「写真を撮った書類をPDFにして提出してほしいと言われた」「画像をまとめて1つのPDFにしたい」──そのような場面は年々増えています。
本記事では、Windows・Macの標準機能だけで画像をPDF化する方法と、必要に応じて使える無料オンラインツールの使い分けを、実務目線で分かりやすく解説します。
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- 画像をPDF化すると、見やすさ・共有のしやすさ・ビジネスでの使いやすさが大きく向上します。
- Windowsなら 「Microsoft Print to PDF」、Macなら 「プレビュー」 を使うことで、追加ソフトなしでPDF化が可能です。
- オンラインツール(iLovePDF・Adobeオンラインなど)を使えば、ブラウザだけでも変換できますが、機密情報の扱いには十分注意してください。
- 用途別に最適な方法を選べば、画像からPDFへの変換は難しい作業ではありません。
そもそも、なぜ画像をPDF化するのか?
ビジネスでPDFが好まれる理由
ビジネスの現場でPDF(ピーディーエフ)形式がよく使われる主な理由は次のとおりです。
- どの環境でも崩れにくい
相手のパソコンやスマホの環境に左右されにくく、レイアウトが崩れにくい形式です。 - 改ざんされにくい
画像形式よりも、「書類」として扱うのに適しており、パスワードや編集制限もかけられます。 - 複数ページを1ファイルにまとめられる
契約書・申込書など、複数枚の書類を1つにまとめて送付できます。
そのため、「画像のままではなく、PDFで送ってください」と依頼されるケースが増えています。
プライベートでも役立つPDF化のメリット
プライベートでも、画像をPDFにしておくと便利な場面があります。
- アルバムのように写真を1つのファイルにまとめて共有できる
- スマホで撮影した手書きメモを整理し、PDFノートとして保存できる
- 学校や習い事のプリントを撮影し、家族と共有しやすくなる
画像をPDF化するときの基本ポイント
用意するもの(Windows/Mac別)
Windowsの場合
- Windows 10 または 11 のPC
- 標準搭載の「フォト(写真)」アプリ
- 標準プリンター機能「Microsoft Print to PDF」(マイクロソフト・プリント・トゥ・PDF)
Macの場合
- macOS搭載のMac
- 標準アプリ「プレビュー」
いずれも追加ソフトのインストールは不要です。会社PCでソフトのインストールが制限されていても、この方法であれば問題ないケースが大半です。
画質・ファイルサイズ・セキュリティの注意点
画像をPDF化するときは、次の3点を意識してください。
画質(きれいさ)
- 高画質な写真をそのままPDFにすると、ファイル容量が大きくなりがちです。
ファイルサイズ(容量)
- メール添付の上限(例:10MB、20MBなど)を超えないように注意が必要です。
- 必要であれば、圧縮機能付きのオンラインツールやPDF圧縮機能を利用します。
セキュリティ
- 個人情報や機密情報を含む書類は、オンラインサービスにアップロードしない方が安全です。
- その場合は、Windows/Mac標準機能だけで完結させることをおすすめします。
Windowsで画像をPDF化する方法【標準機能だけ】
この章では、追加ソフトを使わずに、Windowsだけで画像→PDF変換を行う方法を解説します。Windows 10/11共通で利用できる「Microsoft Print to PDF」を使います。
1枚の画像をPDFにする最短ステップ
PDFにしたい画像を開く
- 画像ファイルをダブルクリックして、「フォト(写真)」アプリで開きます。
印刷メニューを開く
- 画面右上の「…(その他)」またはプリンターアイコンから、「印刷」 をクリックします。
プリンターに「Microsoft Print to PDF」を選ぶ
- 「プリンター」の項目で、一覧から 「Microsoft Print to PDF」 を選択します。
必要に応じて設定を調整する
- 用紙サイズ(A4など)
- 画像の向き(縦/横)
- 余白(枠のあり/なし)などを調整します。
「印刷」ボタンを押す
- 実際には紙に印刷されず、「名前を付けて保存」画面が開きます。
保存先とファイル名を指定して「保存」
- これで、画像がPDFファイルとして保存されます。
複数の画像を1つのPDFにまとめる方法
複数の写真を1つのPDFにまとめたい場合は、次の手順で行います。
エクスプローラーで画像を複数選択
