メルカリで商品を出品していると、「お値下げできますか?」というコメントや値下げ依頼が頻繁に届きます。
中には相場を大きく下回るものや、少し強引に感じるお願いもあり、「これって無視してもいいのだろうか?」「返信しないと失礼になる?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
一方、購入者としては勇気を出して値下げ依頼を送ったのに返事がなく、「嫌な気持ちにさせてしまったのかな」「もう一度聞いてもいいのかな」とモヤモヤしがちです。
本記事では、メルカリの公式ルールやマナーを踏まえながら、「値下げ依頼を無視してもよいケース」と「対応したほうがよいケース」を整理し、出品者・購入者それぞれの立場で取れる具体的な行動と、そのまま使えるコメント例文をご紹介します。ルールに沿いつつ、余計なストレスを抱えずに取引できる“自分なりの基準”をつくるためのガイドとして、ぜひ活用してください。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
無視=規約違反ではないが、マナーとケース選別が重要
メルカリにおいて値下げ依頼(コメントや「値下げ依頼」機能)に必ず返信しなければならないという公式ルールはありません。
返信をしなかったからといって、ただちに規約違反やペナルティになるわけではないと考えられます。
一方で、メルカリ公式のマナーガイドでは「コメントに返信があった場合は、お礼を言うなど放置せずにきちんと対応しましょう」と案内されており、無視が推奨されているわけでもありません。
つまり、
ルール上:返信義務はない(無視しても違反とは言われていない)
マナー上:可能な範囲で丁寧に対応することが望ましい
という「ルール」と「マナー」のギャップがあり、ここで多くの方が悩んでおられます。
本記事では、次の点を整理してご説明いたします。
無視してよいケース/返信したほうがよいケースの線引き
出品者・購入者それぞれの立場での具体的な対応方法
そのまま使えるコメントテンプレート
ブロック・通報を検討すべきケースの目安
この記事で分かること(出品者・購入者それぞれのメリット)
出品者の方
非常識な値下げ依頼に、消耗せずに対応するための「自分ルール」が作れます。
無視・返信・ブロック・通報の使い分けが分かり、トラブルを避けやすくなります。
コピペで使えるコメント例文により、返信に悩む時間を減らせます。
購入者の方
値下げ依頼を無視された理由を冷静に整理できるようになります。
通りやすい値下げ依頼の書き方と、やってはいけないNG例が分かります。
無視されたときの「次の一手」(諦める・再依頼・別商品を探す等)を判断しやすくなります。
メルカリの値下げ依頼機能とコメントの違い
「値下げ依頼」ボタンの仕組みとルール
メルカリには、通常のコメントとは別に「値下げ依頼」機能があります。
主なポイントは次のとおりです。
購入希望者が「この価格で購入したい」という希望額を、ボタン操作で出品者に送れる機能
出品者は、届いた値下げ依頼を一覧で確認し、「売る」か「売らない」かを選択できる
出品者が「売る」を選ぶと、その金額での商品購入が可能になるよう価格が変更される
値下げ依頼を承諾しても、購入が必ず行われるとは限らない(承諾は「購入予約」ではない)
300円以下の商品やメルカリShopsの商品など、一部では値下げ依頼ボタンは表示されない
「承諾=取引成立」ではない点は、出品者・購入者ともに誤解しやすいポイントです。
コメントでの値下げ交渉との違いと、よくある勘違い
コメント欄を使った値下げ交渉は、次のような特徴があります。
商品ページのコメント欄で「◯◯円でお譲りいただけませんか?」などとやり取りする
他のユーザーにも内容が見える(横取りなどのトラブルのきっかけになることも)
金額調整後は、購入者が自ら購入ボタンを押す必要がある
一方で、「値下げ依頼」機能はアプリ側で金額提示〜承諾を管理してくれるため、表向きのコメントを残さずに交渉ができる点が大きな違いです。
どちらの場合も、最終的に購入するかどうかは購入者の自由であり、「値下げに応じたから必ず買ってほしい」というのはあくまで期待に過ぎないことを押さえておく必要があります。
公式マナーガイドに見る「非常識な値下げ」とは何か
メルカリのマナーガイドでは、コメントや取引メッセージに関して次のような点が示されています。
あいさつやお礼など、簡単なコミュニケーションを心掛ける
丁寧な言葉遣いを意識し、感情的な表現を避ける
「非常識な値下げ要求」をしない
相手へのリクエストは節度を持って行う
「非常識な値下げ」の明確な定義はありませんが、
相場や出品価格の半額以下を当然のように要求する
「◯◯円じゃないならいりません」「早く値下げしてください」など高圧的な言い方をする
何度も繰り返し値下げを迫る
といった行為は、多くのユーザーにとって「非常識」に感じられますし、場合によっては迷惑行為として通報・ブロックの対象にもなり得ます。
【出品者向け】値下げ依頼を無視してもいいのか?
