スマホの画面に、見覚えのない「181」や「+181」で始まる番号が突然表示される──。思わず「公的機関からの重要な連絡かもしれない」「出てしまったけれど大丈夫だろうか」と不安になったご経験はないでしょうか。
結論からお伝えすると、これらの番号は、公的機関や通信事業者が公式に案内に使う番号ではなく、保険証や行政機関の名前をかたる詐欺まがいの電話に悪用されているケースが多数報告されています。
本記事では、「181」「+181」番号の正体と危険性を整理したうえで、出てしまった・ボタンを押してしまった場合の対処法、そして今後同じような電話で迷わないための具体的な予防策まで、順を追って分かりやすくご説明いたします。
不安を「知識」と「行動」に変え、今日から安心して電話と付き合うための判断基準を一緒に確認していきましょう。
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「181」は、日本の一般利用者向けの公式案内番号としては使われておらず、181や183、817、819などから始まる番号は、公的機関を名乗る詐欺電話に悪用される事例が報告されています。
「+181」は北米地域の国際電話番号であり、日本の「+81」と紛らわしいことを利用した国際詐欺電話も増えています。
公的機関は、保険証に関する重要な連絡を、自動音声やSMSで行い、金銭や個人情報提供を求めることはありません。そのような電話は、詐欺の可能性が極めて高いと考えてください。
すでに出てしまった場合でも、個人情報を伝えず、会話内容をメモし、通話料金や不審な請求を確認したうえで、消費者ホットラインや警察相談窓口に相談することで、被害を防ぐことができます。
予防策として、スマホや固定電話の着信拒否設定・国際電話制限、家族や社内での情報共有を進め、「出ない・折り返さない」を基本とするルールづくりが有効です。
181の電話番号とは?まず押さえるべき前提
突然、スマートフォンや固定電話に「181」あるいは「+181」から始まる見慣れない番号が表示されると、「詐欺なのか」「本当に重要な連絡なのか」と不安になる方が多いと思います。
一般の利用者向けの電話番号制度において「181」という3桁番号は、公式な案内用番号としては割り当てられていません。
また、画面に「+181〜」と表示される番号は、国番号+1(アメリカ・カナダ)と地域番号などが組み合わさった国際電話の一種であり、日本国内からの通常の連絡とは性質が異なります。
そのため、181や+181からの着信は「正体不明の不審な電話」と考えて慎重に対応することが重要です。
「181」からの電話は公式な連絡なのか
総務省・NTTの公式番号ではない理由
日本では、110番や119番のように、一部の3桁番号が緊急通報やサービス用に割り当てられています。しかし、公表されている情報の範囲では、「181」が一般利用者への案内番号として公式に使われている事実は確認されていません。
実際にユーザーの報告を確認すると、
181から始まる長い番号から突然電話がかかってくる
内容は自動音声で、公的機関名を名乗っている
要件が不明確なまま、数字キーの入力(「1を押してください」など)を求められる
といったパターンが多数見られます。
このような特徴から、「181」は公式な通知ではなく、番号偽装(スプーフィング)や中継システムを利用した不審な発信に使われていると考えるのが安全です。
保健医療局・保険証を名乗る自動音声との関係
近年特に問題となっているのが、「保健医療局です」「保険証の使用に関して重要なお話があります」といった自動音声で始まる電話です。多くのケースで、181や183、817、819などから始まる番号が使われています。
公的機関の注意喚起によれば、こうした自動音声電話には次のような共通点があります。
「保険証が使えなくなる」「これが最後のご連絡です」と不安をあおる表現
「オペレーターにおつなぎする方は1を押してください」「9番を押してください」とダイヤル操作を求める
ボタンを押すと、公的機関や警察を名乗る人物につながり、個人情報や金銭の支払いを求める
厚生労働省の地方厚生局や自治体は、「保険証の利用について、自動音声ガイダンスで金銭や個人情報提供を求めることはない」と明言しており、この種の電話は詐欺の可能性が極めて高いと警告しています。
したがって、「181」や「183」からの電話で保険証や最終通告を名乗る自動音声が流れた場合は、「公式な連絡ではない」と判断して差し支えありません。
「+181」から始まる番号はどこの国?詐欺に使われるパターン
「+181」は北米地域の国際電話番号
電話番号の先頭に「+」が付いている場合、その後に続く数字は「国番号」を表します。たとえば、日本から海外に電話をかける「+81」が日本の国番号です。
「+181」の場合、
「+1」…アメリカ・カナダなど北米地域の国番号
「81」…その後ろに続く地域番号や番号の一部
という構成になっていることが多く、北米地域からの国際電話として扱われます。
この「+181」は、見た目が日本の「+81」と似ているため、日本のユーザーにとって非常に紛らわしい点が特徴です。この紛らわしさを悪用し、日本からの正規の電話のように見せかける詐欺電話が増えています。
+181を悪用した国際詐欺電話の特徴
+181番号を悪用した電話は、次のような特徴を持つことが多いとされています。
数回だけ鳴ってすぐ切れる「ワン切り」で、折り返し通話を誘う
つながると自動音声が流れ、アンケートや荷物の再配達などを装う
折り返し電話をすると、実は通話料が高額な番号につながる
公的機関や金融機関を名乗り、認証コードや口座情報を聞き出そうとする
一般的に、アメリカやカナダに親族や取引先がいない限り、+181番号からの突然の着信は不審と考えてよく、折り返し通話は避けることが推奨されます。
181・+181の電話に出てしまった/ボタンを押してしまったときの対処法
通話中・直後にやるべきこと
すでに電話に出てしまった場合でも、以下の点を守ることで被害を最小限に抑えられます。
