パソコンでDVDを見ようとしても、「ディスクを入れても何も起こらない」「そもそもドライブが見当たらない」とお困りではありませんか。
Windows 11/10では、以前のように標準機能だけで市販DVDを再生できず、外付けドライブや再生ソフトの有無によって、必要な準備が大きく変わります。
本記事では、「自分のパソコンでDVDを再生できる状態にする」ことをゴールに、必要な機器の確認方法から、Windows・Macそれぞれの具体的な再生手順、そして「見れない」ときの原因切り分けまでを一つの記事で整理して解説いたします。
専門用語はできるだけかみ砕いてご説明しますので、パソコン操作に不安がある方でも、上から順に読み進めていただくだけで、安心してDVDを楽しめるようになります。
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パソコンでDVDを見るには、DVDドライブ・再生ソフト・コーデックの3つが必要である
Windows 11/10では標準機能だけでは市販DVDを再生できないため、無料ソフトや有料ソフトの導入が必須である
最近のノートPCでは外付けDVDドライブが必要なケースが多く、対応OSや接続端子を確認して選ぶことが重要である
再生できない場合は、「ディスクの状態」→「ドライブの認識」→「再生ソフトと設定」の順で原因を切り分けると、解決しやすい
パソコンでDVDを見るために必要な3つのもの
まず、パソコンでDVDを見るために「何が必要か」を整理しておくことが重要です。多くのメーカー公式サイトでも共通しているとおり、基本的には次の3つが必要になります。
1. DVDドライブ(内蔵/外付け)
1つ目は、DVDを読み込むための「DVDドライブ」です。
内蔵ドライブ
昔のデスクトップPCや一部のノートPCには、最初からDVDドライブが搭載されています。この場合、パソコン本体の側面や前面に「DVD」「RW」などのロゴが記載されたスロットやトレイがあるはずです。外付けDVDドライブ
最近の薄型ノートPCでは、コスト削減や薄型化のために光学ドライブが搭載されていないものが増えています。その場合は、USBで接続する「外付けDVDドライブ」を用意する必要があります。外付けドライブは家電量販店やオンラインショップで比較的安価に購入でき、USBケーブルで接続するだけで利用できます。
「自分のPCにDVDドライブが付いているか分からない」という場合は、PCの型番を検索するか、【エクスプローラー】で「DVDドライブ」「DVD RWドライブ」といった表示があるかを確認してみてください。
2. 再生ソフト(プレーヤー)
2つ目は、DVDの映像・音声を表示するための「再生ソフト(メディアプレーヤー)」です。
Windows 7以前では、「Windows Media Center」によってDVD再生に対応していましたが、Windows 10以降ではこの機能が標準搭載されていません。
現在のWindows 10/11では、DVDドライブがあっても、再生用ソフトがなければ市販DVDを再生できません。
そのため、次のいずれかを用意する必要があります。
無料の再生ソフト(例:VLCメディアプレーヤーなど)
有料の再生ソフト(例:PowerDVD、VideoByte ブルーレイプレイヤーなど)
Microsoft公式の「Windows DVD Player」アプリ(有料)
3. コーデックとは?初心者向けに簡単解説
3つ目は、「コーデック」と呼ばれるソフトウェアです。
DVDに保存されている映像・音声データは、そのままでは再生できない形式で圧縮されています。コーデックは、この圧縮されたデータを再生できる形に変換するための仕組みです。
再生ソフトの中に必要なコーデックが含まれていれば、特別な設定なしでDVDを再生できます。
一方で、古いソフトやWindows標準のプレーヤーだけの場合、DVDに必要なコーデックが不足していて再生できないことがあります。
初心者の方は、コーデックを別途インストールしようとするよりも、必要なコーデックを内蔵しているDVD再生ソフトを選ぶ方が安全で確実です。
Windows 11/10でDVDを見る方法
ここからは、利用者の多いWindows 11/10を例に、DVDの再生方法を説明いたします。
無料ソフト(VLCなど)を使う場合の手順