規約上、値下げ依頼への返信義務はないと考えられる理由
メルカリの公式ヘルプや利用規約には、「値下げ依頼やコメントに必ず返信しなければならない」といった記載は見当たりません。
公式ヘルプで強調されているのは、
コメントに返信があった場合は放置せずに対応するのが望ましい
相手を不快にさせる暴言や嫌がらせはしてはいけない
迷惑行為があれば通報できる
といった「マナー」や「禁止行為」に関する部分です。
したがって、単に値下げ依頼をスルーすること自体は、直ちに禁止行為とはみなされにくいと考えられます。
ただし、例えば以下のような行為は問題になり得ます。
値下げ依頼に対して暴言・侮辱的なコメントを返す
相手を挑発するような返信を繰り返す
個人情報を晒す・外部サイトに誘導する など
「何か一言返さなければ」と無理をして感情的な返信をしてしまうくらいであれば、静かに無視したほうが安全なケースもあります。
無視してよいケース・返信したほうがよいケース
出品者側の視点で、ざっくりと次のように整理できます。
無視してもよいケースの例
相場を大きく外れた、明らかに非常識な値下げ要求
プロフィールや商品説明で「値下げ不可」と明記しているにもかかわらず、テンプレート的に送られてくる値下げコメント
同じユーザーから短時間に何度も似たコメントが来ている場合
返信したほうがよいケースの例
相場内の reasonable な値下げ依頼だが、今回は応じたくない場合
将来の購入につながりそうな、丁寧な言葉遣いのコメント
価格だけでなく状態・発送方法などについて具体的な質問が含まれている場合
要注意・通報も検討すべきケース
「早くしろ」「非常識」など、攻撃的・高圧的な表現が見られる
何度断っても粘り強く値下げを迫ってくる
暴言・脅迫・差別的表現など、明らかに規約違反と思われるコメント
無視・返信・ブロック・通報の使い分け(判断フローチャート)
文章で簡易フローチャートを表現すると、次のようなイメージです。
値下げ依頼の内容が暴言・脅迫・差別的表現を含むか?
Yes → スクリーンショットを保存のうえ、「通報+ブロック」を検討
No → 2へ
要求額が相場から大きく外れている(半額以下など)か?
Yes → 無理に返信せず「無視」しても可(余裕があれば丁寧にお断り)
No → 3へ
コメントの言葉遣いに明らかな失礼さや高圧的なトーンがあるか?
Yes → 無視またはブロック(再度来るようなら通報も検討)
No → 4へ
今回の取引で値下げに応じる意向があるか?
Yes → 金額を調整して返信し、価格変更後は早めの購入を促す
No → コピペテンプレを使って丁寧にお断り(または無視)
【出品者向け】ケース別の安全な対応パターンとコメント例
ここでは、すぐに使えるコメント例をいくつかご紹介いたします。必要に応じて数字や表現を調整してご利用ください。
相場から大きく外れた「非常識な値下げ依頼」の場合
正直なところ、このケースは無理に返信しなくても問題になりにくいケースです。ただ、あえて返信する場合は、感情を抑えた表現にとどめることが大切です。
短文例
コメントありがとうございます。申し訳ありませんが、こちらの価格ではお受けできません。
少し丁寧な例
コメントありがとうございます。
相場や商品の状態を踏まえて価格を設定しておりますため、恐れ入りますがご提示いただいた金額までのお値下げは難しい状況です。
ご希望に添えず申し訳ございません。
相場内だが、これ以上は下げたくない場合
短文例
コメントありがとうございます。こちら、すでにお値下げ済みのため、これ以上の値下げは考えておりません。
少し丁寧な例
コメントありがとうございます。
こちらの商品は、現状の価格が限界でして、これ以上のお値下げは予定しておりません。
ご検討いただきありがとうございました。
しつこい・攻撃的・不快なコメントの場合
このような場合は、言い返さないことが何より重要です。
一度だけ返信する場合の例
コメントありがとうございます。
何度も同様のご要望をいただいておりますが、これ以上のお値下げは考えておりません。
失礼ながら、これ以上のやり取りは控えさせていただきます。
その上で、攻撃的なコメントや嫌がらせが続く場合には、ブロックや通報を検討してください。
そのまま使える出品者向けコメントテンプレ集(短文/丁寧文)
値下げ不可テンプレ(短文)
コメントありがとうございます。申し訳ありませんが、こちらは値下げ不可とさせていただいております。
値下げ幅を限定したいとき
コメントありがとうございます。
