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猫と犬

犬が突然後ろ足をびっこに…考えられる原因と今すぐの対処・受診目安

「さっきまで元気に走り回っていたのに、急に後ろ足をびっこして歩き出した。」
そんな愛犬の姿を目にすると、多くの飼い主さまは一瞬で不安と焦りに包まれると思います。

ケガなのか、関節の病気なのか、それとももっと重い病気なのか――。
「今すぐ病院に行くべきなのか」「ひと晩様子を見ても大丈夫なのか」が分からず、
思わずスマートフォンで「犬 後ろ足 びっこ 突然」と検索されたのではないでしょうか。

本記事では、そのような「突然の後ろ足のびっこ」に焦点を絞り、
考えられる主な原因と、危険度別の受診目安、自宅でできる安全なチェック方法を整理して解説いたします。
愛犬の異変に動揺されている今だからこそ、落ち着いて「次に取るべき一歩」を一緒に確認していきましょう。

※実際の診断・治療は必ず動物病院で行ってください。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

この記事のまとめ
  • 犬の「突然の後ろ足のびっこ」は、外傷・関節の病気・靭帯損傷・骨折・神経疾患など、さまざまな原因が考えられます。

  • 見た目だけで軽症か重症かを見分けるのは難しく、素人判断での放置や自己流のマッサージは危険です。

  • 今すぐ受診すべき危険なサイン(足をまったくつけない、強い痛み、明らかな変形や麻痺など)がある場合は、時間外であっても動物病院に連絡してください。

  • 迷う場合は、動画やメモを準備したうえで、かかりつけの動物病院に電話で相談するのも有効です。

目次

犬が突然後ろ足をびっこしたとき…まず知っておきたいこと

愛犬が急に後ろ足をかばって歩き始めると、多くの飼い主さまが強い不安を感じられると思います。
「痛めただけなのか、重大な病気なのか」「今すぐ病院に行くべきなのか」が分からないと、とても心配です。

犬の「びっこ(跛行)」は、多くの場合「痛み」または「神経の異常」のサインです。単なる疲れや一時的な違和感として片付けてしまうと、治療が遅れてしまうことがあります。

本記事では、「突然、後ろ足をびっこし始めた」場面に絞って

  • 考えられる主な原因

  • 今すぐ動物病院に行くべき危険なサイン

  • 自宅でできる安全なチェック方法

を、できるだけ分かりやすく整理いたします。

なお、ここでお伝えする内容はあくまで一般的な情報です。
実際の診断や治療方針は、担当の獣医師が診察したうえで判断いたしますので、迷われた場合は早めの受診をおすすめいたします。


犬の後ろ足のびっこに多い代表的な原因

外傷(爪・肉球のケガ、打撲・捻挫など)

突然びっこをし始めた場合、まず疑われるのが「ケガ」です。

代表的には次のようなものがあります。

  • 爪が折れたり、割れている

  • 爪の根元から出血している

  • 肉球が切れている、すりむけている、火傷している

  • 高いところから飛び降りたあとにびっこをしている(打撲・捻挫)

確認のポイント

  • 後ろ足の爪や肉球に出血や傷がないか

  • 足先を軽く見るだけで強く嫌がらないか

  • 足全体が大きく腫れていないか

軽い打撲や小さな傷であれば、安静と簡単な処置で回復することもありますが、出血や大きな腫れ、強い痛みがある場合は早めの受診が安全です。

関節のトラブル(膝蓋骨脱臼・股関節形成不全・関節炎)

後ろ足の関節に問題がある場合も、びっこが見られやすくなります。

代表的なものとして、次のような病気が知られています。

  • 膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)
    小型犬で多く、突然片足を上げてケンケンのように歩き、しばらくすると普通に歩く、といった様子が見られることがあります。

  • 股関節形成不全
    大型犬で多く、後ろ足全体の動きがぎこちなくなったり、立ち上がりを嫌がる、散歩を嫌がるなどのサインが出ます。

  • 関節炎
    シニア犬では、慢性的な関節の炎症により、びっこやこわばりが目立ちやすくなります。

関節の病気は、初期には軽いびっこだけでも、放置することで悪化していく可能性があります。早期に診断し、痛みのコントロールや生活環境の調整を行うことが重要です。

靭帯損傷(前十字靭帯断裂など)

膝の中にある「前十字靭帯」という靭帯が切れたり傷ついたりすると、突然後ろ足をつけなくなる、強いびっこが出るなどの症状が見られます。

よくある発症のきっかけとしては、

  • ソファや階段などから飛び降りた

  • 全力で走ったあと、急に方向転換をした

  • 滑りやすい床で踏ん張った

などが挙げられます。

完全に切れてしまった場合、自然に元通りに戻ることは期待しにくく、多くのケースで外科的な治療を検討します。部分的な損傷であっても、早めに診断を受けることが大切です。