代表的な無料ソフトとしては、「VLCメディアプレーヤー」が広く利用されています。
1.公式サイトからダウンロードする
検索エンジンで「VLC 公式」と検索し、公式サイト(videolan.org)からインストーラーをダウンロードします。
非公式の配布サイトは、不要なソフトが同梱されている場合があるため避けてください。
2.インストールする
ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックし、画面の案内に従ってインストールします。
基本的には「次へ」を押していけば問題ありませんが、途中で余計なツールのインストールが提案される場合はチェックを外してください。
3.DVDをドライブに入れる
内蔵または外付けDVDドライブにDVDを挿入します。
自動再生のポップアップが表示された場合は、「VLCメディアプレーヤーで再生」を選択します。
4.自動再生が出ない場合
【スタート】→【VLCメディアプレーヤー】を起動します。
メニューから【メディア】→【ディスクを開く】を選び、【DVD】を選択して【再生】をクリックします。
無料ソフトは手軽ですが、コピー保護付きDVDや特殊な形式のディスクでは正しく再生できない場合があります。その場合は有料ソフトの導入も検討してください。
有料ソフト(Windows DVD Player・市販ソフト)の選び方
有料のDVD再生ソフトには、以下のような特徴があります。
Windows DVD Player(Microsoftストア)
Windows 10/11向けに提供される純正アプリです。
市販DVDの再生に対応しており、Windowsとの相性が良い点がメリットです。
市販のDVD/Blu-ray再生ソフト(例:PowerDVD、VideoByte ブルーレイプレイヤーなど)
DVDに加えて、Blu-rayやさまざまな動画形式の再生に対応している製品が多くなっています。
コピー保護付きディスクへの対応、画質・音質の調整機能など、無料ソフトよりも充実した機能を備えている傾向があります。
選び方の目安としては、次の点を確認してください。
Blu-rayも再生したいかどうか
コピー保護されている市販・レンタルDVDを主に見るか
費用をどの程度かけられるか
Windowsのバージョン(11/10)に公式対応しているか
実際の再生手順と基本操作
ソフトが準備できたら、基本的な再生の流れは次のとおりです。
1.DVDドライブをパソコンに接続する(外付けの場合)
2.DVDをドライブに挿入する
3.自動再生のメッセージが表示されたら、使用する再生ソフトを選択する
4.自動再生が出ない場合は、再生ソフトを手動で起動し、【ディスク】または【DVD】を選択する
5.メニュー画面が表示されたら、リモコンの代わりにマウスやキーボードで再生・チャプター選択などを行う
操作に慣れていない場合は、いったんウィンドウを最大化したうえで、画面下部の再生ボタン・一時停止ボタンだけを使うようにすると分かりやすくなります。
MacでDVDを見る方法
続いて、MacでDVDを見る場合のポイントをご説明いたします。
内蔵ドライブ搭載Macの場合
古いiMacやMacBook Proなど、一部のモデルにはDVDドライブが内蔵されていました。そのようなMacでは、以下のような流れで再生します。
1.DVDをドライブに挿入する
2.自動的に「DVDプレーヤー」アプリが起動する場合が多い
3.メニュー画面が表示されたら、トラックやチャプターを選んで再生する
もし自動で再生されない場合は、【アプリケーション】フォルダから「DVDプレーヤー」を手動で起動し、メニューから対象のディスクを選んでください。
外付けDVDドライブを使う場合
最近のMac(特に薄型のMacBookシリーズ)には光学ドライブが搭載されていません。この場合は、USB接続の外付けDVDドライブを利用します。
1.外付けDVDドライブをMacに接続する
2.数秒待つと、自動的に認識されます
3.DVDを挿入すると、デスクトップにディスクのアイコンが表示される
4.必要に応じて「DVDプレーヤー」アプリを起動し、ディスクを選択して再生します
再生できないときに確認するポイント
MacでDVDが再生できない場合、次の点を順に確認してください。
1.ディスクに傷・汚れがないか
