単純な“滑らかさ”だけでなく、入力遅延の体感や視点移動時の追従性にも影響します。ただし、その体感はゲームジャンルや設定、フレーム安定性によって変わります。
目標の置き方は、次の3パターンに分けると判断が楽になります。
目標A:240fps張り付き(最優先が安定性)
競技系FPSで「常に近い状態で240を維持したい」。ここではグラボだけでなく、CPUやメモリ、設定が強く効きます。目標B:200fps以上を安定(現実的な落としどころ)
240に届く場面もあるが、落ち込みが少なくプレイが安定している状態を重視。費用対効果が高いことが多いです。目標C:240Hzを活かせるところは活かす(コスパ・汎用性)
普段使いも快適にしつつ、対応タイトルでは240Hzを有効にして気持ちよく遊びたい。買い替えの失敗を避けたい人向けです。
この「目標」を決めずにグラボを選ぶと、買ったあとに「思ったほど上がらない」「240fps張り付きにならない」といった不満が出やすくなります。目標が先、パーツは後、という順番が最も重要です。
軽いFPSほどCPUが先に頭打ちになりやすい
意外に感じるかもしれませんが、VALORANTやCS2のような比較的軽量なFPSほど、グラボを強くしてもfpsが伸びないことがあります。理由は、これらのタイトルが高fpsを出しやすい反面、CPUがフレーム生成の上限になりやすいためです。
よくある状況は次のとおりです。
グラボは余裕があるのに、fpsが200〜240の間で上下する
GPU使用率が50〜70%程度で張り付いており、GPUが働ききれていない
解像度や画質を下げてもfpsが大きく伸びない(上限が変わらない)
このとき、ボトルネックはCPUやメモリ、またはバックグラウンド負荷である可能性が高いです。
240Hz環境を目指すと、普段は気にならない小さな要素(常駐ソフト、録画、ブラウザ、オーバーレイ)が“落ち込み”として見えやすくなります。240fps張り付きの難しさは、GPU性能の高さというより、フレームの安定性を崩す要素をどれだけ潰せるかにあります。
接続規格と設定が合っていないと性能以前に出ない
240Hzを語る前に、最初の関門があります。それが「OS側で240Hzが選べる状態になっているか」です。
この段階で詰まっていると、どれだけ高性能なグラボでも意味がありません。
典型的な原因は以下です。
ケーブルが規格的に足りない、または品質が安定しない
モニターの入力ポートが違う(DPでつないだつもりが別入力になっている等)
モニター側の設定(高速モードなど)が必要な機種
Windowsでリフレッシュレートを上げていない
NVIDIA/AMD側の設定画面で選ぶカテゴリが違う(PC解像度の方に240Hzが出る等)
ここは「性能の話」ではなく「手順の話」です。順番にチェックして、240Hzを出せる状態にしてから、初めて“どのグラボなら240fpsに近づくか”が判断できます。
240Hzを狙うグラボ目安をゲーム別に決める
「240hz グラボ」と検索する人が本当に知りたいのは、結局のところ「自分のゲームで240fpsを狙えるのはどの程度のグラボか」だと思います。
ただしここで注意したいのは、グラボの性能だけで結果が決まらないということです。具体的には、次の4要素が絡みます。
ゲーム(軽量FPSか、バトロワか、重量級か)
解像度(1080pかWQHDか)
画質設定(競技設定か高画質か)
CPU・メモリ・冷却(ボトルネックと安定性)
そこで本記事では、特定製品名を断定するよりも、失敗しにくいように「帯(クラス)」で考える目安を提示し、最後にチェックリストであなたの条件に落とし込みやすい形にします。
eスポーツ系FPSで240fpsを狙う目安
対象:VALORANT、CS2など(比較的軽量だが高fpsを狙うとシビア)
このジャンルの特徴は「fpsが出やすい」反面、240fps張り付きのような高い目標になると、GPUよりもCPU・メモリ側の影響が強く出やすい点です。
つまり、グラボを上げるだけでは伸びないケースが頻繁に起きます。
考え方の軸は次のとおりです。
1080pで競技設定(負荷が軽い方向)に寄せる
グラボは“足りるライン”を超えたら、CPUや環境整理が主戦場
