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猫と犬

子犬を迎えた最初の一週間はケージ中心でどう過ごす?出していい時間とレイアウト完全ガイド

子犬を迎えてからの最初の一週間は、新しい環境に慣れ、飼い主さんとの信頼関係の土台をつくる非常に重要な期間です。
多くの専門家も「この時期は無理をさせず、静かに見守りながら生活リズムを整えること」が推奨されており、後々の健康やしつけにも大きな影響を与えると言われています。

一方で、販売店などから「最初の一週間はケージから出さないでください」と言われることもあり、飼い主さんが戸惑いやすいポイントでもあります。

本記事では、「ケージに入れっぱなし」か「完全フリー」かの二択ではなく、子犬の負担を減らしつつ、しつけや安全性にも配慮した現実的なケージ運用方法を解説します。

※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。

目次

ケージ・サークル・クレートの違いと役割

一般的によく使われる用語の違いは、次のように整理できます。

  • ケージ

    • 金属製の網で囲われた箱型のハウス

    • 就寝や短時間の留守番など、「落ち着いて過ごす場所」として使う

  • サークル(ペットサークル)

    • 柵で囲われた囲い。中にトイレ・寝床を入れて「子犬の生活スペース」として使う

  • クレート(キャリー)

    • プラスチック等で囲われた箱。持ち運び可能

    • 移動用・災害時・動物病院への通院時などにも使えるハウス

子犬期には、サークルの中にクレート(寝床)とトイレを置くレイアウトが推奨されることが多く、寝る場所と排泄場所を分けやすく、トイレトレーニングがスムーズになります。

「ケージ中心=入れっぱなし」ではないという考え方

「ケージ中心」という言葉だけが一人歩きすると、「一週間ずっと閉じ込めておく」というイメージになりがちですが、実際には次のように考えるのが現実的です。

  • 基本は ケージ・サークル内を“安心して過ごせるマイルーム”にする

  • そのうえで、

    • 食事前後やトイレ後などに 短時間だけケージの外で触れ合う・探検させる

    • 子犬が疲れる前にケージに戻し、 しっかり休ませる

このバランスを取ることで、ストレスやケガのリスクを抑えつつ、社会化や絆づくりも進めることができます。


子犬を迎える前に整えるケージ環境

ケージのサイズとレイアウト(寝床・トイレ・水・おもちゃ)

サイズの目安

  • 子犬が中で立ち上がり、向きを変えて丸くなれる広さ

  • 小型犬の場合は「体長の約2〜3倍程度の奥行き」が一つの目安

基本レイアウト

  1. 寝床ゾーン(クレートまたはベッド)

    • 柔らかいマットやブランケットを敷き、落ち着ける空間にします。

    • トイレと離した位置に置きます。

  2. トイレゾーン

    • トイレトレー+ペットシーツを設置します。

    • 寝床から遠い隅に配置すると「ここがトイレ」と認識しやすくなります。

  3. 水飲みゾーン

    • 給水ボトルやこぼれにくいボウルをサークルの柵に固定します。

  4. おもちゃ

    • 噛んでも壊れにくい安全なおもちゃを1〜2個だけ入れ、興奮しすぎない程度にします。

ケージの置き場所と室温・静けさの条件

置き場所のポイントは以下の通りです。

  • 人の気配が感じられるが、騒がしすぎない場所

    • リビングの隅や家族が通る導線から少し外れた位置が理想的です。

  • 直射日光・エアコンの風が直接当たらない場所

  • 玄関や廊下など温度差が大きい場所は避ける

室温は、子犬の様子も見ながらおおむね22〜26℃前後を目安に、人が快適と感じる範囲を保つと安心です。

最低限そろえたいグッズチェックリスト

  • ケージ(またはサークル)

  • クレート(寝床用)

  • トイレトレー・ペットシーツ

  • 給水器(ボトル型またはこぼれにくいボウル)

  • フードボウル

  • 子犬用フード(引き取り先で食べていたものを基本に)

