「183から始まる見慣れない電話番号」から突然着信があると、思わず手が止まりませんか。
固定電話にかかってきた場合は家族が出てしまう可能性もあり、「重要な連絡だったらどうしよう」「無視して大丈夫?」と不安が一気に膨らみやすいものです。
しかし近年は、国際電話の仕組みや自動音声を悪用し、未納料金や法的措置を匂わせて折り返しや支払いに誘導する手口が増えています。知らない番号に反応した瞬間から、相手のペースに巻き込まれてしまうケースも少なくありません。
本記事では、183から始まる着信があったときに最初に確認すべきポイントから、危険度が高い典型パターン、出てしまった・押してしまった・折り返してしまった場合の対処、さらに固定電話・スマホでできる再発防止策まで、状況別にわかりやすく整理します。
読み終えたときには「次に同じ着信が来ても迷わない」状態を作れるよう、家族で共有できる判断軸も用意しました。
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183から始まる電話番号で不安になったとき最初に確認すること
「183から始まる見慣れない長い番号」から着信があると、思わず身構えてしまいます。とくに固定電話にかかってきた場合は、相手が誰か分からないまま家族が出てしまい、話を進められてしまう不安もあります。ここで大切なのは、番号の正体を“完全に特定すること”よりも、被害に直結しやすい行動を避け、落ち着いて確認する手順を先に固めることです。
着信があった瞬間は、「重要な連絡だったらどうしよう」「放置して大丈夫?」と焦りやすい一方で、詐欺電話はその焦りを利用して、折り返しやボタン操作、支払いへ誘導してきます。まずは、最初の数分でやるべきことを整理しておきましょう。
183が国番号と限らない理由と表示の落とし穴
電話番号は本来、国番号や市外局番などの規則に沿って表示されますが、実際のスマホや固定電話の着信履歴では、次のような事情で「見慣れない並び」に見えることがあります。
国際電話の表示が端末や回線で省略・変形される
国際電話は「+」から始まったり、「010」を伴ったりしますが、機種や設定、着信の経路によって、表示が分かりにくくなることがあります。「183」という並びが先頭に見えても、表示のされ方が原因でそう見えているだけの可能性もあります。番号が長い、区切りがない、意味のある塊に見えない
一般の国内番号(例:03、06、090など)と違い、見慣れない長さや並びだと違和感が強くなります。詐欺かどうかは番号だけで断定できませんが、「違和感がある番号=慎重に扱うべき番号」と考えるのが安全です。発信者番号を“本物っぽく見せる”工夫がされることがある
近年の詐欺は、実在企業名を名乗ったり、もっともらしい自動音声を使ったりして、番号の見た目だけでは判断しづらくしています。
つまり、「183=どこどこの国」と決めつけるよりも、“見慣れない番号からの着信は、まず安全な対応を優先する”という方針が大切です。番号の正体がはっきりしないからこそ、手順で身を守るほうが確実です。
今すぐやるべきことと、絶対にやらないこと
着信があった直後は、情報が少ない状態です。この段階でやるべきことはシンプルにしておくと迷いません。
今すぐやるべきこと(安全側の初動)
出ない(知らない番号なら留守電に任せる)
履歴を保存(スクショ、メモ、留守電があれば残す)
内容を整理(「自動音声だったか」「支払いを求められたか」「折り返しを促されたか」など)
家族に共有(特に固定電話の家庭は、同じ番号が別の家族にかかることがある)
絶対にやらないこと(被害に直結しやすい行動)
折り返さない(折り返しによる通話料や追加誘導のリスク)
自動音声の指示に従わない(「1を押してください」などのボタン操作)
その場で支払わない(電子マネー、振込、カード情報の入力など)
個人情報を話さない(氏名、住所、生年月日、口座、暗証番号、SMS認証コードなど)
ここで一番のポイントは、“相手のペースに乗らない”ことです。詐欺電話は「今すぐ」「このままだと止まる」「法的措置」など、急がせる言葉を使います。しかし、正規の手続きであれば、電話一本で即断を迫る形にはなりにくいものです。焦ったら、いったん止まって確認に回る。それだけで回避できる被害は大きく増えます。
183から始まる着信が危険と言われる典型パターン
「183から始まる番号=危険」と一律に決めつける必要はありませんが、危険度が高い“共通点”はあります。ここでは、着信時に見極めるための典型パターンを整理します。家族、とくに高齢の方がいる家庭では、このパターンを共有しておくと効果的です。
自動音声で未納料金や法的措置を匂わせる手口
最も多い入り口のひとつが、自動音声による請求・脅し型です。特徴は次の通りです。
