お風呂に入ろうとしたら、リンナイ給湯器のリモコンに見慣れない数字が点滅し、お湯が出ない――そんな状況でも、まずは落ち着いてコードの意味と、取るべき行動を整理することが大切です。
本記事では「リンナイ 給湯器 エラーコード 一覧」として、11・61・632・88/888など代表的なコードの意味、危険度の目安、自分で試してよい対処と、すぐに専門業者へ連絡すべきケースをわかりやすく解説します。
賃貸・持ち家それぞれの連絡フローや、修理と交換を判断するポイントもあわせて整理していますので、「今なにをすべきか」を短時間で判断したい方はぜひご活用ください。
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リンナイ給湯器のエラーコードとは?基本の見方
エラーコードが表示される仕組みと確認方法
リンナイ製の給湯器では、本体やリモコンの画面に数字(2〜3桁)が点灯・点滅し、機器の異常や点検時期を知らせる仕組みになっています。
給湯専用タイプ:2桁の数字(例:11、61、88など)
ふろ給湯器・暖房機能付き:3桁の数字(例:111、632、888など)
エラーコードは、
「どの部分で」
「どのような異常が起きたか」
を示す“診断番号”です。必ずしも重大故障とは限りませんが、ガス機器である以上、安全のためにも内容を正しく把握することが重要です。
エラーコードを確認する際は、以下をメモしておくと、メーカーや業者に相談するときにスムーズです。
表示されているエラーコードの数字
エラーが出たときの状況(お湯は出たか/どの操作をしたか)
何度も繰り返し表示されるかどうか
給湯専用・ふろ給湯器・暖房付で表示が違うケース
同じ「11」「61」といった数字でも、給湯専用タイプと、ふろ機能・暖房機能付きのタイプでは、細かな意味や対象となる部品が異なる場合があります。
そのため、エラーコードの数字だけでなく、
リモコンの型番(裏面や取扱説明書に記載)
給湯器本体の型番(屋外設置なら本体側面のシール)
を確認し、可能であれば手元に置いた上で情報を調べると安心です。
まず最初に確認してほしい安全チェック
エラーコードが出たときには、意味を調べる前に、次の安全チェックを行ってください。
ガス臭さ(異臭)がしないか
異常な音(「ボンッ」「バチッ」など)がしていないか
本体周辺が異常に熱くなっていないか
焦げ臭いにおい、煙のようなものが出ていないか
これらの症状がある場合は、自宅内の給湯器の運転を停止し、換気を行い、ガス事業者・メーカー・管理会社などに至急連絡することを優先してください。自己判断で再点火・分解・修理を行うのは非常に危険です。
よく出るリンナイ給湯器エラーコード一覧(危険度付き)
ここでは、一般家庭で特に問い合わせの多い代表的なエラーコードを、危険度・緊急度の目安とともに整理します。あくまで一般的な目安であり、実際の危険度は設置状況や症状によって異なります。
点火不良・失火に関するエラー(11・111・121 など)
11:点火不良(給湯・ふろ共通)
111:給湯点火不良
121:給湯途中失火 など
主な内容
ガスの火がつかない、もしくは途中で消えてしまった状態を検知したエラーです。
ガス栓が閉じている、ガス残量不足、電池切れ(電池式の場合)、風や排気不良など、原因は多岐にわたります。
危険度・緊急度の目安
危険度:★★(注意が必要)
自己対応を試してもよい範囲は限られますが、何度も繰り返す場合や、他のガス機器も点かない場合は早めの連絡が必要です。
ファン・排気まわりのエラー(61・90・900番台 など)
61:ファンモーター異常
90番台、900番台の一部:給排気閉塞異常 など
主な内容
燃焼を助けるファンが正常に回っていない、もしくは排気の通り道がふさがれていると検知した状態です。
排気トップの詰まり、雪や落ち葉の堆積、ファン自体の故障などが原因になり得ます。
危険度・緊急度の目安
危険度:★★★(使用を中止し点検推奨)
排気不良は不完全燃焼など重大なリスクにつながる可能性があるため、繰り返し表示される場合は使用を中止し、点検を依頼してください。
循環・水流まわりのエラー(632 など)
632:おいだきの水流スイッチ異常(ふろ機能付き給湯器)
主な内容
浴槽内のお湯の量が少ない、循環口がふさがれている、フィルターが詰まっているなどにより、おいだき用の水流を正常に検知できない状態です。
危険度・緊急度の目安
危険度:★〜★★(症状により変動)