  • ブランケット・マット

  • 噛んでも安全なおもちゃ(2〜3個)

  • フロアマット(床の滑り止め・防音対策)


初日〜7日目のケージ中心タイムライン

※以下はあくまで「目安」です。体調がすぐれない場合や極端に疲れやすい場合は、すぐに動物病院に相談してください。

初日:とにかく静かに休ませる一日

主な目的:環境に慣れてもらう・安全な「自分の場所」を知ってもらう

  • 自宅に着いたら、まずケージ(サークル)に入れ、周りを静かに保ちます。

  • 家族全員で取り囲んだり、写真撮影を長時間行うことは避けます。

  • トイレに行きたそうに床の匂いを嗅ぎ始めたら、ケージ内のトイレにそっと誘導します。

  • 食事は、引き取り先でのタイミングと量を参考に、同じフードで与えます。

  • ケージの外に出すとしても、1回数分〜10分程度を1〜2回に抑え、「すぐにケージに戻る」流れを作ります。

2〜3日目:ケージ越しのコミュニケーションを増やす

主な目的:飼い主さんの存在に慣れてもらう・生活音に慣れてもらう

  • ケージのそばで仕事や家事をし、声をかける・ときどき撫でるなど、安心できるコミュニケーションを取ります。

  • ケージの外に出すのは、

    • 食事前後

    • トイレ後
      を中心に、1回10〜15分程度を2〜3回を目安とします。

  • 遊びは引っ張りっこなど軽いものにし、走り回らせすぎないようにします。

4〜5日目:短時間だけケージの外を探検させる

主な目的:家の環境に少しずつ慣らしつつ、トイレ・ルールを教え始める

  • 安全対策をした範囲内で、部屋の探検をさせます(誤飲の原因となる物やコード類は片付けておきます)。

  • ケージ外の時間は1回15〜20分程度を数回までとし、疲れる前にケージに戻すことを徹底します。

  • トイレは、排泄のサイン(床の匂いを嗅ぎ回る・そわそわする)が出たらすぐにケージ内のトイレに誘導し、「できたらたっぷり褒める」を繰り返します。

6〜7日目:生活リズムと簡単なしつけを始める

主な目的:起床・食事・排泄・遊び・就寝のリズムを整える

  • おおまかに、

    • 起床 → トイレ → 食事 → 休憩 → ケージ外で短時間遊ぶ → ケージで休む
      の流れを1日数回繰り返します。

  • このタイミングで、「おすわり」「まて」などの簡単なしつけを、1回数分だけ導入しても構いません(疲れさせすぎないことが前提です)。

  • ケージ外で過ごす時間は、合計で1〜2時間程度(短いセッションに分けて)を目安とし、それ以外はケージやクレートでしっかり眠らせます。


子犬がケージを好きになるトレーニング

ごほうびを使った「ハウス」の教え方

  1. ケージ(クレート)の扉は開けておき、中にブランケットを敷きます。

  2. 子犬の大好きなおやつやフードを手に持ち、「ハウス」と声をかけながらケージの中に投げ入れます。

  3. 子犬が自分から中に入ったら、中にいる状態で褒めることを徹底します。

  4. これを繰り返し、徐々に扉を閉める時間を伸ばしていきます。

「ケージ=閉じ込められる場所」ではなく、「落ち着いて休むと良いことが起こる場所」と学習してもらうことが重要です。

泣いてもすぐに出さないほうがいい理由と対応方法

子犬をケージに入れたとき、多くは最初に鳴きます。ここですぐに出してしまうと、
「鳴けば出してもらえる」と学習し、いつまでもケージに慣れない原因になります。

対応のポイント

  • まずは安全・健康状態に問題がないか(トイレ・空腹・体調不良)を確認します。

  • 問題がなければ、短時間は鳴いていても構わず、落ち着いてから静かに声をかけるようにします。

  • 「少しの間鳴いたが、あきらめて静かになった」タイミングで褒めることで、落ち着いた行動を強化できます。

留守番と夜の過ごし方(就寝位置・照明・音)