「未納料金がある」「本日中に手続きが必要」など、不安を煽る
「利用停止」「法的措置」など、強い言葉で判断力を奪う
「オペレーターにつなぐには1番」など、ボタン操作を促す
その後、担当者を名乗る人物が出てきて、支払い方法を指定する(振込、電子マネー、プリペイドカード等)
自動音声は人間の声よりも「公式感」が出やすく、警戒心が下がることがあります。しかし、音声がどれだけ整っていても、電話だけで支払いを迫り、操作を指示してくる時点で不自然です。正規の請求は、契約情報や書面、会員ページなど、確認できる根拠が残る形で行われるのが通常です。
また、詐欺側は「こちらが何も知らない」ことを前提に話を進めます。契約内容や利用明細など、具体的な根拠を示さず、「未納です」「止まります」とだけ言うのは典型です。
折り返しを狙う国際ワン切りの考え方
次に多いのが、ワン切りや短時間で切れる着信です。着信履歴だけを残して、相手に折り返させる狙いが疑われます。
1回だけ鳴って切れる
留守電に何も残らない
何度も同じ番号から着信がある
時間帯が深夜や早朝など不自然
折り返してしまうと、次のようなリスクが出ます。
通話料が発生する可能性(相手が国際回線の場合など)
つながった瞬間に自動音声が流れ、追加操作や支払いに誘導される
「折り返してきた=反応する人」と判断され、別番号からの着信が増える
「うっかり折り返した」が被害の入口になることは珍しくありません。知らない番号は、折り返す前に必ず確認し、少しでも違和感があればスルーするのが安全です。
NTTファイナンスなど実在企業を名乗る理由
詐欺が厄介なのは、「それっぽい名前」を使う点です。実在企業名を名乗られると、次の心理が働きます。
「大企業が言うなら本当かも」
「料金の話ならあり得る」
「無視するとまずいかも」
しかし、企業名を名乗ること自体は簡単です。重要なのは、相手が求めてくる行動です。たとえば次のような要求が出たら危険度は高いと考えてください。
電子マネー、プリペイドカードで支払えと言う
SMSで届く認証コードを読み上げろと言う
個人情報を「確認のため」と言って引き出そうとする
「今すぐ払えば助かる」「今日中に対応しないと止まる」と急かす
企業名が出てきたときほど、落ち着いて「公式窓口で確認するので失礼します」と切る勇気が大切です。正規の連絡であれば、折り返し先や確認手段が公式サイトや契約書面と一致するはずです。
出てしまった場合の対処法を状況別に整理
「出ないのが一番」と分かっていても、現実には出てしまうことがあります。大切なのは、出てしまった後に“正しい順序で”対処することです。状況によってやるべきことは少し変わるので、分岐を整理します。
個人情報を話していない場合にやること
会話をしてしまっても、次に当てはまるなら被害が広がる可能性は相対的に下がります。
氏名、住所、生年月日、口座、暗証番号、認証コードなどを言っていない
支払いをしていない
ボタン操作をしていない
SMSリンクを開いていない
この場合は、「これ以上関わらない」ことが最優先です。
会話を続けず切る
「確認します」「家族に相談します」で十分です。丁寧に取り合う必要はありません。着信情報を保存する
着信番号、日時、相手が名乗った内容、言われた要点(未納、停止、法的措置など)をメモします。留守電が残っているなら消さずに保管します。同じ番号の着信を拒否する
固定電話でもスマホでも、着信拒否や迷惑電話対策の機能が使えることがあります。設定が不安なら、家族が代わりに設定してあげると安心です。不安が残るなら“自分から公式窓口へ”確認する
たとえば通信会社や利用中サービスの請求は、請求書や会員ページ、公式アプリで確認します。電話で言われた番号にかけ直すのではなく、公式に載っている窓口を使うのがポイントです。
「何も言っていないから大丈夫」と思っても、相手は“反応した人”として記録する可能性があります。以後の着信が増える場合があるため、遮断と記録をしておくのが安全です。
名前や住所、暗証情報を話してしまった場合にやること
ここは最も注意が必要な分岐です。話してしまった情報の種類によって、リスクと対応が変わります。
話した情報別の主なリスク
氏名・住所・生年月日:なりすましや追加詐欺の材料になる
口座番号・カード情報:不正利用やフィッシングの可能性が上がる
暗証番号・認証コード:本人確認を突破される危険が高い
やること(優先順位)
何を話したかを正確に整理する
「氏名だけ」「住所まで」「カード番号を言った」「認証コードを言った」など、曖昧にせず書き出します。金融系の情報が含まれる場合は、先に“止血”する
カード会社・銀行・決済サービスに連絡し、利用停止や再発行、パスワード変更の指示を受けます。被害が出ていなくても、予防の意味があります。パスワード類を変更する(可能なら同日中)