2.他のパソコンやプレーヤーで再生できるか(ディスク自体の問題切り分け)
3.外付けドライブの電源・ケーブル接続は安定しているか
4.Mac側でドライブが認識されているか
【このMacについて】→【システムレポート】→【USB】などで確認できます。
5.リージョンコードが一致しているか(海外DVDの場合)
外付けDVDドライブの選び方と接続チェック
外付けドライブが必要なケース
以下のような場合には、外付けDVDドライブが必要です。
ノートPCにDVDドライブが搭載されていない
デスクトップPCの内蔵ドライブが故障している
複数のPCでDVDを視聴したい
選び方のポイント(対応OS・接続端子・電源)
外付けDVDドライブを選ぶ際は、最低限次の点を確認してください。
対応OS:Windows 11/10、Macなど、自分の環境に対応しているか
接続端子:USB-A/USB-Cなど、PC側の端子に合ったケーブルか
電源方式:USBバスパワーのみか、ACアダプターが必要か
Blu-ray対応の有無:将来的にBlu-rayも見たい場合は対応品を選ぶ
接続後に確認すべき設定・認識状況
接続してもDVDが再生できない場合、次の点を確認してください。
1.【エクスプローラー】を開き、「DVDドライブ」が表示されているか
2.表示されない場合は、USBポートを変えて接続し直す
3.デバイスマネージャーの【DVD/CD-ROMドライブ】にエラー表示(! マーク)がないか確認する
4.必要に応じて、ドライブのドライバを最新の状態に更新する
5.他のPCに接続しても認識しない場合は、ドライブ自体の故障が疑われます
パソコンでDVDが見れないときのトラブルシューティング
ここでは、よくあるトラブルを原因別に整理します。
DVD自体の問題(傷・汚れ・ファイナライズなど)
傷・汚れ
盤面に指紋や汚れが付いている場合、柔らかい布で中心から外側に向かって拭いてください。
自作DVDのファイナライズ
レコーダーやビデオカメラで作成したDVDは、他の機器で再生する前に「ファイナライズ」という処理が必要な場合があります。
ファイナライズされていないDVDは、PCから見ると容量が0に見えたり、ディスク名が文字化けしたりすることがあります。カメラのキタムラ
このような場合は、作成元のレコーダーなどに戻し、ファイナライズ処理を行ってから再度再生を試してください。
ドライブが認識されない・表示されない場合
USBケーブルの抜き差し、別ポートへの接続を試す
別のPCで同じドライブが認識されるか確認する
デバイスマネージャーでドライブが正しく認識されているか、エラー表示がないか確認する
OSアップデート後に発生した場合は、ドライバの更新や再インストールを検討する
画像が出ない・音が出ない場合
再生ソフトのボリューム設定がミュートになっていないか
Windows側の音量ミキサーで、再生ソフトの音量が0になっていないか
グラフィックドライバやサウンドドライバにエラーが出ていないか
別の再生ソフト(例:VLC→別のソフト)で再生できるか試し、ソフト側の問題かどうか切り分ける
自作DVD・レコーダーで録画したDVDが再生できない場合
ファイナライズが済んでいるかを確認する
CPRMなどのコピー制御方式が有効なDVDの場合、対応ソフトや対応ドライブが必要になることがあります
対応していない組み合わせでは、正しく再生できないことがあります(グレーな回避方法は推奨いたしません)
DVDをデジタルデータにしてパソコンで見るという選択肢
正規の方法でDVDをデータ化する概要
DVDをパソコンに取り込んで視聴する方法も存在します。たとえば、家庭用ビデオカメラの映像など、コピーガードがかかっていない自作映像であれば、正規のソフトを利用してデータ化し、パソコンで再生することができます。
データ化しておけば、外付けドライブを持ち歩かなくても、ノートPC単体で映像を見られる
バックアップとして保存しておける
法律・コピーガードに関する注意点
ただし、市販のDVDソフトなどにはコピーガードが施されていることが多く、これを解除してコピーする行為は法律に抵触する可能性があります。
コピーガードの解除や、違法アップロード・ダウンロードを目的とした利用は行わないでください
本記事では、合法的な範囲に限ってDVD視聴方法を解説しており、グレーな利用方法は推奨いたしません