平均fpsよりも「最低fps」「フレームタイムの乱れ」を減らす
ここで役に立つのが「優先順位」の発想です。体感を伸ばす要素は次の順で効きやすいことが多いです。
CPU:高fpsの上限に直結しやすい
メモリ:安定性とカクつき抑制に効きやすい
グラボ:重い場面の底上げ、最低fpsの改善
設定:影・AAなどを調整し“落ち込み”を減らす
環境:オーバーレイ、バックグラウンド、録画などの整理
「グラボを高いものにしたのにfpsが思ったほど上がらない」という場合、実はCPUが先に詰まっていることが多いです。軽量FPSほど、ここを理解しているかどうかで満足度が大きく変わります。
バトロワ系で240fpsを狙う目安
対象:Apexなど(状況変動が大きく、負荷が跳ねやすい)
バトロワは戦闘・エフェクト・視界の広さ・建物内外の切り替えなどで負荷が上下しやすく、平均fpsが高くても瞬間的な落ち込みが発生しやすいです。
そのため「240fps張り付き」をゴールに置くと、要求が一気に上がります。ここで重要なのは、目標設定の仕方です。
おすすめの現実的な目標は次の2段階です。
まずは200fps以上を安定させる(落ち込みを減らす)
余裕があるなら、設定と構成の最適化で240に近づける
この順番にする理由は明確で、バトロワは「240に届く瞬間」よりも「戦闘時に落ちないこと」の方が勝敗に直結しやすいからです。
したがって、ここではグラボだけでなく、CPU・メモリ・冷却・電源といった安定性要素が効きます。
目安としては以下の考え方が役に立ちます。
GPU負荷が高い場面が多い → グラボのクラスが効きやすい
ただし落ち込みはCPU・メモリ・温度でも起こる → 周辺も整える
画質設定で“重い項目”を落とす → 落ち込みの底を上げる
WQHDや高画質志向で240Hzを狙う目安
WQHD(2560×1440)で240Hzは、1080p/240Hzより要求が上がります。さらに高画質設定を維持するなら、GPU負荷は素直に増え、GPUが主役になりやすいです。
このケースでのポイントは次のとおりです。
WQHDは画素数が増える → GPUの処理量が増える
高画質は影・反射・エフェクトが重い → fpsの落ち込みが発生しやすい
競技設定に寄せないなら、240fps張り付きはかなり難度が上がる
したがって、WQHD/240Hzを狙うなら「グラボの余裕」を優先し、必要に応じてアップスケーリング(DLSS/FSRのような機能)やVRRを活用し、体感を整えるのが現実的です。
おすすめの考え方は「余裕率」を積むこと
240Hz環境で失敗しやすいのは、平均fpsだけ見てギリギリの構成にしてしまうことです。
実際の体感は、戦闘や視点移動で起きる最低fpsの落ち込みや、フレームタイムの乱れに強く左右されます。ここが崩れると「240Hzにしたのに気持ちよくない」と感じやすくなります。
そこで役に立つのが「余裕率」の発想です。
平均が目標に届くかより、最低fpsをどこまで上げられるか
“いま出ているfps”に対して、ギリギリではなく余裕を残す
アップデートで重くなる可能性や、別タイトルへの拡張も見越す
ゲーム別・解像度別の目安表(考え方の型)
| ゲームカテゴリ | 解像度 | 目標 | グラボの考え方(目安) | 追加で効きやすい要素 |
|---|---|---|---|---|
| eスポーツ系FPS | 1080p | 240fps張り付き | 中〜上位帯で足りることも多いが、CPU次第で頭打ち | CPU、メモリ、競技設定 |
| eスポーツ系FPS | 1080p | 200fps以上安定 | 中位帯でも狙いやすい。落ち込み対策が中心 | CPU、設定、常駐整理 |
| バトロワ系 | 1080p | 240fpsを狙う | 上位帯寄り。落ち込みを減らす総合力が必要 | GPU+CPU+冷却 |
| バトロワ系 | 1080p | 200fps以上安定 | 中〜上位帯が現実的。設定最適化が効く | 設定、冷却、メモリ |
| 高解像度志向 | WQHD | 240Hz活用 | 上位帯が現実的。GPU比重が大きい | GPU、アップスケーリング、VRR |
