「ご飯は全然食べないのに、おやつだけは元気よく食べる…」「知恵袋をいろいろ読んだけれど、結局うちの子はどうすればいいの?」
そんなモヤモヤを感じている飼い主さんに向けて、本記事では
今すぐ病院に行くべき危険なサイン
元気そうなときに考えられる原因
「ご飯を食べないとおやつがもらえる」をリセットする方法
年齢別(子犬・成犬・老犬)の注意点
動物病院に相談するときに役立つメモ項目
を整理してお伝えします。
重要な前提
本記事は一般的な情報提供であり、診断や治療に代わるものではありません。少しでも様子がおかしいと感じた場合や迷う場合は、必ずかかりつけの動物病院にご相談ください。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
まずは危険なサインがないかをチェックする
元気・便・嘔吐などを確認し、少しでも不安なら病院に相談する。
元気がありおやつは食べるなら、習慣やしつけを見直す
おやつ断ち+メリハリ給餌を家族全員で徹底する。
ご飯そのものも工夫する
温める、トッピング、ふやかす、フード変更などを段階的に試す。
年齢・体質に合わせて無理のない範囲で進める
子犬・老犬・持病がある場合は、自己判断での我慢はさせすぎない。
愛犬がご飯を食べない姿を見ると、とても心配になりますよね。
「絶対こうしなければいけない」という正解はありませんが、今日から少しずつルールと習慣を整えていくことで、愛犬にとっても、飼い主さんにとっても楽な食事スタイルが見つかっていきます。
まず確認したい「危険なサイン」— 今すぐ病院に行くべきケース
まずは、「様子見」でよいのか、「すぐ病院」に行くべきかの大きな目安を押さえておきましょう。
症状+経過日数で分かる受診目安チェックリスト
以下のいずれかに当てはまる場合は、できるだけ早めの受診をおすすめします。
丸1日以上、ご飯もおやつも全く口にしない
食べないことに加えて、
明らかに元気がない・ぐったりしている
何度も嘔吐する、下痢が続く、血便が出ている
呼吸が苦しそう、震えている、痛そうに鳴く
老犬(目安として10歳以上)や、持病(心臓・腎臓など)がある
子犬(特に3〜4ヶ月未満)で、数時間単位で何も食べない状態が続く
逆に、
元気・機嫌・排便排尿がいつも通り
水は飲んでいる
おやつや人の食べ物には強く反応する
といった場合は、緊急性よりも「食べ方の習慣」や「おやつの与え方」が原因になっていることが多くなります。
老犬・子犬・持病がある犬は特に注意
老犬:噛む力の低下や病気が隠れていることも多く、「いつもより少し元気がない+食べない」が続くようであれば早めに相談した方が安心です。
子犬:体が小さくエネルギーの蓄えが少ないため、短時間でも食べない状態が続くと低血糖などのリスクがあります。
持病がある犬:腎臓病・心臓病などを抱えている場合、「食欲低下」が病気悪化のサインであることもあります。
知恵袋で多い「おやつは食べるけれど元気そう」な場合に考えられる理由
危険なサインが見られず、元気もある。知恵袋の質問でも非常に多いのが、次のような理由です。
偏食・わがまま・フードに飽きた場合
ご飯よりおやつの方が美味しいので、ご飯を食べずに待てばおやつが出てくると学習している
同じフードが続いて味に飽きている
粒の大きさや硬さが苦手で、食べにくい
特に、「ご飯を食べない → 心配してトッピングを増やす → それでも食べないからおやつだけあげてしまう」という流れを繰り返すと、
食べないほど、もっとおいしいものが出てくる
と覚えてしまいやすくなります。
環境やストレス、季節要因による食欲低下
引っ越し・家族構成の変化・留守番時間の増加
真夏の暑さ・真冬の冷え込み
ご飯の場所が落ち着かない(人や他の動物が頻繁に通る)
といったストレスや環境の変化でも、一時的にご飯の食べが悪くなり、おやつだけ食べるというパターンがあります。
「ご飯を食べないとおやつがもらえる」をリセットする基本戦略
ここからは、元気がありおやつは食べる犬を前提にした「しつけ・習慣面」の立て直しです。
おやつ断ちとメリハリ給餌のやり方(具体的な手順)
まずはおやつを一旦ゼロにする覚悟を決める
数日〜1週間ほど「ご飯だけ」の期間を作ります。
健康な成犬であれば、半日〜1日程度ご飯を食べなくても、すぐに命に関わることは通常ありません(ただし、持病のある犬・子犬・老犬は無理をしないでください)。
