車サブスクはやめとけ？損得と向いている人・向かない人をプロ視点で解説

車のサブスクは本当に「やめとけ」なのでしょうか。
ネット上では否定的な声も多く見られますが、その多くは一部の人には当てはまるものの、すべての人に共通するわけではありません。

本記事では、車サブスクの仕組みとデメリット、メリットが活きるケース・本当にやめておいた方がよいケースを整理し、最後に簡単なセルフチェックと契約前の確認ポイントをまとめます。

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「車のサブスクはやめとけ」と言われる背景

車のサブスクとは何かを整理しておく

「車のサブスク」は、実態としては個人向けカーリースに近い仕組みです。
あらかじめ契約年数と想定残価（契約満了時の車の価値）を決め、その期間にかかる税金や自賠責保険料、各種手数料などを月額に均して支払うしくみです。

サービスによっては、車検・メンテナンス費用や任意保険まで月額に含まれる「フルパッケージ型」もあり、「KINTO」「定額カルモくん」「SOMPOで乗ーる」など複数の選択肢があります。

なぜ「やめとけ」と言われるのか

一方で、SNSや口コミ、比較サイトなどでは「車のサブスクはやめとけ」「損をする」という声も少なくありません。
その多くは、以下のような理由から生じています。

• 走行距離制限を超えてしまい、追加精算が発生した

• 事情が変わって解約したくなったが、高額な違約金が必要だった

• 返却時のキズ・汚れで思った以上の原状回復費用を請求された

• 「月額が安い」と契約したが、総額で見ると購入より高くなった

つまり「やめとけ」と言われる本質は、仕組みと自分の使い方のミスマッチにあります。

車サブスクの主なデメリット

走行距離制限と追加精算リスク

ほとんどのサブスク（カーリース）には、月間・年間の走行距離制限があります。制限を超えた分は1kmあたり数円〜数十円で精算されることが一般的です。

長距離通勤やレジャーでよく遠出をする方は、想定よりも走行距離が増えやすく、超過精算で結果的に割高になるリスクがあります。
一部サービスでは、長期契約で走行距離無制限や上限拡大のオプションもありますが、「自分の走行距離のクセ」を把握していないと判断が難しい点がデメリットです。

中途解約が難しく、違約金が高額になりやすい

車のサブスクは、原則として契約期間中の解約が認められていない、もしくは高額な解約金が必要になるケースが多くみられます。

• 転勤やライフイベントで車が不要になった

• 病気や免許返納で運転できなくなった

といった事情が生じても、契約期間が残っていると負担が大きくなる可能性があります。
最近では、中途解約が可能なプランや、一定条件で解約金が軽減されるサービスも出てきていますが、まだ少数派です。

残価精算・原状回復費用のリスク

サブスクは契約時に「残価」を高めに設定することで、月額料金を抑える設計になっているケースが多いです。そのため、返却時に車の価値が想定より下がっていると、残価との差額を請求される場合があります。

さらに、

• 大きなキズや凹み

• 車内の強い汚れやニオイ（喫煙・ペットなど）

がある場合には、原状回復費用として別途費用がかかることがあります。
「マイカー感覚で雑に扱う」と、購入時以上にコストが膨らむ可能性がある点は、よく理解しておくべきデメリットです。

自分の資産にならないのに、総額が割高になるケースがある

サブスクでは契約期間終了後、

• 返却する

• 延長する

• 追加料金を払って買取る

といった選択をするのが一般的です。

そのため「長期間乗っても最後に自分の資産になるわけではないのに、総支払額はローンより高い」というケースもあり得ます。
「乗りつぶす前提で長く乗りたい人」ほど、サブスクは不利になりやすい点は注意が必要です。

カスタマイズ・喫煙・ペットなどの制約

車のサブスクは、あくまで「借りている」状態であるため、改造やカスタマイズには制約があります。

• 社外アルミやエアロパーツの取り付け

• 喫煙

• ペット同乗

などについて、禁止・制限があるサービスも少なくありません。
利用規約に反した場合、返却時に原状回復費用が請求される可能性があるため、クルマいじりや車内での自由度を重視する方には不向きです。

それでも車サブスクが向いている人の条件

初期費用を抑えたい・毎月の支出を一定にしたい人

車のサブスクは、頭金やボーナス払いなしで新車に乗れるプランが多く、税金・車検費用なども月額に含まれるケースがあります。

そのため、

• 手元の現金を極力温存したい

• 「車関係の出費を毎月ほぼ一定にしたい」

という方とは相性が良いです。

年間走行距離が少なく、使い方が安定している人

休日の買い物や近距離のお出かけが中心で、年間走行距離が比較的少ない方は、走行距離制限に引っかかりにくくなります。
また、ライフスタイルの変化が少なく、契約期間中に「やっぱりいらない」となりにくい人は、サブスクのデメリットを受けにくい傾向があります。

