Cドライブを広げたいのに、間に小さな「回復パーティション」が居座って拡張できない——そんな経験はありませんか?
本記事では、Windows 11/10でDiskPartとreagentcを使い、「WinREの一時無効化 → 対象の回復パーティションのみ削除 → C:拡張 → WinRE再有効化」という安全手順を、コピペできるコマンド付きで解説します。
誤削除しがちなEFIシステムパーティション(ESP)との見分け方や、エラー時の対処、OEM機での注意点まで網羅。作業前チェックリストも用意したので、初めてでも落ち着いて進められます。容量を取り戻しつつ、回復機能はきちんと復旧——そのための“正しいやり方”をここで押さえましょう。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
回復パーティションの整理は、闇雲に消すのではなく**「停止 → 削除 → 拡張 → 再有効化」**の4ステップが鉄則です。
reagentc /disableでWinREを止め、DiskPartで種類=Recoveryの領域だけをdelete partition override。未割り当てをC:に結合し、
reagentc /enableで回復環境を復帰。その前後でバックアップ・BitLocker・ESP誤消去防止の確認を徹底。
これで容量不足の根本原因を解消しつつ、万一の回復手段も維持できます。
作業前はチェックリスト、作業後はreagentc /infoで検証——この流れを習慣にすれば、次回以降も迷いません。
この記事をブックマークし、必要になったときに落ち着いて安全に実行してください。
回復パーティションとは?削除可否の判断基準
回復パーティション(Recovery) は、Windows回復環境(WinRE)などを格納する小さな領域(数百MB~数GB)。Windows 10/11 の大型更新やディスク移行(クローン)を経ると複数個できることがあります。
削除してよい例
同一ディスク上に複数の回復パーティションがあり、明らかに古い方が未使用
ディスク移行後、C:拡張の邪魔になっている小容量の回復領域
削除を避ける/慎重に
唯一の回復パーティション(代わりがない)
OEM独自の初期化機能(工場出荷状態に戻す)がその領域に依存
BitLockerが有効で、回復キー未確認
ポイント:何を削除するかよりも、何を絶対に消さないかが大事。EFI System Partition(ESP) と MSR は対象外です。
作業の前提条件(バックアップ・BitLocker・管理者権限)
バックアップ:システムイメージ or 重要データのコピー(外付け推奨)
BitLocker:C:が暗号化中なら一時停止(PC設定→更新とセキュリティ→デバイスの暗号化 / コントロールパネル→BitLocker)
実行環境:管理者権限のコマンドプロンプト(もしくはPowerShell)
外付けストレージ:取り外し推奨(誤選択防止)
現状把握:WinREの状態確認と無効化(reagentc)
まず、今使われているWinREの有効/無効を確認します。
Windows RE の状態: 有効と出たら無効化してから削除へ:
補足:WinRE有効のままだと、該当回復パーティションは使用中扱いで削除に失敗しやすいです。
回復パーティションを削除|DiskPartの正しい使い方
DiskPartを起動し、対象ディスクと対象パーティションを番号で正確に特定します。
ここで見るべきは 「種類 (Type)」 と サイズ です。
回復パーティション(Recovery) … 今回の削除対象
EFI System Partition (ESP) … 絶対に削除しない(通常100~300MB、FAT32)
MSR(Microsoft Reserved)… 128MB前後(GPTのみ)。削除不可/不要
プライマリ(C:等)… 削除対象外
安全策:画面をスマホで撮影して、選択ミスがないか見返すとヒューマンエラー防止に効きます。
回復パーティションの削除コマンド
削除したい回復パーティションを選択して、override付きで削除します。
override:保護属性付き領域(回復/ESPなど)を強制削除するトークン間違ってESPを選ぶと起動不能。
detail partitionで種類=Recoveryを必ず再確認してから実行。
複数削除する場合は、1つずつ「select → detail → delete」の手順を繰り返してください。
削除後の未割り当て領域をC:へ結合する
削除すると「未割り当て」になります。C:の直後に連続していれば拡張可能です。
GUI「ディスクの管理」派
Windowsキー+X → ディスクの管理
C:を右クリック → ボリュームの拡張 → ウィザードで未割り当てを追加
DiskPart派