多くの場合、浴槽のお湯の量やフィルターの清掃で改善しますが、繰り返す場合はポンプ・配管などの点検が必要になることもあります。
点検時期・寿命に関するエラー(88・888・92/93 など)
88/888:点検時期のお知らせ(10年程度の使用で点灯)
92/93:中和器の寿命・寿命警告表示 など
主な内容
機器の設計標準使用期間(おおむね10年)に達したことや、中和器など内部部品の寿命が近い・寿命を迎えたことを知らせる表示です。
危険度・緊急度の目安
88/888:危険度★(ただし、点検・交換の検討は必要)
92/93:危険度★★〜★★★(中和器寿命は放置すると使用継続が難しくなるため早めの対応が必要)
凍結・センサー異常などその他のよくあるエラー
凍結関連(163など):冬場に多く、配管の凍結などが原因になり得ます。
サーミスタ(温度センサー)異常:出湯温度・給水温度などを検知するセンサーの異常を示します。
これらは、状況によっては一時的な環境要因の可能性もありますが、繰り返す場合は部品交換や本体交換が必要になるケースがあります。
コード別:原因・自分でできる対処・NG行為
エラー11/111:点火不良の原因と対処
想定される主な原因(一般例)
ガス栓が閉じている、または一部だけ開いている
ガスの供給自体が止まっている(ガス会社の遮断・メーターの安全装置作動など)
電池式給湯器の場合、電池切れ
強風や排気不良による一時的な失火
点火プラグ(イグナイタ)やガスバルブなど機器内部の故障
自分で試してよい対処
他のガス機器(ガスコンロなど)が正常に点火するか確認する
給湯器・ガス栓が完全に開いているか確認する
電池式の場合は新品の電池に交換する
給湯器の運転スイッチを「切」にし、数分置いてから再度「入」にして再操作する
これらを試しても同じエラーがすぐ表示される場合は、むやみに繰り返さず、メーカー・ガス会社・管理会社に相談してください。
NG行為(絶対に避けること)
本体のカバーを外して内部に触れる
ガス配管のナットを締め直す・緩めるなどの行為
何度も連続で再点火を繰り返す(異常燃焼のリスク)
エラー61:ファンモーター異常のサインと注意点
想定される主な原因
ファンモーターの経年劣化・故障
排気トップや給排気口の詰まり(落ち葉・雪・ホコリなど)
給排気通路の閉塞やダクトの問題
自分で試してよい対処
屋外設置の場合、排気口やその周辺に雪・ゴミ・落ち葉がたまっていないか目視で確認する
目に見える範囲のゴミは安全に配慮しながら取り除く
その上で、運転スイッチを一旦切ってから再操作する
NG行為
高所作業や危険な姿勢で排気トップを分解する
ダクトや配管を自己判断で取り外す/向きを変える
排気に関わる異常は、安全性に直結するため、自己対応で改善しない場合は使用を中止し、点検を依頼することを強く推奨します。
エラー632:おいだき時の循環不良が疑われるケース
想定される主な原因
浴槽内のお湯が少なく、循環口(吸い込み口)が水面から出ている
循環アダプタのフィルターにゴミ・髪の毛などが詰まっている
配管やポンプ部分の異常
自分で試してよい対処
浴槽の水位が循環アダプタを十分に覆っているか確認する
循環アダプタのフィルターを取り外し、取扱説明書に従って清掃する
清掃後に再度運転スイッチを切り、時間を置いてから再操作する
NG行為
配管の分解・工具を使った作業
強い洗剤や研磨剤でフィルター・循環口を傷つける行為
改善しない場合は、おいだき配管やポンプの故障が疑われますので、修理の相談をしてください。
エラー88/888:点検時期のお知らせと交換判断の目安
表示の意味
給湯器の使用開始から概ね10年相当の使用時間に達すると、「88」または「888」が点灯・点滅する場合があります。
これは故障表示ではなく、点検を推奨するお知らせ表示です。
ユーザーが取るべき行動
すぐに使用できなくなるわけではありませんが、内部部品の劣化や故障リスクが高まる時期です。
メーカー点検や、交換業者への相談を検討してください。
賃貸の場合は、まず管理会社・大家へ連絡し、指示を仰いでください。
交換を検討すべきケースの例
使用開始から10年を大きく超えている
頻繁なエラー表示や修理履歴がある
給湯能力の低下やお湯の温度不安定など、日常使用に支障が出ている
修理を呼ぶべきタイミングと費用の目安
自分で試してもよいのはここまで
一般的に、次の範囲まではユーザー自身で確認・対応してもよいと考えられます。
電源の入り切り(リセット)
