作業中に画面が固まってしまい、マウスもキーボードもまったく動かない──。
そんな状況になると、思わず電源ボタンを連打したくなってしまいますが、むやみに操作すると、保存していないデータが消えたり、最悪の場合はパソコン本体を壊してしまうおそれがあります。
本記事では、Windowsパソコンがフリーズしてマウスも動かないときに 今すぐ試せる安全な対処手順 と、 フリーズの原因・再発防止策 を、パソコン初心者の方にも分かりやすく解説します。
上から順に読みながら進めていただければ、「待つべきか」「強制終了してよいか」の判断がしやすくなります。
※本コンテンツは「記事制作ポリシー」に基づき、正確かつ信頼性の高い情報提供を心がけております。万が一、内容に誤りや誤解を招く表現がございましたら、お手数ですが「お問い合わせ」よりご一報ください。速やかに確認・修正いたします。
まずは数分待ち、本当にフリーズしているかを確認する
可能な限り、キーボードショートカットでの復旧を試す
どうしても反応がない場合だけ、電源ボタン長押しによる強制終了を行う
再起動後は、重要データのバックアップと、原因の切り分けを行う
フリーズが頻発する場合や、異音・異臭などの危険サインがある場合は、早めに専門家に相談する
「今は動いたから大丈夫」と放置してしまうと、ある日突然起動しなくなることもあります。
今回のトラブルをきっかけに、日ごろからバックアップと簡単なメンテナンスを心がけていただければ、パソコンの寿命を延ばし、安心して利用し続けることができます。
まず落ち着いて状況を確認する
本当にフリーズしているか簡単に見分ける方法
まずは、本当にパソコン自体が止まっているのか、それとも一部のアプリだけが固まっているのかを確認します。
次のポイントを順番にチェックしてください。
マウスカーソルが動くか確認する
マウスを動かしても矢印(ポインター)が一切動かないか
タッチパッド付きノートPCなら、タッチパッドでも動かないか
キーボード入力が反映されるか確認する
画面上の検索ボックスやメモ帳が開いている場合、文字入力をしてみる
何度押してもまったく文字が入らない場合は、フリーズしている可能性が高いです。
時計やアニメーションが止まっていないかを見る
画面右下の時計の秒表示が動いているか
動画やアニメーションが完全に止まっていないか
パソコン本体の状態を確認する
HDD/SSDのアクセスランプ(点滅する小さなランプ)が、規則的に点滅しているか
ファンの音がいつもより大きくなっていないか
アクセスランプが激しく点滅している場合は、内部で重い処理をしているだけで、一時的に操作が重くなっているだけのこともあります。この場合は、少し待つことで自動的に復旧するケースも多いです。
何分くらい待つべきかの目安
「どれくらい待てばいいのか分からない」という声も多くあります。
目安として、以下のように考えてください。
まずは 2〜3分程度 は何も操作せず待つ
それでも変化がなければ、 最大でも5分前後 を目安にします
5分以上経っても、マウスもキーボードも一切反応せず、時計や画面表示もまったく変化しない場合は、単なる一時的な重さではなく、フリーズ状態と考えて次のステップに進みます。
マウスが動かないときに試すキーボードだけの復旧手順(Windows)
マウスが動かなくても、キーボードだけで復旧できる場合があります。
ここでは、Windowsでよく使われるショートカットキーを使った対処法をご紹介します。
※以下は主に Windows 10 / 11 を想定しています。
基本ショートカットでの復旧
Ctrl + Alt + Delete キーを同時に押す
ログイン画面のような青い画面が表示されれば、まだWindowsは動いています。
「サインアウト」や「タスクマネージャー」を選択できる場合、フリーズしているアプリを終了することで復旧できる可能性があります。
Ctrl + Shift + Esc キーを同時に押す
タスクマネージャー(現在動いているアプリや負荷を確認する画面)を直接開きます。
「応答なし」と表示されているアプリがあれば選択し、「タスクの終了」を押して様子を見ます。
Alt + F4 キーを押す
今表示されているアプリを閉じるショートカットです。
デスクトップが表示されている状態で押すと、シャットダウンメニューが出る場合もあります。