使い回しがある場合は特に危険です。電話詐欺と並行して、ネット上での不正ログインを狙われるケースもあるため、主要なアカウントから優先的に変更します。相談機関へ連絡する
消費生活センターや警察に相談し、状況に応じた対応を確認します。「どこまで話したか」を整理していると、助言を受けやすくなります。
ここで遠慮して「たいしたことないかも」と放置すると、後日、別の人物が別の番号で「先日の件ですが」と続きから詐欺を仕掛けてくることがあります。“続編が来る前提”で備えるのが現実的です。
音声案内で番号を押してしまった場合にやること
「1を押してしまった」「オペレーターにつないでしまった」など、ボタン操作をしてしまうと、相手側に「反応した」「指示に従う可能性が高い」と伝わります。とはいえ、押しただけで即座に大損害が確定するとは限りません。落ち着いて対処しましょう。
それ以上の操作はしないで切る
追加で「口座番号を入力」「暗証番号を入力」などに進むと危険です。少しでも不自然ならそこで止めます。押した番号と流れをメモする
「何番を押したか」「どんな音声が流れたか」「担当者が名乗った名前」など、後で相談する際の材料になります。端末の迷惑電話対策を強化する
同種の着信が続く可能性があるため、着信拒否や不明番号の制御を強めます。SMSリンクが届いた場合は絶対に開かない
電話とSMSを組み合わせてフィッシングサイトへ誘導するパターンがあります。開いてしまった場合は、入力の有無を整理し、パスワード変更などに進みます。
「押してしまった」と焦るほど、相手の狙い通りです。大切なのは、その先(支払い・入力・個人情報)に進まないことです。
折り返して通話してしまった場合にやること
折り返しは、詐欺の“入り口”になりやすい行動です。ただし、折り返したからといって、必ず被害が出るとは限りません。ここでも状況別に整理します。
折り返しただけで、すぐ切った/会話が短い場合
通話時間、相手の内容をメモ
同番号をブロック
今後は知らない番号に折り返さないルール化
会話が続き、支払いの話が出た場合
支払いに応じない
個人情報を話していないか確認
詐欺の可能性が高いので相談機関へ
金銭的な請求が不安な場合
契約中の通信会社のサポートで、通話明細や請求の確認をする
不審な請求がある場合は、消費生活センター等へ相談する
折り返し後に「あなたの情報は把握している」などと脅すことがありますが、多くは心理的に追い込むための演出です。相手の言葉を真に受けず、記録して第三者に相談することで冷静さを取り戻せます。
二度と困らないための再発防止策
不審電話は、いちど対応して終わりではありません。番号を変えたり、時間帯を変えたりして繰り返されることがあります。そこで有効なのが、“習慣”と“設定”の両方で対策することです。家族がいる家庭では、特に固定電話の対策が効きます。
固定電話は国際電話の利用休止を検討する
固定電話にかかる不審電話で厄介なのは、家族が誰でも取れてしまう点です。普段、海外と固定電話でやり取りしない家庭なら、国際電話そのものを使えない設定にするのは有力な選択肢です。
検討するときの考え方は次の通りです。
海外への発信を使わないなら、止めても困りにくい
家族・親戚が海外在住でも、連絡はスマホアプリや携帯電話で代替できる場合があります。“根本的に入口を減らす”効果がある
迷惑電話対策機器だけでは取り切れないケースでも、入口を狭めることでリスクを下げられます。家族が手続きを支援すると実行率が上がる
高齢の方は手続きが負担になることがあります。子世代が一緒に進めると、途中で止まらずに済みます。
手続き時に確認しておきたいポイントも整理しておきます。
対象回線(固定電話、ひかり電話など)
申し込みに必要な情報(契約者名義、住所、番号など)
いつから適用されるか
解除や再開が必要になった場合の手順
「本当に必要なときだけ使う」という運用は、電話の世界では意外と難しいものです。使わないなら止める、必要になったら正式手続きを踏んで再開する。この割り切りが、結果として家族の安心につながります。
スマホは国際電話や不明番号の着信対策を強化する
スマホは、設定次第で「知らない番号への反応」を減らせます。機種やOSで表現は違いますが、方向性は共通です。
不明な発信者を消音・留守電へ
連絡先にない番号は鳴らさない設定がある場合、ストレスも被害も減ります。迷惑電話フィルタや警告表示を活用
キャリア機能や端末機能で、迷惑電話の可能性を表示してくれるものがあります。SMSのリンク対策も同時に
不審電話の後にSMSが来ることがあります。リンクを開かない、入力しないルールをセットで徹底します。
スマホの対策は「自分の端末だけ」で完結しやすい一方、固定電話は家庭全体の課題になりがちです。両方を整えると、対策が“点”ではなく“面”になります。
