メルカリで出品していると、ほぼ必ずと言っていいほど届くのが「お値下げできますか?」というコメントです。
とはいえ、毎回どう返せばよいか迷ってしまったり、「断りたいけれど、印象が悪くならないか不安…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、副業や物販としてメルカリを活用している出品者の方向けに、値下げ交渉を「うまく」さばくための考え方と、今すぐ使える返信テンプレートを整理してご紹介いたします。
コメントでの値下げ交渉から「値下げ依頼」機能への対応、丁寧な断り方、利益を守る値下げラインの決め方まで、実務でそのまま役立つ内容をまとめました。
「もう値下げコメントに振り回されたくない」「きちんと利益を残しながら、感じの良い対応をしたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
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メルカリの値下げ交渉を「うまく」さばくために大切なのは、次の3点です。
事前に 値下げポリシー(ルール) を決めておくこと
利益計算と相場 を踏まえて「最低ライン」を数字で把握しておくこと
「感謝+理由+提案」の型に沿った 丁寧なコメントテンプレ を用意しておくこと
今日からできる一歩として、
1商品だけでよいので、自分の最低ラインを数字で計算してみる
本記事から、自分が使いやすいテンプレを3つだけメモ帳に保存する
この2つをぜひ実行してみてください。
メルカリの値下げ交渉の基本と仕組み
メルカリを使っていると、多くの出品者が必ず直面するのが「値下げ交渉」です。
「どう返せばいいか毎回悩む」「断るときに角が立たないか不安」というご相談も非常に多いテーマです。
まずは、メルカリで行われる値下げ交渉の種類と、公式の仕組みを整理しておきます。
コメントでの値下げ交渉
もっとも一般的なのは、商品ページのコメント欄を使った値下げ交渉です。購入希望者が、
〇〇円までお値下げ可能でしょうか?
といった形でコメントを投稿し、それに対して出品者が返信する、という流れです。
コメント欄での値下げ交渉には、明確なルールや義務はありません。応じるかどうか、どこまで下げるかは、すべて出品者の判断に委ねられています。
「値下げ依頼」機能の概要
近年は、コメント以外に「値下げ依頼」機能も用意されています。購入希望者が「この価格で買いたい」という金額を入力して送信し、出品者が承諾すると、その価格で購入が成立する仕組みです。
出品者が承諾した場合のみ、その金額で購入される
300円以下の商品、メルカリShopsの商品、SOLD OUTの商品、オークション形式の出品などには「値下げ依頼」ボタンが表示されない
といった仕様が公式に案内されています。
値下げ交渉に応じるかどうかは出品者の自由
重要なポイントは、「値下げ交渉に応じないこと自体にペナルティはない」という点です。値下げをしなくても、メルカリのルール上、出品者が不利になることは基本的にありません。
ただし、コメント欄は他のユーザーからも見えるため、
無視する
「無理です」など極端に素っ気ない返信をする
といった対応は、印象を下げる原因になります。丁寧なやり取りを心がけることで、「この出品者なら安心だ」と感じてもらい、結果として価格据え置きでも購入につながるケースも少なくありません。
値下げ交渉が「うまい」出品者の3つの共通点
値下げ交渉が上手な出品者には、いくつかの共通点があります。本記事では、その中でも特に重要な3つに絞ってご紹介いたします。
共通点1:事前に「値下げポリシー」を決めている
うまい出品者は、交渉が来てから考えるのではなく、あらかじめ次のようなルールを決めています。
これ以上は絶対に下げない「最低価格」
何%までなら値下げに応じるか
出品してから何日間は値下げしないか
たとえば、次のようなシンプルなポリシーです。
出品から3日間は値下げ対応しない
それ以降は、利益が残る範囲で5〜10%までなら対応する
大幅な値下げ(30%以上)は一律お断りする
このようなルールを決めておくと、その場の感情ではなく「自分の方針」に従って対応できるため、迷いが減り、印象も安定します。
共通点2:利益を意識した価格設定と相場把握ができている
値下げ交渉がうまい出品者は、感覚ではなく「数字」で判断しています。
仕入れ価格(または自分の中の原価)
送料(匿名配送・サイズ別の送料)
メルカリ手数料(販売価格の10%)
これらを踏まえて、「この商品は最低いくらで売れればいいか」を決めています。
簡易利益計算の考え方(例)