違和感を覚えたらすぐ切る
公的機関を名乗っていても、「最終通告」「今すぐ手続きをしないと使えなくなる」といった強い表現が続く場合は、詐欺の典型パターンです。途中でも構いませんので、すぐに通話を終了してください。個人情報や認証情報は一切伝えない
氏名・住所・生年月日
マイナンバーや保険証番号
銀行口座やクレジットカード情報
SMSに届いたワンタイムパスワードや認証コード
これらを電話口で求められても、必ず拒否してください。
通話内容と時間をメモする
「いつ」「どの番号から」「どんな内容の話をされたか」を簡単にメモしておくと、後から相談する際に役立ちます。可能であれば、スマホの録音機能を利用するのも一案です。ボタンを押してしまった場合も、すぐに終了する
「1を押してください」「9番を押してください」と案内されて押してしまった場合でも、違和感を覚えた時点ですぐに電話を切ってください。その後は、通話料金や不審な請求がないかを確認します。
通話後に確認しておきたいポイント
通話料金・請求内容の確認
携帯電話会社のマイページやアプリで最新の通話明細を確認する
固定電話の場合は、国際電話を含む通話明細を確認する
不明な高額通話があれば、すぐに通信事業者へ相談してください。
SMS・メール・アプリ通知のチェック
通話後に、「このリンクを開いてください」「本人確認のためログインしてください」といったSMSやメールが届くケースがあります。不審なリンクは絶対に開かず、削除してください。相談・通報先の活用
消費者ホットライン(局番なし188)
警察相談専用電話(#9110)
お住まいの自治体の消費生活センター
どこに相談すべきか迷った場合は、まず188に電話すると、最寄りの窓口につないでもらえます。
そもそも出ない・折り返さないための予防策
個人向け:スマホ設定でできる対策
iPhoneの場合(例)
「設定」→「電話」→「不明な発信者を消音」をオンにすることで、連絡先にない番号からの着信を自動的にサイレントにできます。
着信履歴から不審な番号を開き、「この発信者を着信拒否」を選択することで、同じ番号からの再着信をブロックできます。
Androidの場合(例)
通話アプリの「履歴」から対象番号を長押しし、「ブロック」または「迷惑電話として登録」を選択する。
一部の機種やアプリでは、「国際番号をブロックする」「迷惑電話フィルタを有効にする」設定が用意されています。
加えて、信頼できるセキュリティアプリや迷惑電話対策アプリを導入することで、不審な番号の着信時に警告が表示される場合もあります。
固定電話・家族でできる対策
固定電話の場合、各社が提供する以下のようなサービスが有効です。
国際電話の発信・着信制限サービス
ナンバーディスプレイ(番号表示)サービス
自動録音やメッセージ機能付き電話機の活用
高齢のご家族がいる場合は、
「保険証」「年金」「医療費」などの話をする自動音声の電話は出なくてよい
『最後の通告』『今すぐ1を押してください』と言われても、絶対にボタンを押さない
不安な電話があったら、いったん切って家族に相談する
といったポイントを、あらかじめ紙に書いて電話機のそばに貼っておくことも有効です。
181以外にもある!似た手口の不審電話番号パターン
「183」「817」「819」など類似パターンの紹介
181以外にも、次のような番号パターンが報告されています。
183〜で始まる番号
817〜で始まる番号
819〜で始まる番号
これらの番号から、
「保健医療局です。保険証の使用に関して重要なお話があります」
「今日で保険証が使えなくなります。オペレーターに直接問い合わせたい方は9を押してください」
といった自動音声が流れ、ボタン操作を促す事例が確認されています。いずれも、公的機関はそのような自動音声で金銭や個人情報の提供を求めないと注意喚起しています。
「+18〜」から始まる国際電話全般への注意
公的機関の不審電話情報によると、「+18〜」で始まる国際電話番号からの詐欺事例も報告されています。
一般的な個人の生活において、海外から突然電話がかかってくる場面は多くありません。特に、
海外に知人・取引先がいない
国際的なサービスへの登録もしていない
といった場合には、「+18〜」で始まる着信は原則として出ない・折り返さないという方針で問題ありません。
企業の総務・情シスが押さえておきたいポイント
業務端末・代表電話に不審電話が来たときの社内フロー
企業の代表番号や代表メールに、181や+181などからの不審電話がかかってくるケースも増えています。総務・情シス担当者としては、次のような社内フローを整備しておくことが有効です。
一次対応ルールの明確化
業務に関係のない自動音声電話は、基本的に途中で切断してよい
「保険証」「厚生労働省」「最終通告」などを名乗る電話は、個人情報を一切伝えず終了する
報告・共有の仕組み
不審電話を受けた社員は、
日時
発信番号
話の内容
を簡単に記録し、総務・情シス宛てに報告する
総務が定期的に「最近こういう電話がかかってきています」と社内チャットや掲示板で共有する
注意喚起メッセージ例(社内配布用)
最近、「181」「183」「+181」などから始まる番号で、保険証や保健医療局を名乗る自動音声電話が確認されています。
当社や公的機関から、そのような自動音声で個人情報や金銭を求めることはありません。
・不審な電話には氏名や生年月日など一切答えない
・「1を押してください」などの案内には従わない
・受電した場合は、発信番号・内容をメモし、総務まで共有してください。
システム面での対策
技術的な対策として、以下のような取り組みが考えられます。
PBX・クラウドPBXで、特定の番号帯や国際電話を着信制限する設定
業務用スマホにセキュリティアプリを導入し、迷惑電話データベースを活用する
MDM(モバイル端末管理)を用いて、社員端末の通話・アプリ設定ポリシーを統一する
これらを組み合わせることで、社員一人ひとりの判断に依存しない、組織としての防御力を高めることができます。