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血圧が上80・下50は危険?知恵袋で多い不安を医療情報でわかりやすく解説

健康診断や自宅の血圧計で「上が80・下が50ですね」と言われ、胸がざわついていませんか。
「若いから大丈夫」「体質でしょう」と片づけられる一方で、ネット検索をすると「ショック状態」「命に関わる」など不安になる言葉も目に入り、何を信じればよいのか分からなくなる方は少なくありません。
本記事では、上80・下50という具体的な血圧の意味を整理し、「どれくらい危険なのか」「どんな症状が要注意なのか」「病院に行くべきタイミングはいつか」「今日からできるセルフケアは何か」を、医療情報にもとづいて分かりやすく解説します。
20代女性や高校生など、実際に相談の多いケースにも触れながら、不安な気持ちを少しでも軽くし、次に取るべき一歩を一緒に考えていきましょう。

※本記事の内容は、一般的な医療情報・健康情報の解説であり、特定の方の病状を診断したり、治療方針を決定したりするものではありません。ご自身の血圧や体調について不安がある場合は、この記事だけで判断せず、必ず医師などの医療専門職にご相談ください。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

この記事のまとめ
  • 上80・下50は一般的な目安からみて「かなり低め」の血圧であり、特に症状がある場合には注意が必要です。

  • 数値だけでなく、「めまい・立ちくらみ・だるさ・胸の痛み」などの症状の有無と強さが重要です。

  • 脱水や生活習慣による一時的な低血圧もあれば、心臓・内分泌・貧血・自律神経の病気が隠れていることもあります。

  • 危険なサイン(意識障害、激しい胸痛や息苦しさ、出血など)があれば、血圧の数値に関わらず救急受診を検討してください。

  • 水分・栄養・運動・睡眠などのセルフケアで改善する場合も多いですが、症状が続くときや不安が強いときは、早めに医師に相談することが安心につながります。

目次

血圧が「上80・下50」とはどんな状態か

一般的な血圧の目安と「低血圧」の基準

一般的に、成人では「上(収縮期血圧)」がおおよそ100〜129mmHg、「下(拡張期血圧)」が60〜84mmHg程度が目安とされています。これよりかなり低い場合は「低めの血圧」「低血圧傾向」と言われることがあります。

低血圧には厳密な国際基準があるわけではありませんが、日本では「上が100mmHg未満」や「下が60mmHg未満」などを目安に低血圧と扱うことが多いとされています。そのため、上80・下50は、一般的な目安から見ると「明らかに低めの血圧」と言えます。

「上80・下50」はどれくらい低いのか

上80・下50という値は、健康診断のコメントなどで「かなり低めですね」と指摘されることが多いレベルです。ただし、

  • もともと血圧が低い体質で、特に症状がない

  • 毎回ではなく、一時的にその値が出ただけ

といった場合は、直ちに危険というわけではありません。

一方で、

  • 立ちくらみやめまいが頻繁に起きる

  • ふらつきや失神、胸の痛み、息苦しさがある

  • 急激に血圧が下がった

といった状況では、重い病気や脱水などが隠れていることもあり、注意が必要です。

重要なのは「数字だけで判断しないこと」であり、値の低さとあわせて“症状の有無・強さ”を見ることです。

若い女性や痩せ型に多い「体質的な低血圧」

若い女性や痩せ型の方では、もともと血圧が低い「体質的な低血圧」の人も少なくありません。そのような場合、

  • 子どもの頃からずっと低め

  • 強い症状はなく、日常生活は普通に送れている

といった特徴がみられます。

ただし、「体質だから大丈夫」と自己判断してしまうと、貧血や心臓の病気、内分泌の病気など、治療が必要な原因を見落とす可能性もあります。特に、最近になって急に低くなった、症状がどんどん強くなっている、急に倒れたといった場合は、早めに医療機関で相談することが大切です。


「上80・下50」で起こりやすい症状

よくみられる症状(立ちくらみ・めまい・だるさ など)