原価 :2,000円
送料見込み :500円
最低ほしい利益:1,000円
この場合、必要な売上は「2,000+500+1,000=3,500円」です。
メルカリ手数料(10%)を考慮すると、販売価格はおおよそ以下のように逆算できます。
販売価格 = 必要な売上 ÷ 0.9
3,500 ÷ 0.9 ≒ 3,889円 → 3,899円や3,980円などに設定
ここから「3,600円までは値下げOK」といった最低ラインを決めておけば、交渉が来たときに迷いにくくなります。
共通点3:コメントが「感謝+理由+提案」の型になっている
うまい出品者の返信は、ほぼ例外なく次の型になっています。
感謝:コメントをもらったことへのお礼
理由:値下げ可否の理由(手数料・送料・出品直後など)
提案:承諾する金額、もしくは丁寧なお断り
たとえば、希望額には届かないが一部値下げに応じる場合は、
コメントありがとうございます。
こちら、送料と手数料を考慮するとご希望の〇〇円までのお値下げは難しいのですが、△△円でしたら対応可能です。ご検討いただけますと幸いです。
というように、「感謝 → 理由 → 提案」を一つのセットにすることで、相手に誠実な印象を与えることができます。
まず決めておくべき「値下げ交渉ルール」
次に、実際のコメント例に入る前に、各出品者が必ず決めておきたい「ルール」について整理します。
出品者のスタンス別にルールを決める
出品者の目的によって、最適なルールは変わります。
早く売り切りたい場合
値下げ交渉には積極的に応じる
一定の利益が残れば柔軟に対応する
利益重視でじっくり売りたい場合
大幅な値下げは一律お断り
出品直後〜一定期間は値下げ対応をしない
まずは「自分はどちら寄りか」を決め、そのスタンスに合わせてテンプレを選ぶとブレにくくなります。
値下げ可能ラインの決め方(簡易利益計算)
先ほどの考え方を使い、自分なりの「最低ライン」を数字で決めておきます。
原価(または手放してもよいと思える最低金額)
送料(サイズ、発送方法ごとの目安)
メルカリ手数料(10%)
最低限ほしい利益
これらを合計し、「この合計を確保できる販売価格」を把握しておくことがポイントです。
コメント欄・プロフィールへの明記の仕方
あらかじめ次のような文言を商品説明やプロフィールに入れておくと、交渉のハードルを下げつつ、非常識な値下げ依頼を減らすことができます。
・大幅なお値下げのご相談には対応いたしかねます。
・常識の範囲での値下げ交渉は歓迎しております。
・出品直後のお値下げはお断りする場合がございます。
事前にルールを共有することで、双方にとって気持ちのよい取引になりやすくなります。
シーン別:値下げ交渉への「うまい」返信テンプレ集
ここからは、具体的なシーンごとに「コピペして使える」テンプレをご紹介します。
すべて丁寧な敬語で統一していますので、そのまま使っていただいて構いません。
1. 快く値下げに応じる場合
即購入を条件に承諾するテンプレ
コメントありがとうございます。
〇〇円へのお値下げ、承知いたしました。
これから価格を変更いたしますので、よろしければそのままご購入手続きをお願いいたします。
コメントいただきありがとうございます。
即ご購入いただけるとのことでしたので、〇〇円にお値下げいたしました。
ほかの方が購入される可能性もございますため、お手続きはお早めにお願いいたします。
少し条件を付けて承諾するテンプレ
コメントありがとうございます。
ご希望額までは難しいのですが、本日中にご購入いただけるようでしたら、〇〇円までお値下げ可能です。
ご検討いただけますと幸いです。
お問い合わせありがとうございます。
送料と手数料を考慮し、△△円まででしたら対応可能でございます。
問題なければ価格を変更いたしますので、お知らせくださいませ。
2. 一部だけ値下げに応じる場合(希望額までは下げない)
希望額より少し高い価格を提案するテンプレ
コメントありがとうございます。
大変恐縮ですが、ご希望の〇〇円まではお値下げが難しい状況です。
送料と手数料を踏まえ、△△円でしたら対応可能ですので、ご検討いただけますと幸いです。
ご検討いただきありがとうございます。
こちらの商品はすでにお値下げしているため大幅な値下げは難しいのですが、△△円まででしたら対応いたします。
よろしければご返信いただければと存じます。
すでに値下げ済みだが、わずかなら対応するテンプレ
コメントありがとうございます。
すでにお値下げした価格となっており、これ以上の大幅なお値下げは難しい状況です。
もし△△円でよろしければ対応させていただきますので、ご検討くださいませ。