いずれかの操作で画面が切り替わる、メニューが表示されるなどの反応があれば、パソコン本体はまだ動作している可能性が高いです。落ち着いて、指示に従いながらアプリの終了や再起動を試してください。
画面表示の問題が疑われる場合
内部の処理は動いているものの、画面表示だけが固まっているケースもあります。
その場合に有効なことがあるのが、次のショートカットです。
Windows + Ctrl + Shift + B を同時に押す
画面が一瞬暗くなり、「ピッ」という音が鳴ることがあります。
グラフィックドライバー(画面表示を担当するソフトウェア)を再読み込みし、表示が復旧する場合があります。
この操作でもまったく変化がない場合は、さらに深刻なフリーズ状態になっている可能性があります。
それでも反応しない場合にできること/できないこと
できること
上記ショートカットを「1度ずつ」試してみる
画面や本体の状態(ランプ、ファンの音、異音など)を確認しておく
やってはいけないこと
同じショートカットを何度も連打する
電源ボタンを短く何度も押す
叩く・揺さぶるなど、物理的な衝撃を与える
これらは状況を悪化させる可能性があります。
ここまで試しても一切反応がない場合は、次の「強制終了」のステップを検討します。
どうしても動かないときの安全な強制終了のやり方
強制終了のリスクと、実行してよい目安
強制終了とは、Windowsの「シャットダウン」操作を使わず、電源ボタンの長押しなどで強制的に電源を切ることです。
リスク
保存していないデータが失われる
開いていたファイルが壊れ、次回開けなくなる可能性がある
ストレージ(HDD/SSD)に負荷がかかり、状態が悪化するおそれがある
そのため、以下の条件を満たす場合に限り、やむを得ない手段として実行することをおすすめします。
5分以上待っても、画面表示や時計が一切動かない
キーボードショートカットに一切反応しない
マウスやキーボードの接続(ケーブル・電池)に問題がない
デスクトップPC・ノートPC別の手順
共通の基本手順
パソコン本体の電源ボタンを 5秒以上長押し します。
画面が消え、ファンの音やランプが完全に止まるまで待ちます。
数十秒ほど待ってから、再度電源ボタンを押して起動します。
デスクトップPCの場合
可能であれば、再起動後に一度シャットダウンし、電源ケーブルを抜いて数分休ませてから使うと安心です。
停電時のような急な電源断が頻発するとHDDに負荷がかかるため、強制終了は「最終手段」として考えてください。
ノートPCの場合
取り外し可能なバッテリー搭載機種では、電源ボタン長押し後、必要に応じてバッテリーを外して数分置くとよい場合があります。
ただし、無理に分解するのは危険です。バッテリーが内部に埋め込まれているタイプは、メーカーの指示に従ってください。
電源が切れない・異音がする場合の注意
次のような症状がある場合は、すぐに使用を中止してください。
電源ボタンを長押ししても電源が切れない
「カチカチ」「ガリガリ」といった異音が本体からする
焦げ臭い匂い、異常な高温を感じる
この場合、自力での対処は危険です。
電源ケーブルを抜き、ノートPCであればACアダプターも外したうえで、メーカーサポートや専門の修理業者に相談することをおすすめします。
再起動後に必ず確認したいポイント
強制終了や再起動でひとまず動くようになったとしても、そこで終わりにしてしまうと、同じトラブルを繰り返す可能性があります。
ここでは、再起動後に最低限確認しておきたい点をまとめます。
まずやるべきこと
重要なデータのバックアップ
外付けHDDやUSBメモリ、クラウドストレージなどに、重要なファイルをコピーしておきます。
フリーズが頻発している場合、早めのバックアップがとても重要です。
同じ作業をすぐに再現しない
直前に行っていた重い処理(動画編集、大量のファイルコピーなど)を、いきなり再開しないようにします。
まずはブラウザや簡単なアプリを開いて、パソコンの様子を確認しましょう。
頻発するかどうかのチェック
どのアプリを使っているときにフリーズしたか
1日に何回くらいフリーズするか
起動直後なのか、長時間使用後なのか
これらをメモしておくと、原因の切り分けや、サポートに相談する際の説明がスムーズになります。
簡単にできるヘルスチェック
ストレージの空き容量を確認する
