残業続きや寝不足が重なったタイミングで、突然親知らずがズキッと痛み出すと「ストレスのせいかな?」と不安になります。
結論からお伝えすると、ストレスそのものが親知らずの“直接の原因”になるわけではありませんが、痛みや腫れを悪化させる強い要因にはなり得ます。
この記事では、
親知らずが急に痛くなる主な原因
ストレスが痛みを悪化させる仕組み
今すぐできる安全な応急処置とNG行動
歯医者に行くべきタイミング
再発を防ぐためのストレス・生活習慣の整え方
を整理して解説いたします。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
親知らずの急な痛みは、「口の中のトラブル」であると同時に、「ストレスや疲労がたまっている」という心身からのサインでもあります。
応急処置で無理に我慢し続けないこと
ストレスや生活習慣も含めて見直してみること
早めに歯科医師へ相談し、今後の方針を一緒に決めること
この3点を意識していただくことで、痛みへの不安を減らし、将来のトラブルも予防しやすくなります。
親知らずが「急に痛い」と感じる主な原因
親知らずの周りが腫れる「智歯周囲炎」とは
親知らずの周囲の歯ぐきに炎症が起き、腫れや痛みを生じる状態を「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼びます。親知らずは斜めに生えたり、一部だけ顔を出したままになったりしやすく、そのすき間に汚れや細菌がたまりやすいためです。
歯ぐきが赤く腫れる
触れると強い痛みがある
口臭が気になる
口を開けにくい
といった症状が出ることがあります。
むし歯・歯髄炎によるズキズキした痛み
親知らずは一番奥にあり、歯ブラシが届きにくいため、むし歯になりやすい歯です。むし歯が進行して歯の神経(歯髄)に炎症が広がると、何もしなくてもズキズキと強く痛んだり、夜間に痛みが増したりします。
生えかけの親知らずが歯ぐきを押す圧迫痛
まだ完全に生えきっていない親知らずが、歯ぐきや手前の歯を押すことで痛みが出る場合もあります。スペースが足りない状態で無理に生えようとすると、断続的な痛みや違和感を繰り返すことがあります。
噛み合わせや歯ぎしりによる負担増加
ストレスなどで歯ぎしり・食いしばりが強くなると、奥歯や親知らずの周囲に過剰な力がかかり、歯や骨・歯ぐきに負担が集中します。その結果、炎症や痛みが誘発・増悪することがあります。
ストレスで親知らずの痛みが悪化しやすい理由
この投稿をInstagramで見る
ストレスで免疫力が下がり炎症が起こりやすくなる
強いストレスが続くと、自律神経やホルモンバランスが乱れ、体の免疫力が低下しやすくなります。免疫が落ちると、口の中の細菌に対する抵抗力も弱まり、智歯周囲炎などの炎症が起こりやすくなります。
麻酔打って膿出してもらった🫠
親知らずが原因というよりもストレスで抵抗力が落ちたから腫れたんじゃないかって言われた— 柴叉クロ (@Sibamata0301) November 14, 2025
食いしばり・歯ぎしりが親知らずに負担をかける
ストレスを感じているとき、人は無意識に歯を強く食いしばったり、寝ている間に歯ぎしりをしてしまうことがあります。これにより、
親知らず周囲の歯ぐきや骨に力が集中する
炎症を起こしている部分がさらに刺激される
といったことが起こり、痛みが増す要因になります。
まだ親知らずとして生えてすらない歯のなり損ないの神経が、ご飯噛めないくらいに腫れて痛くなるとは、ほんと無駄なストレス溜めるのって百害あって一利なしよね😥
あの虚言癖被害妄想ババアまじで辞めてほしい— 🌹†那由多†🌹まごころを、君に (@NQXyXbqon5SYDqU) November 17, 2025
自律神経の乱れや血行不良で痛みを感じやすくなる
ストレスにより交感神経が優位な状態が続くと、血流が悪くなり、炎症が長引いたり、痛みを強く感じやすくなったりすると考えられています。慢性的なストレスは痛みの感じ方(痛覚閾値)を下げ、わずかな炎症でも強い痛みとして感じてしまうことがあります。
生活リズムの乱れ・口腔ケア不足も痛みのトリガーに
仕事が忙しくなると、
寝不足
食事時間の不規則化
歯みがきが雑になる・回数が減る
といった生活リズムの乱れが起こりやすくなります。こうした要因が重なると、親知らず周囲に汚れがたまりやすくなり、炎症やむし歯が進行しやすくなります。
今すぐできる!親知らずが急に痛いときの応急処置
まずは歯科受診を前提に考える
応急処置はあくまで「歯医者に行くまでの一時的な対策」です。痛みが軽くなっても原因自体が治ったわけではないため、できるだけ早く歯科医院を受診することが重要です。
市販の痛み止めの上手な使い方(注意点)
市販の鎮痛薬は、用法・用量を守って一時的に使用する
持病や他の薬との飲み合わせがある場合は、薬剤師・医師に相談する
痛み止めで痛みが抑えられても、自己判断で受診を先延ばしにしない
※既往歴やアレルギーがある方、妊娠中の方などは必ず医師・歯科医師・薬剤師にご相談ください。