骨折・脱臼・骨の病気

強い外傷が加わった場合は、骨折や脱臼も考えられます。

  • 高い場所から落ちた

  • 車や自転車との接触があった

  • 他の犬との激しいケンカがあった

といった出来事のあとに、

  • まったく足をつけない

  • 触ると激しく鳴く

  • 足の向きがおかしい、ぶらぶらしている

といった症状があれば、緊急での受診が必要です。

また、特に大型犬やシニア犬では、骨に腫瘍(骨肉腫など)ができ、痛みでびっこが出る場合もあります。

神経の病気(椎間板ヘルニアなど)

背骨の間にある「椎間板」が飛び出し、神経を圧迫する「椎間板ヘルニア」などの病気でも、後ろ足のふらつきや麻痺、びっこが見られることがあります。

特徴としては、

  • 後ろ足がふらふらする

  • 片足または両足を引きずる

  • 抱き上げると強く痛がる

  • 排尿・排便のコントロールがうまくできない

などが挙げられます。

神経の病気は早期対応が非常に重要です。時間が経つほど回復の可能性が下がることもあるため、上記のような症状がある場合は、できるだけ早く動物病院を受診してください。

シニア犬に多い慢性的な関節の痛み

高齢になると、関節や筋肉の老化により、慢性的な痛みが出やすくなります。

  • 朝起きた直後だけびっこをする

  • 少し動くとスムーズになる

  • 段差を嫌がる、散歩の途中で座り込む

といったサインが見られる場合、関節炎などの慢性疾患が隠れていることがあります。
「年だから仕方ない」と諦めず、痛みを和らげる治療や生活環境の工夫について、獣医師に相談されることをおすすめいたします。


「突然のびっこ」でとくに注意したい危険なサイン

ここでは、症状の緊急度を分かりやすくするために、大まかに3つのレベルに分けてご紹介します。
迷われたときは、より重いレベル側に判断して受診を検討してください。

今すぐ動物病院に連れていくべき症状

次のような場合は、できるだけ早く(時間外・夜間でも)受診すべきレベルです。

  • 後ろ足をまったく地面につけられない

  • 足の向きが明らかにおかしい、ぶらぶらしている

  • 触ると激しく鳴く、怒る、呼吸が荒くなるほど痛がる

  • 後ろ足がダラーンと完全に力が抜けて引きずっている

  • 後ろ足の冷たさや感覚の異常がある

  • 激しい事故や落下など、強い外傷があった直後

このようなケースでは、骨折・脱臼・重度の靭帯損傷・脊髄の病気など、緊急の処置が必要となる可能性があります。

当日中の受診を検討したい症状

次のような場合も、できればその日中に受診されると安心です。

  • 足をかばって歩いているが、少しはついて歩ける

  • 足に軽い腫れや熱っぽさがある

  • びっこが数時間〜半日続いている

  • 食欲や元気がいつもより少し落ちている

  • 過去に関節や椎間板の病気を指摘されたことがある犬で、びっこが悪化した

軽い捻挫や打撲であっても、見た目では判断しにくい骨折や靭帯損傷が隠れていることがあります。
「とりあえず診てもらう」というつもりで早めに相談されることをおすすめいたします。

自宅で半日〜1日安静にしながら様子を見てよい場合

例えば次のようなケースです。

  • 少し足をかばう仕草はあるが、普通に歩いたり走ったりもできる

  • 明らかな腫れや熱、出血がない

  • 足先を軽く触っても強く嫌がらない

  • 発症からまだ数時間以内で、徐々に良くなっている印象がある

このような場合でも、

  • その日は散歩や激しい遊びを控えて安静にする

  • 状態が悪化しないか、数時間おきに様子を見る

といった注意が必要です。
少しでも悪化する様子があれば、その時点で受診を検討してください。


自宅でできる安全なチェック方法

まずは無理をさせず安静にする

びっこが見られたら、まずは無理に歩かせず、落ち着ける場所で安静にさせてください。
長時間の散歩や階段の上り下り、ジャンプを伴う動きは控えます。

可能であれば、びっこをしている歩き方を短い動画として撮影しておくと、受診時に獣医師が状態を確認する助けになります。

見て確認するポイント

触る前に、まずは見るだけで確認できるポイントをチェックしてみてください。

  • どの足をかばっているか(右後ろ・左後ろ)

