最近は、スマホの購入や機種変更を家電量販店で行う方が増えています。
複数のキャリア・機種を一度に比較でき、ポイント還元や独自のキャンペーンも豊富なため、一見すると「量販店で買う方が絶対お得」と感じやすい環境です。
一方で、1円スマホや大幅値引きのポップ、複雑な端末購入プログラムなど、仕組みをよく理解しないまま契約すると、想定よりも毎月の負担が増えてしまったり、途中解約や機種変更がしにくくなったりするリスクもあります。
本記事では、「家電量販店でスマホを買うとき、具体的に何に気をつければよいのか」を、来店前・店頭・契約時・購入後という流れに沿って整理します。
チェックリスト形式でまとめていますので、この記事を片手に店舗へ行けば、営業トークに流されずに、ご自身にとって納得のいく選択がしやすくなります。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
家電量販店でスマホを買うことには、ポイント還元や豊富なキャンペーン、機種やキャリアを横断して比較できるなど、多くのメリットがあります。
一方で、手続き時間の長さやアフターサポートの範囲、1円スマホや端末購入プログラムの条件など、事前に理解しておかないと損をする可能性がある点も少なくありません。
家電量販店でスマホを買うメリット・デメリットを整理する
家電量販店で買う主なメリット
家電量販店でスマホを購入する主なメリットは、次のとおりです。
複数キャリア・複数機種を同時に比較できる
一つの売り場で、複数のキャリア(大手・サブブランド・格安SIMなど)やメーカーの端末を見比べることができます。キャリアショップのように自社商品に限定されないため、条件を横並びで比較しやすい点が大きな利点です。ポイント還元や独自キャンペーンが豊富
家電量販店のポイントが還元されたり、特定カード支払いでポイント倍率が上がったり、キャッシュバックが行われたりと、店舗独自のキャンペーンが多く実施されています。時期や店舗により内容は異なりますが、うまく活用すれば実質負担を抑えられます。実機を触ってサイズ感や操作性を確認できる
ディスプレイの見やすさ、手に持ったときのサイズ感、カメラの起動の速さなど、実物を試しながら選べるのは量販店ならではです。アクセサリをその場で一緒に揃えられる
ケースや保護フィルム、充電器などを同時に購入できるため、「後日ネットで買い忘れた」という事態を防ぎやすくなります。
家電量販店ならではのデメリット・注意点
一方で、家電量販店ならではの注意点もあります。
手続き時間が長くなりやすい
契約書の作成・審査・回線の切り替え作業などに時間がかかり、待ち時間も含めて1〜2時間以上かかるケースが珍しくありません。後に予定がある日は避け、時間に余裕を持って来店することが重要です。解約や細かなプラン変更は原則として対応外
多くの家電量販店では、解約や細かいプラン変更、修理受付などのアフターサポートは行っておらず、契約後の手続きはキャリアショップやオンラインで行う必要があります。「買った店に相談すれば何でも対応してもらえる」と考えていると、後で戸惑う可能性があります。データ移行が有料・非対応の場合がある
店舗によっては、旧端末から新端末へのデータ移行は有料オプションになっていたり、そもそもサービスとして提供していなかったりします。自分でバックアップ・移行ができるかどうかを事前に確認しておくと安心です。担当者の知識や提案内容に差がある
量販店では携帯専門ではないスタッフもおり、担当者によって提案の質に差が出る場合があります。疑問点は遠慮なく質問し、「よく分からないまま契約しない」ことが重要です。
来店前に必ず確認しておきたい4つのポイント
現在の契約内容と端末残債を整理する
まず、ご自身が現在どのような契約をしているかを整理しておくことが重要です。
利用中キャリア(例:ドコモ、au、ソフトバンク、その他)
現在の料金プラン名と毎月の支払額
データ通信量(どのくらい使っているか)
端末代金の残債(分割払いの残り回数・残額)
更新月・解約金(違約金)の有無
特に、端末残債が残っている場合や更新月以外に解約する場合は、追加費用が発生する可能性があります。量販店で相談する際にも、こうした情報が分かっていると、より正確な料金シミュレーションが可能です。
予算と支払方法(分割・一括・端末購入プログラム)を決める
次に、あらかじめ以下のような「自分なりの目安」を決めておきましょう。
毎月のスマホ料金(通信費)として許容できる金額
端末代として一括で出せる上限金額
分割払にするか、一括購入にするか
端末購入プログラム(一定期間後に端末を返却する仕組み)を利用するかどうか
端末購入プログラムは、一定期間後に端末を返却することで実質負担を下げる仕組みですが、返却しない場合は残りの端末代を支払う必要があり、結果的に負担が増えるケースもあります。