  • 最初の一週間は、可能な限り在宅時間を多くするのが理想です。

  • 夜は、飼い主さんの寝室の近く(または同じ部屋)にケージを置き、気配を感じられるようにします。

  • 部屋の灯りは落とし、薄暗い環境で静かに眠れるように配慮します。

  • テレビやラジオを小さめの音量でつけておくと、環境音に慣れやすく、安心する子もいます。


よくある失敗とNG行動

最初からフリーにしてしまうリスク

  • トイレの場所が定まらず、あちこちで排泄してしまう

  • 電気コードや小物の誤飲・ケガのリスクが高まる

  • 落ち着いて休む「自分の場所」が作れない

これらは後から修正するのが難しくなるため、最初の一週間は必ずケージ・サークルをベースにした生活から始めることをおすすめします。

一週間ずっとケージに入れっぱなしにするリスク

  • エネルギーが発散できず、ストレスや問題行動(吠え・破壊行動)が出やすくなる

  • 社会化の機会が不足し、人や生活音に慣れにくくなる

  • ケージに対する「閉じ込められる場所」というイメージが強くなる

特に健康な子犬では、短時間でもケージ外でのコミュニケーションや軽い遊びを取り入れた方が、心身のバランスが取りやすくなります。

叱り方・かまいすぎが招くトラブル例

  • トイレの失敗を強く叱る → 排泄を隠すようになり、健康チェックが難しくなる

  • 夜鳴きのたびに抱っこする → 「鳴けば構ってもらえる」と学習し、夜鳴きが長期化する

  • 子どもが長時間遊び続ける → 疲労・ストレスから体調を崩す

基本方針は、「良い行動を褒めて伸ばす」「危険行動は事前に環境で防ぐ」です。


ライフスタイル別・ケージ活用のポイント

共働き・一人暮らしで在宅時間が限られる場合

  • 可能であれば、お迎えから最初の数日は有給や在宅勤務を調整し、長時間の留守番を避けます。

  • どうしても外出が必要な場合は、

    • 外出前にトイレと軽い遊びでエネルギーを少し発散させる

    • ケージ内に安全なおもちゃを1〜2個置く

    • 室温を一定に保つ
      などで負担を減らします。

  • 長時間(5〜6時間以上)の留守番が避けられない場合は、ペットシッターや家族・友人に短時間様子を見てもらうことも検討してください。

子どもがいる家庭でのルールづくり

  • 子どもにも「ケージは子犬のお部屋。中にいるときはそっとしておく」ことを説明します。

  • 触れ合う時間は、大人が同席したうえで、時間と強さをコントロールします。

  • 子どものおもちゃと子犬のおもちゃを混在させないようにし、誤飲や取り合いを防ぎます。

先住犬・猫がいる場合の慣らし方

  • 最初の数日はケージ越しの対面から始め、いきなり直接触れ合わせないようにします。

  • お互いが落ち着いているときに、短時間だけ同じ空間に出し、様子を見ます。

  • 先住犬・猫が子犬に対して強いストレスを示す場合は、無理に距離を縮めず、専門家への相談も検討してください。


心配なサインと動物病院受診の目安

すぐに受診したい症状・行動

次のような様子が見られる場合は、最初の一週間であっても早めの受診をおすすめします。

  • 嘔吐や下痢が繰り返し続く

  • 明らかにぐったりして動かない

  • 呼吸が苦しそう、咳が続く

  • まったく食べない・水も飲まない状態が半日以上続く

  • 血便・血尿が出ている

また、軽度でも心配な症状がある場合は、自己判断せず、電話などでかかりつけ動物病院に相談してください。

相談先とかかりつけ動物病院の決め方

  • 子犬を迎える前〜迎えた直後のタイミングで、

    • 自宅からの距離

    • 診療時間・夜間対応の有無

    • 犬の診療経験の豊富さ
      を基準に、かかりつけ候補をリストアップしておきます。

  • 予防接種や健康診断のスケジュールについても、最初の受診時に相談しておくと安心です。