ガス栓・ブレーカー・メーターの確認
浴槽水位・フィルターの清掃
取扱説明書に記載の簡易な操作
これらを行っても同じエラーが頻発する、他の症状(異音・異臭など)がある場合は、自己対応を中断し、専門家に相談してください。
今すぐ使用を中止すべき危険なサイン
以下の状況に一つでも当てはまる場合は、給湯器の使用を中止し、ガス事業者・メーカー・管理会社に連絡することを強く推奨します。
ガス臭い・焦げ臭いにおいがする
本体が異常に熱い、焦げ跡が見える
「COセンサー作動」「給排気閉塞」などのエラーが表示されている
エラー解除後もすぐに同じエラーが再表示される
ガス機器に関する異常は、時に生命・財産に関わるリスクを伴います。少しでも不安を感じる場合には、安全側に倒して判断してください。
修理と本体交換、どちらが得か判断するポイント
使用年数が10年前後かそれ以上
同じ系統のエラーが何度も発生している
複数の部品交換が必要と説明された
といった条件が重なる場合、個別の修理を繰り返すより、本体交換を検討したほうが長期的には費用を抑えられることも少なくありません。
ただし、具体的な費用は設置環境・機種・エラー内容によって大きく異なります。見積もりは必ず複数社から取り、内容と金額を比較することをおすすめします。
賃貸か持ち家かで変わる連絡先と進め方
賃貸にお住まいの場合の基本フロー
賃貸物件にお住まいの場合、給湯器はオーナー(大家)や管理会社の所有物であることが一般的です。そのため、原則として次の順番で対応してください。
管理会社または大家に連絡し、エラーコードと症状を伝える
管理会社の指示に従い、メーカーまたは提携業者の訪問を待つ
自己判断で業者を手配する必要があるかどうかを確認する
勝手に業者を手配すると、後で費用負担を巡ってトラブルになる可能性がありますので、必ず事前に管理会社等へ相談してください。
持ち家の場合:メーカー・ガス会社・交換業者の使い分け
持ち家の場合は、次のような目安で連絡先を考えると整理しやすくなります。
ガス臭い・異音・異常な熱など緊急性が高い場合:
→ ガス事業者の緊急窓口、またはメーカーの緊急窓口へ連絡保証期間内・延長保証加入中の場合:
→ 保証窓口(メーカー・販売店・保証会社)へ連絡保証切れで10年前後の機器:
→ 修理見積りと同時に、交換の概算も業者に相談
複数社から見積もりを取り、説明内容のわかりやすさやアフターサービスも含めて比較することをおすすめします。
保証書・契約書で今すぐ確認しておきたいポイント
購入日・設置日
メーカー保証期間・延長保証の有無
賃貸の場合は、設備トラブルの連絡先・費用負担の取り決め
これらを日頃から把握しておくと、急なエラー発生時にも落ち着いて対応できます。
日常のメンテナンスとエラーを防ぐための予防策
フィルター掃除・換気・配管保温の基本
給気・排気口周辺にゴミや落ち葉がたまっていないか定期的に確認する
おいだき機能付きの場合、循環アダプタのフィルターを取扱説明書に従って定期的に清掃する
屋外配管が露出している場合は、保温材が破れていないか点検する
こうした簡単なメンテナンスで、エラーの一部は予防することができます。
冬場の凍結対策と長期不在時の注意点
気温が氷点下まで下がる地域では、凍結防止運転や保温対策が有効です。
長期不在にする場合は、取扱説明書に従い、凍結防止に配慮した停止方法を選択してください。
凍結によるエラーは、配管破損など大きな故障につながる可能性がありますので、事前の対策が重要です。
10年を超えた給湯器との付き合い方
10年を超えた給湯器は、部品供給が終了している場合もあり、修理が難しくなるケースがあります。
エラーが出ていなくても、「88/888」など点検・寿命関連の表示が出たら、点検や交換の相談を検討してください。
まとめ|エラーコードを見たら「安全・原因・次の一手」を順番に確認
安全の確認
ガス臭さ・焦げ臭さ・異音・異常な熱がないか確認し、少しでも異常があれば使用を中止し連絡する。
エラーコードと状況のメモ
数字だけでなく、どの操作時にエラーが出たか、何度も出るかをメモする。
自分でできる範囲の確認・対処
ガス栓・電源・フィルター・浴槽水位など、取扱説明書に沿って確認する。
改善しない場合は、無理をせず専門家に相談
賃貸なら管理会社・大家、持ち家ならメーカー・ガス会社・交換業者へ。
リンナイ給湯器のエラーコードは、必ずしも「すぐに危険」という意味ではありませんが、ガス機器である以上、安全第一で対応することが何より大切です。