「1〜2年ごとに新機種へ乗り換えたいのか」「3〜4年長く使いたいのか」によって最適な選択肢は変わりますので、ご自身のスタイルを事前に整理しておくとよいです。
欲しい条件を整理する(スペック・容量・カメラ・5Gなど)
家電量販店には多くの機種が並んでいるため、特に希望がないと「何となくおすすめされた機種」で決めてしまいがちです。以下の観点で、譲れない条件を紙やスマホメモに書き出しておくのがおすすめです。
画面サイズ(大きめ/コンパクト)
ストレージ容量(例:128GB以上が良い 等)
カメラ性能(夜景撮影・ズーム・手ブレ補正など)
バッテリー持ち
防水・防塵・おサイフケータイの有無
5G対応の必要性
指紋認証・顔認証などロック解除方式の好み
「SNSとネット閲覧がメイン」「動画撮影・編集をよくする」など、現在の使い方も合わせて伝えると、店員側も提案しやすくなります。
必要な持ち物と事前準備
来店当日に慌てないよう、次のような持ち物・準備を確認しておきましょう。
本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
支払方法(クレジットカード・口座情報など)
他社から乗り換える場合はMNP予約番号
dアカウントや各種ID・パスワードの控え
旧端末のバックアップ(クラウド・PCなど)
特に、MNP予約番号には有効期限があり、期限が短くなっていると手続きできない場合がありますので、事前に確認しておくと安心です。
店頭で失敗しないためのチェックリスト
まずは「料金シミュレーション」を出してもらう
店頭で説明を受ける際は、まず紙や画面に「料金シミュレーション」を出してもらうことをおすすめします。
初月の支払額
2ヶ月目以降の支払額
割引が終了した後の支払額
キャンペーン適用期間
などを明示してもらい、「今の支払額」と見比べることが重要です。口頭だけの説明では、後から「思っていたより高くなった」と感じる原因になります。
営業トークに流されないための質問例
営業トークに流されないために、次のような質問を事前メモしておき、実際に確認すると安心です。
「この割引は何ヶ月続きますか? その後はいくらになりますか?」
「このプランは途中で変更しても大丈夫ですか? 変更した場合、割引はどうなりますか?」
「このオプションはいつまでに解約すれば、余計な料金がかかりませんか?」
「途中で解約・他社乗り換え・機種変更をした場合、残りの端末代や違約金はどうなりますか?」
ここであいまいな回答しか得られない場合は、無理に契約せず、持ち帰って検討する判断も大切です。
その場で断りづらいオプション・付帯サービス
家電量販店では、次のようなオプションや付帯サービスを提案されることがあります。
長期保証・延長保証
セキュリティソフト・ウイルス対策サービス
動画配信・音楽配信サービス
クラウドストレージ・データお預かりサービス など
「最初の数ヶ月は無料ですが、その後自動で有料になります」といった案内が多いため、以下を必ず確認してください。
無料期間は何ヶ月か
有料になるタイミングと月額料金
解約手続きの方法(どこから、いつまでに行うのか)
不要なサービスはその場で断って問題ありません。「今日は本体と回線だけにしたいので、オプションは一旦全て外してください」とはっきり伝えるのがポイントです。
アクセサリ販売の上手な付き合い方
ケースや保護フィルムは、販売側にとって利益の大きい商品であり、積極的にすすめられる傾向があります。
もちろん、ケースやフィルムを同時購入すること自体は悪いことではありません。ただし、
必要なものだけを選ぶ
価格と品質(素材・保護性能)を比較する
「とりあえず全部セットで」は避ける
といった点を意識すると、余計な出費を抑えられます。「予算は○○円までにしたいです」と最初に伝えておくのも有効です。
1円スマホ・端末購入プログラムの仕組みと注意点
一括1円・実質1円はなぜ実現できるのか(仕組みの概要)
家電量販店や携帯ショップの店頭でよく見かける「一括1円」「実質1円」のポップは、主に以下のような仕組みの組み合わせで成り立っています。楽天モバイル
端末代金に対する大幅な割引(キャンペーン割引)
回線契約(指定プランへの加入)を条件とした割引
端末購入プログラム(一定期間後に端末を返却することを前提とした仕組み)
そのため、単純に「1円だからお得」と判断するのではなく、何を条件に1円になっているのかを確認することが非常に重要です。
端末購入プログラムのメリット・デメリット
端末購入プログラムは、2年など一定期間利用した後に端末を返却することで、残りの分割支払が免除され、実質負担額が軽くなる仕組みです。
メリット
月々の端末負担を抑えながら最新機種を利用しやすい
2年おきなど、定期的に新しい端末へ乗り換えたい人には相性が良い