うがいと歯みがきで口の中を清潔に保つコツ
親知らず周囲の汚れ・細菌を減らすことは、炎症を和らげるうえで重要です。
ぬるま湯や刺激の少ないうがい薬で、やさしくうがいする
ヘッドの小さいやわらかめの歯ブラシで、届く範囲だけやさしく磨く
強くこすらず、「なでる」イメージでブラッシングする
痛みが強い部分を無理に磨く必要はありませんが、その他の部分まで磨かない状態が続くと、炎症を助長する原因になります。
冷やす・休む・頭を高くして寝るなどのセルフケア
炎症が強い場合は、冷やすことで痛みや腫れの軽減が期待できます。
清潔なタオルで包んだ保冷剤を頬に当てる
長時間当てっぱなしにせず、様子を見ながら断続的に冷やす
寝るときは枕を高めにして、頭を少し高い位置にする
同時に、睡眠不足や疲労も炎症を悪化させる要因となるため、できるだけしっかり休息を取ることも大切です。
絶対に避けたいNG行動(温める・アルコール・激しい運動など)
親知らずが痛むときに、次のような行動は痛みや腫れを悪化させるおそれがあります。
長時間の入浴・サウナなど、患部を温める行為
激しい運動や飲酒(血流が増え炎症が強まる可能性)
辛いもの・硬いものなど刺激の強い食べ物
痛い部分を必要以上に触る・強く磨く・爪楊枝でつつく
「血行を良くしたほうがいいのでは?」と考えてしまう方もいますが、炎症があるときに温めることは逆効果になることが多いため注意してください。
こんな症状は要注意!すぐに歯医者へ行くべきサイン
次のような場合は、早め、あるいは「できるだけその日のうち」に歯科受診を検討してください。
2〜3日以上続く強い痛み・腫れ
市販薬を飲んでもほとんど効かない
日常生活や仕事に支障が出るほど痛い
痛みが徐々に強くなってきている
このような場合、炎症や感染が進行している可能性があります。
口が開きにくい・飲み込みにくい・熱がある
口を開けると強い痛みが走る
口が指2本分も開かない
発熱やだるさを伴っている
これは、智歯周囲炎が進行して「開口障害」が出ているケースなどが考えられ、放置するのは危険です。
顔まで腫れている・我慢できない痛み
顔の片側が明らかに腫れている、我慢できないほどの痛みがある、といった場合も早急な受診が必要です。状況によっては、休日診療・救急対応を行っている医療機関への相談を検討してください。
痛みを繰り返す親知らずを放置するリスク
一度でも痛みや腫れを起こした親知らずは、再発を繰り返すリスクが高いとされています。隣の健康な歯に悪影響を及ぼすこともあり、将来的により大きな治療が必要になる場合もあります。
歯科医院ではどんな治療をする?流れを簡単に解説
問診・視診・レントゲン撮影で原因を特定
歯科医院では、まず症状や既往歴などを確認したうえで、お口の中の状態を目で確認し、必要に応じてレントゲン撮影を行います。これにより、
親知らずの生え方・向き
炎症の広がり具合
むし歯や骨の状態
などを総合的に判断していきます。
洗浄・薬による炎症コントロール
智歯周囲炎などで歯ぐきが腫れている場合は、まず患部を洗浄し、必要に応じて抗菌薬や鎮痛薬を処方して炎症を抑えます。炎症が落ち着かない状態で無理に抜歯をすると、かえってリスクが高まるため、段階的に治療を進めることが一般的です。
抜歯が必要になるケースと、抜かずに様子を見るケース
繰り返し炎症を起こしている
斜めや横向きに生えていて、将来的にもトラブルが予測される
隣の歯を圧迫して歯並びやむし歯リスクを高めている
といった場合、抜歯を提案されることがあります。一方で、まっすぐ生えていて清掃もしやすく、トラブルが少ない場合は、定期的なチェックを行いながら「残す」選択肢が取られることもあります。
忙しい人ほど早めに相談した方が良い理由
親知らずの抜歯は、腫れや痛みのピークを考慮して予定を組む必要があります。仕事や予定が詰まっている時期に急な痛みに襲われると、かえって大きな支障となることも少なくありません。忙しい方ほど、症状が軽いうちに歯科医師へ相談し、計画的に対応することをおすすめします。
ストレスと上手に付き合いながら親知らずの痛みを予防するには
毎日の口腔ケアを少しだけ丁寧にするポイント
奥歯のさらに奥まで届く小さめヘッドの歯ブラシを使う
デンタルフロス・歯間ブラシを併用して汚れをためない
寝る前の歯みがきだけは必ず丁寧に行う
これだけでも、親知らず周囲の炎症リスクを下げるのに役立ちます。
食いしばり・歯ぎしりが気になるときの対策
朝起きたときに顎の疲れや痛みを感じる
歯がしみる・すり減っている感じがする
といった場合は、歯ぎしり・食いしばりが強い可能性があります。歯科医院では、就寝中に装着するマウスピース(ナイトガード)などで歯や顎への負担を軽減する方法が提案されることがあります。
仕事が忙しいときこそ意識したい睡眠・栄養・休息
ストレスや疲労・寝不足は、親知らずの痛みだけでなく、全身の不調にもつながります。
可能な範囲で睡眠時間を確保する
柔らかく栄養バランスの良い食事を心がける
アルコールや喫煙は控えめにする
といった基本的なセルフケアが、結果的に口腔内の健康維持にもつながります。