大きな値下げは難しいのですが、〇〇円まででしたら対応可能です。ご検討くださいませ。他の方との公平性を理由に断るとき
コメントありがとうございます。
他の方にも同条件で見ていただいているため、個別の大幅なお値下げは控えさせていただいております。ご理解いただけますと幸いです。
【購入者向け】値下げ依頼を無視されたときの考え方と対処法
出品者が返事をしない主な理由パターン
購入者の立場からすると、「無視された=嫌われた」と感じがちですが、出品者側には次のような事情があることも多いとされています。
忙しくてアプリを確認できていない
通知は見たが、後で返信しようと思って忘れてしまった
非常識だと感じて、あえて反応しないことにしている
値下げ交渉が多すぎて、すべてに返信する余裕がない
すでに他の方とやり取り中で、対応を迷っている
したがって、「無視=自分が失礼だった」と決めつける必要はありません。
とはいえ、依頼内容が相場から離れすぎていなかったかは一度振り返ってみる価値があります。
どのくらい待つべきか?追いコメントをしてよいライン
目安として、24時間程度は待ってみるのが無難です。
どうしても急ぎたい場合でも、同じ日中に何度も催促するのは避けたほうが安心です。
追いコメントをする場合は、次のように控えめな表現を心掛けてください。
お忙しいところ失礼いたします。先ほど値下げのご相談をさせていただきましたが、難しいようでしたらその旨お知らせいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
それでも返信がない場合は、「この出品者はスルー方針なのだ」と割り切り、深追いしないことがトラブル防止につながります。
諦めるべきサインと、賢い「次の一手」
次のような状況では、潔く諦めることをおすすめいたします。
2〜3日以上経っても、出品者がログインしている様子があるのに返信がない
他のコメントには返信しているのに、自分のコメントだけスルーされている
過去の評価欄で、やり取りに難があると感じられる内容が多い
その場合の「次の一手」としては、
似た商品を別の出品者から探す
価格が下がるのを待ちつつ、お気に入り登録だけしておく
「希望価格の登録」などの機能が利用できる場合は活用する
といった選択肢があります。
【購入者向け】通りやすい値下げ依頼のコツとNG例
マナーに沿った依頼文のポイント
通りやすい値下げ依頼には、共通するポイントがあります。
あいさつと一言のお礼
購入の意思があることを明確に伝える
具体的な金額または値下げ幅を提示する
無理なお願いであることを理解している姿勢を見せる
断られても問題ないことを伝える(プレッシャーをかけない)
例文:
はじめまして。こちらの商品を購入したいと考えております。
大変恐れ入りますが、〇〇円までお値下げいただくことは可能でしょうか。
難しいようでしたら、そのままの価格で再度検討させていただきます。よろしくお願いいたします。
嫌がられやすいNGパターン
「〇円にしてください。」「〇円なら買います。」とだけ書く
半額近い金額を当然のように提示する
「他の出品者はもっと安い」「売れませんよ」などの上から目線のコメント
断られた後に「じゃあ〇円は?」「もう少し」など粘り続ける
これらのパターンは、出品者にとって「非常識」「しつこい」と感じられやすく、無視やブロックの対象になりやすいため注意が必要です。
そのまま使える購入者向けコメントテンプレ集
控えめなお願いバージョン
はじめまして。こちらの商品を購入したいと考えております。
もし可能でしたら、〇〇円ほどお値下げいただくことはできますでしょうか。
難しいようでしたら、そのままの価格で検討させていただきます。早めに購入したい意向を伝えるバージョン
はじめまして。即購入を検討しております。
失礼なお願いで恐縮ですが、〇〇円までお値下げいただくことは可能でしょうか。
ご検討いただけましたら、変更後すぐに購入手続きをさせていただきます。幅だけを伝えるバージョン
はじめまして。購入を検討しております。
こちら、数百円程度のお値下げは可能でしょうか。
難しければそのままの価格で検討いたしますので、その旨お知らせいただけますと幸いです。
トラブル防止のために知っておきたい「通報」・「ブロック」の基礎
どこからがマナー違反ではなく「違反行為」になりうるのか
単なる「値下げ依頼」や「しつこいお願い」は、基本的にはマナーの問題にとどまることが多いですが、次のような場合は禁止行為・違反行為に該当しうるとされています。
暴言・脅迫・差別的な表現を含むコメント