3. 丁寧にお断りする場合
出品直後でまだ値下げしたくない場合
コメントありがとうございます。
こちらの商品は出品したばかりのため、現時点では値下げは考えておりません。
ご希望に添えず申し訳ございませんが、引き続きご検討いただけますと幸いです。
すでに限界価格まで下げている場合
コメントありがとうございます。
こちらは送料と手数料を考慮し、すでに限界までお値下げした価格となっております。
誠に恐縮ですが、これ以上のお値下げはお受けいたしかねます。
ご希望に添えず申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
大幅な値下げ依頼をやんわり断るテンプレ
お問い合わせありがとうございます。
ご提示いただいた金額ですと、送料や手数料を差し引いた際に赤字となってしまうため、申し訳ございませんが対応が難しい状況です。
ご希望に添えず恐縮ではございますが、何卒ご理解いただけますと幸いです。
4. しつこい交渉・トラブルを避けたい場合
繰り返し値下げを求められたときの最終テンプレ
たびたびお問い合わせいただき、ありがとうございます。
先にお伝えしたとおり、これ以上のお値下げは考えておりません。
大変恐れ入りますが、これ以上の値下げ交渉はご遠慮いただけますと幸いです。
ブロックを検討すべきケース
以下のような場合は、無理にやり取りを続けず、必要に応じてブロックを検討してよいでしょう。
何度も非常識な金額を提示してくる
誹謗中傷や不適切な表現が含まれる
夜間の連続メッセージなど、負担が大きい
メルカリの取引は、出品者・購入者の双方が気持ちよく進められることが前提です。ご自身を守る対応も大切です。
購入者から見て「うまい出品者」に見える一言工夫
値下げ交渉への対応そのものに加えて、「一言の工夫」で印象は大きく変わります。
交渉に応じるときの一言プラス
値下げを承諾したあとに、次のような一文を添えると、丁寧さと安心感が伝わります。
・「〇〇様専用に変更いたしましたので、内容をご確認のうえご購入をお願いいたします。」
・「本日中にご購入がない場合は、価格や専用を戻す可能性がございますのでご了承くださいませ。」
専用出品の扱いにはいくつか注意点もありますが、「横取りが不安」という購入者の気持ちに配慮した一言は好印象につながります。
断るときでも印象を悪くしないクッション言葉
お断りのコメントには、次のようなクッション言葉を添えるだけで印象が柔らかくなります。
・「コメントありがとうございます。」
・「ご希望に添えず申し訳ございません。」
・「大変恐縮ですが〜」
短い文章ですが、「無視」や「一言で切り捨てる」対応との差は非常に大きくなります。
NG例から学ぶ『損をする対応』パターン
最後に、避けるべき対応パターンを確認しておきます。
無視・ぶっきらぼうな返信が招く悪影響
無視され続けると、購入希望者は不安になります
コメント欄を見た他のユーザーにも「対応が雑な出品者」という印象を与えます
たとえ難しい依頼であっても、
「コメントありがとうございます。申し訳ございませんが、今回は対応が難しい状況です。」
と一言添えるだけで印象は大きく変わります。
安易な大幅値下げが招くデメリット
利益がほとんど残らなくなる
「この出品者はお願いすればどんどん値下げしてくれる」と思われる
以後の出品でも、大幅な値下げ交渉をされやすくなる
短期的には売上が立っても、長期的には「安売りが前提のアカウント」になってしまいかねません。
事前に決めた「最低ライン」を超える依頼については、丁寧にお断りすることをおすすめいたします。
今日から実践できるチェックリスト
最後に、すぐに実践できるチェックリストをまとめます。
この記事を読み終えたら、まずはこの3つだけ決めてみてください。
値下げ交渉前に確認する3つの数字
原価(または自分の中の基準価格)
送料の目安
メルカリ手数料10%を踏まえた「最低限ほしい利益」
これらをもとに、「最低いくらで売れればよいか」をざっくり計算しておきます。
交渉が来たときに確認する3ステップ
相手の希望額は相場とかけ離れていないか
自分の最低ラインを下回っていないか
早く売りたい商品か、じっくり売ってよい商品か
この3ステップを数秒で確認すれば、感情的にならず、冷静にコメントを選べるようになります。
プロフィール・商品説明に追記しておきたい一文テンプレ
・「常識の範囲での値下げ交渉は歓迎しております。」
・「大幅なお値下げのご相談には対応いたしかねます。」
・「出品直後のお値下げはお断りする場合がございますので、あらかじめご了承ください。」
これらを書いておくだけで、非常識な交渉はぐっと減らせます。