- 同じフォルダにある画像を、Ctrlキーを押しながらクリックして選択します。
選択した画像を右クリック →「印刷」を選択
- コンテキストメニューから 「印刷」 をクリックします。
「画像の印刷」画面でプリンターを「Microsoft Print to PDF」に変更
- プリンター欄で「Microsoft Print to PDF」を選びます。
レイアウトを選択
- 「フルページ写真」や「2枚×2」「4枚×2」などから、1ページあたりの画像数を選びます。
その他の設定を確認
- 「画像をフレームに合わせる」のチェック
- 用紙サイズ/向き などを調整します。
「印刷」→保存先とファイル名を指定
- 選択した画像が、ページ順に1つのPDFにまとめられます。
補足:ページ順を変えたい場合は、エクスプローラー上でファイル名を「001…」「002…」のように並び替えてから印刷すると、意図した順番になりやすくなります。
画像が横向きになるとき・印刷できないときの対処法
画像が横向きになってしまう場合
- 「画像の印刷」画面右下の 「オプション」→「プリンターのプロパティ」 から、印刷の向きを「縦」「横」で切り替えてみます。
- 元画像の向きを、フォトアプリで事前に回転させて保存しておくと安定します。
「Microsoft Print to PDF」が見つからない場合
- 「設定」→「デバイス」→「プリンターとスキャナー」から、既定のプリンター一覧を確認します。
- 一覧にない場合は、社内のIT管理者に「Microsoft Print to PDF」を有効化してもらう必要があります。
PDFが真っ白になる/エラーになる場合
- 画像ファイルが壊れている可能性があります。別の画像で試してみて問題なければ、その画像だけ再撮影するのが確実です。
Macで画像をPDF化する方法【プレビューアプリ】
Macでは、標準アプリの「プレビュー」だけで画像をPDF化できます。追加ソフトは不要です。
1枚の画像をPDFに書き出す手順
- Finderで画像ファイルをダブルクリック
既定では「プレビュー」で開きます(別アプリの場合は右クリック→「このアプリケーションで開く」→「プレビュー」を選択)。 - 画面左上のメニューバーから「ファイル」をクリック
- 「書き出す」または「PDFとして書き出す」を選択
- フォーマット(形式)で「PDF」を選択
- ファイル名・保存先を指定して「保存」
これで、画像1枚からPDFファイルが作成されます。
複数の画像を1つのPDFにまとめる手順
- Finderでまとめたい画像をすべて選択
Commandキーを押しながらクリックして複数選択します。 - 右クリック →「このアプリケーションで開く」→「プレビュー」を選択
- プレビューのサイドバーに、画像のサムネイルが縦に並んで表示される
- サイドバーの画像をドラッグして順番を並べ替える
ここでページ順を調整しておきます。 - 「ファイル」→「PDFとして書き出す」または「プリント」を選択
- PDFとして保存
- プリントを選んだ場合は、画面左下のPDFボタンから「PDFとして保存」を選択します。
これで、複数の画像を1つにまとめたPDFが作成されます。
ページ順の入れ替えや削除など簡単な編集
プレビューには、かんたんな編集機能もあります。
ページを削除したい場合
- サイドバーで該当ページを選び、Deleteキーを押します。
順番を入れ替えたい場合
- サムネイルをドラッグ&ドロップで移動します。
- 編集が終わったら、あらためて「PDFとして書き出す」で保存し直します。
無料オンラインツールで画像をPDFに変換する
パソコンにソフトを入れたくない場合や、Windows/Macを問わず同じ操作で変換したい場合は、オンラインツールが便利です。
ここでは代表例として iLovePDF と Adobeオンラインツール を紹介します。
重要:機密情報を含む書類(個人番号・契約書・社外秘資料など)は、オンラインサービスにアップロードしないことをおすすめします。
iLovePDFで画像をPDF化する方法
- ブラウザで「JPG PDF 変換 iLovePDF」などで検索し、iLovePDFのJPG to PDFページを開きます。
- 画面中央の 「JPG画像を選択」 をクリックし、変換したい画像をアップロードします。
- 必要に応じて以下を設定します。
- ページの向き(縦向き/横向き)
- ページサイズ(画像に合わせる/A4など)
- 余白(なし/小さい/大きい)
- 「ひとつのPDFファイルにすべての画像を結合する」 のオン/オフ