血圧が低めの方によくみられる症状には、次のようなものがあります。

  • 立ち上がったときの立ちくらみ

  • めまい・ふらつき

  • 朝起きられない、だるい

  • 頭痛・肩こり

  • 動悸・息切れ

  • 冷えやすい

  • 集中力が続かない、疲れやすい

これらは必ずしもすべてが低血圧のせいとは限らず、貧血や自律神経の乱れ、睡眠不足、ストレスなど多くの要因が関係することもあります。

日常生活に支障が出るケースとは

日常生活に支障が出ているかどうかは、受診の必要性を判断する目安になります。たとえば、

  • 朝、仕事や学校に行けないことが続いている

  • 通勤・通学途中にめまいで動けなくなることがある

  • 立ち仕事や入浴で気分が悪くなりやすい

  • 疲れやすく、家事や育児がこなせない

といった場合、本人は「体質だから仕方ない」と思っていても、実際には医療的なサポートが必要なことがあります。

危険なサイン・すぐ受診すべき症状

次のような症状がある場合は、低血圧に限らず重大な病気が隠れている可能性があります。救急受診や緊急の相談が必要になることがあります。

  • 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しづらい

  • 胸の痛みや強い息苦しさがある

  • 冷や汗が出て、顔色が真っ青になる

  • 激しい頭痛、ろれつが回らない、片側の手足が動きにくい

  • 黒い便や血の混じった便が出る、吐血がある

  • 高熱や強い腹痛を伴う

このような場合は、血圧の値に関わらず、救急車や救急外来の利用を検討してください。


低血圧の主な原因と隠れている可能性のある病気

一時的な低血圧(脱水・寝不足・食事との関係)

一時的に血圧が下がる原因として、次のようなものがあります。

  • 脱水(汗をかいた、下痢・嘔吐が続いた、水分が足りない)

  • 過度なダイエットや食事量の不足

  • 急に立ち上がったとき(起立性低血圧)

  • 寝不足や極端な疲労

  • 飲酒や入浴直後

このような場合は、原因が取り除かれれば血圧もある程度戻ることが多いですが、繰り返す場合や症状が強い場合は医師に相談してください。

体質的な低血圧・自律神経の乱れ

もともと血圧が低い体質の方や、自律神経のバランスが乱れやすい方では、特に朝や季節の変わり目に症状が出やすくなります。

思春期〜若年層で見られる「起立性調節障害」では、立ち上がったときに血圧がうまく保てず、めまいや立ちくらみ、倦怠感、頭痛などが出ることがあります。

このような場合、生活リズムの調整や適度な運動、必要に応じて薬物療法が行われることがあります。

心臓・内分泌・出血など、病気が隠れている場合

低血圧の背景に、次のような病気が隠れていることもあります。

  • 心臓の病気(心不全・不整脈など)

  • 内分泌の病気(副腎の機能低下など)

  • 大量出血(消化管出血、外傷など)

  • 重い感染症(敗血症など)

  • 薬剤の影響(降圧薬・利尿薬など)

これらは専門的な検査・治療が必要になるため、「急に血圧が下がった」「症状がどんどん悪化する」「他の持病がある」といった場合は、早めに医療機関を受診してください。


「上80・下50」のとき病院に行くべきかの目安

今すぐ救急受診を検討すべきケース

次のような場合は、救急車を呼ぶ、または救急外来を受診するレベルです。

  • 意識障害(呼びかけに反応しづらい、受け答えがおかしい)

  • 激しい胸の痛み・息苦しさ

  • 強い頭痛や麻痺症状(脳卒中が疑われる)

  • 大量の出血、黒い便、吐血

  • 高熱と血圧低下を伴う、ぐったりしている

血圧が「上80・下50」だからという数値だけで救急かどうかを決めるのではなく、「いつもと明らかに違う」「命に関わりそう」と感じる症状があるかどうかを重視してください。迷う場合は、地域の救急相談窓口に電話で相談する方法もあります。

数日以内に外来受診を考えたいケース

次のような場合は、早めに(数日以内を目安に)内科などを受診することをおすすめします。

  • 立ちくらみやめまい、だるさが続いている

  • 最近になって急に血圧が低くなった

  • 動悸・息切れ・胸の違和感が気になる

  • 体重が急に減った、食欲がない

  • 朝起きられない日が増え、仕事や学校に支障が出ている

これらは、貧血や心臓・内分泌の病気、自律神経の問題などが関係している可能性があります。

経過観察とセルフケアで様子を見やすいケース

次のようなケースでは、まずセルフケアと経過観察から始めることもあります。

  • 健康診断で初めて「低めですね」と言われたが、自覚症状はほとんどない

  • 昔から血圧は低めと言われており、大きな体調不良はない

  • 仕事や学校には普通に行けている

ただし、「症状が出てから受診しよう」と先延ばしにし過ぎないように注意してください。不安が強い場合や、生活習慣の見直しをしても改善が乏しい場合は、一度医師に相談しておくと安心です。


今日からできる低血圧セルフケア

水分・塩分のとり方と注意点

低血圧の方は、血液量が少なくなりやすく、水分不足でさらに血圧が下がることがあります。

  • こまめな水分補給(目安として1〜1.5L程度/日、持病のある方は医師の指示に従う)