この表は「特定の1枚を断定する」ためではなく、あなたの条件で“どこが支配的になるか”を判断するための型です。次章以降の接続・設定が整って初めて、性能の差が意味を持つ点も忘れないでください。
240Hzが選べないときの接続チェック
ここは最重要です。「グラボを買い替えたのに240Hzが出ない」は、満足度を一気に下げます。
しかし原因の多くは単純で、順番に潰せば解決できることがほとんどです。
DisplayPortとHDMIはどれを使うべきか
結論から言うと、迷ったらDisplayPort(DP)で接続するのが無難です。
PCモニター用途ではDPが標準的で、互換性トラブルが少ない傾向があります。HDMIでも高リフレッシュは可能ですが、モニター側の実装やポートの仕様差があり、モデルによって「このHDMIは144Hzまで」「別のHDMIは240Hz対応」といった差が出ることがあります。
判断のポイントは次の3つです。
モニターが「どの入力で何Hzまで対応」か
GPU側の出力端子(DP/HDMIの世代)が何か
その規格に適合したケーブルを使っているか
特に注意したいのが、変換アダプタ(DP→HDMIなど)です。高リフレッシュ環境では相性や制限が出やすく、トラブルの温床になりやすいので、基本は避けるのがおすすめです。
ケーブルとモニター側設定で詰まりやすい点
240Hzが出ないときの“あるある”は、ケーブルとモニター側設定です。チェックは以下の順で進めると迷いません。
ケーブルの規格:DPならDPの高帯域対応品、HDMIならモニター側要件を満たすもの
接続ポート:モニターのどの入力に挿しているか(推奨ポートがある場合も)
入力切替:モニターの入力が接続したポートに合っているか
モニター設定:高速モードやリフレッシュ設定が必要な機種がある
ケーブルは「見た目が同じでも性能が違う」ことがあります。購入時の説明や対応規格が不明なケーブルを長年使っている場合、ここで詰まることがよくあります。
また、モニターのOSD設定で「性能を引き出すモード」を切り替えないと高Hzが有効にならない機種もあります。説明書や公式FAQを一度だけでも確認すると、無駄な試行錯誤が減ります。
GPU端子の世代確認のやり方
GPU端子の世代確認は難しくありません。ポイントは「自分のグラボの正確な型番を確認する」ことです。
購入履歴や箱、GPU本体の型番シールを確認する
グラボメーカーの製品ページで「DisplayPortのバージョン」「HDMIのバージョン」を見る
中古や型番が曖昧なら、型番で検索して仕様表を確認する
ここを曖昧にしたまま「たぶんHDMIで240いけるはず」と進めると、あとで“仕様の壁”にぶつかります。240Hzは、普段よりも規格差が結果に出やすい領域なので、最初に確定させるのが安全です。
WindowsとGPUドライバで240Hzを有効化する
接続が正しくても、OSとドライバで240Hzを選ばなければ、初期状態のまま(60Hzや144Hz)になっていることがあります。
この章は「確実に240Hzを出すための手順」をまとめたものです。最終的に、Windows側で240Hzが選べる状態まで持っていきます。
Windowsでリフレッシュレートを変更する手順
Windowsでは、モニターごとにリフレッシュレートが設定されています。デュアルモニター環境では、片方だけ240Hzになっていないこともあります。次の点に注意してください。
変更対象のディスプレイが正しいか(表示番号)
解像度を変えたことで、選べるHzが変わっていないか
ケーブルを挿し直したあとに、設定が戻る場合がある
操作の流れとしては、設定画面の「ディスプレイ」から「詳細ディスプレイ」に進み、リフレッシュレートで240Hzを選びます。
もしここで240Hzが出ない場合、原因はたいてい“接続”か“ドライバ側の設定”です。次の項目へ進んでください。
NVIDIA/AMDで240Hzを選ぶ手順
NVIDIAやAMDのドライバ設定画面では、解像度やリフレッシュレートをより細かく選べます。ここでの落とし穴は、「解像度のカテゴリ」です。
たとえばNVIDIA側では、解像度一覧が複数のカテゴリに分かれており、「PC」側の解像度リストに240Hzが出るのに、別カテゴリでは出ない、ということがあります。