- 「PDFに変換」ボタンをクリック
- 処理が完了したら、「PDFをダウンロード」 をクリックして保存します。
Adobeオンラインツールで高画質PDFにする方法
PDF形式の生みの親であるAdobeも、画像をPDFに変換するオンラインツールを提供しています。
- ブラウザで「Adobe JPG PDF 変換」などで検索し、Adobe Acrobatオンライン「JPGをPDFに変換」ページを開きます。
- 「ファイルを選択」ボタンから画像をアップロードします。
- アップロード後、自動的にPDFに変換されます。
- Adobeアカウントでサインインすると、保存・共有・他形式への変換などさらに多くの機能が利用できます。
- 変換が終わったら、PDFファイルをダウンロードして保存します。
Adobeのオンラインツールは、画質を保ったまま変換しやすい点が特徴です。
オンラインツールを使うときのセキュリティチェック
オンラインツールを使う前に、次のポイントを確認してください。
- URLが「https://」で始まり、通信が暗号化されているか
- 公式サイトかどうか(広告リンクに紛れて別サイトに飛ばないよう注意)
- 利用規約やプライバシーポリシーに「ファイルをどの程度保存するか」の記載があるか
- 社内ルールで、外部サービスへのファイルアップロードが禁止されていないか
少しでも不安がある場合は、Windows/Macの標準機能だけで完結する方法を優先してください。
用途別おすすめパターンまとめ
ここまでの内容を、用途別にまとめます。
社内提出・取引先に送るとき
おすすめ方法
- まずは Windows/Macの標準機能 を使う
- 機密性がある場合は、オンラインツールは使用しない
ポイント
- 画像の向き・ページ順・余白を確認してから送付する
- 必要に応じて、別途PDFにパスワードを設定する
家族・友人と写真を共有するとき
おすすめ方法
- 手軽さ重視なら、iLovePDFなどのオンラインツールでまとめてPDF化
- 画質を重視する場合は、AdobeオンラインツールやMacのプレビューを書き出し設定付きで利用
ポイント
- PDF化の前に、不要な写真はあらかじめ削除・整理しておくと見やすくなります。
なるべく操作を少なくしたいとき
Windowsの場合
- エクスプローラーで画像を複数選択 → 右クリック「印刷」→「Microsoft Print to PDF」
という最短ルートがシンプルです。
Macの場合
- 画像をまとめてプレビューで開き、「PDFとして書き出す」を使うのが最短です。
ブラウザで完結したい場合
- iLovePDFにまとめて画像をアップロードして「PDFに変換」を押すだけ、という方法もあります(ただし機密情報は避ける)。
よくある質問(Q&A)
Q1. スマホで撮った写真も、この方法でPDFにできますか?
A. はい、できます。スマホで撮影した写真をパソコンに取り込み(メール送信・クラウド・USBケーブルなど)、本記事の手順どおりに操作すればPDFに変換可能です。
Q2. PDFファイルの容量が大きくてメール添付できません。どうしたらよいですか?
A. 次の方法を検討してください。
- 画像を撮影するときに「高画質すぎない」設定にする
- 画像のサイズを事前に縮小してからPDF化する
- オンラインツールの圧縮機能を利用してPDFの容量を小さくする(機密情報を含まない場合のみ)
Q3. 会社PCで「Microsoft Print to PDF」が使えません。どうすればいいですか?
A. 社内ポリシーにより無効化されている可能性があります。その場合は、
- 情報システム部門に相談し、有効化できるか確認する
- 社内で許可されているPDF作成ソフトがないかを確認する
など、まずは社内ルールを確認してください。
Q4. PDFにした後、ページを入れ替えたり削除したりできますか?
A. Macのプレビューであれば、サイドバーからページの並び替えや削除が可能です。Windowsの場合は、PDF編集ソフトやオンラインのPDF編集ツールが必要になることが多いです。
Q5. どの方法を選べばよいか迷います。ざっくり教えてください。
- 社内・取引先向け、機密性あり → Windows/Macの標準機能のみでPDF化
- 家族・友人との共有、機密性低い → オンラインツールで手軽にPDF化
- とにかく操作回数を減らしたい →
- Windows:画像をまとめて右クリック「印刷」→「Microsoft Print to PDF」
- Mac:画像をまとめてプレビューで開き、「PDFとして書き出す」