最新の安全装備を数年ごとに乗り換えたい人

契約期間が3〜7年程度で設定されているサービスが多く、期間満了ごとに新しい車種へ乗り換えやすいのもサブスクの特徴です。

• 常に最新の安全装備を使いたい

• 新型車に定期的に乗り換えるのが好き

といった方には、購入よりもサブスクの方がライフスタイルに合うケースがあります。

手続きやメンテナンスにあまり時間を割きたくない人

税金の支払い、車検・点検の手配、メンテナンス費用の支払いなどを一括管理できるサービスも多く、「面倒な手続きが苦手」という方にはメリットがあります。

「やめとけ」に当てはまりやすい人のチェックリスト

年1万km以上走る・長距離通勤メインの人

• 片道30km以上の通勤

• 毎週ロングドライブに出かける

といった方は、走行距離制限に引っかかりやすく、超過精算で結果的に割高になる可能性が高い層です。
こうした方は、ローンで購入して乗りつぶす方がトータルコストを抑えやすいです。

カスタム・喫煙・ペット同乗を楽しみたい人

• 足回りや外装をカスタムしたい

• 車内でタバコを吸いたい

• ペットと頻繁にドライブする

といったニーズが強い方は、サブスクの制限と相性がよくありません。
こうしたライフスタイルを前提にしているなら、自分名義の車を所有する選択肢を検討した方が安心です。

数年後のライフプランが読みにくい人

• 転勤や転職の可能性が高い

• 結婚・出産などで車が不要になるかもしれない

• そもそも運転を続けるか悩んでいる

といった場合、契約期間中に車が不要になるリスクが高く、中途解約で損をしやすい層になります。

車サブスク・ローン・現金一括の比較視点

比較するときの前提条件をそろえる

サブスクと購入を比較する際は、以下を「同じ条件」で揃えて検討する必要があります。

• 乗る年数（例：7年乗る前提）

• 年間走行距離

• 任意保険・メンテナンス費の水準

• 売却時の想定価格（購入の場合）

「月額だけ」を見て安い高いを判断すると、サブスク有利に見えやすいため注意が必要です。

月額と総額の両方で見る

• サブスク：月額は分かりやすいが、総額で見ると割高な場合あり

• ローン購入：月額は任意保険・維持費を含めて計算しないと比較できない

• 現金一括：購入時に大きな支出だが、長期保有なら総額は抑えやすい

このように、「毎月の負担」と「トータルコスト」の両方で比較することが重要です。

後悔しないためのサービス・プランの選び方

契約前に必ずチェックすべき7つのポイント

1. 契約期間

2. 走行距離制限（上限と超過単価）

3. 中途解約の可否と違約金条件

4. 残価精算の有無・ルール

5. 含まれる費用（税金・車検・メンテ・任意保険など）

6. カスタム・喫煙・ペットなどの可否

7. 返却時の査定基準と原状回復ルール

これらを比較サイトや公式ページで確認し、自分の使い方に合うかを必ずチェックしてください。

「途中解約可」「残価精算なし」など例外的なプランもある

最近は、

• 中途解約が可能

• 残価精算が不要
  といった、従来のデメリットを軽減したプランを提供するサービスも増えています。

こうしたプランは月額がやや高めになる傾向がありますが、ライフプランが変わりやすい方には有力な選択肢となり得ます。

公式サイトと口コミの両方を見る

公式サイトでは条件を、口コミやレビューでは実際に利用した人の体験を確認できます。

• 「解約時にいくらかかったか」

• 「査定基準がどの程度厳しいか」

といった情報は、比較メディアやSNSの書き込みが参考になります。

結論：「やめとけ」かどうかは、数字とライフプランで決まる

感情ではなく「走行距離・年数・総額」で判断する

「車のサブスクはやめとけ」という一言だけで判断するのではなく、

• 自分が年間どれくらい走るのか

• 何年くらい同じ車に乗るつもりなのか

• サブスク・ローン・一括の総額を比べるとどうか

といった数字とライフプランで冷静に比較することが重要です。

3分でできる簡易チェック

最後に、以下のどちらに多く当てはまるかを確認してみてください。

Aが多い → サブスクと相性「◎〜◯」

• 年間走行距離は8,000km以下

• 3〜7年ごとに車を乗り換えたい

• 頭金ゼロで始めたい

• 車にお金も時間もあまりかけたくない

Bが多い → 「やめとけ」側に近い（購入向き）

• 年間1万km以上走る

• 車を10年以上乗りつぶしたい

• カスタム・喫煙・ペット同乗が前提

• 数年以内に転勤や環境変化の可能性が高い

A寄りなら「条件をしっかり確認したうえでサブスクを検討」、
B寄りなら「ローンや現金購入を中心に検討」というように、
本記事の内容をベースに、ご自身にとって最適な選択肢を検討していただければ幸いです。