デメリット
端末を返却しない場合、残りの分割代金を支払う必要があり、結果的に高くなることがある
返却時に傷や故障があると、別途費用がかかる場合がある
プログラムの利用条件として、特定プランや回線契約が求められるケースが多い
「端末は長く使いたい」「使い慣れた端末を手元に残したい」方には相性がよくない可能性がありますので、自分の利用スタイルと照らし合わせて検討してください。
キャンペーン利用時に必ず確認したい条件
1円スマホや大幅割引キャンペーンを利用する際は、少なくとも次の点を確認しましょう。
割引の条件(対象プラン・オプション・支払方法など)
割引が続く期間と、終了後の料金
途中解約・他社乗り換え・機種変更をした場合の扱い
端末返却の期限・返却方法・傷や故障時の取り扱い
「今申し込まないとこの値引きは適用できません」といった案内を受けることもありますが、条件が複雑で理解しきれない場合は、一度持ち帰って冷静に検討するのも立派な選択です。
こんな人は1円スマホに向かない・向いている
1円スマホ・端末購入プログラムに向いていない人の例
同じ端末を3〜4年と長く使いたい人
端末を中古として売却して費用を回収したい人
途中で他社へ乗り換える可能性が高い人
向いている人の例
2年ごとに新しい端末へ買い替えたい人
最新機種をできるだけ安く試したい人
返却条件や契約条件をきちんと守れる人
本体のみ購入・SIMフリー端末を選ぶときの注意点
対応バンド・SIMロック・SIMサイズの確認
家電量販店では、本体のみ(いわゆるSIMフリー端末や白ロム端末)を購入できる場合もあります。その際は、以下を必ず確認してください。
利用予定の回線に対応した周波数帯(バンド)に対応しているか
SIMロックがかかっていないか(SIMフリーかどうか)
使用するSIMカードのサイズ(nanoSIMなど)が端末に合っているか
これらを確認せずに購入すると、「差し込んでも圏波をつかまない」「SIMが物理的に入らない」といったトラブルにつながります。
利用予定の回線との相性チェック
格安SIMやサブブランドを利用する場合は、通信事業者の公式サイトなどで「動作確認済み端末」リストが公開されていることが多いです。そこに掲載されている端末を選ぶと安心です。
家電量販店の店員に相談する際も、「このSIM(または検討中の事業者)で問題なく使えるか」を具体的に確認しましょう。
保証・故障時の対応窓口を確認する
本体のみ購入した場合、故障時の対応窓口がキャリアショップではなく、メーカーや販売店になることがあります。
保証期間と保証内容
自然故障と物損(落下・水濡れなど)の扱い
修理の受付窓口(メーカー・販売店・提携修理店など)
これらを事前に把握しておくと、万が一の際に慌てずに済みます。
白ロム・中古端末を選ぶ際のポイント
白ロム・中古端末を扱う量販店や専門店もあります。その場合は、次の点に注意してください。
端末代金の残債が残っていないか
ネットワーク利用制限(いわゆる「赤ロム」)の有無
バッテリー劣化の程度
外装の傷・画面割れの有無
保証が付いている店舗を選ぶと、初期不良や短期間での故障にも対応しやすくなります。
購入後に必ずやっておきたいこと
契約内容・オプションの再確認とリマインダー設定
契約後は、渡された書類やマイページなどで次の内容を再確認してください。
契約した料金プラン名と月額料金
端末代金の支払総額・支払回数
適用されている割引・キャンペーン内容と適用期間
付帯しているオプションサービスの一覧と月額料金
無料期間があるオプションについては、「いつまでに解約すればよいか」をカレンダーやスマホのリマインダーに登録しておくと、解約忘れによる無駄な支出を防げます。
キャンペーン適用条件・期限のメモ
キャッシュバックやポイント還元などのキャンペーンには、次のような条件が付いている場合があります。
指定期間の継続利用
特定プラン・オプションの継続加入
開通から一定期間後の手続き(ポイント受取手続きなど)
条件や期限をメモしておき、「やるべきこと」があれば忘れずに実行してください。
データ移行とバックアップ設定の見直し
新しい端末へのデータ移行が終わったら、
定期的なバックアップ設定(クラウド・PCなど)
写真・動画・連絡先・アプリデータのバックアップ状況
を改めて確認し、万が一に備えた仕組みを整えておきましょう。
困ったときに相談できる窓口を整理しておく
最後に、「困ったときにどこへ連絡すればよいか」を整理しておきます。
回線契約に関する問い合わせ窓口(キャリアショップ・コールセンター)
端末の故障・不具合に関する問い合わせ窓口(メーカー・販売店)
オプションサービスの解約方法・連絡先
家電量販店では購入後の細かなサポートに対応していないことも多いため、契約当日に、今後の問い合わせ窓口を確認してメモしておくと安心です。