したがって、次の点を確認すると解決しやすいです。
解像度のカテゴリを「PC」側で探しているか
色深度や出力形式を変更した結果、Hzが制限されていないか
ドライバ更新後に設定がリセットされていないか
また、ドライバ設定は“反映まで少し時間がかかる”こともあります。設定後は一度ゲームを閉じて再起動し、Windows側の表示も確認するのが確実です。
可変リフレッシュレートと相性の注意点
VRR(可変リフレッシュレート)は、fpsが変動するゲームでティアリング(画面のズレ)を減らし、体感を良くしてくれる機能です。一方で、競技目的で「入力遅延」や「挙動の一貫性」を最優先する場合、設定の組み合わせ次第で違和感が出ることがあります。
おすすめの進め方は次の順番です。
まずは240Hzが確実に有効になっている状態を作る
次に、ゲーム内でfps上限(固定)を試し、フレームを安定させる
そのうえで、VRRのON/OFFを切り替えて体感が良い方を採用する
「VRRをONにしたら良くなるはず」と最初から複雑にすると、原因切り分けが難しくなります。段階的に試すのが最短です。
240fpsが安定しない原因を切り分ける
240Hzが選べるようになったのに、ゲーム中のfpsが安定しない。ここがいちばん悩ましいところです。
ただ、ここでもやることはシンプルで、“どこが詰まっているか”を見極めることです。闇雲にパーツを買い足すより、切り分けを先に行った方が、予算も時間も無駄になりません。
GPU使用率が低いならCPUボトルネックを疑う
切り分けの基本は「GPU使用率」です。目安として、プレイ中のGPU使用率が高いか低いかで方向性が変わります。
GPU使用率が高い(90%前後)
→ GPU側が限界です。解像度や画質設定、アップスケーリングで調整するのが効きます。GPU使用率が低い(50〜70%程度で頭打ち)
→ CPU・メモリ・バックグラウンド負荷が原因になりやすいです。
CPUボトルネックが疑わしいときは、次の確認が有効です。
画質を下げてもfpsが伸びない(上限が変わらない)
解像度を下げても伸びが小さい
戦闘や視点移動でフレームが乱れ、入力感が不安定になる
バックグラウンドで録画や配信、ブラウザが動いている
この場合、グラボのグレードを上げても、期待ほど改善しないことが多いです。まずは環境整理と設定で“CPU側の余裕”を作るのが合理的です。
設定で効きやすい項目と優先順位
240fpsに近づけるための設定は、順番が大切です。体感への影響が大きく、かつ負荷が重い項目から触ると、最小の労力で改善しやすいです。
おすすめの優先順位は次のとおりです。
解像度:WQHD→1080pは効果が大きい
影:見た目の割に重く、落ち込み要因になりやすい
反射・グローバルイルミネーション・AO:高画質系は負荷が大きい
エフェクト・パーティクル:戦闘時の落ち込みを抑える
描画距離:広い視界で重くなるタイトルは特に効く
アンチエイリアス:競技設定では切る・弱くすることが多い
上限fps固定:乱高下を減らし、入力感を安定させる場合がある
ここでのコツは「平均fpsを追う」よりも「最低fpsを持ち上げる」ことです。240Hzの体感は、フレームが落ちた瞬間に崩れます。落ち込みを減らす調整は、数値以上に“プレイ感”が変わることがあります。
温度・電源・メモリが足を引っ張るケース
240fps級の負荷は、平均fpsが高いだけでは安心できません。むしろ問題は、瞬間的な落ち込みやカクつきです。ここで見落とされがちなのが、温度や電源、メモリです。
温度
CPU/GPUが高温になると、クロックが下がり、フレームが乱れやすくなります。特に夏場や小型ケースでは顕著です。電源
電源容量がギリギリ、あるいは品質が不安定だと、高負荷時に不安定さが出る場合があります。メモリ
容量不足や設定不安定は、カクつき・引っかかりの原因になります。ストレージ
タイトルによっては読み込みがフレーム乱れに見えることもあります。
「スペックは足りているのに、なぜか落ちる」というときほど、これらの要素が原因になりやすいです。240Hz環境では、わずかな乱れも目立つため、安定性を整える価値が上がります。
よくある質問
240HzモニターならHDMIでも大丈夫ですか