家族共有用のルールを作る
設定をしても、最後は人が判断する場面が残ります。そこで役立つのが、家族で共有する「電話ルール」です。高齢の家族がいる場合は、口頭だけでなく、紙にして電話機の横に貼るのが効果的です。
家族で決める電話ルール(テンプレ)
知らない番号には出ない。出ても「確認して折り返します」で切る
支払いの話が出たら、その場で決めない。家族に相談する
自動音声の指示には従わない(番号を押さない)
電子マネー、プリペイドカード、ギフトカードの話が出たら即終了
SMSのリンクは開かない。認証コードは絶対に教えない
不安なら相談先へ(消費生活センター、警察など)
このルールがあるだけで、「どうしよう」と迷う時間が減り、詐欺の入り込む余地が小さくなります。
相談先と記録の残し方
不審電話は、ひとりで抱えるほど不安が増えます。早めに相談できる状態を作るには、記録が重要です。記録があれば「気のせいかも」が「事実として説明できる」に変わり、適切な助言を受けやすくなります。
消費生活センターと警察への相談目安
相談先は目的で分けると迷いません。
請求・契約・支払いトラブルが不安
料金未納と言われた、支払いを求められた、電子マネーを買うように言われた、などのケースでは、消費生活センターが相談先になります。状況を整理して伝えると、次に取るべき行動が具体化します。脅しが強い、個人情報を渡した、被害が出た可能性がある
「法的措置」「逮捕」「差し押さえ」など過度な脅し、あるいは口座や暗証情報を話した、実際に支払ってしまった場合は、警察への相談も検討します。
「どちらに相談すべきか分からない」という場合でも、まずは消費生活センターに相談し、必要に応じて警察へ、という流れでも問題ありません。大切なのは、放置して不安が膨らむ前に、第三者の視点を入れることです。
通話履歴・留守電・SMSを保存する手順
記録は難しく考える必要はありません。次の“セット”を揃えるだけで十分役立ちます。
保存しておくべき情報
着信した日時(できれば複数回分)
着信番号(183から始まる番号全体)
通話時間(折り返した場合)
相手が名乗った組織名・担当者名
言われた要点(未納、停止、法的措置、支払い方法など)
自動音声の指示内容(何番を押せと言われたか)
SMSが来た場合のスクリーンショット(リンクは開かない)
おすすめの保存方法
スマホ:着信履歴をスクショ → アルバムに保管
固定電話:日時と内容を紙にメモ → 留守電は消さずに残す
SMS:スクショ → 送信元番号や文面が見える状態で保存
記録を残すと、「自分は大丈夫だったのか」「次に来たらどうするか」が整理しやすくなります。家族が不安になっているときほど、記録を一緒に作ってあげると落ち着きやすくなります。
よくある質問
183から始まる番号にかけ直してしまったが大丈夫?
折り返してしまっても、すぐに切った/個人情報を話していない/支払いに進んでいないのであれば、被害が直ちに確定するとは限りません。まずは通話履歴(相手番号、通話時間)を保存し、以後は同番号をブロックするなど、再接触を防いでください。
一方で、折り返しによって相手に「反応する人」と認識されると、番号を変えて着信が増えることがあります。今後は「知らない番号には折り返さない」をルール化し、必要な連絡は留守電や公式窓口で確認する方向に切り替えると安心です。
本当に料金未納の可能性はある?
可能性がゼロとは言い切れませんが、電話だけで「今日中に支払え」「止まる」「法的措置」などと急かし、支払い方法を限定してくるのは不自然です。料金や契約の確認は、自分から公式の手段で行うのが基本です。
請求書、会員ページ、公式アプリで確認する
不安なら、公式サイトに載っている窓口に問い合わせる
電話で言われた番号にはかけ直さない
この手順に沿えば、詐欺に引っ張られずに事実確認ができます。
固定電話の利用休止は無料?対象は?
制度や手続きは回線の種類や提供元、時期によって扱いが変わる可能性があります。そのため、「無料かどうか」「どの回線が対象か」「解除の可否」などは、申し込みの際に窓口で確認するのが確実です。
ただ、方向性としては「普段使わない国際電話を止めることで、詐欺の入口を減らす」という考え方が中心です。固定電話の不審着信に悩んでいる家庭では、検討する価値があります。
緊急時に国際電話が必要になったらどうする?
国際電話を止める対策は、「基本的に海外通話を使わない」家庭向けの予防策です。もし緊急で海外へ連絡が必要になった場合は、次の代替手段が現実的です。
スマホの通話アプリ、メッセージアプリを使う
携帯電話から国際通話を利用する(必要なら契約内容を確認)
固定電話の国際電話を再開する手続きが可能か窓口で確認する
「万一のときはどうするか」まで家族で決めておくと、安心して予防策を導入できます。