  • 汗をかいた日は、スポーツドリンクや経口補水液などで電解質も補う

  • 医師から塩分制限を受けていない場合は、極端な減塩を避け、適度な塩分をとる

ただし、高血圧や心臓・腎臓の病気がある方は、自己判断で塩分や水分を増やすと危険なこともあります。必ず主治医の指示に従ってください。

食事で意識したいポイント(たんぱく質・ビタミン・ミネラル)

栄養バランスの偏りや過度なダイエットは、低血圧や貧血、体力低下につながります。

  • 肉・魚・卵・大豆製品などのたんぱく質をしっかりとる

  • 野菜や海藻類で、カリウム・マグネシウムなどのミネラルを補う

  • 貧血が疑われる場合は、鉄分を含む食品(レバー・赤身肉・ほうれん草など)を意識する

  • 朝食を抜かず、1日3食を基本とする

「食が細い」「朝は食べられない」という方は、ヨーグルトやバナナ、スープなど、食べやすいものから少しずつ取り入れてみてください。

運動・睡眠・生活リズムの整え方

適度な運動は、血流を良くし、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。

  • ウォーキングなどの軽い有酸素運動を、週数回行う

  • いきなり激しい運動をするのではなく、少しずつ時間や強度を増やす

  • 寝不足や昼夜逆転を避け、毎日同じ時間に起きることを心がける

朝起きるのがつらい場合は、目覚めてすぐに布団の中で軽く手足を動かす、上半身だけ起こしてゆっくり深呼吸をするなど、いきなり立ち上がらない工夫も有効です。


若い女性・高校生で血圧が低いときの注意点

貧血・起立性調節障害との関係

若い女性や高校生では、低血圧に加えて貧血や起立性調節障害が重なっていることがあります。

  • 生理による出血で鉄分不足になりやすい

  • 食事量や栄養バランスが不十分になりやすい

  • 学校生活でのストレスや睡眠不足、自律神経の乱れ

めまい・立ちくらみ・頭痛・倦怠感が強い場合、単なる「低血圧体質」とは別の原因が隠れていることもあるため、小児科や内科、必要に応じて循環器内科や心療内科などで相談してください。

学校や仕事・部活との付き合い方

  • 朝の準備時間に余裕を持ち、急いで飛び起きない

  • 長時間の立ちっぱなしを避け、こまめに座る・足を動かす

  • 体育の授業や部活では、体調が悪いときは無理をしない

  • 教師や上司に、体調についてあらかじめ伝えておく

「気のせい」「怠けている」と誤解されることもありますが、客観的な血圧の値や医師の診断書があると周囲の理解が得られやすくなります。

婦人科的な要因や妊娠が関係する場合

女性の場合、貧血や体調不良の背景に婦人科的な要因(過多月経など)があることもあります。また、妊娠中は血圧の変化が起こりやすく、低血圧でふらつきや転倒のリスクが高まることもあります。

妊娠の可能性がある・妊娠中である場合は、自己判断せず産婦人科で相談してください。


受診時に役立つチェックリスト

受診前にメモしておきたいこと(血圧・脈・症状のメモ)

医師に相談する前に、次のような情報をメモしておくと、診察がスムーズになります。

  • 家庭血圧の記録(朝・晩など、測定した日時と数値)

  • 脈の速さ(可能なら1分間の回数)

  • 症状が出るタイミング(朝起きた直後、長時間立ったあと、食後など)

  • どれくらいの頻度で、どれくらい長く続くか

  • いつ頃から気になり始めたか

  • 服用中の薬・サプリメント

これらは、低血圧の原因を判断する上で重要な手がかりになります。

何科を受診するか迷ったときの考え方

  • まずは「かかりつけの内科」または一般内科で相談

  • 心臓の病気が疑われる場合(動悸・胸の痛みなど)は、循環器内科

  • 思春期の子どもや高校生では、小児科や小児科系の外来

  • 強い不安やストレス、うつ症状などが強い場合は、心療内科や精神科と連携することも

どこを受診すべきか分からない場合は、地域の相談窓口やかかりつけ医に電話で尋ねてみてください。

医師に相談するときのポイント

診察室では、次のような点を具体的に伝えると、医師が判断しやすくなります。

  • 「いつ頃から」「どんな場面で」症状が出るか

  • 仕事や学校生活にどれくらい影響が出ているか

  • 過去に同じような症状があったか

  • 家族に低血圧・高血圧・心臓病・糖尿病などの持病があるか

「上80・下50なんですけど大丈夫でしょうか?」だけでなく、「その数値と症状のセット」を伝えることが重要です。