  • 足の向きが不自然ではないか

  • 腫れや変形、出血がないか

  • 爪や肉球、指の間に異物(トゲやガラス片など)が挟まっていないか

ここまでの確認で、明らかな異常(大きな腫れ、著しい変形、出血など)があれば、触るのは最小限にとどめ、早めの受診を優先してください。

軽く触ってもよい範囲・絶対にやってはいけないこと

軽いケガかどうかを確かめるために、そっと触る程度であれば問題ない場合が多いですが、以下の点には十分ご注意ください。

軽く触ってよい範囲の例

  • 足先から順に、やさしく撫でる程度に触る

  • 指の間や肉球に異物が挟まっていないか、軽く確認する

※犬が怒ったり、強く鳴いて嫌がる場合は、すぐにやめてください。

絶対にやってはいけないこと

  • 強く揉んだり、引っ張ったりして動かす

  • 関節を大きく曲げ伸ばしして「反応を見る」

  • 人間用の湿布や鎮痛剤を勝手に使う

  • ネット情報だけを頼りに、マッサージやストレッチを行う

これらは症状を悪化させたり、思わぬ副作用を引き起こす可能性があります。
「これ以上触ると嫌がりそう」と感じた段階で一旦やめて、動物病院に相談してください。


犬種・年齢・体格による「起こりやすい原因」の違い

小型犬(トイプードル・チワワなど)で多いトラブル

小型犬では特に、

  • 膝蓋骨脱臼

  • 関節や靭帯のトラブル

が比較的多いとされています。

  • 時々片足を上げてケンケンのように歩く

  • 一瞬びっこをして、すぐに元に戻る

  • 段差を嫌がる

といった様子が続く場合は、一度関節の状態をチェックしてもらうと安心です。

中型〜大型犬で注意したいポイント

中型〜大型犬では、

  • 股関節形成不全

  • 前十字靭帯断裂

  • 骨や関節の腫瘍

などが問題となることがあります。

体重が重い分、関節や靭帯への負担も大きくなります。急なびっこだけでなく、

  • 長距離の散歩のあとにびっこが強くなる

  • 立ち上がりや階段の上り下りを嫌がる

といったサインも見逃さないようにしてください。

シニア犬(高齢犬)で意識したい持病との関係

シニア犬では、関節炎や筋力の低下、神経系の病気など、複数の要因が重なっていることも少なくありません。

  • 慢性的に軽いびっこがある

  • 雨の日や寒い日に痛みが強くなる

  • ふらつきや転びやすさが目立ってきた

といった場合は、痛みのコントロールや生活環境の見直しも含めて、かかりつけの動物病院に相談されるとよいでしょう。


動物病院を受診するときに準備しておくと良いこと

受診前にメモ・動画で記録しておきたい情報

診察をスムーズにし、より正確な診断につなげるために、次のような情報をメモやスマホの動画で残しておくと役立ちます。

  • いつからびっこが始まったか(正確な日時)

  • どんな状況で気づいたか(散歩中、ソファから飛び降りたあと等)

  • びっこの様子(常にか、時々か、運動後だけか 等)

  • 食欲や元気、排泄の様子に変化がないか

  • これまでに関節や椎間板などの病歴があるか

歩いている様子を横から撮影した動画があると、診察時に大きな手がかりになります。

診察時によく聞かれる質問の例

動物病院では、次のような質問を受けることが多いです。

  • どの足をびっこしていますか(右後ろ・左後ろ)

  • ずっとびっこですか、それとも時々ですか

  • 階段の上り下りやジャンプはできますか

  • 最近、転んだり、高いところから落ちたりしていませんか

  • ほかに気になる症状(咳、嘔吐、元気消失など)はありませんか

あらかじめ頭の中で整理しておくと、診察がスムーズになります。

よくある治療の流れと通院のイメージ

治療の内容は原因によって大きく異なりますが、一般的には、

  • 問診・触診・歩き方の確認

  • 必要に応じてレントゲン検査や血液検査、神経学的検査

  • 安静や痛み止めなどの内科的治療、あるいは手術の検討

といった流れになります。

「どのくらい通院が必要か」「手術になる可能性があるか」など、気になる点は遠慮なく担当の獣医師にお尋ねください。


日頃からできる後ろ足トラブルの予防

体重管理と滑りにくい環境づくり

関節や靭帯への負担を減らすためには、適正体重の維持が非常に重要です。

あわせて、

  • フローリングには滑り止めマットを敷く

  • ソファやベッドにはステップを設置する

  • 階段の上り下りを必要以上にさせない

といった環境面の工夫も、ケガの予防につながります。

散歩・運動の量と質を見直す

年齢や体格に合わない激しい運動は、関節や靭帯のトラブルの原因となることがあります。

  • 急なダッシュや急停止を繰り返さない

  • 高すぎる段差の昇り降りをさせない

  • 筋力維持のために、無理のない範囲でこまめに歩かせる

など、「適度な運動」を継続することが大切です。

定期検診・早期発見の重要性

関節や椎間板の病気は、早期に見つけて対処するほど、痛みをコントロールしやすく、生活の質を保ちやすくなります。

年1〜2回の健康診断とあわせて、びっこや歩き方の変化についても、かかりつけの動物病院に相談されると安心です。