繰り返しの嫌がらせや、特定アカウントへの執拗なコメント
個人情報の公開・収集
外部サイトや直接取引への誘導
このようなケースでは、我慢してやり取りを続けるのではなく、通報機能の利用が推奨されます。
通報の手順と、運営が対応してくれるケースの例
公式ヘルプでは、迷惑行為のある取引メッセージ等について、通報方法が案内されています。
概要としては、
通報したいコメント・取引メッセージの右下にある旗マークをタップ
報告理由を選択し、詳細を入力
「事務局に報告する」をタップ
といった流れです。
運営は内容を確認した上で、必要に応じて
該当コメントの削除
アカウントの利用制限
商品削除 など
の対応を行う場合があります。
ブロック機能の考え方と、やりすぎないための注意点
ブロック機能は、「この人とはこれ以上関わりたくない」と感じた相手との接触を避けるための手段です。
しつこい値下げ依頼が何度も続く
一度断ったのに粘り強くコメントしてくる
感情的なやり取りになりそうで不安
といった場合には、ブロックを検討する価値があります。
ただし、軽い行き違いや誤解だけで安易にブロックを多用すると、取引の幅が狭くなってしまうこともあります。
「今後やり取りを続けるのが心理的にしんどい」と感じた相手に限定して使うとよいでしょう。
ストレスを減らすためのマインドセットと価格設定のコツ
値下げ依頼が多いときに見直したい「価格」「説明文」「プロフィール」
値下げ依頼が頻発してストレスに感じる場合、次の点を見直すことで負担を減らせることがあります。
価格が相場より高すぎないか(高め設定だと交渉が増えやすい)
商品説明に「大幅なお値下げはご遠慮ください」等を明記しているか
プロフィール欄で「値下げ交渉についての方針」を示しているか
あらかじめ方針を書いておくことで、「非常識な依頼」自体を減らせる可能性があります。
あらかじめ「値下げ不可」を明記する際の注意点
「値下げ不可」と書くこと自体は問題ありませんが、次のような点に注意するとトラブルを避けやすくなります。
強い言い方ではなく、「基本的に値下げは考えておりません」など柔らかい表現にする
事情が変わって値下げしたい場合も出てくるため、「状況により検討することもあります」など余地を残す書き方も一案
それでも値下げ依頼が来た場合は、「プロフィールにも記載しておりますが〜」と淡々と返信するか、静かに無視する
疲れないための「自分ルール」を決める
最後に、出品者・購入者それぞれが「自分ルール」を決めておくことをおすすめいたします。
出品者側の例
「相場から大きく外れた依頼は無視する」
「丁寧な依頼には一度だけ返信する」
「暴言・脅迫は即通報+ブロック」
購入者側の例
「まずは相場を調べてから控えめな額で依頼する」
「返信がなければ一度だけ追いコメント、その後は追いかけない」
「無視されたら『合わなかった』と割り切って他の商品を探す」
このような基準を持っておくと、毎回ゼロから考える必要がなくなり、心理的な負担を大きく減らせます。
まとめ:無視する・しないを「自分基準」で決めて、疲れないメルカリ取引を
出品者・購入者それぞれが押さえておきたい3つのポイント
出品者の方
値下げ依頼への返信義務はなく、無理に対応して感情的になるより、静かに無視したほうが安全なケースもあります。
一方で、丁寧な依頼には一言お礼やお断りを返すことで、良い取引やリピーターにつながる可能性があります。
暴言・嫌がらせ・外部誘導などは、ブロックや通報をためらわずに検討してください。
購入者の方
無視されたからといって、必ずしも自分が悪いとは限りません。出品者の事情や方針によることも多いです。
相場やマナーを意識しつつ、控えめな依頼文を心掛けることで、返信や値下げが得られやすくなります。
返信がない場合は、深追いせずに別の商品や別のタイミングを検討することも大切です。
今日から使えるアクションリスト
出品者の方は、プロフィールや商品説明に「値下げ交渉の方針」を一文だけでも追記しておく
「これは非常識だ」と感じる値下げ依頼は、無理に相手をせず、静かにスルーする選択肢も持つ
購入者の方は、依頼前に相場を確認し、この記事のテンプレを元に控えめな依頼文を作成する
無視されたときは、「この出品者とは縁がなかった」と割り切り、次の選択肢に目を向ける
本記事の内容を参考に、「無視する・しない」をその場の感情ではなく、自分で決めた基準に沿って選べるようになれば、メルカリの取引はもっと気楽で安心なものになります。ぜひご自身のスタイルに合うルールを作ってみてください。