可能な場合はあります。ただし、重要なのは「モニター側が、そのHDMIポートで240Hz入力に対応しているか」です。
同じモニターでも、HDMIポートごとに対応が違う場合があります。仕様表を確認し、240Hz対応の入力を使うのが確実です。迷ったら、PC用途ではDisplayPortの方がトラブルが少ない傾向があります。
グラボを替えたのに240Hzが表示されません
この場合は、次の順番で確認すると最短です。
ケーブルとポート(DP推奨。モニター入力が正しいか)
Windowsのリフレッシュレート(詳細ディスプレイで240Hzを選ぶ)
NVIDIA/AMD側の設定(解像度カテゴリがPC側か、Hzが選べるか)
モニター側設定(高リフレッシュ用のモードが必要な機種がある)
変換アダプタを使っていないか(可能なら直結にする)
多くは1)〜3)で解決します。解決しない場合は、モニターの入力仕様や変換経路の制約といった“仕様の壁”が疑わしいです。
240fpsに張り付かなくても240Hzにする意味はありますか
あります。240Hzは、常に240fpsが出ていなくても、表示更新の頻度が上がることで、視点移動の追従性が上がり、入力遅延の体感が改善することがあります。
ただし、240fps張り付きほどの分かりやすさは出にくいため、「滑らかさが常に240になる」と期待しすぎないことも重要です。目標を「体感の底上げ」「落ち込みの少なさ」に置くと納得しやすくなります。
配信しながら240fpsを狙うときの注意点
配信はCPU・GPUの両方に追加負荷をかけます。特に240fps張り付きに近づけたい場合、配信は難度を上げます。
おすすめは次の順番です。
まずは配信を切った状態で240Hz環境を安定させる
次に配信をONにして、fpsの落ち込みがどれくらい増えるか確認する
落ち込みが大きい場合、配信解像度・フレームレート・エンコード設定を調整する
「張り付き」を最優先するなら、配信品質はどこかで妥協点を作る必要が出ることもあります。逆に言えば、配信込みで安定させたいなら、最初から余裕率を大きく見積もるのが安全です。
次にやることチェックリスト
購入前チェック
プレイするゲームは軽量FPSか、バトロワか、両方か
解像度は1080pかWQHDか
目標は240fps張り付きか、200fps以上安定か
CPUが高fps向けの世代・性能か(軽量FPSほど影響が出る)
モニターの入力(DP/HDMI)と最大Hzを仕様表で確認したか
変換アダプタ前提にしていないか(基本は直結)
予算をグラボだけに寄せすぎず、冷却・電源・メモリも見ているか
購入後チェック
DPまたは対応HDMIで接続し、モニター入力を切り替えた
Windowsの詳細ディスプレイで240Hzに変更した
NVIDIA/AMD設定で240Hzが選べることを確認した(PCカテゴリも確認)
ゲーム内設定で影・反射・AAなど重い項目を優先して下げた
fps上限固定を試し、乱高下が減るか確認した
余計なオーバーレイや常駐ソフトを整理した
伸び悩み時のチェック
GPU使用率が低いならCPUボトルネックを疑った
温度でクロックが落ちていないか(高温になっていないか)
バックグラウンド(録画、ブラウザ、ランチャー)を止めて比較した
ドライバ更新後に設定がリセットされていないか確認した
ケーブル差し替え・別ポート接続で再確認した
解像度と画質設定を段階的に変えて、どこで伸びるか(どこで頭打ちか)を確認した
まとめ
240Hz環境は「高いグラボを買えば終わり」ではありません。まずは接続とOS・ドライバ設定で240Hzが確実に有効になっている状態を作り、そのうえでゲーム別・解像度別に“どこがボトルネックか”を見極めるのが最短ルートです。
軽量FPSで240fps張り付きに近づけたいなら、GPUだけでなくCPU・メモリ・設定・常駐整理が効きます。バトロワや高解像度志向なら、GPUの余裕率が体感に直結しやすく、落ち込みを減らす方向で構成を整えることが重要です。
最後に、GPU世代や端子仕様、モニター入力の対応はモデルによって差があります。購入時は必ず仕様表で確認し、買った後は手順どおりに設定を整えることで、240Hzの価値をきちんと引き出せます。