注意:未割り当てがC:と隣接していない場合、標準機能では結合できません(間に別パーティションがあると不可)。その場合は並び替え/移動が可能なサードパーティツールを検討。
WinRE(回復環境)の再有効化とチェック
回復パーティションを削除しても、WinREは別領域に自動配置されるか、既存のWindowsパーティション内に格納されて再登録されます。以下で再有効化します。
Windows RE の状態: 有効になればOK。Windows RE の場所にパスが表示されれば登録成功。
もし/enableで失敗する場合:C:\Windows\System32\Recovery\Winre.wim の有無、bcdeditでブート構成の整合性を確認します(後述)。
うまく削除できない時の対処集(エラー別)
ケースA:選択したパーティションを削除できません
reagentc /disableを先に実施しているか再確認delete partition overrideを付けているか確認管理者権限で起動していない可能性あり
ケースB:アクセスが拒否されました
管理者権限のコマンドを使用
BitLockerを一時停止して再試行
企業PCで権限制限(CSP/GPO)の可能性 → 管理者に相談
ケースC:DiskPartで「メディアが読み取り専用」
再度DiskPartで削除を試す。
ケースD:再有効化で reagentc /enable が失敗
C:\Windows\System32\Recovery\Winre.wim を確認(存在しない場合はSFC/DISMで修復)
ケースE:起動しなくなった(ESP誤消去など)
Windowsインストールメディアで起動 → トラブルシューティング → コマンドプロンプト
最小限の復旧例(UEFI/GPT想定):
これで改善しない場合は、別途ブート構成やESP再作成が必要。ESPは絶対に消さないのが最重要です。
Windows 11/10 の違い・GPT/MBRの見分け・OEM機の注意
Windows 11/10共通:大型更新(機能アップデート)で回復パーティションのサイズ要件が変わり、新規作成→旧領域が残ることがあります。
GPT/UEFIの基本構成
ESP(FAT32 / 100–300MB)
MSR(128MB前後)
Windows(C: など)
回復(数百MB~数GB)
MBR/Legacy:DiskPartの表示が簡素で種別判定がやや難。サイズと位置、既知のレイアウトで見極める。迷うなら削除しない選択を。
OEM(メーカー製PC):工場出荷状態への完全初期化がOEMの回復領域に依存していることがあります。これを削除するとメーカーの初期化機能が使えない可能性。
対策:メーカーのリカバリメディアを先に作成/入手しておく。
トラブル復旧の最小限手順
回復ドライブの作成(USB):検索バー「回復ドライブの作成」→ウィザードに従う
インストールメディアの用意:別PCで「メディア作成ツール」を利用(Microsoft公式)
回復キーの保管(BitLocker):Microsoftアカウント/印刷/USB等
「最悪でも戻れる」状態を作ってから作業すると、精神的にも安全です。
作業前後のチェックリスト
フルバックアップ(最低限ユーザーデータ)済み
BitLockerの状態確認→必要なら一時停止
reagentc /info でWinREが有効なら reagentc /disable 済み
DiskPartで 対象ディスク番号 と 種類=Recovery を目視確認
delete partition override で削除
未割り当てをC:へ拡張(隣接しているか確認)
reagentc /enable → reagentc /info で有効を確認
再起動して起動確認
よくある質問(FAQ)
Q1. 回復パーティションを削除したら回復機能は完全に使えなくなりますか?
A. 一時的に無効化されますが、通常は reagentc /enable で再登録できます。OEMの初期化機能は対象外のことがあるため、必要ならリカバリメディアを先に作成してください。
Q2. どれが回復パーティションか自信がないです。
A. DiskPartで detail partition を実行し、種類=Recovery であることを確認。ESP(EFI System) や MSR は削除しません。
Q3. 複数の回復パーティション、どれを消す?
A. 原則は新しい方を残す。reagentc /info → Windows RE の場所 を見て、使用中ではない方を削除します。
Q4. C:の拡張ができません。
A. 未割り当てがC:と隣接していないと拡張不可です。並び替えが必要ならサードパーティツールを検討。
Q5. GPTとMBRの違いは?
A. GPTはESP/MSR/Recoveryが分かれており見分けやすい。MBRは表示が簡素なため、誤削除のリスクが相対的に高いです。確信が持てない場合は削除しない判断も重要。