ご飯は時間を決めて出し、食べなければ片付ける
1回の食事で、20〜30分ほどを目安にします。
その時間を過ぎたら、残っていても一度フードボウルを下げます。
次のご飯の時間まで、フードもおやつも与えません。
家族全員でルールを徹底する
「かわいそうだから」とこっそりおやつをあげてしまうと、すべてが台無しになります。
家族で「●日まではおやつゼロ」と期間を決め、カレンダーに書いて共有しましょう。
食べ始めたら、少しずつ元の量に戻す
最初は少なめの量からスタートし、「完食する成功体験」を重ねさせます。
数日かけて徐々に必要量まで増やしていきましょう。
よくある失敗パターンと、そのときの対処
1日我慢したけれど可哀そうで、おやつをあげてしまう
「我慢すればおやつが出てくる」という学習を強化してしまいます。やると決めた期間は、短く設定しても良いので守り切ることが大切です。
食べないのが不安で、どんどんトッピングを豪華にしてしまう
トッピングだけを器用に食べ、フードを残すパターンになりがちです。トッピングはあくまで「きっかけ」として、徐々に減らしていく前提で使いましょう。
今日からできるご飯の工夫7選
おやつのルールを見直しつつ、ご飯そのものも「食べやすく・食べたくなる」ように工夫していきます。
フードを人肌程度に温める
電子レンジで数秒温めたり、少量のぬるま湯をかけて香りを立たせます。
少量のトッピングを加える
低脂肪のゆで鶏・ゆで野菜・ウェットフードなどを、全体によく混ざる程度に少量だけ。
フードの粒を小さく砕く・ふやかす
特に小型犬・老犬や歯に問題がある場合、噛みやすく・飲み込みやすくすることで食べやすくなります。
フードの種類・味を段階的に切り替える
いきなり全量を変えるのではなく、1週間ほどかけて「旧:新=7:3 → 5:5 → 3:7 → 0:10」と混ぜる割合を変えていきます。
食事の時間と回数を見直す
子犬:3〜4回、成犬:2回を目安に、毎日ほぼ同じ時間に与えます。
間食(おやつ)を減らし、食事時間にしっかりお腹がすくようにします。
静かで落ち着いた場所で食べさせる
テレビの音や人の行き来が多い場所は避け、落ち着いたスペースにフードボウルを置きます。
フードボウルを清潔に保つ
油分が酸化した匂いを嫌う犬も多いです。毎回さっと洗うだけでも印象が変わることがあります。
年齢別の注意点とケアのポイント
子犬の場合 — 低血糖リスクとスケジュール管理
体が小さい子犬では、短時間でも何も食べない状態が続くと危険な場合があります。
数時間おきに少量ずつ与え、食べない状態が続くときは迷わず動物病院に相談してください。
おやつはごく少量にとどめ、まずは「フードをしっかり食べる習慣づくり」を優先します。
成犬の場合 — しつけと生活リズムの見直し
成犬で元気があり、おやつは食べるケースでは、しつけ・習慣の要素が大きいことが多くなります。
ご飯の時間を決めて「出す・待つ・下げる」を徹底し、おやつは「ご飯をしっかり食べたご褒美」として位置づけると、メリハリがつきやすくなります。
老犬の場合 — 噛む力・持病への配慮
噛む力が落ちている場合、硬いフードを嫌がっていることがあります。ふやかす・小さく砕く・ウェットフードを取り入れるなどの工夫が有効です。
持病や服薬がある場合、自己判断でフード内容を大きく変える前に獣医師に相談することをおすすめします。
「おやつなら食べる」場合でも、老犬には塩分・脂肪の多いおやつは負担になることがあります。シニア向けのヘルシーなおやつやフードで工夫しましょう。
動物病院に相談するときに準備しておきたいメモ項目
受診時に次のような情報をメモしておくと、獣医師が状況を把握しやすくなります。
いつからご飯を食べなくなったか(日付・時間)
まったく食べないのか、一部だけ食べるのか
おやつや人の食べ物には反応するか
水は飲んでいるか
便や尿の状態(回数・色・固さ・血が混じっていないか 等)
嘔吐・下痢・咳・くしゃみ・発熱など、他の気になる症状
最近の環境変化(引っ越し、家族の変化、暑さ・寒さ、留守番時間の増加など)
食べているフードの種類・量・与え方(パッケージ写真をスマホで撮って持参すると便利です)
これらを整理して伝えることで、診察や検査がスムーズに進みやすくなります。