Cドライブの空き容量が極端に少ない(目安として10%未満)場合、フリーズの原因になることがあります。
不要なファイルやアプリを削除して、十分な空き容量を確保しましょう。
Windows Update の状態を確認する
長期間更新していない場合、OSやドライバーの不具合がフリーズの原因になることがあります。イノインク+1
ウイルススキャンを実行する
利用中のセキュリティソフトでフルスキャンを行い、問題がないか確認します。
パソコンがフリーズしてマウスも動かない主な原因と対策
ここまでの手順で一時的に復旧しても、原因を放置すると再発することがあります。
代表的な原因と、それぞれに対する対策を整理します。
一時的なシステム過負荷
【よくあるケース】
重いソフトを同時にたくさん起動している
ブラウザのタブを大量に開きっぱなしにしている
裏でウイルススキャンやアップデートが走っていた
【対策】
同時に起動するアプリの数を減らす
不要な常駐ソフトやスタートアップアプリを見直す
大量処理を行うときは、他のアプリを閉じてから実行する
ドライバーやWindowsの不具合
【よくあるケース】
グラフィックドライバーが古いまま
Windows Update が途中で止まっている
互換性の低い古いソフトを使っている
【対策】
Windows Update を最新の状態にする
メーカー公式サイトから最新のドライバーをインストールする
古いソフトは最新版へアップデート、または代替ソフトを検討する
メモリ不足・ストレージ容量不足
【よくあるケース】
メモリ容量が少ないPCで、多数のアプリを同時起動している
Cドライブがほとんどいっぱいになっている
【対策】
タスクマネージャーでメモリ使用量を確認し、不要なアプリを終了する
不要なアプリや大きなファイルを削除して、Cドライブの空きを増やす
長期的には、メモリ増設やストレージ交換を検討する
ストレージの劣化・ハードウェアの不具合
【よくあるケース】
HDDからカチカチ・ガリガリという異音がする
パソコンの動作が全体的に遅く、フリーズも増えている
長年使っているPCで、急にトラブルが増えた
【対策】
無料の診断ツール(一般的なディスクチェックツールなど)で状態を確認する
異音やエラーが出る場合は、強制終了を繰り返さず、データのバックアップを最優先する
自力で判断が難しければ、早めに修理業者やメーカーサポートに相談する
ウイルス・マルウェア感染
【よくあるケース】
心当たりのないソフトがインストールされている
広告ポップアップが異常に多い
特定のサイトを開くと固まる
【対策】
セキュリティソフトでフルスキャンを実行する
不審なソフトをアンインストールする
OSやブラウザ、主要ソフトを最新の状態に保つ
自力対応の限界と、修理・買い替えの判断基準
ここまでの対策を試しても改善しない場合や、明らかにハードウェアの異常が疑われる場合は、自力での対応にこだわらないことも重要です。
今すぐ相談した方がよい危険サイン
フリーズに加えて、異音・異臭・異常な高温がある
ブルースクリーン(青いエラー画面)が頻繁に出る
電源が勝手に落ちる/入らないことが増えた
データの読み書きで頻繁にエラーが出る
こうした症状がある場合は、内部部品の故障が進行している可能性があります。
強制終了を何度も繰り返すと状況が悪化する場合もあるため、早めに専門家に相談してください。
修理を検討すべきケース
保証期間内で、メーカーサポートを利用できる
比較的新しいPC(目安として購入から3〜4年以内)で、スペック的にはまだ十分使える
特定の部品交換(ストレージやメモリなど)で改善が見込める
この場合、メーカーや販売店、信頼できる修理業者に相談し、見積もりを取るのがおすすめです。
買い替えを検討すべきケース
購入から5〜7年以上経過している
HDD搭載で、全体的に動作が遅く、フリーズも多い
OSやソフトのサポート期限が近づいている
古いPCを無理に使い続けると、セキュリティ面の不安も大きくなります。
データをバックアップしたうえで、新しいPCへの移行も検討しましょう。
データ復旧サービス利用時の注意点
どうしても取り戻したい重要データがある場合、データ復旧専門業者への依頼も選択肢です。イノインク+1
ただし、費用は高額になることが多く、成功が保証されるわけではありません。
依頼前に料金体系や成功時・失敗時の費用、データの取り扱いポリシーを必ず確認しましょう。